ジュドー、ガロード、アル「海だ―――!!」
アムロ「はしゃぎすぎだぞお前ら」
シロー「いいじゃないですか…二年ぶりの海だから嬉しいんだろ」
アムロ「確かにな。去年は俺とシローの都合で行けなかったが…今年は誰一人欠ける事無く一家全員で来れたんだ…しかも二泊三日!ゆっくり出来るぞ」
ロラン「うわあ、いい所ですね。あ、岩場もある…夕食は魚介類でいきますか!」
アムロ「しかし、本当にいい所だな…よく見つけたと言うか…」
シロー「去年この辺をパトロールした時見つけたんだよ…皆と行くには絶好の所だなって…」
ウッソ「兄さん…泊まる所ってこの別荘?」
シーブック「立派な別荘だな…」
アル「間違いじゃないの?」
ロラン「間違っていませんよ。本当にここです」
コウ「家計…大丈夫か?」
ロラン「大丈夫ですよ。この日の為に前々から貯蓄していますし心配しないで。さ、早く荷物を入れてください」
カミーユ「ロランが大丈夫って言うなら大丈夫だろ。ほら、荷物入れようぜ」
シロー「おう、俺も手伝う」
ギンガナム「海-は、広い-な、大-き-いな-!!」
キラ「なんでギンガナムが!?」
ロラン「この立派な別荘のオーナーです」
カミーユ「ギンガナムの別荘?…てっきりハイム家かディアナ・ソレルの別荘かと…」
アムロ「一家を代表して礼を言う。こんな立派な別荘を貸していただいて…」
ギンガナム「礼には及ばない。いつも小生が世話になってるせめてもの恩返しと思ってくれればな。遠慮はいらん!我が家と思いくつろいでくれ」
キラ「アムロ兄さんは知っていたの?」
アムロ「ああ、ロランと今回の海水浴の相談していた時にギンガナムが泊まる所を用意するって言ってくれてな…しかし、こんな立派な別荘とは思わなかった」
キラ「ギンガナム…」
アムロ「ありがとう、ギンガナム」
ウッソ「やっぱりギンガナムさんはいい人なんですね」
ギンガナム「照れるではないか、そんな事を言われると」
シロー「さ、荷物いれて一休みしたら皆で海行こうぜ!」
全員「おお!!」

ジュドー、ガロード、アル「海だ―――!!」
シーブック「はしゃぎすぎて怪我するなよ」
アムロ「結構、人が多いな」
キラ「絶好の海日和ですからね」
ギンガナム「絶好の海日和である!!」
キラ「ギンガナム!?しかも褌!?」
ドモン「褌こそが男の象徴!」
キラ「そんな、ドモン兄さんまで!?」
ギンガナム「違うなぁドモン!男ではなく漢だ!!」
ドモン「おお、そうか!…漢の象徴!!これでいいんだなギンガナム!!」
シーブック「何、意気投合してんだよ…」
シロー「お、ウッソ。新しいカメラか?」
ウッソ「はい、皆のスナップを撮ろうと思って…(カメラ持って来て正解だ!綺麗なお姉様達がたくさん…)」
ロラン「潮の香りが何とも言えないですね…あ、海の家もあるんだ。今日はお財布にもゆとりがあるし、お昼はこれで決まりですね」
岩場の方ではジュドー達が飛び込みをしていた
ガロード「1番ガロード・ラン、行きます!!」
ドボーン!
ジュドー「2番ジュドー・アーシタ、行きます!」
ドボーン!
アル「ヒイロ兄ちゃん、飛び込みして見せて!」
ヒイロ「…了解…」
ジュドー「飛び込むんなら高い方が面白いぞ!」
ヒイロ「…高い所?…」
ヒイロは上を見上げ絶好のポイントを見付けるとそこへ上っていく
ガロード「マジで?あの高さから?」
ジュドー「おい、そこは危険だぞ!?」
ヒイロ「3番…ヒイロ・ユイ…飛び込む…」
ヒイロはそう言うと10mはあろうかと言う所から天高くジャンプし綺麗な放物線を描きながら頭から海に飛び込む
ドチャッ!!
ジュドー「岩に直撃した!!」
アル「海面に…血が…血が…」
ガロード「きゅ、救急車!!」
コウ「あいつら、何やってんだ…」

キラ「ロラン兄さん、ジュース貰うね…って、ロラン兄さんは?」
アムロ「ロランなら着替えに行ったぞ」
キラ「ああ、そうなんだ…」

ロラン「よし、着替え完了!泳ぐのは久しぶりだから楽しみだな」
ロランは銀髪を後ろ髪に結び更衣室から出てくる。そして、着替えと自分の手荷物を胸に抱き抱えアムロ達のいる所に歩いて行く
ロラン「なんか…皆に見られている気が…どこか可笑しいのかな?」
皆が見るのは当然だった。傍目から見るとまるでトップレスの少女が歩いて来る…それに近い光景だ。後ろ姿はまさにそれそのもの。
そして、数人の男子は股間を抑えながらロランを見ている
ロラン「なんだろう?可笑しな人達だな…」
グエン「やあ、ローラ。奇遇だね」
ロラン「あ、グエン様?グエン様もこちらで海水浴ですか?」
グエン「ああ、この近くに私の別荘があってな…君は一人で来たのかい?」
ロラン「いえ、兄弟達と一緒に…グエン様の別荘が近くにあるんですか?
グエン「すぐそこだよ。あの丘に見える白い建物があるだろ、あそこだよ。まあ、気が向いたら来てくれたまえ」(ちッ!やはり他の兄弟もいるのか…)
ロラン「じゃあ、夕方にでもお邪魔します」
グエン「そうか…待っているよ、ローラ…」
グエンは爽やかにロランの下を去っていく…
ロラン「グエン様の水着は、白のビキニか…派手だな…」

ロラン「ただいま」
アムロ「お、着替えてきたか?」
ロラン「はい…なんか皆僕をジロジロ見ているんですけど…どこか可笑しいですか?」
アムロ「どこか、可笑しいって…!?」
ロラン「どうしました?」
アムロ「い、いや…別に、可笑しくは…無いよ」(ビックリした…トップレスの女の子かと思った)
ロラン「そうですか?…あ、そう言えばグエン様もこの海に来てましたよ」
アムロ「何、グエンが!?」
ロラン「はい、近くに別荘があるらしく後で来ないかって誘われました」
アムロ「そうか」(グエンのヤツ嗅ぎ付けたな…と言うことはシャアもここのどこかにいるな…夜は気を付けなければ)
ロラン「さッ!アル、一緒に泳ごうか!」
アル「うん!学校で泳ぎ覚えたから負けないよ!」

コウ「色っぽくなったな…」
アムロ「コウ!!?」
コウ「え?ち、違うよ!そういう意味じゃなく!…大人っぽくなったって言いたくて…」
シロー「頼むから…過ちは犯すなよ…」
コウ「違ぅ………はい……」

ジュドー「かき氷食おうぜ!!」
ガロード「だったら、そこに貸しボートあるから海の上で食わない?俺、ボート借りてくるよ」
ジュドー「いいな、それ。じゃあ、俺かき氷買ってくる!」
ガロード「すいません。ボートいいですか?」
オルバ(兄さん、お客さんだよ…どうすればいいんだい?)
シャギア(オルバよ、私は今手が離せない…接客は教えた通りにすればよい…何事にも笑顔を絶やさず、それが基本だ)
オルバ(わかった、兄さん…やってみるよ)
ガロード「あの~、すいません…」
オルバ「はい、お待たせしてすみません。ボートですね?1時間300円です」
ガロード「はい、300円…って、稼ぎ時のシーズンなのに結構安いですね」
オルバ(兄さん、他の事を話しかけられた!どうすれば?……兄さん?…兄さん!?)
ガロード「あの…どうしました?」
オルバ「え?ああ、何でもありません」
ガロード「大丈夫ですか?笑顔…引きつってますよ」
オルバ「ご、ご心配なく…大丈夫です。それでは、1番ボートを使ってください」
ガロード「1番ね。ありがと!」
ガロードはボート置き場に走っていく
オルバ(兄さん、やったよ!始めての売り上げだよ!)
シャギア(オルバよ、やったか!私の方も今、かき氷が二つも売れた!占めて400円の売り上げだ!)
オルバ(二つも!?流石は兄さん…やっぱり、兄さんには敵わないよ)

ジュドー「買ってきたよ!」
ガロード「おお!こっちも準備万端だ!」
ジュドー「そうだ。ガロード。かき氷の店員、面白いヤツだったぜ」
ガロード「それを言うなら貸しボートの店員も不思議なヤツだったよ。なんか急に黙ったと思ったらいきなり変な笑顔振りまいて」
ジュドー「そうそう、こっちもそんな感じ。もしかしてそっちの店員と電波飛ばし合ってるんじゃない?」
ガロード「ハハハハ、絶対そうだよ!」

