541 名前:ラー・カイラム救出大作戦!?(1/7) :2011/05/05(木) 21:49:32.50 ID:???
ラー・カイラム社、エントランス
キラ「はい、これが明細と、委任状」
アストナージ「町内で回収した廃パーツを、持ってきてくれたんだな。中身を確認するから、ちょっと待ってろよ」
ガロード「分かった」
キラ「アムロ兄さんの会社に来るのも、久しぶりだね」
ガロード「なんだかんだで用事も無いからな。シャアのところなら結構行ってるんだけどな」
アストナージ「アムロ。今日の○○町の廃パーツ回収なんだが、キラとガロードが代わりに来てたぜ」
アムロ「なんだって……!?今日って確か……」
アストナージ「ああ、あれならまだ来てないな。いつ来るかは分からないんだろ?」
アムロ「そう言ってあるからな……でも、これはまずいぞ……あいつらの性格なら……」
ガッシャーン!(ドアが蹴破られる音)
アムロ「!?」
アリー「このビルは我々テロリストが占拠した!」
チェーン(人質)「アムロ!」
リョウ「大人しくしていれば危害は加えねえ!黙って我々の要求に従え!!」
エイガー「まずは、両手を頭の上に置け!変な動きをしたら、どうなるか分かってるよな!?」
アムロ「く……分かった……」
アムロは、椅子のシャフト部にある秘密のスイッチを足で探す。
このスイッチを押すと、警察に異常事態があったと通報がされるのだ!
アリー「おっと、そこのテンパ。足で何やってんだ?」
リョウ「調べさせてもらうぜ…… ……隠しスイッチだと!?この野郎!」
アムロ「うわっ!?」
リョウ「全員、椅子から降りてここに伏せろ!舐めた真似したら、承知しねえからな!」
一方、エントランスでも……
ハレルヤ「とっとと床に伏せろ!」
トロワ「人質の数を確認・報告した。このフロアには29人。外部の人間は確認していない」
ハレルヤ「分かった……いいか、少しでも逆らったら、どうなるか分かってるよな!?」
542 名前:ラー・カイラム救出大作戦!?(2/7) :2011/05/05(木) 21:50:31.23 ID:???
ガロード「へへ、なんとか通気孔に逃げ込んできたぜ」
キラ「まさか、ラー・カイラムがテロに遭うなんてね。それで、これからどうするつもり?」
ガロード「決まってるだろ。あいつらをやっつけるんだよ!」
キラ「訊いてる時間が無駄だったね、それじゃあ、始めようか」
ガロード「ああ、ラー・カイラム解放大作戦、スタートだ!」
ハロ長官「ラー・カイラムが占拠されたって!?情報の発信源は……」
シロー「ブライトさんの発信装置からです!」
ハロ長官「分かった。08小隊は先行隊として、敵に気付かれないよう包囲してくれ」
シロー「了解!」
ギャバン「俺達の部隊も、同行します!」
ハロ「うん、頼んだよ……!」
キラ「まずはセキュリティにアクセスしよう。人数が少ないんだから、情報で上に立たないとね」
ガロード「お、防犯カメラが見られるようになった。ひい、ふう、みい……敵の数が多いな」
キラ「1人ずつ倒すにしてもバレちゃうね。どうしようか……」
ガロード「お、社員が動いてる。どこかに閉じ込めるみたいだな」
キラ「人質が固まれば、僕達にとっては好都合だね」
ガロード「でも、やっぱ仲間が足りないな」
キラ「うーん、外から連れてこれないとなると、中から動かせる人を増やすしかないか」
ガロード「……そうだ。キラ兄、モビルシチズン・ジムの管制システムをハッキングしてくれ」
キラ「なるほど、分かったよ」パリーン
ガロード「確か、社内のジムはメインコンピュータで管理してるって言ってたから……」
キラ「こっちでプログラムを作っちゃえば、戦力になる……」
リョウ「おら、とっとと歩くんだよ!」
ブライト「俺達はいいのか?」
リョウ「重役さんはいざって時、盾にしないとな」
ブライト「外道な奴らめ……」
リョウ「ははは、作戦を考えた身としちゃ、褒め言葉だ」
543 名前:ラー・カイラム救出大作戦!?(3/7) :2011/05/05(木) 21:51:37.94 ID:???
