603 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 03:15:17.71 ID:???
ハマーン「それでは今回の授業の意義を説明する。
普段お前達は決まった者で小隊を組む事が多い。が、現実はそうでない事が大半だ。
今回はなるべく普段授業の被らない者で、それぞれ学年1人ずつ出し小隊を組み、2チームに分かれて戦ってもらう。
3年生はリーダーとして、2年生はエースとして、1年生は先輩を体で学んで欲しい」
ロニ「よろしく頼む」
ディアッカ「グゥレイト、絶対勝とうぜ」
バナージ「よろしくお願いします、ロニさん。ディアッカさん」ニコッ
ロニ「……よろしく」キュンッ
バナージ「チームで戦うって言っても、戦闘が始まるまで他の小隊と連絡できないから難しいですよね」
ロニ「小隊の配置は決まっているから、それを見て役割を考える授業だからな」
ディアッカ「前線の最右翼。攻め込むか、壁になるか……」
バナージ「ロニさんはどう思います?」
ロニ「そうだな……角割れはどういうタイプなんだ?」
バナージ「一応射撃よりではありますけど、どちらにも対応できますよ」
ロニ「私のザクをどうするかだな。ディアッカは射撃タイプで……」
バナージ「ロニさん」
ロニ「ん?」
バナージ「俺達のすぐ後ろがアリーサさんとアセム兄さんの小隊です。アリーサさんに引っ張られて、必ず、前に出てきます」
ロニ「それなら壁になろう。私のザクをスナイパー装備にする」
キーンコーンカーンコーン
バナージ「あ、チャイム」
ディアッカ「どうする?俺は休み時間も話し合った方が良いと思うけどさ」
ロニ「私もそう思う。でもちょっと待っててくれ。メールをする」
バナージ「携帯に、プリクラ?」
ロニ「違っ……アルバイト先の子どもと撮ったんだ。私、幼稚園でアルバイトしているから……!」
バナージ「子ども、好きなんですね」ニコッ
ロニ「そりゃ、子どもは可能性の塊だもの。10人くらい……いや、お前の兄弟を超えるくらい欲しいかな」テレッ
604 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 03:16:18.65 ID:???
ディアッカ「さあ、ミーティングも終わったしノーマルスーツに着替えて乗り込むぜ」
バナージ「やけに説明的な台詞ですね……」
ディアッカ「気にしないのがグゥレイトだぜ。それより、どうよ?」
バナージ「どうって、何をです?」
ディアッカ「ロニさんだよ。何か良い感じじゃん?お似合いっての」
バナージ「いや、俺には、そんな……俺はミネバ一筋ですし……」テレッ
ディアッカ「へー、そう言う割には照れてるぜ」
バナージ「止めてくださいよ!///」
ディアッカ「分かった分かった、俺は誰にも言わないからな」
ハマーン「では戦闘を開始する」
ロニ『9番隊は右翼の維持に当たる、攻撃は頼みます』
アリーサ『了解、任せとけ!』
アセム『守りの人数が少なくなるけど、バナージ達なら大丈夫だ。頼んだぞ』
ロニ「援護をするぞ、バナージ」
バナージ「はい!」
ディアッカ「(俺は無視か。ま、口に出すのは非グゥレイトだな)」
わーわー
バナージ「こちらは良いですけど、反対側が心配ですね」
ロニ「悪い知らせだ。左翼が突破された」
バナージ「助けに行かないと!」
ロニ「ダメだ!」
バナージ「何でです!?」
ロニ「相手の狙いは私達を下げて攻撃部隊を孤立させ撃破。そして防戦一方にさせる事だ。
ここで下がれば全てが本当に無意味になる」
ディアッカ「本拠地はギリギリで食い止められる。俺達は前線で頑張らないとな!」
アセム『ロニ、新手が向かってる!気をつけろ』
ロニ『ああ。レーダーで確認した』
ロニ「バナージ。これはチーム戦だ。私が倒れても、ユニコーンとバスターならここを維持できる。
相手の撃破を優先しろ」
バナージ「……はい!」
605 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 03:17:54.65 ID:???
タツヤ「ここで押し込めば私達の勝利は確実になる。アメイジングエクシアで落とさせてもらう」
ロニ「速い!?」
バナージ「格闘戦で行きます!」
タツヤ「エクシアに接近戦を挑むとは!」
バナージ「幾ら
ガンプラバトルの名人とはいえ、実機とは違う。
格闘戦でも、普段から刹那とやっている俺なら同格以上に持ち込める!」
タツヤ「正解だ、と言っておこう。君とまともに戦って勝つ確信は無い。
だが!
