93 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/15(日) 05:51:24.23 ID:3XyGdJSZ0
今日も今日とてミリアリアは友人のフレイと共に取材に来ていた。
取材先は
ガンダム兄弟の家である。
ミリアリア「ドモンさん! 今日は家の前でファイトするって本当ですか!?」
ドモン「誰から聞いたんだ? その通りだ」
もうすでに家の前にはミリアリアやフレイ、ドモンだけではなく
ドモンの兄弟達や近所の人達が見物に来ている。
ミリアリア「それで今日はどういったファイトを? 意気込みを聞かせて下さい!」
ドモン「強敵だ。試合は長引くものとなるだろう。しかし俺は勝つ」
フレイ「相手は誰なんですか?」
ドモン「そうだなあ……。ヒントは日本刀を持った人物だ」
アル「日本刀? さびた刀を持ってきたシュバルツかな?」
シュウト「わーい、ニンジャだ。ニンジャ」
ミリアリア「子どもって忍者が好きね。もちろん私も大好きだけど」
ドモン「残念ながら今日は違うんだ。相手はシュバルツじゃない。
今回の試合は公的な
ガンダムファイトじゃない。
いうなれば私闘。モビルファイターが相手じゃないんだ。
だが果たし状まで家に送りつけてきたんだ。
1回手合わせしないとな」
ドモンは右手の拳をにぎると左手の手のひらに打ち付けた。
アル「日本刀を持って、モビルファイターじゃない……?」
シュウト「わかったよ。SDの武者達でしょ?」
ミリアリア「あ、そうか。日本刀や種子島持ってるもんね。
シュウトって本当にSDが好きね。私も好きだけど」
ドモン「残念ながらSDの武者達が今日の相手じゃないんだ」
フレイ「日本刀を持った人物でシュバルツさんでもなくて
SDの武者頑駄無達でもない?」
ミリアリア「ドモンさん、もったいぶらずに教えて下さいよ」
94 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/15(日) 05:53:45.78 ID:3XyGdJSZ0
その時、ドモン達の話を聞いていたロランが顔色を変えた。
ロラン「ギム=ギンガナム!」
ミリアリア「え?」
ロラン「ギム=ギンガナムでしょ! 日本刀を持っている人物!
まさかギンガナムがターンエックスで
この街の文明を破壊しに!?
大変だ! 月光蝶が……」
取り乱すロランにドモンは驚いた様子で声をかけた。
ドモン「おいおい、ギンガナムが今日のファイトの相手じゃないぞ」
ロラン「ええっ!? じゃあ他に日本刀を持った人物がいるんですか?」
ドモンはうなずいた。天気は良好。涼しい風が吹いている。
ファイトやその観戦にはもってこいの日だろう。
ドモン「そいつは生身ではガンダムファイターに勝てないからと
機体に乗って戦う事を果たし状で提案してきた」
ミリアリア「ドモンさーん、もったいぶらずに教えて下さいよ」
フレイ「いったいその相手とは?」
ドモン「俺が言う必要はない。なぜならもう来たからだ。ほら」
ドモン達の目の前に歩きながら現れた人物、
それは腹にさらしを巻き、撃と書かれたふんどしを身につけ、
日本刀を持ったゴッドワルド=ハインだった。
95 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/15(日) 05:56:14.66 ID:3XyGdJSZ0
フレイはゴッドワルドを見て固まった。
ミリアリア「フレイ、どうしたの?」
フレイ「何なの、あの格好は!?
ふんどしとさらし以外には服、何も着てないじゃない!
普通は驚くわよ、普通は!」
ミリアリア「日本刀、持ってるじゃない。
ドモンさんの言ったことは正しかったわね。
あれが今日のドモンさんのファイトの相手か」
フレイ「日本刀持ってるけど……!」
ドモン「ゴッドワルド=ハイン。宇宙の虎ともいわれる男だ」
ミリアリア「さっそくこういう時は取材よ!」
ミリアリアはゴッドワルドの前に進み出るとカメラで写真を撮り、
メモ帳を取り出し、取材を始めた。
ミリアリア「ええと、ゴッドワルドさん、
今回のファイトの意気込みを聞かせて下さい」
ゴッドワルド「承知いたした。
もちろん愛機、アビゴルでゴッドガンダムに勝つ自信はある。
果たし状まで送ったのも自信があるゆえ」
ミリアリア「ゴッドワルドさんは普段は何をされてる方なんですか?」
ゴッドワルド「ザンスカールという会社に勤めている。
こちらは会社員でファイトではアマチュア。
一方、ドモンはプロのガンダムファイター。
もしゴッドガンダムが負ければ
プロの阪神2軍がアマチュアのたけし軍団に負けた以上の恥」
ミリアリア「なるほど、なるほど……」
ペンをメモ帳に走らせるミリアリア。
それを見てフレイは大きな声でつっこんだ。
フレイ「なぜさらしにふんどしなのかを聞くべきでしょうが!
