「キラたんボスケテー!!」
今日も抜け落ちる頭髪を撒き散らしながらアスランが逃げまどう。
言葉遣いも幼児退行してしまっている。
『アッスラーン!!』
「はははモテモテだなあアスランは」
人事のように云う。
「それにしても……カガリにルナマリアにメイリン……それと、あの地味な娘は一体誰なんだろう?」

「はぁ、はぁ、はぁ」
ラクスは追手から逃げ続けていた。
最近はスクープを狙う記者どもの追撃が厳しい。
「俺はラクス・クラインのスキャンダルをものにする!徹底的にな!」
背後から迫るカイ・シデンのガンキャノン。
向こうにはジェスのアウトフレーム──テスタメントの報道仕様。
上空にはフランのフラット。
もはや逃げ道などどこにもないように思われた。
「困りましたわ……久しぶりのキラとのデートですのに」
その時、路地裏からそばかすの目立つ地味な少女が手招きした。
「ラクス様、こちらへ!」

「 ク ラ イ ン エ タ ー ナ ル パ ワ ー ・ メ イ ク ア ー ッ プ ! ! 」

「見つけたぞ!あそこだ!」
「あの店に入って行くわ!」

863 名前:影武者裸楠蔵院投稿日:2006/07/26(水) 02:07:11 ID:???
「アースーラーンー」
鬼のような形相のカガリが遂にアスランを捕らえた。
「お前という奴は!また性懲りも無くラクスと!」
カガリの手にはスポーツネオジャパンが握られていた。

【 ラ ク ス ・ ク ラ イ ン 、 百 合 百 合 な 関 係 ! ? 】

ラクスが凸い少女(?)にしがみついている写真がトップを飾っている。
「そ、それは風見まほだ!断じて俺じゃない!」
「どう見ても女装したお前じゃないか!だいたい、何で名前を知っているんだ!?」
「いや、ほら、なあ」
墓穴を掘ったアスランは自らの退路を断ってしまった。
「今日こそ私をイカせてもらうぞ!」
「あれっ?アスランさんは今日は私を抱いてくれるんじゃなかったっけ?」
「お姉ちゃんは一昨日ヤったばかりでしょ!」
「キラたんボスケテー!!」
今日も抜け落ちる頭髪を撒き散らしながらアスランが逃げまどう。
通りすがったステラがポツリと呟いた。
「……よんぴー」
「よし決めた!今日は全員で搾り取ってやるから覚悟しろ!!」

「向こうは何やら大変ですわね」
「いつもの事さ」

地味な少女──ミーア・キャンベル。
ラクス・クライン親衛隊No.002。


「キエルさん」
「何でしょうか、ディアナ様」
「これからは私の恰好をするときには、こう唱えるのです。
 ム ー ン ソ レ イ ユ パ ワ ー ・ メ イ ク ア ー ッ プ ! ! 」
「(ディアナ様、十年前のアニメでも観たのかしら……?)」


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最終更新:2019年03月18日 21:20