トランザム!!」
バナージ「抜かれた!?」
タツヤ「先に君と戦う気はない!馬より将を射る必要があると見た!!」
ロニ「くっ……!」
タツヤ「もらった!!」
だが、エクシアの一撃はNT-Dを発動したユニコーンのビームトンファーに阻まれる。
タツヤ「何っ!?」
ロニ「バナージ……見捨てろと言っただろう!」
バナージ「それでも……相手だけ全員倒す方法もある筈はずなんです!
見捨てろと言われて見捨てる事なんて出来ませんよ!」
ロニ「理想論を……」
バナージ「可能性を信じるんです!ユニコーン!!」
ユウキ「く……持たない……!?」
バナージ「落ちろおおおおおお!!!」
――――
ディアッカ「よくやったな。タツヤからの連続撃破、あれで流れが変わったぜ」
バナージ「そんな、俺はあそこを守っただけですよ」
ハマーン「いや、バナージがあそこを守っていたからこそ、本拠と前線が繋がり士気を維持できた」
ロニ「バナージ……ありがとう。また、組めるといいな」
バナージ「ロニさん、ありがとうございました。今度は授業じゃなく、一緒にやりましょう」
ハマーン「フフ……バナージとロニ、か」
ディアッカ「先生、俺はこういう時
どうすればいいんだ?」
606 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 03:18:53.00 ID:???
それから何日か経って…
アリーサ「次も教室で授業かよ。何で全部の科目がMSじゃねーんだよ」
ミューディー「仕方ないだろ?入れても良い数が決まってるんだから」
アリーサ「お、1年が戦ってる。ユニコーンとデスティニーか」
ロニ「……」ポケーッ
メシェー「ロニがぼんやりしてるなんて珍しいわね」
ロニ「そうか?」
アリーサ「仕方ないだろ、この前の合同授業でアセムの弟にホれたんだから」
ミューディー「……
どっち?」
アリーサ「白い方。小隊組んでたんだよ」
ミューディー「ああ、あのそれでも君。
ロニみたいに男に首輪付けて引っ張ってくタイプにはお似合いじゃない?」
ロニ「そ、そんな事!」
アリーサ「顔に書いてあるぜ。ま、応援してやるからな。その代わり、私のも応援しろよな」
ロニ「応援って……私はバナージなんて気にしては……」
アリーサ「なーアセム。バナージの好きなものって何だ?」
メシェー「アリーサ、直球すぎるよ……」
アセム「バナージの?珍しいな」
アリーサ「コイツがバナージの事好きになっちまってさ」
アセム「そういう事か……うーん、バナージって好き嫌いが掴めないからな……時々変なものにはまるし……
ゴメン、俺ニュータイプじゃないから分かんない」
ロニ「いや、良いんだ」
アリーサ「あ。ちなみに今の秘密な」
アセム「分かったよ。でも、ロニとバナージってお似合いだと思う」
ロニ「そうか?///」
アセム「ドズルさんさえ認めればオードリーと今にもくっ付きそうだけど、大丈夫、ロニなら勝てるよ」
ロニ「……そうだな、バナージにはミネバが」
ミューディー「ねえアリーサ、コイツ撃って良い?」
アリーサ「うん、撃って犬の餌にしちゃえ!」
メシェー「ロニ、大丈夫。原作なんて可能性の1つなだけなんだから、逆転できるって」
ロニ「バナージには、ミネバ、か……」
607 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 03:20:17.59 ID:???
