681 名前:
特に意味の無い兄弟の会話投稿日:2006/03/17(金) 20:59:22 ID:???
アムロ「今日も仕事で疲れたな、一杯やってくか……」
シロー「あ、兄さん今帰り?」
アムロ「シローもか?」
シロー「一杯どう?」
アムロ「紅い奴がいない店ならいい」
シロー「シャアか?」
アムロ「そうやってまた俺をハメる気だな? もういい真っ直ぐ家に帰る」
シロー「ちょっ、ハメるって何だ? 行きたくない店があるなら、兄さんが行き先決めてくれよ」
アムロ「じゃあそこ」
シロー「なかなかいいバーだね」
チャーリー「いらっしゃい」
シロー「気の抜けたビールあるかな?」
チャーリー「っ……。大した注文だな」
シロー「最近ハマっててね」
チャーリー「………………そうか」
シロー「で、あるの?」
チャーリー「無い」
アムロ「ウイスキー水割り」
シロー「じゃ、俺は焼酎水割り」
チャーリー「はいよ」
アムロ「ふぅ……シロー、仕事の方はどうだ?」
シロー「警察も連邦軍も全然テロリストを捕まえられないから、何か連邦軍の大佐が対テロ部隊を作りに来た」
アムロ「へー」
シロー「テロリストなんぞ縄で縛りつけて銃殺刑だ、って意気込んでたよ」
アムロ「テロリストの末路なんてそんなもんだ。どういう親に育てられりゃ子供がテロリストになるんだか……」
シロー「うちは親がいませんからね……弟がテロリストになったら俺達の責任かな? 何てね」
アムロ「テロリストになるとしたら、キラみたいな優等生タイプが逆に危ないんだろうな」
シロー「そうだね。ガロードやジュドーは悪ガキだけど、テロみたいな事はしないだろ。窃盗はしそうだけど」
アムロ「あいつら、将来どうなるんだろうな……ジャンク屋か? もっと他に、安定した職につく気は無いのかな」
シロー「無さそうだね。まあ、仕事があるってだけでもマシと思わなきゃ。最近失業者が多くてさ、泥棒する奴も」
アムロ「連邦政府が腐ってるからな……まともな援助をしない」
シロー「でもほら、ニートとかは政府の援助も自ら拒んでそうだね」
アムロ「ニートか……失業者との区別はちゃんとついてるか?」
シロー「ついてるよ。働く意欲を持たず求職活動をしない若者の事だろ? 職が見つからず盗みに走る人よりはマシさ」
アムロ「犯罪者と比べてマシと言われてもな。しかし、うちの弟達は大丈夫かな?」
シロー「さっき言ったガロードとジュドーはニートとは無縁そうだね」
アムロ「ああ。アルは若すぎて判断つかないが、結構行動力あるし、大丈夫だろうな。ウッソもスペシャルだし」
682 名前:
特に意味の無い兄弟の会話投稿日:2006/03/17(金) 21:00:27 ID:???
シロー「ヒイロは……」
アムロ「奴はもうアレだからな」
シロー「むしろテロリストにならないか心配しないとね」
アムロ「リリーナが健在のうちは大丈夫だろ」
シロー「シンはどうだろ? 積極性はあると思うんだけど、何か危なっかしい部分があるよ」
アムロ「俺はキラが心配だよ。優等生タイプこそ変な方向に転がった時、人より多く転がっちまうもんさ」
シロー「あるある。キラの場合、いざとなったらラクスに面倒見てもらっちゃいそうで怖いな……」
アムロ「それじゃヒモになっちまう。さすがに男のプライドってもんがあるだろ」
シロー「それもそうだね。次は、ロランは……心配皆無だね」
アムロ「ああ、皆無だ」
シロー「シーブックはパン屋の跡取りになる可能性があるな。カロッゾさんの店のさ」
アムロ「婿養子か……肩身の狭い思いをしそうだが、まあ普段から肩身が広くない奴だから、大丈夫だろ」
シロー「カミーユも行動力あるし心配無いね」
アムロ「
トミノ教に入信しなけりゃニートでも構わないよ」
シロー「……そんなに怖い所なのかい?