その衣装、服装、格好!」
96 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/15(日) 05:58:30.97 ID:3XyGdJSZ0
ミリアリア「それはたいしたことじゃないわよ」
フレイ「たいしたことでしょうが!」
ミリアリア「ええとすみません、ザンスカールではお仕事は何を?」
ゴッドワルド「この春から人事部に転属になった。
この間、元MSレーサーのウルフを
ヘッドハンティングしようとしたのだがザンスカールで働くより
クリーニング屋の方がいいと言われてな……」
残念そうに言うゴッドワルド。
そんな彼とミリアリアにドモンは叫んだ。
ドモン「取材はそれくらいでいいだろう! 勝負!」
ゴッドワルド「勝負!」
ドモン「強敵だがプロがアマチュアに勝つところを見せるとするか。
コテンのパーにしてやる」
フレイ「ドモンさん、『コテンのパー』って……。
言いたいことは分かるけど」
ドモン「出ろー! ガンダーム!」
ドモンがそう叫んで指を鳴らすとゴッドガンダムが家のガレージから現れた。
次にゴッドワルドが『出ろ、アビゴル』と言って指を鳴らすと
どこからともなく上空からアビゴルが現れた。
そしてお互いに機体に乗って向き合うとダッシュをして斬り合いを始めようと……。
ハリー「そのファイト、待った!」
今から戦おうとする2人の間に入り、両手を伸ばして止めたのは
スモーとそれに乗るこのスレでは阪神ファンで通っているハリー=オード、
その人であった。
97 : 通常の名無しさんの3倍2016/05/15(日) 06:01:00.64 ID:3XyGdJSZ0
ハリー「ゴッドワルド、ドモン、その勝負待った!」
ドモン「なぜだ、ハリー!」
ハリー「今日は私とゴッドワルドで本屋に買い物をする予定だろう」
ゴッドワルド「そうであったか? ……おお、そうだった、そうだった」
ドモン「悪いがそれは別の日にしてくれないか」
ゴッドワルド「今日は休日。せっかくの休みの日だ。
会社に行く日は一直線で家に帰って仕事で着るスーツを脱ぎ、
そのままバタンキュー、熟睡している。
こういう日でもなければ遊びに行けぬしショッピングにも行けぬ。
そこはプロのドモンとアマチュアの会社員との違い」
ドモン「……そうか。そこまで言うなら仕方ない。今日のファイトは無しだ」
ゴッドワルド「果たし状まで送ったのにすまない。恩に着る」
アビゴルとスモーは共に歩いて帰り始めた。
ミリアリア「私達も帰りましょうか」
フレイ「えっ、えー!? あの人絶対怪しいわよ。さらしにふんどしよ!?
さらしにふんどし。今すぐ追いかけた方がいいわよ!
スクープよスクープ!」
ロラン「そうですよ。フレイさんの言う通り、僕はあのゴッドワルドって人、
怪しいと思いますね」
アル「そうだよ。ふんどしだよ」
シュウト「怪しいよ」
ミリアリア「えー、そうかなあ」
ドモン「ところで2人ともどこに行くんだ?」
ハリー「とらのあなだ」
ゴッドワルド「コミックやライトノベルを買って読むのが楽しみでな。
ハリーはなかなかマニアックな面白い本を勧めてくれる」
以上がこの日のファイト騒ぎのてん末である。
なお、ゴッドワルドはとらのあなの店内に入ったところで
日本刀を持ち、さらしにふんどしという格好で来たのを驚いた店員によって
警察に通報され、署まで連行される羽目になるのだった。
もちろんゴッドワルドには悪気はなく、すぐに釈放されるのだが……。
次の日の新聞の一面には『日本刀にふんどし男、店に乱入』という見出しで
トップニュースになるのだがミリアリアはまだその事を知らない。
五飛「新聞は中日だ!」
サリィ「新聞はドラゴンズ情報がたくさん載ってる中日新聞よ!」
アムロ「2人ともなぜ俺の家にいる。帰れ」
最終更新:2016年10月24日 20:48