ロラン「皆さーん、お昼ですよー!………なんか、集まり悪いなぁ…」
シロー「しょうがないだろ。集まった奴だけでお昼にしようぜ。な、アル!」
アル「焼きそば食べゆー!」
シロー「おおー!!って、ジュドー達が来ないのはわかるが、コウはどこ行った?」
シーブック「あれ?さっきまでここに…」
コウは一人浜辺を歩いていた
コウ「くそッ!俺が弟に手を出す訳無いだろうが、変態達と一緒にするなっての!………でも、色っぽかったのは事実……俺って不意に思った事が口に出るんだよな…
周りも気にせず………もしかして、変態なのかな…」
シーマ「あら、コウじゃないか。奇遇だねえ」
コウ「げッ!?シーマ!!なんて格好を…」
相変わらずの厚化粧、際どいビキニ。そしてスーパーモデルのようなプロポーションを男共に見せ付けるようにフェルモンを撒き散らしながらコウに向かい歩いて来る。
コウはシーマの登場に嫌気を覚えながらも心臓をドキドキさせ鼻血を流している
シーマ「あらあら、若いねぇ。ほら、顔を貸しな。鼻血を拭いてあげるから」
コウ「な、何を!?」
シーマはコウの顔を掴むと胸の谷間に押し付ける。その瞬間、コウは鼻血を噴水のように撒き散らしながらその場に倒れ気絶した
シーマ「あら、気絶したのかい?若すぎるってのも罪だねぇ…介抱してあげなきゃ」
ウッソ「シーマさん発見!ああ、ビキニ姿のシーマさん、いいなぁ……って、あれコウ兄さん?何してるんだ?…気になる…」
シーマ「さて、どこで介抱したらいいものか…」
ウッソ「シーマさ~ん!!」
シーマ「あら、あんたは確かコウの弟の…」
ウッソ「ウッソです。コウ兄さんどうしたんですか?」
シーマ「どうしたって…鼻血を拭いてあげようとしたら突然倒れたのさ」
ウッソ「それは仕方ありませんよ。シーマさんみたいな美人なお姉様にそんな事をしてもらったら誰だって倒れますよ」
シーマ「美人なお姉様って、まあこの子ったら口が上手いねぇ」
ウッソ「嘘じゃないです!最高ですよ、シーマさん!!」
シーマ「本当かい?嬉しいねぇ…あんた、ウッソって言ったかい?」
ウッソ「はい!」
シーマ「ウッソ、コウを日陰で休ませてあげな。私はちょっと用事があるから行くね」
ウッソ「はい!わかりました!」
シーマ「いい子だねぇ…あんたの事は覚えておくよ」
ウッソ「は、はい!ありがとうございます!」(よし、名前を覚えてもらった!)

ギンガナム「ドモンよ…何故今時の若者は褌を着用しないのだ?」
ドモン「それは俺にもわからん…だが、一つ言えることは軟弱な男子が増えつつあると言う事だ」
ギンガナム「ぬう、それは小生も多々思う…やはり闘争を忘れた人間は堕落の道を歩むだけか…」
ドモン「戦の衣と書いて褌と言う。男子たるもの褌を締めてこそ漢が光ると言うもの…なのに俺の兄弟達はその事をまるで理解しない!」
ギンガナム「褌こそが究極の下着!布地ひとつで漢の象徴を隠し保護し、しかもそれを腹まで巻けばサラシになる!これを着用せずして何が漢ぞ!!」
ドモン「こんな近くに俺の良き理解者がいたとは…ギンガナム、今までの俺の非礼を謝る」
ギンガナム「そんな小さな事は気にするな。それよりも我々にはやる事があると思うのだが」
ドモン「そうだな…褌の普及!それこそが我々の目的…いや、漢としてのやるべき事!」
ギンガナム「まずは、同志を集める事だな…小生の下に同志は何人かいるが…」
ドモン「何!同志がいるのか!?」
ギンガナム「うむ、今のところ百余名ほどな。小生の部下メリーベルを始めマヒロー隊など約四十名。エギーユ・デラーズ直下のガトーを始め約五十名。ティターンズのバスクとヤザンを筆頭に約十数名。
さらに、ギデン、レビル、ドズル、ラル、ノリス、ラカンなどの有力者など多数いるぞ…もちろん君の師匠もな」
ドモン「俺の師匠が褌を愛用していたのは知っていたが…まさかこれほどの面子がいたとは…」
ギンガナム「褌は国境を越える!たとえ、敵対する者同士でも褌を締め一同を会せば理解し合える!褌一つで絆が生まれる!そこで、我々は考えたぁ!!」
ドモン「おおッ!!」
ギンガナム「どうすれば、褌が昔のように普及し愛用されるかを!!」
ドモン「そ、それは!?」
ギンガナム「キャンペンガールが必要であるッ!!」
ドモン「なにィ!!?」
ギンガナム「驚くのも無理は無い。今の世の中この軟弱な考えに頼るしかないのだ…小生とてこのような事はしたくない。だが、背に腹は変えられない!とりあえず普及させねばならぬのだ!!」
ドモン「軟弱な思想を正すため軟弱な力を借りるとは…寒い時代になったものだ……しかし、キャンペンガールと言っても当てはあるのか?」
ギンガナム「小生の部下に女性は一人、メリーベルなのだが…あの女はモデルには程遠い……せっかくのこの夏、この海。何人かスカウトをしようと思う。手伝ってくれるか?」
ドモン「もちろんだ、手伝わせてくれ!」

キラ「あれ、シロー兄さんは?」
ロラン「シーブックと釣りに行きましたよ。もうそろそろ帰って来ると思うけど」
キラ「そうなんだ…ドモン兄さんは?ギンガナムも居ないみたいだけど」
アムロ「二人とも意気投合してどこか行ったよ」
キラ「あの二人…なんか別の意味で危険だな…」
シロー「大漁、大漁!!」
シーブック「シロー兄さん、釣り上手いね」
シロー「署内の釣り大会の優勝者だぞ、この俺は」
シーブック「明日も一緒に釣りしませんか?俺も本格的に釣り覚えたいし」
シロー「おお、いいぞ!おーい、ロラン!こんなもんでいいか?」
ロラン「ありがとうございます、シロー兄さん。わッ、クロダイも釣れたんですか?これだけ釣れれば豪華な夕ご飯になりますよ」
カミーユ「それにしてもかなり釣ってきたな。形も大きいし…キスにクロダイ…これってカワハギだっけ?」
アムロ「お、今日の夕食は海鮮料理か」
ロラン「海鮮料理も作りますけどバーべキュウを主体にしましょう。さっき僕、潜ってアワビやサザエ、カキも捕って来ましたから。シロー兄さんの釣ってきたキスやクロダイ、焼いて食べても美味しいですよ」
アル「まるでパーティーだね」
ジュドー「ロラン兄ィ、蛸捕まえたよ!」
シロー「おお、すごいな!」
ジュドー「そこの売店でカニの疑似餌買ってきて岩場で泳がしていたら、いきなり食いついてきてさ、やっとの思いで捕まえたよ」
ロラン「結構大きいですね。たこ焼きも作りましょうか。後はアムロ兄さんのお酒のおつまみで酢の物とか、アワビと合わせて醤油バターで炒めても美味しいですよ」
アムロ「醤油バター焼きか…いいな」
シロー「ロラン、クロダイとキスを少し刺身にしてくれる?」
ロラン「もちろんそのつもりですよ。蛸も少し刺身にしますから。よし、取り掛かりますか。カミーユ、バーベキュウの準備お願いします。シーブック仕込み手伝ってくれる?」
カミーユ、シーブック「OK!」

シロー「ロランのヤツ、板についてきたな…」
アムロ「ああ…本当は遊び盛りの17歳なんだが…学校にも行かず自分の好きな事もせず文句も言わず朝早くから夜遅くまで良く働いてくれる…有難い事だが、これ程の苦労を嫌な顔一つ見せずやっている姿が不憫で…自分が情けなく思える…」
シロー「兄さん、それは俺も皆も思っている事だよ…全員の食事、洗濯、家の掃除、庭先の手入れ、俺達が思うより遥かに重労働だよ。だから皆ロランに負担を掛けないように出来る限りの事はしている。
最近はカミーユやシーブック、ウッソ…それにアルまでも自主的にロランの手伝いをしている。俺も早く結婚してロランの負担を減らしたいと思っているんだが…」
アムロ「アイナさんの兄さんをまだ説得してないのか?」
シロー「サハリン家に昔から従事のしているノリス・パッカードの協力をやっと得て今説得中だよ。だが、中々話が進まなくて…」
アムロ「障害が多いか…」
ロラン「何の話しているんですか?」
シロー「いや、なんでもないよ」
アムロ「久々のゆっくりとした休みだ。シローとも話したい事があってな…」
ロラン「そうですか。最近忙しくてアムロ兄さんとシロー兄さん家で会う機会が減りましたからね。ご飯が出来るまでゆっくりお話していて下さい」
アムロ「ああ、ありがとう」
ウッソ「ただいま~!」
シロー「お帰り!って、コウどうした?」
ウッソ「コウ兄さんには夏の刺激は強すぎるみたいです」
シロー「はあぁ…コウは何時になったら大人になるのか…」

キラ「ご馳走様―!」
ウッソ「美味しかったです!」
シーブック「結局ドモン兄さんとギンガナムは来なかったな」
カミーユ「来ないのは放って置くしかないよ」
ロラン「ふう、お腹一杯だ。でも、ドモン兄さんやギンガナムさんにも食べて貰いたかったですね…ちょっと余っちゃいましたよ」
ジュドー「しょうがないじゃん、来ないものは」
ガロード「一息入れたら花火やろーぜ!色々買ってきたからさ」
アル「んふー!んふんふー!!」
ロラン「アル、落ち着いてよく噛んで食べなさい。アルが食べ終わるまで待ってるから」
ジュドー「アル、早く食わないと先にやっちゃうぞ」
ロラン「ジュドー!急かさないの!」
シロー「ん?ヒイロ、何見ているんだ?」
ヒイロ「テレビ…ドモンとギンガナムが映っている…」
シロー「ん?どれどれ…!?」
テレビのリポーター「今現在、女性数名を誘拐しようとした男達が逃走中です!幸い女性は警察に保護され怪我などは無い模様ですが、警察官数名が女性を救出する際軽傷を負ったとのことです!
被害者からの話では、男達は誘拐する際、褌を着けろ、革命を起こそうなどと口走っていたようです。
あ、今その容疑者と思われる男達が走りました!凄い足の速さで逃げて行きます!駄目です、追いつけません!とりあえず、スタジオに返します!」
ニュースキャスター「いや~、怖い事件ですね。真昼の海水浴場での犯行と言う事ですが、コメンテーターのトレーズさんどう思われますか?」
トレーズ「おそらく一部の過激な革命家気取りの者ですね。それにしても真昼に事を起こすとは、美しさに欠けます。…とは言え、この犯人動きだけはかなりのもの…今の警察組織ではこの犯人を取り押さえる事は無理でしょう。
私の組織の者を派遣しましょうか?今の警察とは違い私の組織、「OZ」は…」
ニュースキャスター「トレーズさん、ありがとうございます!この事件はまた詳しい事が分かり次第お伝えします。では、次のニュースです」
全員「…何してくれてんだ、あの二人は…」

