471 名前:アムロ兄さん復活計画 1/7 :2012/07/28(土) 22:37:26.53 ID:???
これは、セレーネが15歳の時。アムロがララァを失って腑抜けになっていたころのお話。
気に入らなかったら
パラレルにしてね。
セレーネ「にいさん、兄さんったら!」
アムロ「…なんだよ」
セレーネ「なんだよ、じゃないでしょう! 今日も学校行かないつもり!?」
アムロ「どうでもいいだろ。何もやる気がしないんだ」
セレーネ「ララァさんが亡くなってショックなのはわかるけど、いい加減シャキッとしなよ!」
アムロ「うるさい! お前に何が――!」
キョウジ「二人とも、喧嘩はよせ」
セレーネ「キョウジ?」
アムロ「キョウジ君か。無断でうちに入るのは、あまり行儀がいいとは言えないな」
キョウジ「ちゃんと先輩の弟から同意は得ました。無断ではありません」
セレーネ「ドモンね。あの弱虫、余計なことを…」
キョウジ「まったく、ドモンが泣きながらうちに来たから何事かと思えば…セレーネ、君も学校だろう。そろそろ支度しなければ遅れるぞ」
セレーネ「このへタレ兄さんが立ち直ったら今すぐにでも支度するわよ!」
アムロ「なんだと…!」
キョウジ「いい加減にしろと言っているんだ!!」
セレーネ「う…」
キョウジ「アムロさんは放っておけ。今は学校だ。いいな、セレーネ」
セレーネ「偉そうに…」
キョウジ「返事は?」
セレーネ「はぁい…」
キョウジ「アムロ先輩も、それでよろしいですね?」
アムロ「…ああ。すまない」
キョウジ「気にしないでください」
472 名前:アムロ兄さん復活計画 2/7 :2012/07/28(土) 22:37:59.85 ID:???
セレーネ「だからさ、あんなヘボい兄さん見たくないのよ。ちょっとくらい発破かけたっていいじゃない! 何がいけないのよ!」
昼休み。怒りにまかせてばんばんと机をたたいて、マリューに不満をぶつける。
マリュー「…気持ちはわかるけど。弟さんいっぱいいるんでしょ? キョウジくんの判断は間違ってないと思うわ」
セレーネ「そんなの、シローがどうにかしてくれるわよ。いつもいるんだかいないんだかよくわかんないけどマイもいるし」
マリュー「十二歳に頼るってどうなのよ…?」
ムウ「よう、セレーネちゃんにマリューちゃん! そんなに怖い顔してどうしたのよ?」
セレーネ「モテないあんたに話してもわかんないでしょ」
ムウ「あ、ひでぇな。俺だって彼女の一人や二人…」
マリュー「あら、いるの?」
ムウ「ときメモで作ったり、したかなー…なんて」
マリュー「…どうしようもないわね」
ムウ「みんな照れてるだけだって! じゃなきゃこんなイケメンをほっとくわけがないだろ!」
セレーネ「うわぁ…」
ムウ「引くなよ! …ああ、俺は二人だって三人だって受け入れる準備があるというのに。希望者は照れずに来てほしいね」
セレーネ「私はお断りね。あんた頭軽そうだし」
ムウ「連邦校の鷹と呼ばれたこの俺の頭が軽い? 馬鹿なことを言わないでほしいな」
セレーネ「じゃ、これ解いて」
ムウ「………なんだい、これは」
セレーネ「連邦工科大学の入試問題。言っておくけど、兄さんや私、それにマイだって解けるわ」
ムウ「…君の家の人間は本当に化け物ぞろいだな。将来が恐ろしいよ…」
セレーネ「そんなに難しいかしら。ねえキョウジ。これ解いてみてよ」
キョウジ「なに? ………(カリカリ)これでいいか?」
セレーネ「おっけーおっけー。うん、全問正解。さすがね」
キョウジ「ふっ。ほめても何も出ないぞ」
ムウ「…なんだろうなー。わからないのが当たり前なのに、俺がすっごい出来が悪いように感じるのは」
マリュー「同情するわ」
473 名前:アムロ兄さん復活計画 3/7 :2012/07/28(土) 22:39:01.05 ID:???
モンシア「フラガ、ちょっと来てくれや」
ムウ「あ? 俺は女性陣と楽しいお話をするのに忙し」
モンシア「うっせえ! 早く来い!」
ベイト「…すみませんね、しばらくこの男を借りますよ」
ムウ「おい離せ! 俺はもっと青春を」
ベイト「友情も青春のうち。めいっぱい謳歌しようではありませんか」
ムウ「いやいや。マリューちゃんもセレーネちゃんも、俺がいないと寂しいよな?」
ベイト「そうなのですか?」
セレーネ「別に」
マリュー「同じく。ベイトも、別に断らなくていいわよ。勝手に持っていっていいわ」
ムウ「うわあああああ…」ズルズル
セレーネ「ま、馬鹿はおいといて、話の続きよ」
キョウジ「アムロ先輩は、放っておくのが一番だと思うが」
セレーネ「いやよ! どうにか元気にさせなきゃ…」
マリュー「アムロ先輩の友達は? 何か元気づけられないかしら」
キョウジ「彼の親友…たしか、新聞部に
カイ・シデンという男がいたな」
セレーネ「よし、行きましょう!」
マリュー「え、授業は!?」
セレーネ「そんなことはどうでもいい!」
キョウジ「よくないだろう! 放課後だ、放課後!」
474 名前:アムロ兄さん復活計画 4/7 :2012/07/28(土) 22:40:02.09 ID:???