トミノ教って……」
アムロ「皆殺しにされかねないよ」
シロー「でも最近いい噂を聞くけどな……お祭りを開いて町の人に喜ばれたとかって話あるよ」
アムロ「冗談じゃない、あれは生贄の儀式だ。髪のあるMSを囲んで前屈みになって両手を交互に上下に振る奇行が恐ろしい」
シロー「何か軽快な音楽で踊ってたみたいだけど、あれって生贄の儀式だったの?」
アムロ「間違いない、軽快な音楽はダミーだ。
トミノ教との因縁は俺が一番深くて長いんだからな……黒魔術かイデに違いない」
シロー「偏見の塊に育ってる気がするよ兄さん」
アムロ「俺は冷静だ。
トミノ教は腹の底まで真っ黒だ、触れる者は死あるのみ」
シロー「……さいですか。ところでニートの話だけど、どこまで話したっけ?」(話題を変えよう)
アムロ「そんなもんもう全部話したろ。キラがちょっと危ういが、他の弟はみんな大丈夫だ」
シロー「んー、でも、誰か忘れてるような……」
アムロ「ドモンだろ? あいつは現役ガンダムファイターだからいいんだよ」
シロー「ドモンも重要な稼ぎ柱だからな……」
シロー(ん……? 別の客が来たのか)
チャーリー「いらっしゃい」
ガルシア「気の抜けたビールを置いてねぇか?」
シロー(おおっ、気の抜けたビールにハマっている人間は俺だけじゃなかったのか!)
チャーリー「……大した注文だな」
ガルシア「馬のションベンよりマシなら文句はねぇよ」
チャーリー「奥にあ(ry」
シロー「あ、気の抜けたビールは品切れみたいですよ」
ガルシア「は?」
チャーリー「うっ……」
シロー「俺もさっき注文したんですけど、当たり前というか、気の抜けたビールなんて置いてなくてね」
ガルシア「そ、そうかい……」
シロー「でもさ、しけったポテトチップとか、伸びたラーメンが好きな人だっているんだし、少数派同士挫けずやってこうぜ」
ガルシア(合言葉だったんだけど、どうしよう……)
チャーリー(合言葉だったんだが、どうしたもんか……)
アムロ(キラがニートにならないよう注意すれば我が家は安泰かな……)
その頃、家にて。
コウ「よぉーし、PGキュベレイがもうすぐ完成だ。白、赤、黒……3つ並んだ姿はさぞ壮観だろうなぁ。
……ん? 何だこのプリント……ええっと、進路希望? そういえばこれ明日出さなきゃ駄目なんだっけ。
といっても特にやりたい仕事無いしなぁ……まあいいや、上から適当にMS関連の職種を書いとこっと。
卒業までにちゃんとした進路考えればいいんだし、もし思いつかなくてもまあその時何とかすればいいや」
アムロ「つまみが何か欲しいな……ニンジンスティックを頼む」
チャーリー「はいよっ」(まいったな……このバンダナの奴はシュタイナーの部下らしいが、今奥に入れる訳には……)
シロー「ん……今、誰かを思い出しそうになったような……」
(ニンジン……うさぎ……バニースーツ姿のアイナ……なんちゃって。でも、ちょっと見てみたいな。
今度のデートの時、拝み倒してみようか? バニースーツを着たままさせてもらったり……ふふっ)
アムロ「ニンジン……赤……真紅……。ふうっ、疲れてるな」
(別の楽しい事を考えよう。ニンジン……野菜プレイ……チェーンは無理だな。
ベルかカニンガムなら……いや、アリョーナと台所でっていうのも有りかもしれないな……)
ガルシア(お前等ニヤニヤしてないで早く帰れ……)
778 名前:
特に意味の無い兄弟の会話投稿日:2006/03/26(日) 00:46:50 ID:???
シーブック「ふぅ……こっそり学校の機材を使ってハングライダー作ってたら、遅くなっちまった。
こんな時間じゃ、俺の分の晩飯はみんなに食われてるな……セシリーの店も閉まってるし、
どこか適当な所で食べてくしかないな。んー……二十四時間営業のファミレス? ここにしよう」
店員「いらっしゃいませー。何名様でしょうか?」
シーブック「一人。禁煙席は空いて……あっ、アムロ兄さん? 喫煙席にいるのか、タバコ吸わないのに」
アムロ「ん?」ピキーン「シーブック、奇遇だな。座るか?」
シーブック「ああ。あれ、でも彼女と一緒……? 悪いよ」
シーマ「誰が彼女だって?」
シーブック「ゲッ、シーマさん……どういう組み合わせなの、これ」
アムロ「晩飯食おうと思ってファミレスに来たら、店の前でバッタリ会ってな」
シーマ「この辺で24時間営業やってる店なんて限られてるしねぇ。バーも悪くないけど、向こうは酒がメインだし」
シーブック「そりゃそうだ……アムロ兄さん、何食べてるんだい?」
アムロ「エビピラフとサラダ、それからチーズフォンデュを二人で摘んでる」
シーマ「あたしは血のしたたるような分厚いステーキさ。あんたもチーズフォンデュ食べるかい?」
シーブック「いただきます」
アムロ「よし、これで割り勘で払う奴が増えた」