ジュドー「ロケット花火行くよー」
ガロード「わ!こっちに向けるなよ!」
シロー「危ない事はするなよ!」
アムロ「シロー、ビール飲むか?」
シロー「ああ…ありがとう、兄さん…」
アムロ「で、実際の所どうなんだ?」
シロー「かなり難しい…それが現状ですね」
アムロ「そうか…相手は一度潰れかかった会社を元通り以上に立て直した程の男だ。説得に手こずるのも無理は無い…か」
シロー「アイナも俺の為、色々としてくれて嬉しいんだが…やはり自分自身で決着をつけたいな…自分の為にも…ロランの為にも」
アムロ「そうだな。お前ならそう言うと思ったよ。俺もロランの負担は軽くしてやりたいと思うが…」
コウ「アチ!こらアル、熱いよ!」
ロラン「アル、コウ兄さんを虐めるのは止めなさい!」
シロー「ロラン、大変だな」
ロラン「まったく、ジュドー達がアルに変な事を吹き込むから…隣、いいですか?」
シロー「ああ、座ってくれ」
ロラン「でも、いいですね。皆仲良くこうしているのも…平和って感じがするなぁ」
シロー「…そうだな…」
アムロ「なあ、ロラン…」
ロラン「なんですか?」
アムロ「すまない!」
ロラン「え?なんです!?」
アムロ「本来なら俺が早く嫁をもらって家を支える筈が、いつもお前に苦労ばかりかけて…俺は家長として失格だ!」
シロー「朝早くから夜遅くまで皆の世話を…学校にも行かせずお前の青春時代を俺は…俺は…」
ロラン「なんでもないですよ、好きでやってる事ですから。苦とは思っていません。だって、家の仕事をしていると大好きな皆の顔が見れますし、美味しい料理を作ると皆の笑顔が見れます。…こんな嬉しいことは無いですよ」
アムロ、シロー「ロラン…」
ロラン「時間はあります。だからアムロ兄さんもシロー兄さんも慌てず急がず、大事な事はじっくりやって下さい」
シロー「…ロラン…今はお前のその言葉に甘えさせてもらうよ」
アムロ「何だか…お前と話していると、俺の方が子供に思えるよ…でも、無理はするなよ」
ロラン「無理はしませんよ。それよりシロー兄さん、アイナさんの為にも頑張ってください」
シロー「ああ、わかった…ありがとうな、ロラン」

ウッソは一人、カメラを手に持ち暗闇の浜辺を歩いていた
ウッソ「やっぱり、夏とは言え夜になると冷えるな…それにしても夏の夜だって言うのに人がいないな…」
本来なら数え切れない程のカップルがいるはずの夜の砂浜だが、人っ子一人いない状態だった
ウッソ「寒いから皆籠っているのかな?…帰るか…」
ウッソが帰ろうとしたその時、砂浜に座る一人の女性の姿を発見した
ウッソ(一人?…何してるんだろ?)
ウッソは気配を殺して女性に近づいていく…じわり、じわりと。その時月明かりが射し込み女性の姿を現す
ウッソ「シーマさん!?」
シーマ「誰だい!?……あんた、ウッソじゃないか」
ウッソ「シーマさん、こんな所でどうしたんですか?」
シーマ「それはこっちの台詞だよ。子供はもう寝る時間じゃないのかい?」
ウッソ「いや、夜風に当たりたくて…」
シーマ「カメラを手にしてかい?」
ウッソ「え!?いや、これは…」
シーマ「フフ…ま、いいさね。ほら、こっちに座りな」
ウッソ「はい、ありがとうございます……うッ!?シーマさん、お酒臭いですよ」
シーマ「はは、やっぱり匂うかい?ちょっと飲みすぎたかねぇ」
ウッソ「何かあったんですか?なんかいつもと違いますよ」
シーマ「ちょっとね……はあ…折角は根を伸ばしに来たのにこんな事になるなんてねぇ」
ウッソ「どうしました?」
シーマ「やっと取った大口の取引先が、さっき契約を打ち切るって言い出してさ…まったく嫌になるよ…」
ウッソ「そうだったんですか…大変ですね」
シーマ「あたしもあんた位の年の頃が懐かしいよ…気兼ねする事無く面白おかしく過ごせてさ……ハハッ、愚痴っぽくなってしまったな…御免な」
ウッソ「何でもないですよ……それにしても冷えますね」
ウッソはそう言うと立ち上がり自分の着ていたパーカーをシーマの体に掛ける
シーマ「ありがと…」
ウッソ「でも、こう言うとおかしいですけど…嬉しいです。シーマさんのイメージって、勝気で他人に弱みを見せないって言うのが強いんですけど…シーマさんの本音が見えたって言うか…僕でよかったら愚痴でも何でも聞きますよ」
シーマ「おかしな子だねぇ……でもウッソ、あんた優しい子なんだね……じゃあ、早速あんたの肩貸してくれるかい?」
シーマはそう言いながらとウッソの肩にもたれ掛かる
ウッソ「シーマさん…」
シーマ「…ん…暖かい…」
シーマはそのまま静かに寝息をたて眠りについた
ウッソ「疲れが溜まっているんですね。ゆっくり寝て下さい…」


ロラン「ユニヴァース!!…ユニヴァース!!」
コウ「ロラン、五月蠅いぞ。朝からこんな所で何やってんだ?」
ロラン「おはようございます、コウ兄さん。いや~朝の海を見てたら、なんか叫びたくなって…ほら、朝焼け!」
コウ「本当だ、綺麗だな…」
ロラン「そうでしょう、そうでしょう。これが大自然のすばらしさです。…ユニヴァース!!」
コウ「ところで、シロー兄さんとシーブックは?部屋に居なかったけど…」
ロラン「ユニ……二人で朝釣りに出掛けましたよ。それよりもウッソです!ドモン兄さんとギンガナムさんが帰って来られないのは分かりますけど、何をやっているのか…」
コウ「あ、あれウッソじゃない?」
ロラン「本当だ…ウッソ!!」
ウッソ「おはようロラン兄さん、コウ兄さん」
コウ「おはよう。ウッソ、昨日…」
ロラン「おはようじゃ無いでしょう!外泊するのは構いません。でも、する時はするって教えてくれないと…心配するでしょうが!!」
ウッソ「御免なさい…本当は連絡しようとしたんだけど…」
ロラン「言い訳は聞きません!」
コウ「まあ、ロランいいじゃないか…ウッソだって反省はしているんだし…」(おいおい、無断外泊ぐらいでこんなに怒らなくても…)
ロラン「コウ兄さんは黙ってて!」
コウ「…はい…」
ロラン「ウッソ、何で怒るか分かるでしょう?」
ウッソ「うん…」
ロラン「まあ…ウッソは初犯ですし、これ以上怒りません。折角の楽しい海水浴が楽しくなくなりますからね」
ウッソ「本当に御免なさい、ロラン兄さん…」
ロラン「うん、これからは気を付けてね。…でも、本当は何をやっていたんですか?」
ウッソ「それは、ちょっと…」
ロラン「気になりますね~。もしかして女の子と一緒だったとか?」
ウッソ「違いますよ…人助けって言うか…」
ロラン「まあ、そう言う事にしておきますか。さ、朝ご飯作らなきゃ!」
ウッソ「僕も手伝います!」
ウッソはそう言いながら、ロランの後に続き歩いて行く。そして振り向きコウに向い不敵な勝ち誇った笑みを見せる
コウ「な、何なんだ…ウッソの奴…勝ち誇った顔して…」

アムロ「ロラン、午前中に買出しに行くけど一緒に行くか?」
ロラン「そうですね…ちょっと野菜関係が不足してますので一緒に行きます」
シロー「買出し行くんなら、飲み物も頼むね。海の家、値段が高いからさ」
アムロ「わかった。じゃあ行こうか」
アムロとロランは車に乗り込み買出しに出かけていった
シロー「よし、海行くぞ!」
アル「はーい!」
シロー「ジュドー、場所取り頼むな。俺達、荷物持って行くから」
ジュドー「オッケー!ガロード、一緒に行こうぜ」
ガロード「おお!」
キラ「…はあ…」
シロー「どうした、ため息なんかついて」
キラ「いや…なんかギンガナムが居ないと変に気が抜けて…」
シロー「ライバルが居ないと寂しいか?」
キラ「そんなんじゃないよ!…そんなんじゃないけど…そうなのかな…」
シロー「まあ、お前にとって、いつの間にかそう言う存在になったのかもな」
キラ「そう言われるとなんか複雑だな…」
シロー「ハハハ、そう言うなよ。それにしてもウッソ。お前、何鼻の下伸ばしてるんだ?」
ウッソ「え?の、伸ばしてないよ」
シロー「なんか、今日朝帰りしてからおかしいんだよな…何かあったのか?」
ウッソ「何も無いよ…別に…」
コウ「そうなんだよ。俺が聞いてもニヤニヤするだけで何も言わないし」
シロー「なんか隠しているな?…ま、別にいいか。気になるけど聞かないよ……それよりロランからしこたま怒られただろ?」
ウッソ「うん…ロラン兄さんからあんなに怒られたの初めてですよ。」
シロー「そうだろう。ロランも怒ると怖いんだよな。俺も4年位前に無断で外泊して怒られたんだよな。一人分の食費が無駄になりましたよ、どうするんですか!?って。それ以来、家に帰れない時は前もって連絡するようにしてるよ」
ウッソ「他の人から怒られるより凹みましたからね…今度からは気を付けますよ」
シロー「そのほうがいいな。アルも覚えておけよ」
アル「うん、わかった!」

