V学園祭ベースのお話です。例によってパラレルでお願いします)

園芸部リガ・ミリティアの郊外活動、
ヴィシニティの街、周辺の植物観察と研究をする為、
(アメリア大陸の土地独特の風土、植物は観光の名所としても有名)
園芸部リガ・ミリティア一行は休日を利用して、学園のマイクロバスで数時間かけ
ファラ先生の引率の元、遥々ヴィシニティまで来ていた。

園芸部一行はバスを降りて街を散策……、暫くして

ウッソ「先生、シャクティが居ません!」
オデロ「スージィもカルルも居ないぜぇ!!」
エリシャ「フランダースも!」
トマーシュ「あの三人と一匹は……、よりにもよってこんな、見ず知らずの土地で」

ファラ先生「ふぅ…(頭を抱え)仕方ない。貴様等、手分けをして探せ!!
私はバスに戻る。バスの駐車場を覚えていたら、戻ってくるかもしれないからな」

トマーシュ「分りました。みんな!手分けして探そう。カレルは僕と一緒に、
エリシャとマルチナは公園の方、オデロとウォレンとウッソ達はボストニア城の方を頼む」

ウッソ(シャクティ……、無事だよね?)

シャクティとスージィ、カルルマンにフランダースの三人と一匹は
園芸部一行から逸れ、見知らぬ街、ヴィシニティを彷徨い歩いていた。

スージィ「うわぁぁぁああん 。゚(´Д⊂ヽ゚。 」
シャクティ「泣くんじゃないの……(カルルマンをあやして)カルル?」
フランダース「ウゥゥゥゥ……」近寄って来る者達を警戒している。

ムロン「おや?犬に子供、赤ん坊まで居ますよ。姐さぁん」
キャンサー「泣き声が気になってみれば……お嬢ちゃん、何で泣いてるんだい?」
スージィ「うぇっぐ、みんなで来たけど、うぇっぐ、逸れちゃったの 。゚(´Д⊂ヽ゚。 」
シャクティ「あの、学校の部活動でこの街に来たのですけど、私達、途中で逸れてしまって、
始めて来た街なので…何処が何処だか…どうしていいか困っていたんです」

ムロン「姐さぁん、この子達、ほっとけませんよぉ」
キャンサー「アタシ等も、この街の者じゃないからねぇ……、近くに交番も無さそうだし、
かと言って……、今日はステージが入ってるから……。一緒に保護者を探してあげる訳にも(困り顔)」
ムロン「お嬢ちゃん達、何処から来たのぉ?」
シャクティ「カサレリアの方からです……」
キャンサー「案外、遠くから来てるんだね…………そうだ!今日のステージの帰り道、
丁度、カサレリアも通るから、帰りに送ってあげるよ。どうだい?」

シャクティ「(この人達、悪い人には見えない。私達だけで帰るのは無理、よね)お願いしていいんですか?」
キャンサー「ああ、いいとも!但し、私等のステージが終わるまで付き合って貰うけどね」
シャクティ「はい、お願いします」ペコリ、
ムロン「ホラ、泣いてないで、団子でも食べる?」スージィに月見団子を渡し
スージィ、泣き止んで「うん、ありがとう……モグモグ………、オイシイ」
ムロン「そうと決まったら、楽屋に行きましょうねぇ!姐さぁん」

ヴィシニティの中心から少し外れた場所に在る、骨董屋シド’sショップ、
リィナ「いらっしゃいませ~!あ、お兄ちゃん!!それに皆さんも」

ジュドー「よう!リィナ。元気してた?」
ビーチャ「どもぉ~」
エル「リィナ、久し振り」
イーノ「こ、こんにちわ…リィナ」
リィナ「あ、シドさんですよね。今、呼んできますから」店の奥に入る

ジュドー達ジャンク屋仲間はこの店の常連である。
アメリア大陸では長年、黒歴史として封印されていたテクノロジーの数々が
国交正常化に伴い市場に流通するようになり、
骨董屋を営むシド爺さんの裏の顔として、黒歴史のモノを流通させる商いも役もしている。

ジャンク屋達は他の地域では売り物に為らないような基本パーツの処分等に
この界隈の店を良く使うのだった。

リィナ、店の奥から戻ってきて「今、来るそうです。待ってて下さいね」
ジュドー、カウンターにもたれ掛って「元気そうだな、リィナ」
リィナ「お兄ちゃんもね……(表情急変)処で、ちゃんと学校行ってるの?ロランさんから聞いてるんだから!」
ジュドー「い、いやぁ……、それがさぁ……、ナァ?ビーチャ」
ビーチャ「え?ええ?俺かよ?……、や、それが、色々と忙しくてね」
リィナ「(ビーチャを睨み)お兄ちゃんを変な事に巻き込まないで下さいね!」
ビーチャ「や、変な事って………、仕事なんだけどなぁ……」
リィナ「お兄ちゃんも、みなさんも、未だ学生なんだから仕事よりも……」