シーマ「残り少ないけど、チーズフォンデュの分はしっかり三等分払っておくれよ」
シーブック「だ、騙された……。くそっ、他にラーメンでも頼むかな……」
アムロ「万が一シーマの服に汁を飛ばしたらクリーニング代のためにお前のハングライダーが質に入るぞ」
シーブック「シーブック・アノーはチャーハンで行きます。すいませーん、チャーハンください」
シーマ「おやおや、食べたい物を食べりゃいいのに。コウを質に入れりゃクリーニング代なんていらないよ」
シーブック「はぁ……」
アムロ「しかしお前、こんな時間に帰りなんて珍しいな。何かあったのか?」
シーブック「いや、学校の機材を使ってね、ハングライダーを……」
アムロ「クラブに入ってないんだろ、許可は取ったのか?」
シーブック「まさかっ。内緒でやったんだ。警備員に見つかったけど、その人が俺のファンで助かったよ」
シーマ「そういえばあんた、大会で優勝とかしてるんだって? あんた達兄弟はみんなハイスペックだねぇ」
アムロ「その分アクも強くてな……コウとシーブックはアクが薄いから助かってるんだが」
シーマ「つまり影が薄いって事だね?」
シーブック「胸がえぐられたような気分になったよ」
アムロ「パンでも積めとけ」
シーマ「そういえばここのパンは美味しいらしいよ」
アムロ「もうパンを腹に入れる余裕なんて無いぞ? デザートだって頼んでるんだ」
シーブック「ちなみにデザートって?」
アムロ「杏仁豆腐」
シーマ「レアチーズケーキとカプチーノ」
779 名前:
特に意味の無い兄弟の会話投稿日:2006/03/26(日) 00:48:13 ID:???シーブック「僕も何か頼もうかな……食後のデザートなんて家じゃ滅多に出ないし」
シーマ「貧しいねぇ」
アムロ「悪かったな」
シーマ「弟達だってバイトしたりしてるんだろう?」
アムロ「バイト代は基本的に個人の趣味に使ってるからな、家には少ししか金を入れないんだ」
シーブック「アムロ兄さん何でそんな目で僕を見るんだ」
アムロ「俺とシローとドモンの稼ぎは、MSの維持費やら食費やら何やらでほとんど無くなっちまう……」
シーブック「余ったパンをもらってきたり、僕は貢献してる方だと思うけど」
アムロ「焼き立てのパンが食べたいよ」
シーブック「だったら僕が焼いてやる。パンだけならロランより上手く焼ける自信がある」
アムロ「じゃあ明日の夕食当番お前な」
シーブック「ゲッ……」
アムロ「パンだけじゃ寂しいからシチューも作ってくれ。クリームで頼む、ウインナーとニンジンを入れてな」
シーマ「お待ち。ニンジンを入れたらコウが食べられないだろう?」
アムロ「好き嫌いはいいけどな、嫌いだからって食えないのは恥ずかしいだろう。アレルギーじゃないんだからさ」
シーブック「僕も昔は好き嫌いがあったけど、何度も食べてるうちに慣れて、好きとはいかなくても平気にはなったし」
アムロ「何でコウはあんなにニンジンが嫌いなんだか? トラウマでも持ってんのか?」
シーマ「トラウマ……そういや昔、あたしが二十歳くらいの時だったか……」
アムロ「いきなり何だよ」
シーマ「4~5歳のガキがあたしのコートにソフトクリームをつけてね、あたしの舎弟が焼きを入れたんだけど」
シーブック「そんな子供に焼きって……」
シーマ「そいつは根っからのゲイでねぇ。彼氏とのプレイに使おうと思っていたニンジンを……」
アムロ「シーマが二十歳って事は15年くらい前だな? コウは今19歳……」
シーマ「…………」
アムロ「…………」
シーブック「……? ニンジンをどうし――」
アムロ「おごれ」
シーマ「仕方ないねぇ」
アムロ「よしコーヒーと餡蜜を追加だ」
シーブック「え? どうしたの急に」
アムロ「お前も食いたい物を注文しろ。値段は気にするな、むしろ高い物を率先して選べ」
シーブック「でも」
シーマ「遠慮しないで何でも頼みなよ。その代わり、分かってるね?」
シーブック「え? は、はい」(何の話だろう……まあいいや、ハンバーガーとクレープとムース注文しよっと)
アムロ「まあ子供の頃の話だし、当人も忘れてそうだがな……」
シーマ「ならなおの事、思い出さないようにしないとねぇ。それにしても、偶然ってのは怖いもんだ」
アムロ「ところで明日、寿司屋に行かないか? ウニやアワビを食べたいんだが」
シーマ「あんたもなかなかいい性格してるよ。坊やもおいで」
シーブック「ぼ、僕も?」
それから一週間、アムロとシーブックはシーマに晩飯をおごってもらいまくり、
寿司と焼肉と中華料理とフランス料理とトルコ料理とステーキと高級ホテルのバイキングで舌鼓を打ったそうな。
そして結局、シーブックはなぜシーマにおごってもらえたのか分からずじまいだった。
825 名前:
特に意味の無い兄弟の会話投稿日:2006/04/08(土) 12:04:29 ID:???