トロワ「√管制システムからザコの電源を全てオフにした」
アリー「√ご苦労。警察さんは見当たらない……か。声明を出せ!」
トロワ「√了解した」
レイヤー「テロリストの要求を確認。テロ集団の最高指導者パオロ……の解放と移送用のシャトルです。時間は4時間!」
ハロ長官「この要求は呑めないね。彼が解放されれば、世界はとんでもない事になる」
レイヤー「なら、俺達のやる事は……」
ハロ長官「うん、テロリストを
ミンチにしてでも、ラー・カイラムを解放する!」
アムロ「(あいつらの動きはまだ分からない、か……)」
エイガー「何を見てるんだ?」
アムロ「誰か、正義のヒーローが現れてくれないか、ってね」
エイガー「ははは、映画でも無いのに、そんな事起こるわけ無いだろ?諦めろ」
アムロ「……そうだな(今、一瞬ジムが動いたような……って事は)」
キラ「ジムの管制システム掌握完了。もうちょっとセキュリティには気を配るべきだよね」
ガロード「これで戦力は確保できたな。俺達に合わせて動かそうぜ」
キラ「そうだね。ついでにこんなものを見つけたよ」
ガロード「書類輸送用のオートマトンに、専用通路の配管か」
キラ「これを使えば、もっと面白くなりそうじゃない?」
ガロード「それじゃあ、俺達の動く順番は……エレベーターも動かせる?」
キラ「もちろん。ジムを運んでもらおう……ええと、この場所はジムに任せて……」
ガロード「お、いいね」
キラ「敵は防火シャッターで分断して……なんか、詰めSLGをやってるみたいだ」
ガロード「相手は生身だけどな。よーっし、腕が鳴るぜ」
ハロ長官「√現場に動きは?」
シロー「√今のところ、変わった様子はありません」
ハロ長官「√彼らが声明を出してきたよ。どうやら、君達は気付かれていないみたいだ」
シロー「√……そうですか」
ハロ長官「√増援を出すから、君達は今のまま隠れていてくれ。たぶん、そこまでは近づけないと思うから」
シロー「√了解……!」
後半へ続く
546 名前:ラー・カイラム救出大作戦!?(4/7) :2011/05/05(木) 22:10:19.40 ID:???
エイガー「要求に対する回答は無しか」
ハレルヤ「おいおい、人質の命を大切にしないなんて、どうかしてるぜ」
アムロ「……」
ガロード「向こうは、天井裏の俺達に気付いてないみたいだな」
キラ「いよいよ、僕達の作戦開始だね」
オートマトンA「♪」
ガロード「準備はバッチリ。まずは、アムロ兄の解放だな」
カラン
エイガー「ん?何かが落ちた?」
ハレルヤ「ちょっと見に行ってくる」
ガロード「真下に来た……今だ!」
オートマトンA「♪」
ハレルヤ「なんだあ、オートマトンが落ちて……ぐおっ!?」ドシーン
エイガー「ハレルヤ!?」
ガロード「正義の味方の登場だ!」
エイガー「こいつら……!?」
キラ「おっと、動くと撃つよ!」
エイガー「く……うおっ!?」ボカッ
ガロード「ま、撃たなくても気絶させるけどね」
アムロ「キラ、ガロード!?」
ガロード「アムロ兄、すぐ終わらせるから、ちょっと待っててくれ!」
キラ「大丈夫、誰もミンチになんてさせないから!」
アムロ「あっ、お前ら…… ……行っちまった」
ラシード「エイガーとの連絡が途絶えた!?いったい何が」
ピピピ
ラシード「この音は!?」
ジムA「再起動確認、テロリストへの防衛行動を開始する!」
ジムB「開始する!」
ジムC「開始する!」
ラシード「うおおおおっ!?」
547 名前:ラー・カイラム救出大作戦!?(5/7) :2011/05/05(木) 22:11:18.31 ID:???
トロワ「ジムとオートマトンが勝手に動いている!?各員、状況を報告しろ!」
バタン
リョウ「くそ、何が起こってるんだ!?」
トロワ「リョウ・ルーツ!」
リョウ「防火シャッターも操作されて、自由に動けねえ。通信をしようにも、妨害電波が流れてる」
トロワ「警察が動いたのか?」
リョウ「いや、ここまでする奴はいねえよ。いるとすれば、外部の……」
ドシーン
リョウ「ぐわっ!」
トロワ「くっ……天井からの、オートマトン落下攻撃だと!?」サッ
ガロード「片方には避けられた!?」
キラ「速い!でも、これだけじゃあ終わらないよ」
ピーーーーー!!!!!
トロワ「この音は!?うわあああっ!?」
ガロード(耳栓)「へへっ、やっぱ効果抜群ってね」
キラ(耳栓)「不快な音声をこの部屋にだけ大音量で流してる。人質のいるところじゃ使えないからね」
トロワ「ぐああああ……耳栓……を」
ガロード「それじゃ、気絶してもらうぜ!」
シロー「……なんだ?屋内の様子が……」
サンダース「カーテン越しだが、何かが騒いでいる!?」
シロー「何が起きている……エレドア、屋上の様子はどうなってる?」
エレドア「ここからはよく見えないけど……警備のジムが動いているだけだ。チャンスだぜ」
シロー「よし……長官に、突撃の許可を!」
ハロ長官「
シロー君が、突撃の許可を求めてきた。空と陸から、敷地に侵入する。
警備のジムとオートマトンは、敵に操作を奪われている可能性がある。注意するように!」
549 名前:ラー・カイラム救出大作戦!?(6/7) :2011/05/05(木) 22:13:38.53 ID:???