カウンターから少し離れて、
ルー「(小声で)ねぇ、ちょっと!何であの娘、ジュドーをお兄ちゃんって呼ぶのよ?」
モンド「(小声で)え?そっか、ルーはこの店始めてだよな。俺もよく分んないけどさ、
孤児院に居たリィナ(スレpart4の442より)をこの店の爺さんに身元引き受け人をやらせた……、
とかの関係で、何でそうなったのか?成行きは知らないけどね。」

ルー「それでお兄ちゃん?って……納得いかないわ」
モンド「俺もその辺は知らないよ。ジュドーは男兄弟の筈だし。ま、世話になったからじゃねーの」
ルー「う~~ん(ジュドーとリィナの仲の良さに少し嫉妬心が芽生える)」

店の奥からシドの声「待たせたな。スマンが品物をこっちに持って来てくれないか?」
ジュドー「お、行かないと、じゃな。リィナ!」

ヴィシニティの街中、シャクティを探すウッソ、オデロ、ウォレン達、
通りから見慣れた人が歩いてくる。
ウッソ「(目敏く見つけたウッソ)あ、フレイさんだ!……こんにちわ!!フレイさん」
フレイ「あら?ウッソ君。こんな所で会うなんて、奇遇ね」
ウッソ「(隣に居るサイを見て、一気にテンションが下がり)あ……、二人で、お出かけですか?」
フレイ「ああ、サイは近所に住んでるから付き合って貰っただけよ。私、独りだと荷物が大変だから(微笑)」
サイ「お、おい!俺は荷物持ちかよ!」
フレイ「まぁ、そんなところかしら?」
サイ「酷いなぁ……僕達は、その…親同士が決めたとは言え、一応、婚約(小声で独り事に近い)……ごにょごにょ」

ウォレン「(小声で)ウッソ、この人誰なのさ?」
ウッソ「(小声で)兄さんのクラスメイトだよ。(フレイの方を向き直して)あの、フレイさん、
色の黒くて、小さな女の子と……、赤ん坊と犬も一緒だと思うんですけど。見ませんでした?」
フレイ「(暫し考え)ああ、ウッソ君の彼女ね。探してるの?」
ウッソ「か、彼女なんてぇ!!違いますよ!(激しく否定)妹みたいなもんです。
シャクティ達、僕等と逸れちゃって、今、探してるんです」
フレイ「見なかったわ、御免なさい。役に立てなくて」
ウッソ「いいえ、それじゃ、僕達、探しに行かないといけないんで」その場を立ち去る
フレイ「見つかるといいわね」
ウッソ、振り返り「はい!」

オデロ「おい、ウッソ。今の人、なんかヤバイぜ!年上として忠告しとく。アンマリ関らない方がいい」
ウッソ「そうですか?(キラ兄さん達と同じ事言うんだな)そんなに悪い人には思えませんけど……」
ウォレン「ウッソは年上好きだもんねぇ~」
ウッソ「そ、そんな事ないよ!」

ヴィシニティの中央公園に在るステージ、
ステージ裏の控え室とリハーサル室を兼ねた大きめの部屋にて、
ドアには『レット隊様、リハーサル室』と紙が張られている。

モットケー「我ら~~~た~~~まと」
フレックル「宿れ~~~~~~」
キャンサー「宿れ~~~~~~~~~~」
ムロン「宿れ~~~~~~~~~~~~~~」

レット隊の練習風景をリハーサル室の隅の方で見学しているシャクティ達、
スージィ「唄のツアーの最中なんだって、芸能人かな?面白そうだね。シャクティ」
シャクティ「レット隊ってそれ程、名前は聞かないけれど……(ミルクを飲ませて)カルルも喜んでるみたいね」
スージィ「私、踊り憶えちゃった!ほ~~ら、カルル(両腕を上げ、クネクネと妙なリズムで身体をクネらせ)
魂よ~~~~来たれ~~来たれ~~」
カルルマン「あはぁ、あはぁ」スージィの妙な踊りに喜んでる。

それを見て、
ゼノア「あの娘。中々筋がいいね。アンタ等の子供達かね?」
キャンサー「プロモーターさんかい、あの娘達は迷子さ。途中で拾ってきたんだよ。
けど……、面白いかもね?芸は未だ未だ甘いけど、所詮子供だし、余興で上げてみるのもさ」
ゼノア「今日のイベントは客に子供達が多い。
同年代の子が舞台に上がると親近感も増すかもな、話してみてくれんか?」