ジュドー「場所取り完了したけど…皆遅いな」
ガロード「ただ待ってるのもつらいよな」
カミーユ「あれ?お前達だけ?シロー兄さん達は?」
ジュドー「カミーユ兄さん、シーブック兄さんもどこ行ってたの?」
シーブック「フフフ、これを見よ!」
ガロード、ジュドー「スイカだ!それにメロン!!ど、どうしたんだよ!?」
カミーユ「さっき、散歩していたらスイカ畑で働いているお爺さんが居たんだよ。で、そこの畑の持ち主のお爺さんと話をしていて帰り際に好きなの持って行けって言われてな」
シーブック「最初は断ったんだけど、お爺さんが、気に入った!遠慮は要らんからほれっ!って押し付けたんだよ。そこまで行くと逆に断るのも悪いなと思って貰ったけど」
ガロード「ふ~ん、そうなんだ…でも、これでスイカ割り出来るじゃん!」
ギンガナム「小生に割らせて貰おうか!!」
全員「ギンガナム!?」
ドモン「ハアハア…撒いたか?」
ジュドー「どうしたんだよ!?ドモン兄さん、ギンガナム…髪、金髪にしちゃって…サングラスまで掛けて…似合わないよ」
ドモン「追っ手を振り切る為の変装だ…まったく、俺達が何をしたって言うんだ!?」
シーブック「あんた等、褌は?」
ギンガナム「目立ちすぎる故に仕方なくトランクスを履く羽目に…」
カミーユ「逆に目立つよ…あんた等…」
ガロード「ほら、警察の方々がこっち見てるよ」
カミーユ「冷たい言い方だが、あんた等俺達に近づくな!仲間だと思われる!」
ガロード「ほら、こっちに来たよ!」
警察官1「失礼、警察ですが捜査に協力お願いします」
シーブック「何かあったんですか?」
警察官2「ええ、昨日変質者が現れまして…其方の方、ちょっとサングラスを取って頂けますか?」
ギンガナム「小せ…いや、私を疑っているのか?」
警察官1「確認ですよ。お願いいします」
ドモン「逃げるぞ!!」
警察官2「逃げた!やはりこいつ等だ!応援を!!」
ギンガナム「完璧な変装を見破ったとでも言うのか!?」
警察官1「それで変装のつもりか!バレバレなんだよ!!」
ジュドー「アホ二人、行ったけど良かったの?」
カミーユ「ものまま家にも帰らないでほしいよ…」

ドモンとギンガナムは浜辺からかなり離れた山の中に逃げ込んでいた
ギンガナム「ぬう、警察の数も増えて来たな…このままでは…」
ドモン「このまま逃げるのは俺には我慢できない!」
ギンガナム「どうするつもりだ?」
ドモン「ギンガナム、逃げてくれ!奴等は俺が引き受ける!」
ギンガナム「何だと!?」
ドモン「今、俺達が捕まる訳にはいかない!だが、警察の数は増え逃げ場が無くなるばかりだ。だったらお前だけでも!」
ギンガナム「ならば小生も戦おう!友を見捨てる訳にはいかない!」
ドモン「友…か……嬉しい話だが、お前だけは逃げろ…俺の為ではない、褌の未来の為に!!」
ギンガナム「褌の未来の為……苦ッ!わかった。お前のその気持ちありがたく頂く」
ドモン「来た!早く行け!!」
ギンガナム「すまない!ドモン、お前の行為は無駄にしない!!」
警察官「居たぞ!こっちだ!!」
ドモン「通さん!貴様達のような輩はここから一歩も通さん!!」
警察官「なめるなー!!」
ドモン「うおぉぉぉー!!」
ギンガナム(ドモン、死ぬなよ…生きて必ず小生と…小生と…)

110 名前:一家の夏休み 16投稿日:03/07/09 22:50 ID:???
ジュドー「シロー兄さん、遅い!」
シロー「悪い悪い。お、カミーユ来てたのか…って、スイカじゃないか!?」
アル「メロンもある!」
カミーユ「親切な人からの頂き物です。後でスイカ割りしましょう」
シロー「後でお礼を言いに行かなきゃな…」
キラ「パラソルここに立てますね…って、ジュドー兄さんどうしたの?」
ジュドー「いや…昨日カキ氷買った店、安かったから行こうとしたら看板閉まってて…」
ガロード「貸しボート屋も看板閉まってたな…潰れたのかな…」
アル「遊んでくるね!」
ヒイロ「海に入る前に…準備運動しろ。昨日の俺のように…怪我をしたくなかったら…」
ガロード「お前のは違うだろ…岩に頭から飛び込めば準備運動したって怪我するよ…ってゆ~か、死ぬよ普通…」
デュオ「お、ヒイロじゃないか!何してんだ?」
カトル「家族の方と海水浴ですか?」
ヒイロ「デュオ、カトル…どうしてここに?」
デュオ「海水浴に決まってるでしょうが。それにしてもお前、そのトランクス似合わね~な。センスがおかしいんじゃない?」
カトル「デュオ止めなさい…中傷はいけない事ですよ」
ヒイロ「…似合わないか?」
デュオ「ダサダサだよ。ピンクのチューリップ柄なんて」
デュオは腹を抱えて笑っている
ヒイロ「…そんなに可笑しいか…」
デュオ「ハハハハ…いや~悪い悪い。何怒ってんだよ。ジョークじゃん」
ヒイロ「リリーナから貰ったこのトランクスが…可笑しいか!?」
デュオ「お、おい!何切れてんだよ!危ねぇ!おい、止めろ!!」
ヒイロ「殺す!」
デュオ「面白れぇ!死神を殺すってか!?やれるもんならやってみろ!!」
カトル「ヒイロ止めなさい!デュオも!待ちなさーい!!」
シロー「友達か?」
カミーユ「友達…じゃない?」



111 名前:一家の夏休み 17投稿日:03/07/09 22:52 ID:???
オルバ「兄さん…無職になっちゃったね…」
シャギア「言うな、オルバよ…まだ我々にはチャンスはある」
オルバ「結局売り上げは二人合わせて700円…海の家でラーメンも食えないよ…」
シャギア「…実はな、その700円も貸し屋台代と材料費に消えた…それどころか逆に借金が増えてしまった…」
オルバ「そんな!?…じゃあ僕達はこれからどうやって…」
シャギア「泣くなオルバ!泣いても何も解決はしない!」
オルバ「なら何故兄さんは泣いてるの!?」
シャギア「泣いてなどいない!」
オルバ「泣いてるじゃないか!!」
シャギア、オルバ「…………」
シャギア「…すまない、オルバよ……私が不甲斐無いばかりに…」
オルバ「やめてよ兄さん!…兄さんの口からそんな言葉は聞きたくないよ…」
シャギア「…オルバ…」
オルバ「…兄さん…」
シャギア、オルバ「・゚・(´Д⊂ヽ・゚・うあ゛ッ!うあ゛ぁぁああ゛あぁあぁあぁぁあぁぁぁ!!」



112 名前:一家の夏休み 18投稿日:03/07/09 22:54 ID:???
コウ「無口で無愛想なヒイロにも友達と彼女がいる……他の兄弟達にも…ああ見えて皆結構顔が広いからな……それに引き換え俺には友達はキースだけ…後は嫌な先輩にキッチーな女、年増の女…
なんか疫病神が付きまとってんのかな…」
キラ「そんな事無いでしょう?もっと外に出て遊んだほうがいいんじゃないですか?」
コウ「でもな、なんか苦手なんだよな…大学の他の連中はクラブに行ったり合コン行ったりで楽しそうなんだけど…俺が一緒に行ってもなんか俺一人取り残されてる気がして。話も合わないし…」
キラ「コウ兄さんと話が合う人なんて中々いないですよ、僕達以外は。だから、社交的になる為にもっと外の勉強もした方がいいですよ。情報誌を買うとか」
コウ「情報誌なら買ってるよ」
キラ「MSのでしょ?じゃ無くてファッション誌とかそう言うやつ」
コウ「え~…興味無いよ」
キラ「だから、彼女出来ないんだよ。そうだ、シーマさんは?あの人なら問答無用で彼女になるよ」
コウ「ちょっとな…歳も離れてるし、何より怖い」
シーマ「誰が怖いって?」
コウ「げッ!?シーマ!!」
キラ「シーマさん!?」(な、なんて際どい格好を…)
シーマ「驚く事は無いだろ?ほらぁ鼻血を拭きなって…」
コウ「いいって!俺が一人で出来るよ!」
シーマ「折角拭いてあげるって言うのに…まあ、いいさね。そうだ、今日の夜この浜辺で花火大会があるんだよ。一緒にどうだい?」
キラ「花火大会あるんですか?
シーマ「本当は昨日にやるって話なんだけど、今日に延びたんだってさ…どうだい?」
コウ「いいよ、別に…」
キラ「コウ兄さん、一緒に行きなって!こんなチャンスめったに無いよ!」
コウ「何だよお前まで一緒になって?別にいいって…」
シーマ「じゃあ、7時頃迎えに行くね。たしかあんた達の泊まってる所って…」
キラ「あの道を登った所に一軒だけポツンと別荘があります。そこですよ」
シーマ「そうかい。じゃあ、コウ…迎えに行くから待っててね」
キラ「やったじゃん、コウ兄さん!上手くいけば卒業できるよ!!」
コウ「卒業出来るって…」



