134 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/28(土) 15:43:59.90 ID:???
パラレルでお願いします。
ストーカー「皆さん、今日の話はあのネオイタリアのミケロ=チャリオットに
ドモンが協力するというものなのです!
いったいミケロの対戦相手は誰なのか? それでは
ガンダムファイト、レディーゴー!」
街の裏通りを飲んだくれたミケロが歩いている。手には酒の空きカンが握られている。
そこを通りがかったドモンとアル、それにシュウト。
ミケロはふらふらの状態のままそばにあった家の塀に寄りかかって座った。立ち止まるドモン。
アル「どうしたの、兄ちゃん!」
シュウト「こいつ、悪い奴だよ。早く行こうよ!」
せかす弟達に背を向けてドモンはミケロに話しかけた。
ドモン「どうしたミケロ?」
ミケロ「俺はもうガンダムファイターじゃねえ」
ドモン「何だと?」
ミケロ「上の方針で『お前じゃガンダムファイト優勝は狙えない』から人員変更だとよ」
アル「当然だよ。前回チャンピオンで今回も優勝にお前より近い兄ちゃんがいるもん」
シュウト「それにマフィアのボスがガンダムファイターで
捕まらないってのがおかしいんだよ。逮捕されちゃえ!」
ミケロは持っていたカンを投げ捨てた。ドモンはそれを手で受け止めると投げ返した!
カンはミケロに当たって地面に落ちた……。
ドモン「どうしたミケロ。前のお前なら避けられたはずだぞ」
ミケロ「うるせえ! 俺はもうガンダムファイターじゃないんだよ」
135 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/28(土) 15:47:35.64 ID:???
アル「行こうよ、兄ちゃん。こんな奴相手にしてる暇はないよ」
シュウト「逮捕されちゃえ!」
ドモン「ミケロ=チャリオット、確かにマフィアのボスは悪人だ」
アル「当然だよ」
ドモン「子どもを人質にとるとは大した悪党だな。俺は覚えているぞ」
シュウト「だからさっきから悪い奴だって言ってるじゃん」
ドモン「だがファイターとしての実力はあったはずだ。
上の方針なら実力で代表の座を取り戻せばいいはずだ」
アル「え!? 何言ってるの!?」
シュウト「こいつがガンダムファイターになったらまた捕まらなくなっちゃうんだよ!?
マフィアの犠牲者出ちゃうんだよ!?」
ドモンはニヤッと笑って言った。
ドモン「その時はまた俺が倒す。そうすれば警察が手錠をかけてくれるさ」
ミケロを指差したドモンは静かに言った。
ドモン「自業自得とはいえ今のお前の姿を見たくないのも事実だ。
俺と一緒に修業しないか」
ミケロ「流派東方不敗を学べってのか?」
ドモン「そうじゃない。だがギアナ高地へ行って俺と共に特訓しないかといっている。
それともミケロは今の姿のままでいいのか? 今のお前は腐抜けている」
ミケロ「何だとぉ!?」
ふらふらの状態のミケロは目を一瞬光らせるとドモンに向かって殴りかかった。
拳を余裕で避けるドモン。しかしその表情はどこか嬉しそうだ。
ドモン「ははっ! その意気だ。さてギアナ高地へ行くぞ。
アル、シュウト、見てるか? ファイターは拳と拳で語り合うんだ。
それとミケロ、酒の空きカンは拾っとくんだな」
136 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/28(土) 15:51:09.29 ID:???
ここはギアナ高地の滝の前、ドモンとミケロが修業している。
どうやらお互いに組み手をしているようだ。
そばにはメカニックであるレインと……、
なぜか例によっていつもの
主人公兄弟達がいる。
アル「ドモン兄ちゃん、おかしいよ。理解出来ないよ」
レイン「でもね……」
シュウト「このままだとマフィアの被害者が出るんだよ」
レイン「でも自信喪失状態のミケロを見て全然なんとも思わなかった?」
アル「う……」
シュウト「それは……」
レイン「ドモンはやさしいのよ。たとえ悪党でも見捨てない。
そして私はそんなドモンが大好きなのよ」
ミケロ「いくぜぇ! 銀色の脚ィ!」
ドモン「……フンッ!」
ドモンはミケロの攻撃をすべてかわすと特訓を休憩にした。
ドモン「少し休もうか。かなりミケロの動きが戻ってきているな。
ところでネオイタリア代表に選ばれたファイターとはいったい……?」
ミケロ「代表候補は俺以外に一人いる。女だ。
素人で初戦敗退でも名前がイタリアっぽくて美人なら
宣伝になってそれでいいとさ」
ドモン「何!? ネオイタリア上層部は優勝をハナから捨てているのか!?」
137 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/28(土) 15:55:11.79 ID:???