スージィ、踊ってる「宿れ~~~~~~、宿れ~~~~~~~」
キャンサー「元気になったじゃないかい!」
スージィ「あ、(顔、真っ赤)は、はい(プロの人に観られてたよぉ……)」
シャクティ「ありがとうございます。カルルのミルクまで用意して貰って」
ゼノア「お邪魔するよ。私は今回のイベントのプロモーターでね、実は頼みがあるんだが……」
シャクティ「……何ですか?」

ゼノア「(略)と言う訳で、今日のステージ、レット隊に加わって踊ってくれないかね?」
スージィ「え!?本当に?出る!出る!!ね、シャクティも一緒に出ようよぉ」
シャクティ「スージィ、そんな……私達がプロの舞台で踊るなんて失礼よ」
キャンサー「なに、ダンスの技術は充てにしてないよ。余興みたいなもんさ、横に居て
アタシ等の真似していればいいんだよ。なんだったら、立ってるだけでもいいのさ」
スージィ「シャクティ~~出ようよぉ。踊り、楽しいよ」
シャクティ「でも……」

ゼノア「少ないけれど舞台に上がる以上、ギャラも出すからね」
と、その言葉に敏感に反応したシャクティ。目の奥に鈍い光が刺した!!

シャクティ「ほ、本当なんですか?(ゼノアに詰め寄る)本当にギャラは出るんですか!!」
ゼノア「ああ、そんなには多くは出せないけど(シャクティの迫力にたじろぎ)お小遣い程度だが」
シャクティ「やりましょう!スージィ!!」スージィの肩を力強く掴み、
スージィ「シャクティ、痛い、痛いよぉ……」
キャンサー「そっちの娘もヤル気が出たみたいだね。じゃ、早速、二人とも練習に加わわんな」

ムロン「あれれ?この娘達も加わるんですかぁ?姐さぁん」
シャクティ「宜しくお願いします。スージィもお辞儀して!」
スージィ「お、お願いしますぅ(シャクティ、目が怖いよぉ……)」

ヴィシニティの中央大通り、
サンスカールコーポレーションの宣伝活動の協力要請を説得する為、
(スレpart5の245を参照の事)
休日出勤にも関らずピピニーデンとクロノクルがシャクティを探していた。

クロノクル「今日のシャクティのスケジュールによると部活動の郊外活動で
この街に来ている筈なのだが……、ピピニーデン先輩、付き合わせて申し訳ありません」
ピピニーデン「私とて、椅子を尻で磨くだけの内勤で終わるつもりはありまんせよ
(社長の弟である縁故入社のお前に手柄を独り占めはさせんよ!)」

ジュドー「でさぁ、カミーユの兄貴が又…(ルーの方を向き、余所見をしてる)」

ドカッ!!

クロノクル「ぐうっ!?」
ジュドー「痛ぁ~~」
余所見をしていたジュドーはクロノクルに後ろから衝突してしまった。

ジュドー「ご免よ!大丈夫?」
クロノクル「くっ!!子供かぁ!!気をつけろ!!」
ピピニーデン「お怪我は?」
クロノクル「ええ、平気です。貴様等!!って…………、居ない?」

ジュドー達、物陰に隠れてクロノクルの様子を見てる。
ビーチャ「難癖つけられる前に、消えるの1番なのよね~!!」
ジュドー「あの人、怪我してないかな?」
エル「平気、平気。ちょっとぶつかっただけでしょ」
ルー「あ、歩いて行っちゃうわ。大丈夫みたいね」

街灯備え付けのスピーカーから
「本日、午後15:00より~中央公園野外ステージにおいて、レット隊の皆さんによる~唄と踊りのショーが
始まります。尚、このイベントは入場料無料ですので、皆さん、振るってご鑑賞下さい~」

ウッソ達とトマーシュ達は合流していた
オデロ「おい!今の放送、聞いたか?中央公園に行くぞ!ウッソ」
ウッソ「え?でもシャクティ達が未だ見つかってないのに」
オデロ「ステージに誘われて、シャクティ達が公園に来るかももしれないだろ?」
ウッソ「そ、そうですよね。もしかしたら観てるかもしれませんよね」
トマーシュ「カレル、僕達も中央公園に行くぞ。」
カレル「大勢の中から探すなら、人手が多い方がいいもんね」


ピピニーデン「何か催しモノがあるみたいですよ」
クロノクル「芸能部門を立ち上げるに際して、他のステージを観てみるのも勉強になります。行きましょう」


ジュド「入場料無料だってさ!」
モンド「いいね。行こう!」
エル「早く行ってさ、最前で見ようよ」
イーノ「レット隊??聞かない名前だなぁ……」

ヴィシニティ中央公園野外ステージ、レット隊のショー開演まであと数分。
ウッソ、公園の入り口で見つけた皮の袋を拾いあげ「あ!」
ウォレン「ん?どうしたの」
ウッソ「(袋の中身を触りながら)これは……、シャクティのヤナギランの種だ……」
トマーシュ「て、事はこの近くにシャクティ達が居た。って事か?」

