720 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/11/16(日) 15:33:48.45 ID:rCQKqeaX0
 ミリアリアとフレイはチャップマンの屋敷に来ていた。
ミリアリアは取材のため、そしてフレイはその付き添いである。

 さっそく家の中に招かれた2人はチャップマンのいる部屋へと案内された。

ミリアリア「こんにちは。あれっ、それは?」
チャップマン「私は銃が好きなのでね」

 イスに座ったチャップマンが手入れをしていた銃。それは種子島である。

 種子島とは、ここではもちろん鹿児島県種子島のことではない。
火縄銃の種子島のことだ。
『種子島』、これほどビームサーベルやビームライフルと並び
ガンダムにポピュラーな武器はないだろう。
ただし……。

フレイ「SDじゃない!」
ミリアリア「ここのスレ、SD系のネタがOKみたいだから。戦国も勇者もありなのよ」
チャップマン「種子島は戦国では一般的だね」

 チャップマンは薬を飲みながらほほえんだ。

 ところでここはガンダム兄弟のスレであり、ガンダム主人公兄弟が主人公である。
そして仮に突然種子島を持つことがスレに流行し出したとしよう。

 それはつまり……。

アムロ「種子島は伊達じゃない!」

721 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/11/16(日) 15:36:26.93 ID:rCQKqeaX0
 アムロは種子島を構えてポーズをとった。

ドモン「俺は日本刀があるし、わざわざ種子島を使おうという気になれないんだが……」

ヒイロ「種子島入手任務達成、任務完了」
ガロード「買ってきてくれてありがとう。さっそくこの種子島を俺のものにしよう。
     まずはこの火縄銃の名前を変える。『ゾンダーエプタ島』って銃の名前はどうかな」
ティファ「ガロード、武者はガンダムも漢字表記で頑駄無なのだから
     ゾンダーエプタ島も漢字にしなくちゃ駄目」

ガロード「……『ゾン』!?『ゾン』なんて漢字あるの!?」
ティファ「あります。存」

 街角からガンダム兄弟の家をのぞいていたミリアリアやフレイはびっくりしていた。

ミリアリア「こんなに種子島が人気が出るなんて。私の取材のおかげね」
フレイ「……そう? チャップマンさんの取材の前から種子島ブームは徐々にあったと思う」
ミリアリア「またまた……」
フレイ「あの記事や写真がブームの始まりじゃないと思う。だから自然発生的に……」

アムロ「たかが石ころ一つ、種子島で動かして見せる!」

 アムロはそう言うと、庭の小石に向かって試し撃ちをした。
石ははじかれて移動した。それを見て種子島の手入れをするアムロ。

フレイ「みんな種子島ブームなのね……」

シャア「アムロ、今日はこの種子島で勝負」

 なんとアムロのライバル、シャアが種子島を持って現れた。

722 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/11/16(日) 15:39:45.34 ID:rCQKqeaX0
フレイ「種子島に何があるんですか?
シャア「種子島はロマンだよ」
アムロ「やるか?」
シャア「今日は妙に好戦的なアムロだな。この最高の種子島で勝負だ」
アムロ「具体的にどう最高なんだ?」

シャア「そうだな……。格好よさ、銃のデザイン性から故障のしにくさまで
    私の種子島が勝っている」
アムロ「ところがこちらこそ最高の種子島を持っているんだ。
    シャア、勝負だ!」

 と、その時フリットが現れた。

フリット「みなさん大変です。最高の種子島の作り方がわかりました」
アムロ「何!?」
シャア「何だと!?」

 驚くみんな。

フリット「AGEシステムによれば最高の種子島の作り方は……」
アムロ「作り方は?」
フリット「火縄がないんです。種子島が火縄銃でなかったら種子島とはいえません」

723 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/11/16(日) 15:42:59.37 ID:rCQKqeaX0
 種子島ブームが終息したようにみえたある日、
ミリアリアとフレイ、そしてガンダム兄弟のドモンはチャップマンの家にいた。

チャップマン「ブームはしょせんブームだからな。
       しかし私が銃が好きなのも種子島が好きなのもかわらんよ」

 そう言ってチャップマンはイスに座りながら火縄銃の種子島の手入れをした。

チャップマン「しかし種子島ブームによって
       引き続き種子島に興味を持つ者が出てきたらそれは嬉しい」

ミリアリア「なるほどねえ」
フレイ「なるほど」
チャップマン「ところで今日はドモンもいるな。どうした?」
ドモン「チャップマン、ガンダムファイトを申し込む!」

チャップマン「面白い。ちょうど薬を飲んで精神強化剤の副作用と闘い、
       体も癒え、ピークに近い状態に戻ったところだ」
ドモン「何!? つまりチャップマンは今、ガンダムファイト3連覇の時の姿に
    戻っているというのか!?」
チャップマン「そう思ってもらって結構だ」

 チャップマンはイスから離れ、すっと立つとドモンと握手を交わした。

チャップマン「正々堂々としたファイトをキングオブハートに期待する」
ミリアリア「ちょっと! これ、取材のいいネタじゃない!
      ぜひ取材させて下さい。お願いします」
フレイ「ああ、ミリアリアの取材が始まった……」

 この後、ドモンとチャップマンはガンダムファイトで
死闘を繰り広げることになるが、それはまた別の話。
チャップマンの体の回復を喜ぶかのように彼の部屋の種子島はキラリと光を放っていた。

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最終更新:2016年04月29日 19:56