566 名前:咆哮哀歌 6-1/4 :2010/05/20(木) 13:41:33 ID:???
564の続き
ダリル「海岸地区だと!?」
ハワード「まずいぞ…山岳地帯の封鎖に、近隣のMS隊はほとんど出払っている!」
グラハム「ならば、最も機動力に長ける我等オーバーフラッグス隊の出番だろう」
ハワード「警視正!」
ダリル「了解です!」
ジョシュア「回せーー!」
グラハム「目標は陽動の可能性もある! 01から07小隊は閉鎖と捜索を続行!
08小隊以下は市街地への非常線の展開! 目標を市街に入れるな!」
オペレーター「緊急! 各機、移動を願います。 01小隊はE-37ブロック(ry」
フィンフィンフィンフィンフィンフィン…
オペレーター『00小隊緊急発進、00小隊緊急発進、各員は所定の(ry』
整備員「機体チェックよし!」
エイフマン「ほう、エーカー君が自らご出馬か」
ビリー「夕べ緊急出動したばかりなんですけどね。
もう少し機体と整備する人間を労わってほしいですよ」
グラハム「申し訳ないとは思っているのだがな」
ビリー「おや、いたのかい」
グラハム「白々しい… カタギリ、教授、お願いがあります」
エイフマン「ほう」
ビリー「気をつけてください、教授。 彼があの目をしてる時は、無茶を言う証拠ですから」
グラハム「カタギリ、混ぜっ返すな。 …アレの用意をお願いします」
エイフマン「ふむ」
ビリー「おいおい、それほどの相手なのかい?」
グラハム「できれば使わずに済ませたい。 だが…」
エイフマン「解った。 準備はしておこう。 カタギリ君、例のシステムの調整は任せる」
ビリー「合点承知」
567 名前:咆哮哀歌 6-2/4 :2010/05/20(木) 13:42:58 ID:???
オペレーター『目標は308号線をおよそ10キロ程で南下中』
グラハム「10キロ? 時速でか!?」
オペレーター『監視中の08小隊、マシス巡査の報告では、まるで千鳥足だと…』
ハワード『罠、でしょうか…』
グラハム「日中に動き出した点も気になる。 やはり、陽動か…」
ダリル『まもなく視認距離…ターゲット・イン・サイト!
…なんてこった、本当にコヨーテみたいな奴だな』
ハワード『なるほど、熱源探知に引っかかりませんね…
どんな冷却装置を積んでいるんだ…』
見事なダイヤモンド編隊で目標上空を旋回するオーバーフラッグス。
グラハム「ヘッド・クォーター、目標視認。 作戦行動に入る。
08小隊は引き続き市街へのルートを閉鎖」
オペレーター『了解です。 お気をつけて』
グラハム「オーバーフラッグス! フォーメーションEでミッションを開始する!」
ダリル『隊長! ジョシュアが!』
グラハム「!? 巡査! フォーメーションを崩すな!」
ジョシュア「ヘッ! 隊長面して!」
ハワード「空中変形?!」
ジョシュア「いつまでも、自分だけのものと思って! !! う、うわ! 何!?」
ダリル『ジョシュアが!』
グラハム「ええいっ! フォーメーションをCに変更する!」
シロー「爆発!? エレドア!」
エレドア『例によってエドワーズ巡査が先走って撃墜されたみたいっす』
カレン『またか…』
サンダース『隊長、我々も援護に…』
シロー「…いや、俺たちはこのエリアを守る。 万が一出し抜かれでもしたら市街は目の前だ」
サンダース『了解です』
ミケル『大丈夫ですよぉ、グラハム警視正とオーバーフラッグス隊ですよ?
今頃どかーんと…』
どかーーん…
ダリル『ハワード!』
グラハム『ハワード・メイスン!』
568 名前:咆哮哀歌 6-3/4 :2010/05/20(木) 13:44:08 ID:???
シロー「エレドア!」
エレドア『ハワードの旦那が…くそっ! 目標の足音が聞こえねぇ!』
シロー「くっ…」
ダリル『俺は…ネオトピアの…フラッグ・ファイターだーー!!』
どーーん…
グラハム『ダリル・ダッジ!!』
ミケル『ちょ…』
シロー「全機戦闘体勢! 09小隊はっ!?」
エレドア『現着まであと5分!』
カレン『隊長!』
グラハム『08小隊! 目標は13-42を南下中!』
シロー「全機、予測地点に照準!」
カレン『…!』
サンダース『了解!』
カレン機はロケットランチャーを、サンダース機はビームライフルを構える。
ガン!
シローはEz-8のシールド先端を地面に打ち込み、
その上に180mmキャノンの砲身を乗せて固定した。
シロー「エレドア!」
エレドア『だめだ! ソナーが役にたたねぇ畜生!』
グラハム『こちらで捕らえている! 3、2、1!』
シロー「撃ち尽くせ!」
はっきりと形を認める暇もなかった。
照準機の中に、何か動く物が入った瞬間、シローは引き金を引いていた。
ロケットの推進音、ビームの発射音、そして轟と唸る180mmの砲声が響き渡る。
カレン機が撃ち尽くしたランチャーを投げ捨て、
100mmマシンガンに持ち替えて爆炎と土煙が舞い上がる中へ撃ち続ける。
シローも残弾の尽きたマガジンを交換、回避予測地点へと180mm榴弾をばら撒いた。
直撃した際のダメージでは貫通弾には及ばないが、榴弾は撒き散らす破片と衝撃波で
MSのセンサーや可動部分へダメージを蓄積する。
そしてそれは高機動型のMSにとっては致命的な物となる筈だった。
569 名前:咆哮哀歌 6-4/4 :2010/05/20(木) 13:45:48 ID:???
キンキンキンキン……
焼けた砲身が澄んだ音を立てる。
潮風が土煙を吹き払うと、アスファルトを引き裂かれた幹線道路はもとより、
一面の地面が抉られ、削り取られ、掘り返されていた。
シロー『…目標、視認できず。 警視正、そちらから見えますか?』
グラハム「…いや、こちらからも見当たらない」
上空を旋回しながら周囲を見下ろすグラハム。
ミケル『バラバラになっちゃったんですかね?』
楽観的な希望をつぶやく者もいるが――
カレン『だといいけどね』
サンダース『隊長、自分が前に』
シロー『気をつけろよ、サンダース』
サンダース『はい』
ライフルをマシンガンに持ち替えたサンダース機が、慎重な足取りで前に出る。
弾切れのマシンガンを捨てたカレン機と、シローのEz-8はウエポンコンテナから
ビームライフルを取り出し、周囲を警戒する。
グラハム「(さすがはアマダ隊…油断が無い)」
サンダース『隊長』
シロー『どうしたサンダース』
サンダース『何か…装甲材の破片のようなものが…』
シロー『奴の残骸か?』
サンダース『土に埋もれてここからでは…接近します』
やはり慎重に、ゆっくりと歩む陸戦型ガンダム。
グラハムがモニターの画像を拡大すると、確かにその向かう先に、
金属光沢の黒い物が、半ば土に埋もれている。
サンダース機はマシンガンを持つ手を伸ばし、銃口でそれを叩いた。
グラハム「あの色…いかん!」
サンダース『Eカーボンのようですが』
シロー『警視正、何か?』
グラハム「それはダリルのフラッグ(の残骸)だ!」
サンダース『は?』
シロー『!! サンダース! 下だ!』
ボコォ!
土砂を跳ね上げ、“四本足”がサンダース機の右足に噛み付く。
グラハム「なんとっ!」
サンダース『うおっ!』
カレン『サンダース!』
最終更新:2014年08月07日 18:57