113 名前:一家の夏休み 19投稿日:03/07/09 22:56 ID:???
ロラン「明日のお昼には家に帰るから…とりあえず食材はこんな所かな…」
アムロ「ロラン、そろそろレジに並ぶぞ!」
ロラン「今行きます」
アムロ「流石にレジ混んでるな。お、このレジ空いてる…って貴様!!」
シャア「む、アムロか…何故ここに?」
アムロ「それは此方の台詞だ。貴様こそ…って、何してんだ?」
シャア「値引きのシールが貼られてあるのに値引きにならんと言うのだ、この店員は!!」
店員「ですから、お客様。この商品は12時を回ったら値引きになる商品ですので…」
シャア「なら何故こんなに早くからシールを貼る!このシールは飾りだとでも言うのか!?それに時間制限が書いていなかったぞ!」
アムロ「せこい真似はよせ!見苦しいぞ!」
ロラン「どうしたんですか?」
シャア(ロラン君!?…仕方ない、ロラン君に見苦しいところは見せられん!ここは引くか…)
アムロ「いやあ、この赤い奴がな…」
シャア「や、失敬。まあ、私の見間違いだったようだ。君、すまなかった。早くレジを済ませてくれたまえ」
店員「はあ…それでは、5862円になります」
シャア「うむ、では6000円。釣りはいらない」
ロラン「流石はシャアさん!太っ腹です!」
アムロ「それで太っ腹って言うのか?」
シャア「待たせたな。さあ、会計を済ましてくれ」
ロラン「はい!」
店員「ピーマン…円、玉ねぎ…円、トマト…円、………円……」
ロラン「ちょっと待って下さい!!」
店員「え?」
ロラン「この商品は値引じゃないんですか!?シール貼られてますよ!?」
店員「こ、この商品は12時を回ってからの値引きですので…」
シャア「そうだろ?ロラン君!おかしいよな!?」
ロラン「どこにも表示はして無かったですよ!?」
シャア「そうだそうだ!値引きしろ!!」
ロラン「それにこのトマト!傷物をこの値段で売るんですか!?おかしいですよ!」
店員「それでは他の物と交換いたします」
ロラン「他のもそうでした!ただとは言いません。傷物でも食べる事は出来ますから、トマトも値引きでお願いします!」
店員「…承知いたしました…」
アムロ「ロラン…お前まで…」



114 名前:一家の夏休み 20投稿日:03/07/09 22:58 ID:???
シャア「いや~、ロラン君のおかげで私も値引きできたよ」
ロラン「値引きは家計を預かる者の基本です。お手の物です!」
アムロ「ロラン、お前の買出しはいつもあんな感じなのか?」
ロラン「あの程度の事は日常茶飯事ですよ。なるべくお金は出したくないですからね」
アムロ「苦労をかけるな…」
シャア「それにしても見事なものだな。まさか私の買い物もあれだけ値を下げられるとは…やはり君は私の母になる…」
アムロ「止めろシャア!そこまでだ!」
ロラン「私の母って?なんです?」
シャア「いや、すまない。聞き流してくれ」
ロラン「そうですか…ところでシャアさんも海水浴ですか?」
シャア「そんなところだな。大きな仕事にケリが付いてなドライブがてら近くに来たのだ」
アムロ「大きな仕事って…まさか」
シャア「そのまさかだよ。豊富な資源を所有しているウィナー家との商談が成立したのだよ」
アムロ「接触していると噂では聞いていたが…まさか…」
シャア「アムロ、君は時間の流れが見えてないようだな。そんな事では我が社には追いつけないぞ」
アムロ「くッ!」
ロラン「シャアさんは今日は泊まりですか?」
シャア「いや、泊まりたいのは山々だが今日は帰って明日の仕事の仕度をしなくてはな…君と別れるのは寂しいが…」
ロラン「そうですか…」
シャアはロランに別れの言葉を言いその場を跡にする。
ロラン「この不景気なのに…すごいですね…」
アムロ「俺だって本気を出せばそれくらい……ブツブツ…」



115 名前:一家の夏休み 21投稿日:03/07/09 23:01 ID:???
シロー「お、買出し終わったか?」
ロラン「はい、ちゃんとビールも買ってきましたよ」
シーブック「…アムロ兄さんどうした?」
ロラン「ちょっと機嫌が悪いみたいです。そーっとして置きましょう…ところでアルは?」
カミーユ「クリスさんもここに来てて一緒に遊びに行ったよ」
ウッソ「そう言えばさっきグエンが来てロラン兄さんを探してたよ」
ロラン「グエン様が?…あ、そう言えば!!」
グエン「ローラあぁ!!何故、昨日来てくれなかったぁ!!」
ロラン「グエン様!?すみません!すっかり…」
グエン「寂しかった…寂しかったんだよローラぁ!」
ロラン「本当にすみません!約束を破ったお詫びは何でも言う事を…」
ロランはそこまで言いかけて、しまった、っと思い口を噤み、恐る恐るグエンの顔を見る。グエンは薄気味悪い笑みを浮かべていた
グエン「それならば今日こそは来てもらう!もちろん一人で!!」
ロラン「ハイ…わかりま…」
シロー「馬鹿!ロラン!グエンの作戦だ!」
グエン「横槍は止めて頂こう!ローラは私との約束を破った。それに対しローラはお詫びとして何でも言う事を聞くと言った!」
シロー「くッ!べらべらと減らず口を!」
ロラン「シロー兄さん、いいですよ…いつも弟達に約束を破るなって言っている僕が約束を破ってしまったんです…嘘つきにはなりたくないですし、
お詫びをするのは当たり前のことですよ…」
ウッソ「グエンの言う事なんか無視しなよ!」
ロラン「駄目です!非は僕にあるんです。これが僕のけじめです」
ロランは少し目に涙を溜めウッソに問い正す。嘘をつく、決まり事を守らなければこうなると…ウッソはロランのその覚悟に気圧される。
グエンはロランの涙目を見て快感を覚える。まるで背筋に電流が走ったような…
グエン(我が世の春が来たな…これでローラにあんな事やこんな事が…)
ウッソはグエンのにやけた顔に腹立たしさを感じていた
ウッソ(何でこんな奴に…)
グエン「それではお詫びとして今日の夜、私の別荘に来てもらおう。これを着て!」
ロラン「浴衣?」
グエン「そうだ!必ず着用して来てもらう!」
ロラン「わかりました…必ず着て行きます」
グエン「それでは、楽しみにしているぞ」



116 名前:一家の夏休み 22投稿日:03/07/09 23:03 ID:???
シロー「本当に行く気か?」
カミーユ「行かなくてもいいんだぞ。怖いんだろ?」
ロラン「怖くは無いよ…グエン様だって人の子だもん。まさか取って食おうなんて事は…」
ウッソ「ロラン兄さん…この浴衣、女物だよ…」
ロラン「……」
シーブック「…食われるな…」
カミーユ「そーゆー言い方は止めろ!」
ロラン「大丈夫…ですよ…」(食われるって?)
シロー「ヒイロを護衛に付けようか?」
シーブック「ヒイロはさっき決着を付けに行くって、どこかに行ったよ」
シロー「くッ!肝心な時に限って使えない!」
ロラン「だ、大丈夫です!変な事されそうになったら抵抗しますし…こう見えて腕に自身ありますから!」
シロー「…に、見えないんだよな…お前の場合…」
ロラン「…言わないで下さい…」



117 名前:一家の夏休み 23投稿日:03/07/09 23:06 ID:???
夕刻
シロー「にしても、その浴衣綺麗だな…」(アイナが着たらなおさら…)
カミーユ「かなり高い物みたいだな…」
シーブック(…絶対、食われるな…)
ウッソ「ロラン兄さん、本当に行くの!?」
ロラン「けじめですから…」
シロー「ロラン、身に危険が及ぶ時はこのボタンを押せ。すぐに駆けつける」
ロラン「わかりました…それでは行ってきます」

ウッソ「行っちゃったね…大丈夫かな」
シロー「ヒイロの荷物からスタンガンを出して持たせたからな…」
キラ「ただいま~!あれ?ロラン兄さんは?」
シロー「ちょっとな…」
キラ「そう言えば、今日花火大会あるって」
ウッソ「へ~そう…」
キラ「何だよ、その気の無い返事は…それでね、コウ兄さんがシーマさんから一緒に行かないかって誘われて一緒に行くって…」
ウッソ「何ィ!!!」
キラ「何なんだよ、いきなり…」
ウッソ「時間は!?どこで!?」
キラ「確か7時頃…迎えに来るって言ってたな…」
ウッソ(花火大会…二人っきり…これはロラン兄さんの心配をする所じゃないな)
カミーユ「コウは?」
シーブック「憂鬱そうな顔をして2階に行ったよ」
シロー「花火か…よし、皆で見に行くか!」
全員「おおー!」
カミーユ「ロランの事は?」
シロー「あいつも男だ!一人で何とか出来るだろ!それに発信機つきの警報機とスタンガンを持たせたんだ。大丈夫だよ」
シーブック「その発信機から反応が消えたよ…」
全員(キラ、ウッソ除く)「何ィー!!?」
キラ「え?何?どうしたの?」