ステージ横のスピーカーより
「これから、レット隊の唄と踊りのファンタジーショーが始まります……。見て下さい!!!」

オデロ「この声?聞き覚えあるぞ」

舞台袖
キャンサー「いいかい!今日のステージ。ディアナ様に捧げるよ!!」
一同「おーーーー!!」

レット隊のショーが始まった。
舞台中央にキャンプファイヤーを灯し、その周りをレット隊の面々が囲むように踊る。

ムロン「つぅぅぅぅぅぅぅうううきの、魂よぉぉぉぉぉおおおお!!!」
キャンサー「…………………………………魂よぉぉぉぉぉおおおお!!!」
モットケー「…………………………魂よぉぉぉぉぉおおおお!!!」
フレックル「………………魂よぉぉぉぉぉおおおお!!!」
スージィ「………魂よぉぉぉぉぉおおおお!!!」
シャクティ「魂よぉぉぉぉぉおおおお!!!」

派手な炎を使った演出にレット隊のユーモラスな踊りで観客達の受けも良好。

カレル「あ!スージィだ!なんで踊ってるのを!?」
ウッソ「シャクティも、何でぇ!?」

ステージを最前列で見ているジュドー達、一同。
ジュドー「あ!!あれ、シャクティじゃない?」
ルー「知ってる娘なの?」
ジュドー「ああ、家によく遊びに来る、ウッソのガールフレンドだよ。
少し変ってる子だと思ってたけど、なんでこんな街で踊ってるんだ…………」

フラン「いい写真が撮れてる!取材に来た甲斐があった!!」
レット隊のショーの模様を芸能面に載せる為、取材に来ていた新米記者フラン。

クロノクル「あ、あれは………、シャクたん…(;´Д`;)ハァハァ」
ピピニーデン「どうされました?」
クロノクル「ハッ!?(我に返り)や、あそこで踊ってる少女。
私達が探しているシャクティ=カリンなのであります(シャクたん……。先住民風コスプレも萌えるなぁ)」
ピピニーデン「そうなのですか?ならば、我等、ザンスカールと契約する前に他の芸能プロが手を付けた?と」
クロノクル「いや、そんな事は……、シャクティは未だ、何処のプロダクションにも所属してない筈ですが」
ピピニーデン「早急に確認する必要がありますね」
クロノクル「くぅ……(俺がシャクたんをプロデュースするんだ!!他の奴には!!)確かめに行きます!!」
ピピニーデン「え?今……ですか?あ、クロノクル部長どちらへ?」

舞台袖、
シャクティとスージィはオープニングのダンスに出た後、
衣装直しをしながら、休憩を取りつつ、次の出番をスタンバっていた。
シャクティ「思ったより緊張しなかったわね」
スージィ「え?シャクティ、凄いね。お姉さんだけあるよ。
私、緊張しちゃって……、幕が開く瞬間。死ぬかと思った」
シャクティ「そう?私は身体が赴くままに……、自然に動いていただけだから……何も考えなかったわ
(少しトランス状態に入っていたシャクティ)」
スージィ「あ!そろそろカルルにミルクあげて来ないと!!私、控え室に行ってくるね」
シャクティ「スージィ!出番、もう直ぐよ!!」
スージィ「分ってる!!」

スジーィが舞台袖から関係者通路に繋がるドアを開けようとすると、ドアの外から口論が聞こえてきた。
ゼノア「ですから!!ここは関係者以外、立ち入り禁止なんですよ!」
クロノクル「私はあの娘の親戚なんだ!探していたんだよ!!」
ゼノア「そんな事言われても……、今は困りますよ!ショーが始まってるんです」
クロノクル「ええい!ウルサイ!!どけと言うのが分らんのかぁ!!」

ドアが乱暴に開き、ドアの近くで口論を聞いていたスジーィはその場でヘタり込む
スージィ「ひ、ひぃぃいいい!!」

ドアから勢い良く飛び出したクロノクル「シャクティ!!シャクティ=カリンは何処か!?」
それに気付く、シャクティ「え、クロノクル……さん?」
クロノクル「おお!シ、シャクたん…(;´Д`;)ハァハァ」

クロノクル「シャクティ=カリン!!シ、シャクたんはウチでデビューさせる計画があるんだよ!
こんな辺鄙な場所ではなく、ザンスカール商事が一大プロモをかけて売り出す予定だ!!
立派なステージを僕が用意するから(;´Д`;)ハァハァ……い、一緒に来て欲しい」
シャクティ「嫌です!!そのお話は前にお断りした筈です……。」