ロニ「バナージ……」
ドズル「今小僧の名前を言ったのは誰だああああ!?」
ロニ「あ、園長。今日もよろしくお願いします」
ドズル「貴様か!忌まわしきバナージの名前を言ったのは!?」
ロニ「わ、私です!私です!!ごめんなさい!!!」
ドズル「フン、分かればいいのだ。ロニ、ここにいる以上その名前を口にするでないぞ」
ロニ「はい……!」
ハマーン「ドズル閣下、あまりに乱暴なお言葉ですな」
ドズル「ハマーンか、久しぶりだな。何の用だ?」
ハマーン「教え子のアルバイトの様子を見るのも教師の務め。その上で、恐れ多くも閣下に忠言をと思った次第です」
ドズル「ほう、聞こうか」
ハマーン「その前に、ロニを子ども達の下へ行かせてやるのが先では?」
ドズル「おお、そうだったな。ロニ、子どもが待っておる。早く行ってやれ」
ロニ「あ、はい」タタタ
ドズル「それで、忠言とは?」
ハマーン「ロニとバナージの事です。ロニはバナージに好意を持っています。それにバナージもまんざらではない様子」
ドズル「フン、人の娘に手を出し浮気までしようとは……やはりカスだな」
ハマーン「ですが、これは考えを変えればロニが本命になる可能性がある、という事ではないでしょうか?」
ドズル「うむ……」
ハマーン「バナージは複数の女性を好きになってもアムロの様に同時に本命にする度量はありません。
そういう女性は友人と割り切って本命を一途に愛するタイプです」
ドズル「随分と小僧を良い様に解釈してくれるな」
ハマーン「閣下はバナージの本命がミネバ様故に慧眼を曇らせていらっしゃる。
仮にバナージの本命がロニだとしたら、あの少年をどう評せられるか……?」
ドズル「単なる小僧としか思わんな」
ハマーン「なればこそ、我々はロニの恋を応援すべきであると言えましょう。
ミネバ様も一時はお辛い気持ちになるでしょうが、悪い虫が取れたと思えば」
ドズル「うむ、言われてみればそうかもしれん。よく言ってくれた、感謝する」
ハマーン「いえ、私は生徒の幸せを考えたまで。可愛い教え子がアルバイト先で恋の話も出来ないのは不幸ですから……」
609 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 08:59:18.60 ID:???
支援ありがとうございます!
ドズル「ロニ、さっきは怒鳴って済まなかったな」
ロニ「いや、良いんです」
ドズル「ただの癇癪だ、気にするな」
ロニ「……あの」
ドズル「……俺は
昔はモテたものだった」
ロニ「……」
ドズル「最初はゼナとは違う女と付き合っていた。タイプは違うが良い女だったな。
だが、いつの間にかゼナと過ごす時間が増えてきて、気が付けばゼナと付き合っていた。
その女とは今でも家族ぐるみの付き合いで、本当に
別れた相手かと疑う程だ。それでいて、今は何とも思わんのだ」
ロニ「……そんな過去があったのですね」
ドズル「ロニ、男なぞそんなものだ。もし好きになった男がいれば気にせず手に入れれば良い。
例えお前の父親が反対しても、俺はお前の味方だ」
ロニ「はあ、そういうものですか……」
ドズル「おお、そうだ。さっきハマーンから伝言を預かってな。
ヨンムの注文で造っていたお前専用のMAが完成したそうだ。すぐ送ると言っている」
ロニ「シャンブロが?ありがとうございます」
ドズル「おお、そんな名前だったな。しかし写真を見せてもらったが、女性にしては大きな物に乗るのだな」
ロニ「私の夢でしたから」
ドズル「そうか、まあ俺も良く乗るから分かるが、事故を起こさん様にな。大型はどうしても過失が高くなる」
ロニ「はい、気をつけます」
ロニ「(シャンブロ……ユニコーンと同じサイコフレームが搭載された機体。
あれに乗れば、バナージも私の気持ちに気付いてくれるかな……)」
610 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 09:01:34.44 ID:???
シロー「MAが暴れている!?」
エレドア「はい!ビルをなぎ倒して一直線に進んでいます!!」
グラハム「急ぐのだな、シロー。ルート上には
ガンダム家がある!」
シロー「何だって!?」
リディ「隊長、お供します!」
グラハム「状況は!?」
ダリル「ゆっくりですが全てを薙ぎ払い前進中、強力なビーム砲になんでも反射するビット。滅茶苦茶です!」
シロー「そこのMA、止まりなさい!」
ロニ「断る!」
ダリル「主砲が来る!避けろ!」
シロー「くそおっ!」
ズゴオオオオ
ロニ「ジークジオンジークジオンジークジオンジークジオンバナージジークジオンジークジオンジークジオンジークジオン
ジークジオンバナージジークジオンバナージバナージジークジオンジークジオンジークジオンジークジオン……」
ハロ長官「ヨンム・カークス。あのMAは君の家から出ているけど、いったいどうしたんだ?」
カークス「分からない。ロニがMAが届いたから乗ってみる、と言って起動させ、それから……」
アムロ「サイコミュの暴走だな」
ハロ長官「サイコミュの?」
アムロ「あれにはサイコフレームが使われているんだろう?強い感情を持ったまま乗ると取り込まれてしまう事がある。
慣れればそんな事は無いが、今日、サイコフレーム機に初めて乗ったとなると危険だな」
ハロ長官「何かそういう発言は無かった?何でも良いんだ、教えてくれ」
カークス「……そういえば、最近、バナージとかいう奴の話をしていたな」
アムロ「分かった、バナージを出す」
611 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 09:05:18.70 ID:???