143 名前:一家の夏休み 24投稿日:03/07/14 00:01 ID:???
ロラン「やっぱり止めようか…でも、また嘘をつく事になる…でも、シーブックの一言が気になる…皆にこの別荘の住所言うの忘れたし…」
ロランはグエンの別荘の目の前まで来ていた。兄弟達に啖呵をきったものの入るか入らないか迷っていた。その時、グエンの別荘の重厚な扉が開く
グエン「待っていたよ。ああ、やはりその浴衣は君にぴったりだ」
鮮やかなアサガオが描かれたその女物の綺麗な浴衣は派手でも無く、地味でも無くロランにピッタリとマッチしている。まさにグエンのセンスが現されていると言っても過言ではない。恐らく百人中百人がロランを女性と思えよう。
内心ロランもこの綺麗な浴衣を着たとき満更でもないと思えていた程である
ロラン「遅くなりました」
グエン「まあ、入りたまえ」
ロランが中に入りグエンが扉を閉める。そして鍵をかける
ロラン「グエン様!?」
グエン「安心したまえ。君の兄弟達が邪魔をしないとも限らない。言わば保険だよ」
鍵の方を見るとそれは内側から鍵を使って掛けられる仕組みになっている。扉も分厚い。
ロランは他の逃げ道を見付けようと別荘の中を見回す。シローから渡された警報機をいつでも押せるように警戒しながら…
グエン「そうそう。この別荘の周りは半径300メートルに渡り強力な磁場が発生している。発信機や警報機の類の精密機器は恐らく故障していよう。」
ロランはその一言に反応し浴衣の袖に隠している警報機を取り出した。そしてスイッチを押す…が、何も反応は起きない。ロランは素早くスタンガンを取り出しグエンに向かい構えを取る
ロラン「何をする気ですか?…返答次第ではグエン様を…」
グエン「クックックックッ…ローラ、君にそんな物騒な物は似合わない。それにそんな物で私をどうにか出来るのかな?」
ロラン「これはスタンガンです。僕の弟が作った物で普通の物よりも遥かに協力です!このスイッチを押すと…」
ロランはそう言いながらスイッチを押す。が、出るはずの電撃の火花が出ない。
ロラン「そ、そんな!?」
グエン「ハーハッハッハッ!言っただろう!機器関係は故障すると!無駄な抵抗は止めたまえ…」



144 名前:一家の夏休み 25投稿日:03/07/14 00:01 ID:???
ロランはスタンガンを投げ捨てるとグエンに向かって殴りかかる。が、その拳はグエンの顔の前で弾かれる
ロラン「何!?」
グエンの周りに不思議な物体が浮いている
グエン「無駄だと言っただろ、ローラ。私の体の周りにはプラネイトディフェンサーと言うあらゆる攻撃が無効になるビームシールドのようなシステムが機能している。下手をすると君が怪我をすることになる」
ロラン「卑怯な…」
グエン「卑怯と言ったかね?それは君の事では無いのか!?ローラ、君は口約束とは言え約束を破ったのだよ。君は嘘をついた挙句、私に暴力も振るおうとした。卑怯なのはどちらかね?」
ロランは何も言えずにいた。グエンの言う通りだから…ロランは心の底から後悔している。もしかしたら昨日の内に行っておけばこのような事にはならなかったかもしれない。これが約束を破った代償だ。ロランは悟った。
自分は何をされようと文句の言える立場ではない事を…
グエン「そんなに怯えなくてもいいさ。別に取って食べようと言う事じゃない。私は君とのひと時を過ごしたいだけだ。さ、ローラ…こちらへ…」
ロラン「…はい…」



145 名前:一家の夏休み 26投稿日:03/07/14 00:03 ID:???
シロー「それじゃあ、花火見に行くぞー」
ジュドー「あれ?ウッソは行かないのか?」
ウッソ「うん、ちょっと具合が悪くて…」
キラ「コウ兄さんに言っておいてね。がんばれって」
ウッソ「わかった」
全員「行ってきまーす!」
ウッソ(誰がコウ兄さんに渡すものか…)
ウッソは静かにコウの部屋に行く
コウ「あ~…もう少しで7時になる……どうしたものか…」
ピンポーン
コウ「来た!?」
シーマ「コウ、居るんだろ?迎えに来たよ!」
コウ「どうしよう、どうしよう……ウグッ!!?」
ウッソは静かに忍び寄り後ろからコウの首を絞めた!
ウッソ(コウ兄さん、ごめん…渡さないよ…)
コウ「だ、誰だ!?…く、苦し…い……」
ゴト!
…コウはあっけ無く落ちた…気絶して床に横たわるコウを見ながらウッソは話しかける
ウッソ「…やっと落ちた……コウ兄さんが悪いんだよ?シーマさんの事をはっきりさせないから…そんな人にあの人を任せられないよ…」

シーマ「コウ!?居ないのかい?」
ガチャ
ウッソ「シーマさん?」
シーマ「ウッソじゃ無いか」
ウッソ「シーマさん…浴衣姿最高です!」
シーマ「ありがと。ところで、コウは居るかい?」
ウッソ「コウ兄さんなら足早に出かけましたよ?…どうしたんです?」
シーマ「これから花火を見に行く約束をしてたのさ……逃げられたか…」
ウッソ「約束してたんですか!?コウ兄さん…約束を破るなんて……シーマさん、申し訳ありません!!兄が約束を破るなんて、本当に情けないと思います!」
シーマ「まあ、いいさね…約束が破られるなんていつもの事さ…」
ウッソ「シーマさん…」
シーマ「一人で花火を見るのもなんだし…ウッソ、一緒に行かないかい?」
ウッソ「シーマさんがよろしければ…兄の代わりにはなりませんが…」
シーマ「そんなの気にしないで…あんただって十分いい男だよ」
ウッソ「ありがとうございいます!」
シーマ「それじゃ行くかい?」
ウッソ「はい!!」



146 名前:一家の夏休み 27投稿日:03/07/14 00:04 ID:???
グエン「ローラ、こちらのテラスに来たまえ」
ロラン「…はい…」
グエン「どうした?いつもの元気が無いが?嬉しくないのかね?」
ロラン「…いえ、嬉しいです…」
グエン「それならそんな暗い顔しないで…折角の料理と景色が台無しになる」
ロラン「…申し訳ございません…」
ロランは憂鬱な表情を浮かべながらテラスにある椅子に腰をかける。そして外の景色を眺めながら一人物思いにふける
ロラン(綺麗な景色…もしかしてこれが僕の見れる最後の…)
グエン「さあ、ローラ!スパークリングワインだ。グラスを…」
グエンがロランのグラスにスパークリングワインを注ぎ自分のグラスにも注ぐ。それをロランは魂の抜けた表情で見つめている
ロラン(…もう…考えるのはよそう…)
グエン「(そろそろだな…)さあ、ローラ。グラスを手に」
ロランはグエンに言われるがままグラスを手にする
グエン「私と愛しのローラに…乾杯!」
ロラン「…乾杯…」
その時だ!
ドーンッ!ドドーン!!
ロランの目の前に花火が打ちあがる
ロラン「花…火?」
グエン「どうかね?私はこれを君に見てもらいたくてな…」
ロラン「この花火を?」
グエン「ああ、そうだ。本来なら昨日行なわれるんだが…昨日は君が来なかったから中止にした」
ロラン「中止にしたって?」
グエン「毎年ここで花火大会をしているんだよ。そして私はそのスポンサー。中止にするぐらいわけは無い…」
ロラン「グエン様…」
グエン「誰にも邪魔されず、ただ純粋にこの花火をこの特等席で君に見てもらいたくてな…」
ロラン「グエン様…僕、グエン様に何かされると…勘違いしてました!僕…」
グエン「気にするな、勘違いは誰にでもある。さ、遠慮なく飲みたまえ」
ロラン「はい!」
グエン(フフフ…ローラ、勘違いなどではないよ…たくさん飲ませて酔いつぶれたところを…)



147 名前:一家の夏休み 28投稿日:03/07/14 00:05 ID:???
ドモン「花火…か……ギンガナムは何とか逃げただろうか…」
暗闇の森の中でドモンは一人夜空に上がる花火を見ていた
ドモン「しかし、警察も中々のものだ…まさかこれほど手こずるとは…しかし俺は捕まるわけにはいかない…なぜなら友と約束したからな…」
ドモンは赤い鉢巻を締め直すと森の中を歩く
ドモン「生きてギンガナムと…それまでは誰が相手でも死ぬ訳にはいかない!待っててくれ、ギンガナム!!」

その頃ギンガナムは…
ギンガナム「た――まや―――!!」
キラ「ギンガナム五月蝿い!」
シロー「折角、静かに花火見てたのに…」
ジュドー「ギンガナム、ドモン兄さんは?」
ギンガナム「知らん!!」
ジュドー「知らんって…仲よかったじゃない?」
ジュドー「警察に追われてんだろ?ドモン兄さんを見捨ててきたのか?」
ギンガナム「見捨ててなどいない!ドモンが逃げてくれって言うからそうしたまで…本来なら小生がドモンの代わりになり警察の足止めをしなければならないのに…」
キラ「それって見捨てた事になるんじゃない?一緒に戦うべきだよ」
ギンガナム「…やはり、そうか?」
キラ「それが男ってもんでしょ?」
ギンガナム「ぬう…そうだな…キラの言う通りだな」
キラ「じゃあ、行ってあげなきゃ!」
ギンガナム「よし!花火が終わったら行く事にしよう!!」
キラ「今行けよ…」



