935 名前:ギギをめぐる冒険 1/7 :2009/06/16(火) 20:00:51 ID:???
カロン「調子はどうかしらギギ・アンダルシアさん?」
ギギ「……普通です」
カロン「そう、よかったわ。あなたの力は人類の宝よ。ぜひ力を貸してもらいたいの」
ギギがメガネの中年女の都合のいい説明を聞いていた時、後ろのドアから車いすが入ってきた。
ギギ「伯爵……」
伯爵「…………ギギ」
車いすに乗った老人はか細い声でギギの名を出した。
伯爵「……なぜ、わしの元を……いや、もう、いい……」
ギギ「……」
カロン「伯爵。感動の対面のところですが、申し訳ございません。ギギさんの健診の時間です」
伯爵「……そうか。では頼む」
伯爵は車いすを押している男に指示をだした。
……男は先ほどこの部屋に訪れていた双子の方割れだった。
オルバ「では、伯爵。ギギさまの健診がすむまでVIPルームでお待ちしましょう」
カロン「粗相のないようにお願いしますよ」
オルバ「はい。では」
オルバはギギと一度だけ目を合わすと、伯爵と共に部屋から出て行った。
ギギ「…………」
廊下を進む、オルバと伯爵。二人の間に会話は無かったが、オルバの方は情報を取り合っていた。
オルバ(二人の再会は思ったよりあっさりしたものだったよ。兄さん)
シャギア(ご老体にメロドラマはきついということだ。こちらはなかなか面白いものを見つけたぞ)
オルバ(なんだい兄さん?)
シャギア(大量のMSだ。飛行場を襲った白いやつ『コルレル』、警備隊を切り捨てた『プリトヴァ』
Ξガンダムのように装飾された『ペーネロペー』、それと無駄にデカイ『ガブル』もあるようだ)
オルバ(まってよ、大量のってことはそれら以外にも?)
シャギア(ああ、同じ形状のMSがひい、ふう、みい……13体)
オルバ(同じ形状?よくある量産型とは違うんだね?)
シャギア(ああ。恐らくこいつらはフラッシュシステム対応MSだ)
オルバ(フラッシュシステム……そうか、ギギ・アンダルシアが連れて来られたのはそれが狙いなんだね)
シャギア(こいつらが動くとなると、マフティーだけではもたんかもしれんな)
オルバがVIPルームにたどり着いたので、そこで会話は途切れた。
936 名前:ギギをめぐる冒険 2/7 :2009/06/16(火) 20:02:38 ID:???
ギギが捕えられているNT研究所には、独自の警備部隊が存在していた。
他の研究所では行えれないようなことをしているため、問題が起きても自らで解決しなければならないためだ。
もっとも様々な実験の成果を試す場で有ると考えているスタッフもいるようだが。
そんな色ものたちが集められた警備隊は通称『キルケー部隊』と呼ばれていた。
レーン「俺、なんでこんな事やってんだろう……」
キルケー部隊の若き隊長レーン・エイムは悩んでいた。
レーン(俺の未来はもっと輝いてたはずなのに……どこで間違った……?
こんな分けわからない研究所に回されて、分けわからない部隊の隊長させられて……)
ドゥエート「隊長さ~ん。どうされたんです?そんな暗い顔されて、一緒にこの子猫と戯れましょうよ」
デマー「白……白……もっと白くしないといけないんだ……!」
ミルラ「クッフフフフフフフフフ……アハハハハハハハハハ!」
レーン「…………」
ドゥエート「あははは可愛いなこの子~飼ってやりたいけど、僕には無理だからなあ」
デマー「おい……なんだその黒猫は……不吉だろおおがあああ白くしろよおおおお」
ドゥエート「あああ!何を……!何を、何をしやがるんだてめええええええええ!?」
ミルラ「ウフフフフフフフフフフフフウフ!」
レーン(つーか、俺。こいつらと同類と思われてんじゃないよな?)
その時。
ビービービービー……!警報が鳴り響いた。
レーン「おい!何事だ?……所属不明MSの襲撃だと!?」
937 名前:ギギをめぐる冒険 3/7 :2009/06/16(火) 20:04:06 ID:???
ハサウェイ「じゃあ、手筈通り頼むよ」
クェス「なんで、あたしがあの娘を探さないといけないのよ」
ギュネイ「クェスは俺が護るから安心しろ」
ハサウェイ「ギギは強力なNTなんだ。クェスならきっと居場所を感じ取れるよ」
クェス「……でもそれはあんたの役じゃない?」
ハサウェイ「いや、僕は雑魚掃除をしとくよ」
ギュネイ「ハサ。クェスとギギは俺に任せろ」
Ξガンダムと2機のヤクト・ドーガがリーク情報のあったNT研究所の上空に訪れていた。
第一目的はギギの保護である。そして第二目的はマフティーを名乗った者たちへの鉄槌。
ハサウェイ「行くぞ……!……ん?」
研究所を隠すように生い茂っている森林地帯の一部に閃光が上がったのだ。
ギュネイ「すでに戦闘が始まっているのか?」
少し時間を巻き戻す。海賊たちは森の中に潜んでいた。
シーブック「まず第一目標は、ギギさんの確保だ」
トビア「海賊らしく、ですね!」
ザビーネ「いや、まずはポーズを決めるぞ」
シーブック「ケネスさん。あなたがキーです」
ケネス「ああ、ギギなら私を感じてくれるはずだ」
ザビーネ「4人ポーズを考えておくべきだったか……」
ケネスはシーブックの操るX1に同乗していた。
ギギの位置を知るには向こうから呼びかけてくれるのを信じるしかない。
その為に、完全な隠密よりは、こちらの存在をギギに知らせることも必要となってくる。
トビア「僕とザビーネさんがちょっとばかり暴れますから、お願いしますよ!シーブックさん!」
ザビーネ「ポーズ……!来たぞ!」
ザビーネの声に2人の若き海賊たちは即座に反応した。
938 名前:ギギをめぐる冒険 4/7 :2009/06/16(火) 20:06:30 ID:???