クロノクル「そんな……、シャクたん……、けど、ステージには興味があるんだろう?今日もほら」
シャクティ「これには訳が……、止めて!!離して下さい!!」
クロノクル、シャクティの腕を掴み「いいから、僕がもっと売り出してあげるよ!シャクたん…(;´Д`;)ハァハァ」

ゼノア、二人の間に割って入り「止めろ!!この娘も嫌がってるじゃないか!」
クロノクル「これは私とシャクたん、二人の間の話だ!!他人が割り込むなよ!!
さぁ、シャクたん、僕と一緒に……(;´Д`;)ハァハァ」
シャクティ「嫌だ!!助けて!!ウッソ!!!」

三人が揉み合う内に舞台の端の方へと出てしまう。

キャンサー「何だい!?」
ムロン「本番中でしょ!何やってんのぉ?」

ショーの最中のアクシデントに観衆はざわめく。舞台も一時中断、
観客の視線は舞台端で争っている三人へと焦点が移る。

フラン「これはニュースの匂いね!!㌧だ処で特ダネGETよ!!」写真を夢中で撮る。

ウッソ「シャクティ!?あの人……、クロノクル!?」

ジュドー「これヤバイんじゃないのを?」
ビーチャ「ジュドー行くか?」

舞台上の混乱に際して、最前列に座っていたジュドー達が飛び込んで来た
ジュドー「ちょっと、何してんのぉ!!アンタさ。シャクティが嫌がってるだろがぁ!!」
クロノクル「む!?お前は先程の子供?シャシャり出てきて私の邪魔をするかぁ!!」
ビーチャ「大人だからって、子供を好きにする権利は無いんだぜ!」
モンド「おっさん!その娘。放しなよ!!」
クロノクル「お、おっさんだとぉおお!?」

客席から立ち上がるピピニーデン「これだから、お坊ちゃんは……。又、尻拭いかよ」

オデロ「おい!俺達も行くぞ!!」
ウッソ「はい!」
トマーシュ「そうだね。カレルとウォレンはここに残って」

シャクティを中心にクロノクル、ジュドー等、ウッソ達、園芸部も舞台に上がり、大混乱になるも
観客は元々、無料イベントだったので面白ければいい!とばかりに
野次を飛ばしながら、歓迎ムード。元々、土地の風土として馬鹿騒ぎは歓迎される風潮が在った。


ウォドムでパトロール中のポゥ少尉(治安維持部隊所属)この現場をモニター越しに見て
ポゥ「なんだ?下が騒がしいな」
同機体に乗り込んでいるベンジャム「ハッ!今日は中央公園野外ステージにて、LIVEショーが行われているようです」
ポゥ、モニターを望遠にしてステージを見る「ショーと言うより、喧嘩に見えるが?」
ベンジャム「そうですか?届けによると『唄と踊りのショー:レット隊の公演』となっていますが」
ポゥ「集れば騒ぎを起す………。野蛮人め(頭を掻き上げて)行くぞ!!」
ベンジャム「え?公園の中をウォドムで、でありますか?」
ポゥ「そうだよ。コイツで乗り付けて暴動を止める」
ベンジャム「は、はい!!(人込みの中をウォドムで乗り付けるなんて……、ポゥ少尉。こりゃ、又始末書か?)」

混乱の場と化したステージ上にて、
スジーィ、駆け寄ってくる「あ!オデロォ!!」
オデロ「スジーィ、心配かけさせやがってぇ。大体なんで踊ってんだよ?」
スジーィ「そ、それは……、あ、それよりもシャクティをお願い!助けてあげて」
トマーシュ「分ってるよ」

クロノクル「くぅ……、次から次へと私の邪魔をしに、ノコノコと現れてぇ!」
ジュドー「観念しなよ!逃げらんないぜ!」
ビーチャ「その娘を放せば見逃してやってもいいけどさぁ」

クロノクルの注意を反らしてる隙にモンドが後ろから飛び掛る。モンド「この変態!!」
クロノクル「ハッ!?後ろか?ぐっ………、エエェェィイイ!!」
後ろから羽交い絞めにしようとしたモンドを投げ飛ばし、
シャクティを連れて舞台袖口から逃げようとするクロノクル。

ジュドー「行かせるかよぉおお!!!」
後ろから駆け寄るウッソ「兄さん!!!!」
ジュドー「ウッソか!?」
目と目のアイコンタクトで意志を確認し合う兄と弟。
ジュドー(ウッソ!!!俺の背中を使え!!)・゜゚・*:.。..。.:*・゜ウッソ(分りました!!)