148 名前:一家の夏休み 29投稿日:03/07/14 00:07 ID:???
その頃、ウッソとシーマは高台にある神社の石段に座り花火を眺めていた
シーマ「綺麗だねぇ…」
ウッソ「そうですね。でもシーマさんの方がもっと綺麗ですよ」
シーマ「嬉しい事言ってくれるねぇ…あんたよく見ると可愛いね」
ウッソ「可愛いなんて…そんな……僕は男ですよ…」
シーマ「もう、立派な大人の男だって言いたいのかい?」
ウッソ「子供に見られるのはちょっと…」
シーマ「そうかい…あんたのプライドを傷つけたかねぇ?…だとしたら、ごめんな…」
ウッソ「何でもないです。シーマさんこそ僕なんかと一緒で…楽しいですか?」
シーマ「フフ、楽しいさ…それに、あんたと一緒に居ると、なんか…安らぐよ」
ウッソ「でも、本当はコウ兄さんと二人っきりだったらいいんでしょ?」
シーマ「まあ、欲を言うと……でも、あんたは…」
ウッソ「シーマさん!」
ウッソはシーマの両肩を掴む
シーマ「な、なんだい、急に?」
ウッソ「僕…シーマさんの事が…」
シーマ「お止しよ、からかうのは…あたしには…」
ウッソ「コウ兄さんには渡しません!」
シーマ「…それに…年齢が…」
ウッソ「関係ありません!…コウ兄さんには悪いけどシーマさんを任せられません…必ず幸せにしますから!…シーマさん…」
シーマ「ウッソ……そう言ってもらえるのは嬉しいけど…」
ウッソ「シーマさん……僕、あなたを奪います!」
ウッソはそう言い、シーマの肩を強く握ると顔を近づける
シーマ「ちょ、ちょっと、ウッソ!?」
シーマはキスをされる事に気づき、どうしたらいいか分からずオロオロするばかりだ。そうしている間にもウッソの顔は近づいて来る。シーマは、キスをされる、もう駄目だ、と思い目を瞑り体を硬直させる
ウッソ(シーマさん…体を硬直させるなんて、可愛いよ。可愛すぎるよ!……もう、食べちゃいたいぐらい…それじゃあ、頂きます…)

ウッソがキスをしようとしたその時、神社のお堂が開く!
マリア「罪深き子羊が見えます!」
シャクティ「…お母様…私にも見えます」
ウッソ「げ!?シャクティ!?」
シーマ「え?何?」
マリア「あまりにも重いその罪…どうしましょう?」
シャクティ「私に任せて頂けますか?お母様…」
マリア「…シャクティ…あなたに任せます」
シャクティはゆっくりとその場を立ち、ウッソに向かい歩いて来る
ウッソ「シャクティ…どうしてここに?」
シャクティ「ここはお母様の社です…ウッソ、貴方は私という者が居ながら…」
ウッソ「シャクティ…これには深い訳が…」
シャクティ「ギロチン?それとも宇宙漂流?最後くらい選ばせます」
ウッソ「シャク…ティ…」
シャクティ「さあ、どちらに?」
ウッソ「…ごめん!!」
シャクティ「逃げた!?」
マリア「逃がすでない!!」
ウッソはすざまじいスピードでその場から離脱する。シャクティとマリアはそれを追いかける。その場にはシーマ一人が取り残された
シーマ「…何だかよくわからないけど…助かった…」



149 名前:一家の夏休み 30投稿日:03/07/14 00:09 ID:???
グエンの別荘では…
グエン「ローラ、もう止めたまえ」
ロラン「五月蝿い!もっと酒持って来いって言ってんだろ!」
グエン(まさか、ローラが酒乱だったとは…)
ロラン「御曹子!酒持って来いって、聞こえねえのか!?」
グエン「ああ、待っていてくれ。今…」
ロラン「メ゛―リさんのヒッツッジー!ヒッツッジー!メーメー!!」
グエン「この睡眠薬入りを飲ませて眠らせなければ…あんなのはローラじゃ無い!
ロラン「御曹子!どこ行った!?出て来い!」
グエン「はい、こちらに!」
ロラン「おお、居た居た。ちょっと、僕の言う事を聞いてくれますか!?」
グエン「何でございましょうか?」
ロラン「ディアッカの真似をしろ!」
グエン「ディアッカ?…と、言いますと?」
ロラン「グレイト!って…いつもやってるじゃん!」
グエン「はあ?」
ロラン「ほらあ、早く!」
グエン「まあ、ローラ落ち着きたまえ。ほ、ほら、お酒」
ロラン「ああ、ありがとさん……んぐ、んぐ、んぐ…プハー!!」
グエン「美味しいかい?」
ロラン「うめー!結構いい酒でしょう、これ」
グエン「ああ、一本15万円の酒だ」
ロラン「ふ~ん…もう味分からないしどうでもいいけど……ふあぁぁ…ちょっと眠くなってきた…」
グエン「だったら、横になったほうがいいぞ」
ロラン「…ん…寝る…」
グエン「さあ、こちらへ」
グエンは、ぐでん、ぐでんになったロランを連れベッドルームに入る
グエン「さあ、ローラ。横になりたまえ…」
ロラン「クー…クー…」
グエン「…もう、寝てるか…」
グエンは眠っているロランを静かにベッドに寝かせるとネクタイを緩める
グエン「しかし、手こずらせてくれた…だが、ここからは私の独壇場だ!」
グエンはベッドに腰をかけロランの銀髪をかき上げる
グエン「ああ、やっぱりローラはおしとやかに、こうでなくては…」
ロランの腰に手を回しゆっくりと浴衣の帯を外していく。っと、その時ロランの目が見開く
ロラン「ディアッカ…何しようとした?」
グエン「い、いや…暑いかと思い、ちょっと浴衣を…」
ロラン「ふ~ん…苦しい言い訳だね…」
ロランはそう言うと立ち上がり千鳥足でテラスに戻って行く。そしてテラスの手すりに上り叫ぶ!
ロラン「ユニヴァース!!ここは良い所だぞー!皆、早く来-い!!」
グエン「ローラ、危ない!そこから降りなさい!」
ロラン「五月蝿い、ディアッカ!邪魔をしないで!」
グエン「だから、ディアッカって誰なんだ?ああぁあぁ…もう、どうしたものか………それよりも睡眠薬、効いてないのか?」
ロラン「つーきの友よ―――!!」
グエン「こうなったら実力行使だ。直接注射器でこの痺れ薬を打ち込む!」
グエンは恐る恐るロランに近づきロランを羽交い絞めしテラスから降ろすと注射器を首に押し当てる
グエン「すまないローラ。こうでもしないと収集がつかなくなる…こんな野蛮な行為に出てしまった事を許してくれ…ローラ」
ロラン「デイアッカ…今、女の名前を呼ばなかったかい?」
グエン「は?な、何を!?」
ロランはグエンの隙を突き、素早く体を入れ替えるとグエンから注射器を奪い取りグエンの首に押し当てる
ロラン「デイアッカ…覚えておけ。戦場で恋人や女房の名前を言う時はな…瀕死の兵隊が甘ったれて言うセリフなんだよ!!」
ロランはその言葉を吐くと注射器の中身をグエンの体内に打ち込む
グエン「だから、ディアッカって誰なんだ!…ローラ…前の、おしとやかなローラに…戻って…く…れ…」
グエンはその言葉を最後に体の自由が利かなくなり倒れる。ロランは倒れているグエンを見下ろしながら不敵な笑みを浮かべる
ロラン「…任務続行…」

203 名前:一家の夏休み 31投稿日:03/07/25 22:16 ID:???
翌朝、ロランはベッドで目が覚めた
ロラン「う~…頭が痛い…」
ロランは完全な二日酔いだった。グエンと酒を飲んだ記憶はあったがそれからどうなったかがまったく記憶が無い
ロラン「ここは、確かグエン様の別荘…一緒にお酒飲んで…あれ?グエン様?」
辺りを見回すがグエンの姿は無い。ロランはベッドから降りる…が、何か体が不快に思い鏡を見る。素っ裸だ!
ロラン「なッ!?何で裸なんだ!?」
ロランはすぐさま近くに落ちている浴衣を羽織ると昨日の出来事を思い出そうと一生懸命頭をフル回転させるがまったく思い出せないでいた
ロラン「昨日何かあったのかな…それとも、ナニかされたのかな…とりあえずグエン様に聞くか…ちょっと怖いけど…」
ロランはグエンを探しに別荘内をうろつく
ロラン「グエン様―!グエン様―?もう、この別荘無駄に広いな…グエン様―!」
グエン「ロー…ラ…」
ロラン「グエン様!?」
ロランは微かに聞こえた声を頼りに声のするテラスに歩いていく
ロラン「グエン様―!こちらですか!?グエン様-!…グエン!?」
グエン「…やあ…ローラ…」
ロラン「グエン様!なんて格好を!?」
グエンはテラスの手すりからロープで縛られ、宙吊りにぶら下がっている。その姿はおぞましいもので素っ裸にされた挙句、女物のカツラをボンドでくっ付けられ、顔は識別出来ないほど落書きされ、肛門にはスパークリングワインのボトルが差し込まれ、
グエン自身には蝋燭の蝋と思われる物で封印されてある
グエン「酷いじゃないか、ローラ…君がこんな風にやったんじゃないか…」
ロラン「冗談言わないでください、僕がこんな事する訳無いでしょう!」
グエン「君は酔いに任せて私の体を…うッうッ…」
ロラン「ちょっと待って下さい!僕…酔っ払ってグエン様に何かしたんですか?」
グエン「…良かったぁ…」
ロラン「はあ?」
グエン「あのようなプレイも悪くない。身動きの取れない中、目隠しをされ、何が起こるか分からないあのドキドキ感…蝋燭の熱い雫…襲い来る罵声と卑猥な言動…私は新たな快感に目覚めた!!」
ロラン「……」
グエン「ローラ、どこへ行く!?待ってくれ!」
ロラン「勝手にしてください…」
グエン「目覚めさせたのはローラ、君だぞ!?ちょっと、何処へ?…ああ、そうか!これもプレイの一つだな!?放置プレイ!素晴らしいよ、ローラ!!」
ロラン(もう…グエン様とは、付き合いきれません)
ロランはそのままグエンの別荘を後にする



