886 名前:ギギをめぐる冒険 1/7 :2009/06/14(日) 23:34:06 ID:???
つっこみが入った所で
767-772続きいきます
ハサウェイはギュネイに呼ばれて、彼らがマフティーとして作戦を練る際の秘密の場所へと来ていた。
ハサウェイ「クワック・ サルヴァーからの連絡が来たと言うのは本当?」
ギュネイ「ああ」
クワック・ サルヴァーつまり『インチキ医者』は
ハサウェイ達のマフティーとしての活動を支援してくれる者のコードネームである。
全てのやり取りは通信のみで行われるので、その正体はハサウェイですら知らない。
クェス「……偽者たちのこと?」
あまり広くない部屋の隅で、クェスは呟いた。あまりテンションは高くないようだ。
ハサウェイ(まぁ僕も、さっきまでへこんでたしな)
これまでに、キンケドゥの偽物が現れたという話を耳にしたことがあった。
しかし、自分たちの偽物が現れるとは考えてもみなかったのだ。
ましてや、ハイジャックに飛行場テロのような汚名を着せられるとは。
ギュネイ「ああ、奴らの正体。……それとギギ・アンダルシアの居場所が判明したそうだ」
ハサウェイ「ずいぶん速いね?」
ギュネイ「それなんだがな……情報をリークして来た奴らがいるらしい」
ハサウェイ「リーク?信用できるの?」
クェス「私たちをはめる為の罠かも」
ギュネイ「『インチキ医者』も情報提供者について教えてはくれなかった。ただ……」
ハサウェイ「ただ?」
ギュネイ「『この時点で裏切っても彼らに、得はない』だそうだ。ほらよ」
そう言って、ギュネイはメモを渡した。それに目を通す。
887 名前:ギギをめぐる冒険 2/7 :2009/06/14(日) 23:35:33 ID:???
クェス「ハサウェイ行くの?」
ハサウェイ「うん。マフティ―を勝手に語って滅茶苦茶する連中を放ってはおけない」
クェス「本当に偽物討伐のため?あの娘のためなんじゃないの?」
ハサウェイ「……討伐のついでに、誘拐された女の子を救うだけだよ」
クェス「……ふーん」
クェスの視線をハサウェイは受け流した。
ギュネイ「久しぶりに、骨の有りそうな奴らが相手になるな」
クェス「あんたも行く気満々?」
ギュネイ「ああ、クェスが行くからな。俺も行く」
クェス「……あーもう、分かったわよ。行くわよ」
ハサウェイは手に持っていたメモに火を付けた。
『ポイントX-30。NT研究所』
たった一文だけ書かれていたメモは灰となった。
ハサウェイ(骨の有りそうな奴らか……飛行場を襲撃した奴らとやり合うことになる……だけですめばいいけど)
888 名前:ギギをめぐる冒険 3/7 :2009/06/14(日) 23:37:10 ID:???
~キンケドゥ秘密基地~
こっちはこっちでキンケドゥメンバーとケネスによる話し合いが行われていた。
セシリー「つまり、NT研究所がマフティーと手を組んだと?ギギさんを手に入れるためだけに」
ケネス「……今回この件にからんでるのは、マフティ―じゃなく、伯爵だと思っている」
トビア「伯爵?」
ケネス「ガーディアス・バウンデンウッデン伯爵」
ザビーネ「世界最大の保険会社の創業者……だったかな」
ウモン「80歳超えてるじゃろそのジジィ。ガイアの夜明けで見たわい」
キッド「ジジィがジジィって言ってんじゃねえよ」
ウモン「やかましいわ、ガキンチョ」
セシリー「確か、数年前から急激に業績が伸びた会社ですよね」
シーブック「その成長に、ギギさんが関係してたと?」
ケネス「ああ。ギギはNTであることは確かなんだが、少し変わっていてな。
未来予知……なんて言っても信じてもらえないだろうが」
シーブック「いや、割と身近にいます」
事あるごとに甘ったるい雰囲気をだす、弟とその彼女の事を思い出すシーブック。
ケネス「マジでか。さすが日昇町。……まぁとにかく、ある時から彼女の直感がこの会社の指針となっていたようだ
その脅威の的中率でもって、会社は
急成長を遂げたわけな。だが……」
ザビーネ「伯爵は会社が大きくなるにつれて、不安も増していった」
シーブック「ギギが自分の元を離れることに……?」
ケネス「そうだ」
889 名前:ギギをめぐる冒険 4/7 :2009/06/14(日) 23:38:34 ID:???
