790 名前:その1 :2012/11/18(日) 11:29:36.33 ID:???
ナトーラ「授業を始めます。まずは小テストから」
セシリー「先生。これ、次の単元の範囲ですよ」
ナトーラ「えっ?あ……間違えて刷ってきちゃった……き、今日は無しにします」
アリーサ「先生、代わりに面白い話してよ」
ナトーラ「お、面白い話!?ええと……昔々あるところに……」
シーブック「先生、それより授業を進めましょう」
ナトーラ「そ、そうですね……!では教科書252ページを……ネーナさん」
ネーナ「は~い……(教科書音読中)……彼はすくつ(巣窟)に」
ナトーラ「ええと、そこはすくつではなく
ミハエル「素人が何言ってんだ!ネーナがすくつと言ったらすくつなんだよ!」ガラッ
ナトーラ「ひっ!」
 ちゅどーん
ヨハン「弟がご迷惑をお掛けしました。気にせず授業を続けてください。あとこれはお詫びです」っプリン
アーミア「先生!」
ナトーラ「こ、今度は何!?」
アーミア「寝てたら体が机に引っ付いちゃったんですけど、どうしたらいいでしょうか?」
ナトーラ「ど、どうしたら……」
セシリー「教師ならまずアーミアの居眠りを叱るべきでは……」
ナトーラ「そそそそうですね!アーミアさん、幾ら授業がつまらなくても寝ていたらダメですよ」
アーミア「えー、引っ付いちゃったものはしょうがないじゃないですか。何とかしてくださいよ」
カテジナ「どいつもこいつも授業を中断して……私が取ってあげる!!」
アーミア「カテジナさん怖い!!」
ナトーラ「カ、カテジナさん落ち着いて……」
カテジナ「死ねえええええええええ!!」
ナトーラ「ひえええええええええっ!!」

791 名前:その2 :2012/11/18(日) 11:30:17.81 ID:???
 居酒屋「青い巨星
ナトーラ「はあ、私って教師に向いてないのかな……」
ハモン「初めは誰だってそんなもの。気にする事は無いわ」
ナトーラ「でも今日も生徒の暴走を止められなかったし……舐められているのかも……」
ハモン「そんな事は無いわ。皆、貴女と仲良くなりたくて剥き出しの心でぶつかっている。
    貴女はまだ、それを受け止める事に慣れていないのだけだわ」
ナトーラ「仲良く……やっぱり友達みたいに思われているんだ……」
ハモン「……言い方が悪かったわ、ごめんなさいね。
    あの子達はね、子供や大人に関係なく、誰の心にも土足で入りたくて仕方ないのよ。
    それしか……大人の『仲が良い』を知らないから仕方ないのだけれど」
ナトーラ「……」
ハモン「だから心配しないで、貴女に足りないのは自信と経験だけ。
    生徒は貴女の事を本当の意味で良い先生と思っているのだから、それが貴女の成績ではなくて?」
ナトーラ「ありがとうございます……それにしても、学校の事詳しいんですね」
ハモン「ふふ、その理由ならすぐに分かるわ」

アーミア「アーミア・リー、シフト入ります!よろしくお願いします!」
ナトーラ「アーミアさん!?」
アーミア「先生!?来てたんですか!?」
ハモン「丁度良かったわ。彼女、自分を過小評価しているみたいだからけしかけて貰えないかしら?」
アーミア「はい、分かりました!」

792 名前:その3 :2012/11/18(日) 11:31:17.29 ID:???
アーミア「先生!先生って、皆からすっごい好かれてるんですよ」
ナトーラ「うう、お世辞でも嬉しいわ……」
アーミア「お世辞じゃ無いですよ。セシリーから聞いたんですけど、
     この前、シーブックが大学でもエアグライダーをやりたいって言ったらものすごい量の資料を持ってきてくれたみたいじゃないですか」
ナトーラ「そ、それは私にはそれくらいしか出来ないから……」
アーミア「それくらいじゃないですよ!ハマーン先生だってそこまではしません!
     他にも色々あって……とにかく!面倒見が良い先生だって評判なんですよ?」
ナトーラ「面倒見……」

(大学時代の回想)
ナタル「あれだけ幼稚園の先生を希望していたナトーラが、第一希望を教職に変えるなんて……」
ナトーラ「私、小さな子供の面倒を見るのも好きだけど……
    塾でアルバイトをして、自分の事や進路で本気で悩む子供達を見ていたら、私も本気で応援したくなったの」
ナタル「そう。きっと、貴女なら私より良い先生になれるわ」

ナトーラ「(緊張で忘れてた……私が教師になった理由は……)」
アーミア「まだ頼りないな、って思う時もありますけど、先生のやってる事は間違っていません!
    私だけじゃなくて、セシリーだってカテジナさんだってみんなそう思ってます!」
ナトーラ「(そうだ、私は間違ってない)……アーミアさん」
アーミア「はい?」
セレーネ「アーミアちゃ~ん、こっちに生のピッチャー1つ!」
アーミア「先生ごめんなさい。ご指名ありがとうございます!生ピッチャー1つ!!」タタタ
ナトーラ「あっ、行っちゃった……」
ハモン「ふふ、大切な事を言いそびれたわね」

793 名前:その4(終) :2012/11/18(日) 11:32:35.37 ID:???
ナトーラ「お店も忙しくなって、結局言えないまま、か。ハモンさん、お会計お願いします」
ハモン「あら、もう帰ってしまうの?」
ナトーラ「はい。お店が混んでるのに、長居するわけには……」
ハモン「ふふ、貴女らしいわね。でも、来た時よりずっと良い表情になったわ」

アーミア「ちょっと待ったー!!」
ナトーラ「ア、アーミアちゃん!?」
アーミア「最後にこれ、飲んでいってください!」
ナトーラ「えっ?カクテル?私、お酒はもう……」
アーミア「ノンアルコールの『プリンセス』です。ラルさんに頼んで作ってもらいました。
     あっ、お代は要りませんよ。私のおごりです!
     ……と言っても、買ったらダメなのでその分タダ働きですけど」
ハモン「どうやら、帰るのはもう少し先になりそうね」
ナトーラ「……アーミアさん、ありがとう」
アーミア「この位、全然いいですよ」
ナトーラ「そういう事じゃなくて……」

 ガラッ
アムロ「やあ、ラルさん。飲みに来たよ」
アーミア「アムロさん!最近私が休んでる日ばっかに来て、待ってたんですよ!!
    さあ、どこでも私の上でもお好きな席にどうぞ!!それとも私を乗せる方が好きなんですか!?
    分かりました!アムロさんのためならどんな事でもしちゃいます!!」
アムロ「おっと今日は家族サービスの日だった。ラルさん、ごめん!」スタスタ
アーミア「あ~~ちょっと待ってくださいよ~~~!?」ヅダダダ

ナトーラ「……」ポカーン
ハモン「ふふ、また言いそびれたわね」
 おわり

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最終更新:2015年11月22日 18:55