314 名前:番組『エンドレス・ワルツ』 :2012/01/20(金) 02:27:49.39 ID:???
296
……絹江とアリーもう付き合ってしまえばと思ってしまった(苦笑)
289からの続きです。以下本編

絹江 「き、気を取り直して現場からです。」
アリー「おい、声が上擦ってるぞ、そんなんでいいのか?」
絹江 「元はと言えばあんたのせいでしょ!それにもうカメラ回ってるのよ!」
アリー「おっと、そいつはいけねぇ。んじゃま、裏口の薄暗ぇ場所よりも食堂に移動しようぜ。」
絹江 「食堂?」
アリー「今の時間なら、大抵の者が集まってるからな。」
絹江 「確かに、貴方にしては合理的ね。」
アリー「うっせぇ。カメラ回ってんだろ。行くぞ。」
そう言って二人を収めたカメラは移動を再開した。

食堂に入ると、各隊の隊員がご飯を食べていた。
絹江が誰から話を聞こうか迷っていると、アリーが食堂の奥のほうで手招きしている。
そこに行ってみると、トレーを渡され、絹江も一緒にご飯にする事となってしまった。
アリー「警察の飯って言うものを体験するのも、リポーターとしてはありだろ?」
絹江 「まぁ、そうですね。」
グラハム「人呼んで、グラコロスペシャル!お待ちどう!」
アリー「おう、ありがとうよ。」
絹江 「ちょっと待ってください今の警察の方ですよね?」
グラハム「あえて名乗らせてもらおう、オーバーフラッグ部隊隊長、グラハム・エーカーであると!」
絹江 「サテリコンの名物警官である貴方が、なぜ食堂のコックをしているのですか?」
グラハム「何事にも全力で挑むのが私の信条だ。なに、今日はたまたま興が乗っただけさ。」
アリー「ま、うちの警察は勤務時以外なら何したっていいんだ。
ただし、非常出撃含めた勤務に一秒でも間にあわなかったら減給ものだがな。」
そんな時、食堂にリョウが駆けこんできた。
リョウ「アリー警部こんなところにいたんですか!」
アリー「あん?どうしたリョウ?」
リョウ「俺達遊撃部隊に非常命令です!
隣町のシオソ高校の『暴走ゾック』の連中がまたきやがったんですよ!」
アリー「なにぃ!?あの水球部だがスク水部だかなんだか言ってる連中がか?」
リョウ「シオソ水泳部です、どんな間違いなんですか!」
アリー「伝わりゃなんだっていーだろ!と言うわけで俺は出撃だ。ちょっくら行ってくるよ!」
絹江 「あ、はい、御武運を……。」
慌ただしく食堂から去ってく二人の勢いに押され、絹江は見送る事しかできなかった。
絹江 「ちょっと、どうするのよ……。」
グラハム「ふむ、お困りのようだな。ならば職場内の水先案内人はこのグラハム・エーカーが引きうけた!
なに、感謝、報酬、一切無用!」
絹江 「は、はい、宜しくお願いします。」
グラハムの勢いに圧倒されてしまった絹江であった。
……自分の行動がテレビのリポーターとして正しいのかどうかは、この際木星当たりにでも放り投げて考えないように絹江はすることにした。

315 名前:番組『エンドレス・ワルツ』 :2012/01/20(金) 02:30:55.78 ID:???
食堂のキッチンから出てきたグラハムは、慣れた手つきでエプロンを所定の位置に戻し、
窓際のカメラ移りのいい位置へと絹江を案内した。
グラハムの見た目や行動は突拍子もないが、そう言う気配りのできる男であった。
グラハム「さて、まず初めに、この食堂にはいないが指揮系統を説明しよう。
我々MS乗りはそれぞれ所属する部隊があり、部隊ごとに対処するシフトと内容が決まっている。
その現場の全体統括をして出撃の命令を下すのがハロ長官であり、勤務シフトや事務報告書、
そして経費を管轄するのがリリー・ボルジャーノ署長となっている。」
絹江「部隊の大体の内訳はどんな感じですか?」
グラハム「私のオーバーフラッグス隊とサーシェス警部の部隊は空戦のできる戦力で固められている。
その為最新鋭機が多いが、逆に言うなら一回の行動でそれだけのコストを掛けてしますデメリットも存在する。
その為、口惜しい事だがよほどの大事でない限り、私の部隊は待機命令を命じられる事がおおい。
もっとも、私は我慢弱く、落ち着きがない。
市民の安全のためなら、機体修理費が自腹になろうとも出撃する覚悟がある!」
絹江「貴方はよく銭湯『サテリコン』に居るそうですが?」
グラハム「私とて無闇やたらと同僚の手柄を取るつもりはないのでな。
空いた時間は、警官としての職務を有効に生かせる場所で待機することにしたのだ。」
絹江「有効、に?」
グラハム「む、疑問を持ったようだな。
ならば説明しよう!私があそこに通うのは、『サテリコン』の立地条件によるものだ。
あそこは町の中心からは外れているからこそ、ジャンク屋達が集まりやすい場所にある。
その者達は快い青年たちばかりだから心配は御無用!ただし、何か事を起こそうとする者が隠れ、拠点にするには絶好のポイントだ。
そして、何か有事が起こった際に彼らばかりに解決を押し付けるのは警察の名折れである。
だから、私は有事の時以外はよくあの温泉を愛用しているのだ。
もちろん自腹だから安心してくれたまえ。市民の税には一切手をつけていない。」
絹江「はぁ……。」
グラハム「少々話題がずれてしまったようだな。話を戻そう。
我々の部隊以外には主に陸戦主体のチームが多数存在する。
代表的なのは、ボルジャーノ部隊、08小隊、モルモット隊と言ったところか。」
絹江「モルモット、何かの実験部隊ですか?」
グラハム「いいや、そう言うわけではない。ちょうどタイミングが良かったな、そちらを見るがいい。」
グラハムが指示した方向を見ると、ユウが無言で黙々とパンを食べていた。
その光景をみて、絹江はある動物を想像した。
絹江「ハムスターみたい……。」
グラハム「彼は例の部隊のリーダーだ。ま、部隊のニックネームの様なものだと考えてほしい。」
絹江「それだとハムスター隊なのでは?」
グラハム「威厳がないではないか。着飾って戦闘なんてできはしないが、
部隊の士気を高める為に、イメージと言うものも大切なのだよ。
とにかく、彼らの陸戦部隊は小回りが利く。
ホバートラックも同伴する為、我々空戦部隊よりよほど周囲の変化に敏感だ。
連携して行動を起こす事もあるが、あの過敏さにはよく救われる。
また、MSを降りて対人戦にならざるを得ない時は彼らの方が早く行動できるし、
拠点護衛ならば地上で長時間展開できる彼らの方が有利となる。」
絹江「一長一短、と言ったところなのですね。」
グラハム「そう言う事だ。分かっていただけただろうか。」


ごめんなさい、ここで力付きました。
本来ならオーバーフラッグ隊に紛れてるリディとかなぜマシンガン等の武装を使ってるのだとか書こうと思ったのだが、
ギャグシーンがなくなってしまった為断念します……シローも出せなかった(悔)

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最終更新:2015年05月25日 21:31