シーブック「Ξガンダム……っぽい」
トビア「それと白!!」
ケネス「飛行場を襲ってきた奴らだ」
レーン「こいつら……キンケドゥ?何か盗みに?……よし、数ではこちらが勝って、っておい!」
デマー「白だ!!白いのがいる!!」
白いMSコルレルが単騎で跳ねてくる。
シーブック「正面からなら……何!?」
X1が牽制の為に撃ったバルカンに反応したコルレルは横に跳び━━━━。
そのまま、木を蹴って三角飛びの要領でX1へ突っ込んでくる!
デマー「もっと白くなれよ!海賊ううう!」
シーブック「くっ!」
ザギイイイン!
コルレルのヒートナイフがX1の右腕をかすった!
シーブック「速い!!」
ケネス「大丈夫か!?次来るぞ!」
ケネスの指摘通り、コルレルの攻撃は終わってはいなかった。
MSでは考えられないような、ピョンピョンという擬音が聞こえてきそうな動きで再び迫り来る。
バジィィ!
デマー「ぬ!?黒い!?」
ザビーネ「キンケドゥ!お前が懐に潜り込まれるとはな!」
シーブック「悪い!ザビーネ!」
コルレルの追撃を止めたのは、ザビーネのX2のビームサーベルだった。
デマー「なんだお前!黒!?もっと白くなれよ!」
ザビーネ「フン、なんだこいつは?」
デマー「がんばれがんばれできるできる絶対できるがんばれもっと白くなれるって!!」
ザビーネ「やかましいぞ!貴様!私は黒パン派だ!」
デマー「お米食べろおおおおお!!!」
ザビーネ「!!!」
939 名前:ギギをめぐる冒険 5/7 :2009/06/16(火) 20:08:32 ID:???
シーブック「こいつらは協力してやるぞ!」
ザビーネ「いや、行けキンケドゥ……こいつは私がやらねばならん」
シーブック「どうしたんだ?」
ザビーネ「こいつは……ライス派だ!」
シーブック「だからどうしたあ!?」
デマー「北京だって白いんだから!」
ザビーネ「ダメじゃないかあ!パンを食べなきゃあ!」
シーブックの叫びを無視するように、黒と純白のMSはつばぜり合いをしたまま森の奥へ消えた。
レーン「おい!白バカ!くそ!」
トビア「マフティーもどきは僕が!キンケドゥさんは施設へ突入を!」
シーブック「無茶はするなよ!」
ケネス「頼んだ!」
X1が一気に加速をし、ペーネロぺーの横を抜ける。
レーン「ち!逃がすか!」
トビア「お前の相手は……」
トビアがペーネロぺーに攻撃を仕掛けようとした、その時!
√キュピーン!!
トビアのNTとしての勘が、危険を知らせた。
トビア「くっ!?」
咄嗟に上空に逃げたX3のカメラが映し出したのは
先ほどまでいた場所の木々がバッサリと断ち切られている様子だった。
ドゥエート「逃げんなあああ!自然破壊になるだろおおがああ!森の動物さんたちに謝れやあああ!!」
トビア「また変なのが出てきた!」
ペーネロペーがシーブックを追いかけるのが見える。
今度こそ牽制しようとビームライフルを向けるが━━━━ビームライフルはいきなり真っ二つになった。
トビア「!?」
ドゥエート「お前の相手は俺だろおおおおがああああ!?森の動物さんのために
ミンチになれえ!」
トビア(なんだこの攻撃は!?)
941 名前:ギギをめぐる冒険 6/7 :2009/06/16(火) 20:40:13 ID:???
ケネス「二人は大丈夫か?特にトビアくんの事は俺はよく知らんが……」
シーブック「間違いなくキンケドゥメンバーですよあいつも!」
ケネス「心配は無用と言うことか」
シーブック「ええ、心配は俺たちがすべきかもしれませんよ」
後ろから追跡してくるペーネロぺーに目をやる。……すると、背後にいるMSの数が増えていた。
シーブック「何!?」
形状からして、トビアのX3では無い。敵の増援か……
シーブック(いや、あの機体見覚えがあるぞ!?たしか、ヤクト……)
ケネス「キンケドゥ!前方にもう一機ペーネロペー!」
シーブック「くっ!」
その声に体制を立て直すX1。だが、そこに居たのはペーネロペーではなかった。
シーブック「コイツ、違うぞ!コイツは……!だけど本物がいるってのは……!?」
しかし、動揺するのはX1の前方に立ちふさぐ『本物の』Ξガンダムのパイロットも同じだった。
ハサウェイ「X1、キンケドゥ!?」
……………………
デマー「お米食べろおおおお!」
ザビーネ「パン食べろおおお!」
……………………
ドゥエート「迷子の迷子の黒猫ちゃあああん!俺に力をくれええええ!!」
トビア「ギギさんを助けたいんだ!……ベルナデット!ぼくに力をくれ!」
……………………
シーブック「なんとぉ……!!」
ハサウェイ「冗談じゃない……」
ケネス「……どういうことだ?」
……………………
レーン「おい!なんか俺を放っていく展開じゃないか!」
ギュネイ「なんだこのかませ犬みたいなのは!クェス!」
(続)
942 名前:ギギをめぐる冒険 7/7 :2009/06/16(火) 20:41:34 ID:???
すいませんまたやってしまいましたorz
どなたかお願いします
話は上中下でいう下なのでもうすこしだけよろしくお願いします
最終更新:2013年12月26日 21:58