361 名前:怪盗キンケドゥ・クリスマス決戦編 終投稿日:2006/12/23(土) 14:51:14 ID:???
翌朝、すなわちクリスマス当日。
早起きした日昇町の住民は、二機の赤白ガンダムが昨日のケーキ祭りの後片付けをしている現場を目撃した。
片方は非常にてきぱきとしており、もう片方は二日酔いのようにふらついていた。

「キンケドゥさん、なんでそんなに元気なんですかぁ」
「お前と違って、俺は酒飲んだわけじゃないからな!」
「それだけでそんなにてきぱきやれます?」
「まあ、その…」
『右前方二十メートル、車道の白線沿いに一つ!』
「了解、ベラ! …やっぱり彼女に見られてると思うと、な」
「いきなりセシリーさんまで手伝うだなんて、どうしたんでしょう」
「あれで俺より真面目だからな、ベラは…っと、清掃終了。ベラ、次のポイントにナビ頼む」
『ええっと、左七十二メートル、高層ビルの屋上、アンテナ!』
「了解! こりゃすごいところにかかったな。電波状況悪くしちまった。トビア、そっちやれるか」
「大丈夫…です。それでキンケドゥさん、真面目だからいまだに一線を越えられないんですか?」
「……誰に聞いた、そんな言い回し」
「キッドからですけど」
「後で修正してやる」
「で、セシリーさんとは本当に何もないんですか? 昨日とか」
「……何かあったらどんなに幸せか」
「二人っきりになってたじゃないですか」
「あの後セシリーがすぐ寝ちゃったんだよ! 無防備な彼女を襲えるか!」
「ははあ、なるほど。メモメモ」
「何がなるほど、だ!? …待てトビア、何故メモする」
「報告しないといけないので」
「誰から聞けと頼まれた」
「ザビーネさんに」
「…………」

非常にシュールな光景であったため、警察に通報する人間もいなければ、警察で動く人間もいなかった。
ノックス・クロニクルはじめ各マスコミには珍ニュースとして報じられた。
シローは新聞を読んで、宿敵をどう理解すべきかと頭を抱えた。


追記。
その日カロッゾパンにて、二人の職人が互いの意地をかけパン勝負をしたらしいが、勝敗は伝わっていない。

「やはり貴様とは雌雄を決さねばならん宿命のようだな、ザビーネェッ!!」
「ダメじゃないかぁキィンケドゥゥゥ!! 人の台詞を取っちゃあぁぁ!!」
「ふはははは、両者気合十分と見える。ならばよし!
 いざ! クッキングバトル!」
『レディィ…! ゴォォォ――――ッ!!』


                           おわり

362 名前:怪盗キンケドゥ・クリスマス決戦編 あとがき投稿日:2006/12/23(土) 14:53:19 ID:???
な、長かった…。内容詰め込みすぎだ…。
キンケドゥとシーブックが同一人物であることを主軸にシリアスをしようとしたら、あっという間にこんな容量にOTL
ともかく、どこか一箇所だけでも「なんとー!?」と驚いてくれれば大成功です。

えーと、フォローとしまして。
リィズやアノー家の問題は、part7の初代キンケドゥで『リィズが関係している』となっていたので捏造しました。
でもシーブックが裏に入るほどのショッキングな理由と言うには、あまりに小規模かもしれません。
トビアの言う『ギルの奴』とは、トビアが引き取られた家の子供です。原作にはトビアの台詞の中に一度だけ登場。
『死の旋風』のギリではありません。ましてや議長でもありません。
トビアの待ち受けメロディは、多分クロスボーンスレに行けば貼ってあると思います。
誰が作ったかは知りません。ごめんなさい。
キンケドゥの素顔は、長谷川先生バージョンではなく、重田先生バージョンでお願いします。
長谷川先生だとシーブックより童顔になってしまいます。

ではこれにて失礼。皆さん、温かい言葉をありがとうございました。良いクリスマスを。


追記 サンタファラは普通にかわいいと思います。




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最終更新:2019年03月22日 22:27