ジュドーの背中を踏み台にして、ウッソがクロノクルに飛び掛り
ウッソ「シャクティを放せぇぇえええ━━━━━━!!!」
クロノクルの顎にシャイニングウイザードが炸裂。

崩れ落ちるクロノクル「ば、馬鹿な。私はこんなところで止まる訳には━━━…………」

シャクティ「ウッソ!!」ウッソの元に駆け寄ろうとするも
舞台袖から出てきたピピニーデンに捕まる。
ピピニーデン「フッ…、クロノクル部長から聞いていますよ。我社で推す未来のスター候補さん」

ウッソ「シャクティをどうするつもりなんだぁ!!」
ピピニーデン「我がザンルカール商事の広告塔として働いて貰うつもりだ。
(シャクティの方を向き)これは貴方の母上である、マリア社長の御意志でもあるのです!」
シャクティ「そんな、そんなの、嘘です!!」

ジュドー「ウッソ、こいつ、サッキの赤毛の奴より、隙が無いぞ」
ウッソ「…………」

クロノクル、ウッソに蹴られた顎を摩りながら立ち上がる。「さっきのお返しだぁぁあ━━……!!」
拳で力一杯、ウッソを殴り飛ばすクロノクル。
ウッソ、地面に平伏し「ぐぅぅうう…………」
クロノクル「き、貴様などぉ、リガミティアの人手不足に借り出されたぁ、園芸部員でしかない!」

ジュドー(クソッ、なんか状況不利になってきちゃった感じするなぁ……さて、どうする?)

ドスン! ドスン! ドスン!

大きな足音と共に巨大な影が公園に入って来た。ポゥ少尉の乗るウォドムだ。
全長40mのその巨体はヴィシニティの町並みからすると異形である。
ポゥ、スピーカー越しに「お前等、そこまでだぁ!!直ちに暴動を止めて解散しろ!!」

ジュドー、ウォドムを見上げて「正気か!?公園にウォドムを入れるかよ」

公園の別の場所で事の成行きを見ていたマルチナとエリシャ
マルチナ「姉さん、あれ!(ウォドムを指して)」
エリシャ「大きな……、案山子みたいね (;゚ -゚) 」

ウォドムのコクピット中
ベンジャム「解散するどころか、ウォドムを見て騒ぎが大きくなったようです」
ポゥ「ヒトの勧告を無視してぇ!こいつら正気なのか?」
ベンジャム「どうします?一旦引きますかぁ?」
ポゥ「いいや、このまま騒乱の元であるステージ前まで前進だぁ!」
ベンジャム「し、しかし……、観客が居るんですよ!?」
ポゥ「ユックリ動けば向こうから避けるさ……、まったく話が違うんだよ。
地球人は温和で騒ぎを起さない?何かあると直ぐ争いを起すじゃないか
(モニター越しに下の状況を見ると、ウォドムを指して物珍しそうに騒いでいる)野蛮人が、ふざけるんじゃない!!」

ドスン! ドスン! ドスン! ドスン! ドスン!

ステージ上、
ビーチャ「おい!ジュドー!!あのウォドムこっちに向かってくるぞぉ!!」
イーノ「ど、どうしよう........(;´Д`)」
オデロ「おい!あそこ、ウォレン達が居た席じゃあ!!」
トマーシュ「カレルは!?」

ドスン! ドスン! ドスン! ドスン! ドスン! グチャ!?

ウォドムのコクピット中
ポゥ「ん!?なんだ。今の感触?不愉快な………」
ベンジャム「し、少尉ぃぃい━━━━!!ひ、人を踏んでしまったようです( #・∀・) 」
ポゥ「 Σ(゚д゚lll) ほ、本当なのか!?」

騒ぎを傍観しているマルチナとエリシャ
エリシャ「あ!ウォレンがMSに潰されてミンチになった!!」
マルチナ「この、ヒトデナシ!!」(;゚Д゚)⊃

ステージ上、
ピピニーデン「騒ぎが大きくなり過ぎました。ここは一旦、引きましょう」
クロノクル「あ、ああ、そうですね。さ、シャクティも……」
シャクティ「嫌です!私は行きません!!」
クロノクル「ええぃ、聞き分けのない!!シャクたん~(;´Д`;)ハァハァ……お願いだから大人しく…」
フランダース「バゥバゥ!!」クロノクル達の背後から飛び掛り、シャクティとクロノクル達を分断。
シャクティ「フランダース!?」

ジュドー「今だぁ!ウッソ!!」
ウッソ「はい!!」
ジュドーとウッソがクロノクル達に、それぞれタックルを噛ましたその隙にシャクティが逃げる。
オデロ「シャクティ、こっちに来い!!」
ビーチャ「あ、お前はぁ!?(ここで初めてオデロの存在に気付くビーチャ)」
オデロ「あ、アイツ!!」(スレpart5 >591-598 で喧嘩してますた)
トマーシュ「今はシャクティ達を連れて逃げるのが先だろ?」
イーノ「みんな、こっちから抜けられそうだよ!」