放課後。
セレーネ「終わった! 行くわよ、キョウジ!」
キョウジ「ああ。ラミアスはどうする」
マリュー「私は課題があるから。今度、結果聞かせてね」
ムウ「俺はついていくぜ!」
キョウジ「モンシアからは解放されたのか?」
ムウ「当然。なんか知らないけどさ、早く行こ」
ベイト「お待ちなさい。モンシアが呼んでいます」
ムウ「い、行かねーって! 俺はマリューたちと一緒にだな」
ベイト「そう言わず。我々と一緒に、ラグビーで汗を流そうではありませんか」
ムウ「やだね! 暑っ苦しい男どもの集団とがっぷり組み合うなんてお断りだ!」
ベイト「我がラグビー部も人手不足でして。あなたがいないと練習もろくにできないのです」
ムウ「他の奴を誘えよ!」
ベイト「モンシアいわく、モテない仲間のあなたが女性と一緒にいるというのが気に食わないそうです。私も同感ですが」
ムウ「それが本音かよ! 離せ! は、な、せぇぇぇぇ!」ズルズル
キョウジ「…どうする?」
セレーネ「ほっといて行きましょ。面倒なだけだし」
キョウジ(不憫な…)
475 名前:アムロ兄さん復活計画 5/7 :2012/07/28(土) 22:40:42.26 ID:???
カイ「それで、俺のところを訪ねてきたわけか」
セレーネ「そうです。何か、兄さんに元気を出させる方法って、ありませんか?」
カイ「…ああいうのは、単純な慰めじゃ効果が薄いんだ。他人がどうこうして、元気を出させるのは難しい」
セレーネ「そこをなんとかできませんか?」
カイ「ほっとくって選択肢はないのかよ? 大体のことはほっとけば時間が勝手に解決してくれるもんだ」
セレーネ「だめ。…あんな兄さんは、兄さんじゃありません」
カイ「そうかい。ま、そういうことなら考えがないわけでもない」
セレーネ「どんな!?」
カイ「ま、ま、落ち着けよ。お前、アムロのライバル…
シャア・アズナブルを知ってるか?」
セレーネ「はい。話はよく聞いてます。兄さん、すごく嫌ってるみたいですけど」
キョウジ「先日、BAR『ア・バオア・クー』でアムロ氏と激突して、敗北したという話だが」
カイ「そうだ。そいつを使う」
セレーネ「はぁ?」
カイ「つまりだな」ゴニョゴニョ…
セレーネ「…ほほう」
477 名前:アムロ兄さん復活計画 6/7 :2012/07/28(土) 22:55:34.41 ID:???
アムロ「…なんだよ」
セレーネ「兄さんがそんなんだから話せなかったんだけど…やっぱり、産む前にちゃんと言わなきゃいけないと思って」
アムロ「だから何を――って、産む!?」
セレーネ「そう。私、ある人と付き合ってて…それで」
アムロ「待て待て待て! お前はまだ高校一年だろう!? まだ早い!」
セレーネ「でも仕方ないじゃない。できちゃったんだから」
アムロ「あ、相手! 相手は誰だ!? キョウジくんか!? それとも――」
セレーネ「シャアさん」
アムロ「なん…だと…?」
シャア「やあ、お邪魔するぞ」
アムロ「貴様…なぜここに…」
シャア「私のフィアンセが、おなかにいる子について君に報告をするという。孕ませたからには責任を取らねばならんだろう? 君に挨拶をと」
アムロ「な、な…!」
シャア「そういうわけだから、これからもよろしく頼むよ、"お義兄さん"」
アムロ「………けるな」
シャア「何かね。聞こえないぞ」
アムロ「ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!! 貴様ごときにセレーネをくれてやるものか!」
シャア「腑抜けと化した君が私を倒せると思うのかね? 今度のジオングは一味違うぞ!」
アムロ「上等だ! 表へ出ろ!」
479 名前:アムロ兄さん復活計画 7/7 :2012/07/28(土) 23:01:39.95 ID:???
連投+ばいさる規制。ここまで長いの投稿するのは初めてだったから加減がわからなかった。迷惑かけて申し訳ない。
支援ありがとう。
カイ「成功だな」
セレーネ「…ここまでうまくいくなんて」
カイ「へっへっへ。いい記事になりそうだぜ。これで少しは元気になるだろ」
キョウジ「…元気にはなるでしょうけど、これでいいんですか?」
カイ「ま、最低でも気分転換にはなるさ。シャアも結構ノリノリで引き受けてくれたしな」
キョウジ(しかし、ここまで信じるとは…『全部嘘でシャア氏もグルだった』と知ったらどうなるんだ)
セレーネ「カイさん、今回はありがとうございました」
カイ「いいってことよ。俺も、いつものメンバーがいないと寂しいんだ」
シャア『ふっ、その程度で終わりか!』
アムロ『まだだ! お前を倒すまでは終われない!』
最終更新:2015年10月18日 13:41