204 名前:一家の夏休み 32投稿日:03/07/25 22:17 ID:???
カミーユ「朝ごはん出来たよー!」
シロー「ふあぁぁ……昨日は夜更かしが過ぎたな…」
シーブック「大丈夫ですか、シロー兄さん」
シロー「久々アムロ兄さんの愚痴に付き合わされたよ」
アムロ「…おはよう……シロー、昨日はすまなかった…」
シロー「お互い様だよ…俺も愚痴ってたし…」
カミーユ「二人とも自棄酒でしょ?何時まで飲んでたの?」
アムロ、シロー「覚えてない…」
キラ「おはよー…あれ?コウ兄さんとウッソは?」
シーブック「無断外泊だ…ヒイロは毎度の事だが、ロランが居ないからって許されないな…」
アムロ「…ロランはまだ戻らないか?」
カミーユ「…昨日、シーブックと二人で夜通し探したけど…見つからなかった…」
シロー「無事だといいが…」
ガロード、ジュドー、アル「…おはよ…」
シーブック「元気無いな、お前ら」
ガロード「…今日でこの海水浴が終わると思うと…」
ジュドー「…悲しくなって…せめてもの思い出に…」
アル「…三人で夜通しトランプしてたら…」
ガロード、ジュドー、アル「さらに悲しくなった!(泣)」
カミーユ「気持ちは分からないでも無いが…ちょっと大げさだぞ」
アムロ「お昼にはここを出発するからそれまで自由時間だ。最後に思う存分遊んで来い!」
ガロード、ジュドー、アル「おおー!!」
シーブック「あの三人は落ち込みも早いが、立ち直りも早いな」



205 名前:一家の夏休み 33投稿日:03/07/25 22:21 ID:???
アムロ「ジュドー達の荷物もまとめてくれるか?」
シロー「俺がやる。カミーユはヒイロとドモンの荷物を頼む」
カミーユ「あ、ちょっと今ロランの荷物を…」
シーブック「おれがやっておくよ」
ロラン「ただいま帰りました…」
アムロ「ロラン!?」
シロー「ロラン、体は?怪我は?大丈夫か!?」
ロラン「大丈夫ですよ」
カミーユ「グエンに何もされなかったか?」
ロラン「(僕が何かしたんだろうけど)何もされませんでしたよ」
アムロ(まさかあのグエンが…ロランと一夜を共にして、何もしてないとは考えにくい!)
シーブック「く、口止めするように言われたのか?」
ロラン「まさか!そんな事は無いですよ……ただ、一緒に花火を見ながらお食事しただけですよ………そ、それ以外は何も…」
アムロ、シロー「何でそこで目を逸らす!!」
シーブック「何かされたな!」
カミーユ「くそ!グエンの奴!」
シロー「グエンの別荘は何処だ!?教えろ!!」
アムロ「よくも俺の大事な弟を!!許せん!!」
ロラン「止めてください!行かない方がいいですよ!酷い事になって!!…」
アムロ「ど、どう言う事だ?」
シロー「ま、まさかお前のその細腕で返り討ちにしたのか?」
ロラン「返り討ちって言うか…その…」
カミーユ「ん?ロラン…お前、酒臭いぞ」
シーブック「本当だ…かなり飲んだ?」
ロラン「…はい…未成年だから本当は飲んじゃいけないんですけど…逆らえなくてつい……一杯だけのつもりだったんです!」
シロー「そうか…(グエンが酷い事になっているって言うのが気になるが)だったら、グエンが返り討ちに遭ったのも納得だな…」
アムロ「(グエンめ…自ら地雷を踏んだな…)よかった…ロランに何もなくて…」
カミーユ、シーブック「ちょっと兄さん!それでいいの!?」
アムロ「ロラン、荷物をまとめるのを手伝え」
ロラン「はい!」
シロー「さーって、ジュドー達の荷物もまとめるか!」
カミーユ、シーブック「どうなってるんだ?」




206 名前:一家の夏休み 34投稿日:03/07/25 22:22 ID:???
アムロ「おーい!そろそろ帰るぞ!!」
アル「えー!?もう帰るの?」
ガロード「もっと遊びたいんだけどな…」
ジュドー「しょうがないよ、俺達が休みでも兄貴達が仕事あるし…」
ガロード「そうだな……よし!じゃあ、シャワー浴びて着替えるか!」
アル「また、来たいな…皆で」

アムロ「しかし…来た時より幾分人数が少ない気が…」
シロー「全員いるでしょ?ドモンは抜きにして」
アムロ「そうだな…ヒイロもいつの間にか居なくなったし…途中離脱者を除くとこんなものか…」
ロラン「ウッソが居ないけど…」
カミーユ「そうなんだよな…探したんだけど居ないんだよ」
シロー「ロランに怒られたのがショックだったりして」
ロラン「そんな!…そうなのかなぁ…」
シーブック「でも、別荘に置き手紙置いておいたから大丈夫だろ。あいつもああ見えてしっかり物だし。キラみたいにふてくされないし」
キラ「どう言う意味さそれ!」
カミーユ「ロラン、心配するな。お前のせいじゃないよ」
ロラン「そうですか?」
ジュドー「遅れた!ごめん!」
ガロード「ほらアル、乗れよ。さ、行こうぜ!」
アムロ「よし、皆乗ったな!?出発するぞ!」
全員「おおー!」
アル「帰りたくないよー!」


その頃、別荘では…
コウ「兄さん?皆?どこに居るの?」



207 名前:一家の夏休み 35投稿日:03/07/25 22:23 ID:???
こんにちは、ロラン・セアックです。
早いものであの海水浴から一週間が過ぎました。
あれからと言うものアムロ兄さんはシャアさんに遅れを取ったのがよほど悔しいのか会社に行ったきりです。仕事もいいですけど体に気を付けてもらいたいです。
シロー兄さんも職場とアイナさんの実家に行ったり来たりです。早く幸せを掴み取ってほしいと思います。
ドモン兄さんはギンガナムさんと一緒に居るらしく、まだ帰ってきません。時々テレビで見かけるんですけど…何をやっているのやら…
ヒイロはまだお友達のデュオ君と喧嘩してます。カトル君と言うお友達が仲介をしているみたいなんですけど…生傷が絶えません…家に有る救急箱が昨日で空になりました…
他の兄弟達は皆元気ですが…そうそう、置いて行かれたコウ兄さんが4日前に帰って来ました!…帰って来たのはいいんですが、それ以来コウ兄さんは誰とも口を聞きません。
それから困ったことに…グエン様があれ以来、変なスイッチが入ったらしく僕に向かって
「女王様!卑しい私にお仕置きを!」
と言ってきます。…僕は女王様じゃないのに…
それよりもウッソです!何で帰って来ないのか…もしかしてあの時の怒り方が悪かったのか…
お友達のシャクティちゃんもウッソの事が心配で毎日家に来ています。
ウッソ…怒らないから帰って来て下さい!




208 名前:一家の夏休み ラスト投稿日:03/07/25 22:27 ID:???
どうも、ウッソ・エヴィンです。
あの日から一週間…いまだにシャクティから逃げている最中です。
一度家に帰ろうとしたんですけどシャクティが家の前に陣取ってました。
何食わぬ顔で学校に行ったらマリアおばさんとクロノクルさんが追いかけて来ました。
シーマさんの家に逃げ込みましたがシーマさんは顔を赤くして
「ウッソ、ごめんなさい!」
と、言って家に入れてくれませんでした……シーマさんったら、照屋さんなんだね…
ジュンコさん達に匿ってもらおうとしたんですけど…徹底的に無視されました…ちらほらシャクティの姿が見えたからおそらくシャクティの仕業かと…完璧な根回しです。
事情を説明しようと家に電話をかけようとしたんですけど、シャクティが家の電話機に逆探知機を仕掛けてるのを見ました。八方塞です…
それに何故か家の前にはギロチン台があります…昨日シャクティがイエロージャケットの人達を引き連れ、設置していました。僕の兄弟達は珍しそうに眺めてました。シャクティは兄弟達に、
「これは、中世の珍しいオブジェです。見た目は恐ろしいですけどご心配なく。刃引きしてありますから」
と、説明してたけど…あれは刃引きしてない代物です。切れ味抜群です。シャクティは本気で僕を狙ってます…

…ついさっき、シャクティから電波が飛んできました…シャクティは、
「そこにいるんでしょ?そろそろ出てきたら?…楽になるわよ…」
って、言われたので僕は
「なんでここまで追い詰めるの?ギロチンまで置いて…」
って、言うとシャクティは
「貴方の様な人を分からせる為の必要悪なのよ。逃げるのは止めにして潔く出てきて下さい……あなた一人では逝かせませんから…」
…そんな事って…ある?……シャクティ…おかしいよ……いくらなんでもおかしすぎるよッ!!

そろそろ僕の疲労も限界です。ロラン兄さんごめんなさい。正直助けてもらいたいです。
誰でもいいから僕を助けてください!!



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最終更新:2018年11月27日 14:54