スージィ「あ!カルルが楽屋に居たんだ!」
オデロ「俺とスージィはカルルを拾う!後で合流しようぜ!」

ピピニーデン「ぐっ、引き時ですよ……」ジュドーを振り解きながら
クロノクル「シ、シャクたん~~……仕方なしかぁ……、ええい、こいつぅ!!」ウッソを突き飛ばし、
撤収するクロノクル等。

ジュドー「ウッソ、大丈夫かよ?」
ウッソ「ええ、兄さんは?」
ジュドー「これ位、平気だよ!みんなの処に合流するぞ……。シャクティも待ってるしね!(ウィンクして)」
ウッソ「ハ、ハイ!」

事の一部始終を取材していたフラン「凄い!凄いっ!!大スクープよ!!」

ヴィシニティの街、中央公園から少し離れた裏路地を二人で走り抜けている。
ジュドー「こっちだ!ウッソ」
ウッソ「兄さん、この辺に詳しいんですね」
ジュドー「ああ、よく来るんでねぇ。自然と……。お!居た、居たぁ!!」

中央公園の騒動から逃げ延びていたジャンク屋の仲間等と、園芸部リガ・ミリティアの一員が集結していた。
イーノ「良かった~~。遅かったから心配してたんだよ」
スージィ、カルルを抱えて「ウッソ、遅いよぉ!」
シャクティ「ウッソ!! 。゚(゚´Д`゚)゚。。 」感極まってウッソに抱きつく
ウッソ「……シャクティ、無事だったんだね。良かった」

ルー「(からかい半分で)焼けるわね~~」
ジュドー「ま、これからはシャクティを大事にするんだな、ウッソ」
ルー「誰かさんは(ジュドーを見て)妹が大事みたいだけどねぇ…………」
ウッソ、泣いてるシャクティをアヤしながら「え?………。妹!?って言いました?」
ジュドー「や!その!!ウッソ、あんまり気にすんな!!はぁはは、はははははははぁはははっ」


オデロ「あのよぅ……」
ビーチャ「な、何だよぉ!この前の続きをヤル気かよ?」身構える。

オデロ、手を差し出して「この前の事……。謝るぜ、悪かったよ……。俺、少し焦ってたみたいだ、
(エリシャさんからも仲直りしとけ!って五月蝿く言われてるしな)今日もさ、シャクティを助けてくれて、助かったよ」
ビーチャ「へ?あ、そうなの?(ホッとして)いやぁ~~良いんだよ。こっちも悪かったかなぁ?って……」
オデロ「これからも宜しく頼むぜ」
ビーチャ「ああ!」二人でガッチリ握手。

エル「ふぅ~~~……ん。何か、有ったんだぁ?」
ビーチャ「え?な、ナンもないよぉ!!なぁ?(オデロを見て)そうですよね?(エリシャを見て)」
オデロ「う…………(顔が赤くなる)」
エリシャ「は、はぁ…………(動揺して、やや赤くなる)」
エル「何も無い訳じゃぁ~~無いみたいねぇ ( ̄ー ̄)ニヤリ 」
ビーチャ「本当に何も無かったんだってぇ!!あ!(エルに耳を掴まれ)イタ!痛いよ!!引っ張んなよぉ~~………」


ヴィシニティの中央公園野外、騒動の後で人は散ってしまい、静けさが支配している。
レット隊は取り残されたようにステージ上で座りこんでいる。

キャンサー「分ったぁ!!」
ムロン「……なんですぅかぁ~~……、姐さぁん?」
キャンサー「今、気付いたんだよ!あの娘。あの色黒のシャクティとか言う子。
稽古を見てて、何かぁ~~引っ掛ってたんだけどさ、あの子には宿命があるんだよ!そう………舞台嵐という…ね」
ムロン「舞台嵐!?」
キャンサー「ああ、そうさ。あの子は端役なんだよ。それなのにさ。観客の目は
(クロノクル他、一部だけだけど)メインのアタシ達よりもあの子を追いかけるようになってた。
これじゃ、ステージが壊れるんだよ!現に暴動寸前まで行ったしね……。全く、恐ろしい子を拾っちまったもんだ」
ムロン「そんなもんですかねぇ?」

あの騒動の後、園芸部リガ・ミリティアの一行はジュドー達ジャンク屋の仲間と別れ、
ファラ先生が待機していたマイクロバスに向かった。
全員、お小言を覚悟していたものの、何も言われなかったのが逆に恐ろしく感じつつ
時間も夕暮れに迫っていた為、当初の予定であった植物観察と研究は中止。そのままバスで帰る事に