トビア「それで、ケネスさんがギギさんを連れ出したんですね?」
ケネス「俺は放浪の旅に出ながら、NTを扱う組織を色々見て回った。その時ギギの噂を聞いて会いに行ってみた」
セシリー「それで、そのまま連れて来ちゃったんですか?」
セシリーが少し呆れたように尋ねた。
ケネス「ま、ありゃ偶然だったけどな。それで二人で旅を続けてて、この町に来ようって事になった」
セシリー「そして、マフティ―を語る者たちの襲撃」
シーブック「それはギギさんだけが狙いだった」
キッド「その伯爵って奴の動機はなんとなく分かるけどさあ。NT研究所の目的は何よ?」
ケネス「そりゃ研究所だし、実験とかだろ」
トビア「実験!?」
ケネス「人工NT、
強化人間、コーディネーター、超兵……一部の研究者たちはその次を求めているんだ
……その為には天然のNTってのは、喉から手が出るほどの研究素材だからな」
キッド「でも今はそんな人権無視な事できねんじゃねえの?」
ウモン「だから、責任は全部マフティーになすりつけたってか。あいつらもババ掴まされたのお」
トビア「……ギギさんが危ない!早く行かなくちゃ!!おれはきれてるぜえ!」
シーブック「ああ、そうだな。警察にまかせて、ちんたら救い出しても遅い。俺たちでやるぞ」
ウモン「おお、二人とも燃え取る!」
ザビーネ「大方、ギギ・アンダルシアに別の女性を重ねているのだろう」
セシリー「コホン……今回の仕事はギギさんの奪還です。無駄な戦闘は極力避けましょう」
キッド「NT研究所かー。あいつらたまに分けわかんないMS持ってるからなあ」
ザビーネ「だが、
ガンダムの数は減るだろう。もしマフティーとだったらΞガンダムが出てくるところだったがな」
ケネス(そうだ、マフティーは偽物だったんだ……ギギの言った事に間違いはないはずだが……)
890 名前:ギギをめぐる冒険 5/7 :2009/06/14(日) 23:39:56 ID:???
~NT研究所~
職員A「ギギさま、お具合の悪い所はございませんか?」
ギギ「……ええ、おかげ様で。それで?私をどうするのかしら?解剖でもするの?」
職員B「いえ、あなたに会いたがっている方が2名おられます。一人はこのNT研究所所長カロン・ラット」
職員A「もう一人は、ガーディアス・バウンデンウッデン伯爵です」
ギギ「…………そう伯爵が」
職員B「あまり驚かれませんね?」
ギギ「なんとなく、想像はしてましたから。それに」
職員A「?」
ギギ「あまり怖くはないわ。すぐに助けが来るって思えるからかしら」
職員B「それはNTとしての勘ですか?」
ギギ「さぁ、そんな大層なものではないと思いますけど。あなたたちもあまりここに長居しない方が身のためよ」
それを聞いた二人の職員は顔を見合わせ、苦笑いをした。
職員A「そう言われましても、我々はこの研究所の職員ですから……」
ギギ「そうなの?あなたたち、ここで会った他の人たちとは違う気がするのに。
飛行場を襲った人でも、ここの研究員でも無いでしょあなたたち?雰囲気が違うのよね」
職員B「雰囲気、ですか」
ギギ「ええ、なんでかな……この場所には合わない感じ」
そのとき、職員Bの持っていた無線に連絡が入った。
職員B「……伯爵が御到着したそうです」
職員A「……ではギギさま、何もない部屋ですが、ごゆっくりしていて下さい。我々は別の用がありますので……」
ギギ「窓もないのね」
二人の職員が部屋のドアを開け、出ようとしたときだった。
895 名前:ギギをめぐる冒険 6/7 :2009/06/15(月) 00:00:36 ID:???
ギギ「ああ、分かった。あなたたち双子ね。だから他の人たちとは空気が違うのよ」
職員B「!」
職員A「…………初対面で分かられたのはあなたが初めてですよ。ギギ・アンダルシア様」
ギギ「そう」
それだけ言うと、二人の男は部屋から出て行った。
一人残されたギギは、どうもできないので、そっと瞼を閉じた。
ギギ(でも……早く来てね……ケネス……ハサウェイ……)
職員B(……やっぱり並のNTたちとはちょっと違うみたいだね)
職員A(伯爵の秘蔵っ子……伊達ではないようだな)
その会話は二人の間だけの特殊な『力』で行われていた。
職員B(味方した者に勝利をもたらす『幸運の女神』、か。ここがしばらくしたら荒れるってことも分かってたみたいだけど)
職員A(フッ、荒らすのは我々だがな。彼女の敵にも味方にもならぬ所で、見物させてもらうとしよう)
職員B(僕らの美学のためにだね、兄さん)
職員A(ああ、最後に笑うのは、女神でも預言者でもない、カテゴリーFと呼ばれた我々だ。オルバよ)
…………
オルバ(それにしても、双子だって言われたのは本当に初めてだね)
シャギア(こんなに似ているのにな?オルバよ)
オルバ(そ、そうだね兄さん)
シャギア(…………)
(続)
最終更新:2013年12月26日 21:48