バナージ「そんな、ロニさんが……!」
アムロ「その子に何をやった!?避妊はしたか!?恥はかかせてないだろうな!?」
バナージ「そんな事やるわけ無いでしょう!合同授業で一緒に戦っただけですよ!」
アムロ「兎に角、お前が関わっている確率は高い。ユニコーンで共鳴して止めろ!」
バナージ「分かりましたよ!」
バナージ「止めるんだロニさん!こんな事を続けていては、建物が壊れて修理代がかさんでしまう!」
ロニ「もう遅い!私はガンダム家に行って、バナージに会わなくてはいけない……!」
バナージ「俺ならここにいますよ!そのバナージです!!」
ロニ「ジークジオンバナージバナージークジオンジークジオンバナージバナージジークジオンジークジオン
ジークジオンバナージバナージバナージジークジオンバナージバナージジークジオンジークジオンジークジオン……」
アムロ「完全に取り込まれて錯乱している……!」
リディ「くっ、破壊するしかない……!」
バナージ「力ずくでは何も解決しません!止めてみせます!!」
NT-D
バナージ「ロニさん、戻ってくれ!こんな黒い感覚に呑まれては駄目だ!」
ロニ「うるさい!」
バナージ「俺の何が嫌だったんです!?命令を無視した事ですか!?
それとも、初めて会った時良い匂いだったからって深呼吸した事ですか!?」
アムロ「バナージ、後で説教するからな!」
ハロ長官「ちょっと待って、MAの勢いが弱まった!」
バナージ「よく分からないけど、止まった!?今だ!!」
シロー「バナージ!?コクピットを開けてどうするつもりだ!?」
612 名前:恋の重力の井戸の底で :2014/06/15(日) 09:06:33.92 ID:???
バナージ「ロニさん!コクピットを開けて出てきてください!閉じ篭っているだけじゃ何も分からない!
殴りたいなら生身で殴ってくださいよ!」
ロニ「バナージ……!?」
バナージ「俺です!バナージです!!」
ロニ「本物の……バナージ……なんだな?」
ハロ長官「MAのコクピットも開いた?」
アムロ「よし、あとはロニちゃんを降ろして……何!?」
リディ「MAのオーラが膨れ上がっていく!?」
シャンブロの両腕がユニコーンの体を掴む。それはもう文字通り壊れるほど強く。
そして一気に引き寄せた衝撃で、バナージは宙に投げ出される。そして……
バナージ「う、うわああっ!?」
アムロ「ああっ!?」
――――――
バナージ「それからの事はよく覚えていない。
空中で気を失ってしまったけど、どうやら俺は上手くシャンブロのコクピットに入ったおかげで
ミンチにはならなかったらしい。
すごく良い匂いがたくさんした気がするのは、きっとそのせいだろう。
それからシャンブロはコクピットを閉じて、暴れに暴れて、アムロ兄さんが何故か赤飯を炊いて……
俺はと言うと、怪盗キンケドゥに助けられて何とか降りる事が出来たみたいだ。
確か『お前も
10年の呪いを』って言葉が聞こえた気がするけど、何だったんだろう。
そしてロニさんは……」
ロニ「ごめんなさい、私のせいでバナージまで補習になってしまって」
バナージ「良いんですよ、戻って来れたんですから」
ハマーン「ほらそこ、惚気るなら終わってからにしろ。
私も迂闊だったな、シャンブロのサイコミュを強化しすぎるとは……」
バナージ「(乗ったのが調整不足のサイコミュ機だったという事で、ハマーン先生が責任を負ってくれた。
おかげで、こうして補習と反省文だけですんでいる。
それにしても、ロニさんは良い匂いだなあ……)」
終わり
最終更新:2016年04月03日 19:05