数日後、ここはネオイタリアの川の上に作られた円形リングと客席。
ネロスガンダムがウォーミングアップをしている。
ドモンがミケロが勝ったら代表に戻してくれということを
ネオイタリア上層部に説得したのだ。
客席ではまたいつもの主人公兄弟がいて複雑な表情でミケロを応援している。
すると突然機体が一機空から降ってきた。
ドモン「なんだこの
ガンダムは!? こんな機体は見たことないぞ!」
デュランダル「この機体はデスティニーインパルスといって実際にあるものです」
ドモン「全然聞いたことないぞ!」
デュランダル「設定上あるものを無理やりモビルトレースシステムで運用できるようにしました」
ネオイタリア側の客席にいるデュランダルがマイクを持ってそう言った。
デュランダル「私の人脈を使いました。タリアのモビルファイター姿萌えー」
ドモン「相手はタリア=グラディスか。ミケロ、ファイトの用意はいいか!?」
ミケロ「……あ、ああ」
実況のアナウンサー「それではガンダムファイト、レディーゴー!」
ファイトが開始するやタリアはキックを何発もミケロに炸裂させた。
ドモン「何やってる、ミケロ! 相手は素人だぞ」
ミケロ「身体が動かねえ……」
ドモン「何?」
ミケロ「駄目だ! 俺はファイトできねえ!」
ドモンが思っていた以上にミケロの自信喪失は深刻だった。
だがドモンはそんなミケロに活を入れるように叫んだ!
ドモン「ここで戦わなかったら元のままだぞ。それでもいいのか!?」
ミケロ「俺は……」
ドモン「ミケロはガンダムファイターだ。それを思い出せ!」
ミケロ「俺は……、俺は……」
138 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/12/28(土) 16:01:46.88 ID:???
なおもタリアは拳と蹴りでネロスガンダムを攻撃する。
ミケロ「俺は……」
それまで反応のなかったネロスガンダムが突如動いた。それに驚くタリア。
ミケロ「俺はマフィアのボスである以前にガンダムファイターだ!」
ネロスガンダムは間合いを取るとタリア目がけて狙いを定めた。
ミケロ「俺のこの脚が真っ赤に燃える。勝利をつかめと轟き叫ぶ。
必殺! 銀色の脚ィィィィィ!」
勝負あった。攻撃を受けて崩れ落ちるデスティニーインパルス。
『タリア!』と叫んで急いで駆け寄るデュランダル。
ネロスガンダムは右手の人差し指を高く掲げた。
ミケロ「アハハハハ、俺、完全復活。
マフィアを再建してまたガンダムファイターをやるぜぃ」
アル「ああ……」
シュウト「ほら、言わんこっちゃない。マフィアのボスをやるって言ってるよ」
ドモン「悪いことをしたらまた倒して捕まえるさ。
それに悪事をやると話しているがはたしてそうかな?」
アル・シュウト「え?」
ドモン「ファイターは拳と拳で語るものだ。
俺とミケロはギアナ高地で十分語った。ほら行こう」
競技場を背にして反対側の出入口へ歩いて行くドモン。
他の兄弟達はあわててあとを追った。
ミケロ「サンキュー、ドモン=カッシュ=ガンダム……」
……。
……。
ドモン「という夢だったのさ」
ミケロ「夢オチかよ!?」
ドモン「だってミケロがマフィアのボスやめたら
このスレに書く他の職人さんが困るもの」
ミケロ「身もふたもないことを言うな!」
最終更新:2016年02月23日 06:58