コウ「この角度か……!? そこだっ!」カシャッ
アムロ「コウ、何やってんだ?」
コウ「何って、
ガンプラの撮影をしてるんだよ。キラからデジカメ借りてさ」
アムロ「……そうか……。趣味は千差万別だし、好きな事をやりゃいーけど、あまり深みにハマりすぎるなよ。
同じ地味兄弟のシーブックはハングライダーって健全な趣味だからまだいいが、
お前の場合"オタク"とか呼ばれて蔑まれるような立場なんだからな?
カメラが趣味って人もいるが、自作のおもちゃを撮ってニヤニヤする人とは違う人種だから」
コウ「ちょっ、何その偏見!? っていうか、別に写真撮ってニヤニヤなんかしてないよ!」
アムロ「やけに嬉しそうだったぞ。デジカメって事は、お前のPCの中はおもちゃの写真だらけなのか?
お前ももう19歳だろう。ポルノ写真とかを保存してるなら健全だが……」
コウ「そそそそんな写真不健全だよ!? それに
ガンプラの写真だって、友達に見せるためのものだし!」
アムロ「友達?」
コウ「
ガンプラ好きが集まるサイトで友達になったんだけど、これがまた気のいい人でさ」
アムロ「ネットの親友なんて現実の知人以下だぞ」
コウ「クリスマスにνガンダムのプラモをもらって大喜びしたとか」
アムロ「いい人じゃないか。リアルだろうとネットだろうと友達は大切にしろよ」
コウ「何でもサザビーとのライバルセットとしてもらったらしくて」
アムロ「これだからインターネットは信用できないんだ。騙される前に手を切れよ」
コウ「アムロ兄さん、変わり身の早さがすごいよ」
アムロ「お前が遅すぎるんだ。そんな事じゃ死人に引っ張られて悲惨な結末を……」
コウ「何の話!?」
アムロ「まったく。顔も名前も知らない奴と仲良くするより、現実でもっとまともな
交友関係を築けよ」
コウ「で、でもシャレのきいた面白い人なんだよ? 自画像とか可愛いカエルの写真だったりしてさ」
アムロ「顔を出さないあたりますます信用できないじゃないか」
コウ「
ガンプラだってすごく大好きみたいで、しょっちゅう
ガンプラ造ってるんだ。
しかもよく同居している女の子や同僚のせいで
ガンプラが壊されて大変で、それでもめげずに続ける頑張り屋でさ」
アムロ「同居している女の子ってのは、頭の中で同居しているんじゃないか?
しかも
ガンプラがしょっちゅう壊されてるって、いかにも怪しい奴。こっちの個人情報は絶対教えるなよ」
コウ「僕ハンドルネームとか考えるの苦手で、本名教えちゃってるんだけど。
それで、僕の名前が日系だから、案外近くに住んでるかもって昨日チャットで盛り上がってさ」
アムロ「夜遅くまでパソコンをやっていたのか? 今月の電気代はお前の小遣いでまかなうか」
コウ「ええっ!? そ、それは困るよ。先週MGジ・Oが出たから、同じ時間から製作開始して、
タイムと出来を競い合おうって約束したのに!」
アムロ「また無駄遣いをする気か!? カエルと競争するんならアッシュでも作ってろ!
以前キラがフリーダムで達磨にしたあのカエルみたいなMSを!」
コウ「いや、その人、種系MSは好きじゃないみたいで……
ガンプラは基本的にUC物が中心……」
アムロ「
トミノ教徒か!? 月光蝶を使う時が来たのか……ロランが悲しむ」
コウ「ちょっ、月光蝶って、そんな大騒ぎする事なの!?」
アムロ「黒くくすんだ
トミノを、新たに描き直す」
コウ「だからって月光蝶は無いでしょう月光蝶は!」
アムロ「ならば核か!? GP-02Aの出番だ! ガルr……ガトーに連絡を!!」
コウ「アムロ兄さん落ち着いて! 興奮しすぎだよ!?」
アムロ「天を灼く剣は、人と人つなげて。巡りくるー切なさー、悲しみを、洗ぁってぇ~」
コウ「アムロ兄さんご乱心! アムロ兄さんご乱心! νガンダムで出撃しようとしてる、誰か止めるの手伝って~!」
「 」
アムロ「今、ララァが言った。あまり弟を困らせてはいけないわ、と……」
コウ「えっ!?」
最終更新:2019年03月05日 13:33