アリー「通信が使えない……くそっ、どうなっていやがる!?」
ブライト「……お前の負け、だな」
アリー「は!お前を人質に取れば、負けやしねえ」
ガラガラガラッ
アリー「何だ!?」
ブライト「防火シャッターが!」
ピンポンパンポーン
アリー「今度は……社内放送だと!?」
ガロード「√社長室に残っているテロリストのみなさーん、もう他の場所は制圧したぜ。
警察にも言っちゃったし、投降しちゃったほうがいいんじゃない?」
ブライト「この声は……ガロード君!?」
アリー「ちっ、頼んだんだか何だか知らないが、ふざけた真似を……!」
ガロード「√それじゃあ、お仕置き開始!」
どしーん
アリー「うおっ!?」サッ
オートマトンB「♪」
ブライト「オートマトンが降ってきた!?」
どしーん
オートマトンC「♪」
アリー「こいつら……人質と俺を引き離すようにして……」
スタッ
キラ「やっぱりこの攻撃じゃあダメか、でも……必ずやっつける!」パリーン
アリー「お前は……シローの弟か!」
キラ「おっと!捕まらないよ!」
アリー「こいつ!」
キラ「やっぱり慣れてる……でも、種割れの反射神経で!」
ガロード「√キラ兄、いい動きだぜ」
アリー「はっ、素人にオートマトン2機で俺に勝てると思ってんのかよ!?」
キラ「思ってないさ、だって……」
ガロード「俺がいる!」ブゥン
アリー「いつの間に背後に!?放送室にいたはずじゃあねえのか!?」サッ
キラ「ガロードの奇襲をかわすなんて!?」
ガロード「音声テープとオートマトンの作動音で、奇襲はバッチリだと思ったのに……」
アリー「へっ、しょせんガキの知恵なんて、こんなもん……」
どしーん!!
アリー「まだ……降ってくる……のか……よ……」バタンキュウ
550 名前:ラー・カイラム救出大作戦!?(7/7) :2011/05/05(木) 22:15:36.14 ID:???
ガロード「へへ、2段構えで正解ってね。やったぜキラ兄!」
キラ「僕達の勝ちだ! ブライトさん、大丈夫?」
ブライト「あ、ああ……」
バタン!
シロー「ブライトさん!大丈夫ですか!? って……ガロードにキラ!?」
ガロード「あちゃー、シロー兄の手柄を奪っちゃったか」
キラ「シロー兄さん、僕達が解決したから、もう安心だよ」
ブライト「……なあシロー。彼らは、別に協力者じゃないんだよな?」
シロー「ええ、そんな事は一言も……」
ガロード「へ?」
アリー「痛ててて……なんだよ、違うのかよ……真面目に戦っちまったじゃねえか……」
シロー「アリー警部、大丈夫ですか!?」
キラ「……何が」
ガロード「……どうなってるんだ?」
絹江『√夕方のニュースです。本日、ラー・カイラム社でテロを想定した防犯訓練が行われました。
これは警察の対テロ訓練も兼ねた大規模なもので、最初は来客が解決してしまうというトラブルもありましたが……』
アムロ「お前らが来るなら、最初に言っておけばよかったな」
キラ「なんだ、訓練だったんだ。てっきり本物かと思っちゃった」
ガロード「ちぇー、それなら大げさに騒いでればよかったぜ」
トロワ「俺達やCBはテロ側に協力していたから、ガロード達もそうだと思っていた」
ブライト「だが、ガロード君達のおかげでシステムの穴や、対処法も見つかった。感謝するよ」
リョウ「何にしても、ここまで失敗したって事は、テロ作戦の見通しが甘かったって事か。
もっと綿密にしないと、実際のテロにも対抗できねえな。次のダイクン社では負けないぜ」
サンダース「今度は俺達がテロ側だからな。ガロードみたいな奴がいても、負けないようにしないとな」
パオロ「ははは、警察が解決する前に解決してしまうとは、両者の負けだな」
シロー「パオロ警視監!自分の弟が不手際を……」
パオロ「いやいや、勇気と知恵があっていいじゃないか。 ハロ長官、彼らに、何か賞状でもあげようか」
ハロ長官「そうだね。僕達両方に勝ったんだ。バッジも送ろうか」
ガロード「いや、いいよ! あ、でも高く売れるかな……」
ハロ長官「こらこら、そんな事言ってると、白い部屋にしまっちゃうよー」
おわり
最終更新:2015年02月23日 22:29