バスの中
カレル「ファラ先生、静かなのが逆に怖くない?」
トマーシュ「そうだな、何かこう……、逆にプレッシャーを感じるよ (;゚ -゚) 」

途中、ハイウェイに在るドライブイン寄り、バスを下車する一行。
カレル「オシッコ!オシッコ!!」
ウッソ「ぼ、僕もぉ!!」
ファラ先生「コラ!慌てるなよ!!全く……」

オデロ「お!ここ食べ物売ってるよ!何か買ってくるかなぁ?」
トマーシュ「僕はシャガバターがいいな♪」
オデロ「トマーシュには聞いてねぇよ!ねぇ、エリシャさん、何か食べたいモノあります?」
エリシャ「さぁ?特に無いわ」
オデロ「そ、そうですかぁ…………」独りでトボトボ売店に向かう。
マルチナ「(小声)姉さん、オデロさんの好意を無にしていいのを?」
エリシャ「(小声)下手に乗ると……後が大変でしょ……軽軽しく受けられないわ」

売店のスナックコーナーにて、
ファラ先生「なんだ?スージィ(横に居るスージィを見て、少しモノ欲しそうにしている)
お腹でも減ってるのかい?チョコレートクリームでも飲むか?奢るよ」
スージィ「本当に!?いいのを!!」
ファラ先生「今日は色々疲れたろぅ………。親父。この子にチョコレートクリームを」
スージィ(やったぁ!!(*^v^*)V )

後日。学校でファラ先生の恐ろしいお仕置きが待っている事は、この時は誰も予想していなかった。
(当日は全員無事帰って来た安堵感と皆の疲労度も考慮して、お仕置きはスルーされていた訳で)

あれから数日が経ち……。
「【ヴィシニティ。真昼の中央公園で暴動発生!!】現地通信員の報告によると、
首都ヴィシニティで今月7日に開催されたチャリティイベントの催し物として開かれた
ステージショー最中に、一般市民が暴動を引き起こし、一時的に治安が悪化。
付近をパトロール中の治安維持部隊がMSを用い鎮圧するも、このイベントで
地球人とムーンレイス間の協調姿勢をアピールしたかったディアナカウンターにとって、
深刻な対立をさらけ出す皮肉な結果となった。重傷者一名のみの被害で留まる。
一部には暴動を先導した者達が居るとの噂も立っているが未だ確認は取れてない。
背景には、アメリア大陸に入植していたムーンレイスと地球人を巡る文化的宗教的な対立が……」

骨董屋シド’sショップ店内、
カウンターに立つリィナがノックスクロニクルを声に出して読み上げていた。

ジュドー「ありゃ~~……偉い事になってるのねぇ ( *´ⅴ`)ヾ テヘヘ」
リィナ「テヘヘじゃない!!お兄ちゃん!?これは大変な事なのよ!」
ジュドー「あの時は……………仕方なかったんだよぉ………ああするしか、さ」
リィナ「仕方なかったじゃないのぉ!!もう………、知らないんだから!!(ぷぃ、とムクれる)」
ジュドー「リ、リィナぁ……………」

シド「(二人を見て)全く。本当の兄弟のようじゃな……」
ジョゼフ「この記事。どう思う?シド爺さん。月と地球が頻繁に行き交う時代に、まだ暴動をやるなんて」
シド「理屈だけで世の中が動くわけじゃないし、仕方ないじゃろう?未だ、黒歴史を怯えてる人達が多いって事だろうが」

ヴィシニティの中央公園で起こった暴動騒ぎがキッカケで
平和を保っていた世論が少し、傾きだしたとか、出さなかったとか……。

ディアナカウンター治安部隊基地内にて、
ポゥ「今回の暴動鎮圧の件…………、まさか、禁固刑十年とかでありますか? (´・ω・`) 」
フィル大尉「十五年だよ、十七年だ ヽ(`Д´)ノ 」
ポゥ「はい……… 。゚(゚´Д`゚)゚。。 」

フィル大尉「…………人手不足の折そんな事もやっておれんので、貴様も罪滅ぼしをするんだ!」
ポゥ「……… 。゚(゚´Д`゚)゚。。 」

フィル大尉「今回の暴動を先導した首謀者の捕獲作戦を手伝え」
ポゥ「ハ、ハイ!ありがとうございます 。゚(´Д⊂ヽ゚。 」

この事件を機会に(株)ザンスカール商事と、ディアナカウンターの奇妙な?
対立構造が生まれたり、生まれなかったり………………。

(終 毎度の事ながら、不味かったらALLパラレルでスルーして、活かせる部分はご自由に~)



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最終更新:2017年09月08日 20:58