340 名前:うちに風車小屋が建った日投稿日:04/08/23 01:25 ID:+KC/WBnP
暑い
夏のある日のこと。
アムロが帰ってきて「おーいみんな、扇風機もらってきたぞ」と呼んだ。
ジュドー「たかが扇風機…アムロ兄ちゃんならそこらのジャンクパーツ拾ってきて作れば良いじゃん」
ぶつくさ言いながら出てきたジュドーは家の前の大型ホバートレーラー(ギャロップ)に戸惑った。
そのギャロップの横でコウにロランにヒイロまでもが、ぽかんと口を開いたまま突っ立っている。
ジュドー「そんなでっかい扇風機があるのか?」
トレーラーに乗っている巨大な物体を見上げた。額の一対のブレードアンテナと一対の目。
ガンダムだ。
ロラン「こんな
ガンダムがあったなんて……」
ヒイロ「あひゃひゃひゃくぁwせdrftgyふじこ…ゲホゲホ」
なんだかヒイロの笑いのツボを激しく刺激する
ガンダムらしい。
コウ「僕は認めない。こんなのが
ガンダムなんて認めないぞー!」
ボディが 風 車 小 屋 の
ガンダムなんくぁー!」
アムロ「風車小屋じゃない。ネオオランダ製のれっきとした
ガンダム「ネーデルガンダム」だ」
ジュドー「兄ちゃん、こんなのどうしたのさ」
アムロ「いい扇風機だろ。会社がネオオランダ政府との取引をした時におまけでもらったのさ」
ジュドー「扇風機って言わないだろこれ?」
アムロ「大は小を兼ねる。自力で風車を回せるっていうからちゃんと扇風機になるぞ」
風車小屋ことネーデルガンダムを広い庭の片隅に置いて起動させてみた。しかし風車は動かない。
ドモン「兄さん、これは
ガンダムファイト用の機体だから、中でモビルトレースシステムを使わないと動かないぜ」
トレーニングから帰ってきたドモンがそういうので、ガンダムファイターの彼を乗せてみた。
ドモン「うーんネオオランダのモビルトレースシステムもなかなか良いじゃないか。よし風車を回すぞ。
ネーデルタイフーン!うりゃりゃー!!」
どういう技なのか、風車が回りだした。が、風車の回る音に混じってドモンの悲痛な叫び声が聞こえてきた。
ロラン「……モビルトレースって、人の動きを追従するんですよね?風車って人の動きで再現できるんですか?」
アムロ「危険そうだな。ドモン、もういいぞ!」
ドモン「わかった!あぎゃあああ!!」
ネーデルガンダムが停止して、ドモンが股間と腰を押さえながら出てきたが、すぐに仰向けにぶっ倒れた。
赤くはれ上がったドモンのシャイニングフィンガーソードが、ゲルググのビームナギナタのように回転し続けている…。
コウ「そういえば聞いたことがある。ネーデルガンダムの前の乗り手がネーデルタイフーンを使い過ぎて腰をやられたって」
アムロ「…それでネオオランダの新型
ガンダムには女のガンダムファイターを乗せるって言ってたのか」
ジュドー「だから、ジャンクパーツ拾ってきて作れば良かったんだ」
アムロ「だからってネーデルガンダムの中身をフル改造だなんて、そう簡単に出来るわけ無いだろ」
ジュドー「大は小を兼ねるって言ったの、アムロ兄ちゃんじゃないか。扇・風・機!扇・風・機!」
ガロード・アル・シュウト「扇・風・機!扇・風・機!」
結局、アムロの夏休みはネーデルガンダムの改造で無くなってしまったのだった。
(おわり)
341 名前:うちに風車小屋が建った日・おまけ投稿日:04/08/23 01:27 ID:???
総合病院、ドモンの病室前。
コウ「ドモン兄さんのことよろしくお願いします」
レイン「任せてください。私も医者のはしくれですから」
ドモンのパートナーのレインの本職は医者だ。まだ新米だが。
ヒイロ「一つ忠告しておく。見る時は心の準備をした方が良い。触る時は注意しろ。…二つだ」
ロラン「あの、ドモン兄さんの見てもあまり驚かないでくださいね」
レイン「えぇ?」
レインは首をかしげながらドモンの病室へ入って行った。
ドモン「レ、レイン、何でお前が!寄るな近づくなぁー!!」
レイン「どうして。私は医者よ?」
ヒイロ「…任務完了、離脱する」
コウ「あーあ、知らないぞ」
ロラン「二人きりにして良かったんですかねえ?」
病室から聞こえるドモンとレインの悲鳴を背に、3人は脱兎の如く病院から逃げ出したのだった。
(完)
最終更新:2018年12月11日 14:08