571 名前:進め!
ヨーツンヘイム社!投稿日:2007/12/20(木) 22:03:51 ID:???
~町内某所~
ガロード 「
呼ばれて飛び出て」
ジュドー 「やってきましたヨーツンヘイム社!」
マイ 「やあ二人とも、よくきてくれた」
ガロード 「どーもどーも」
ジュドー 「で、マイ兄さん、おいしい仕事ってなにさ?」
マイ 「ああ。二人の頑丈さと言うかタフさを見込んで是非とも頼みたいことがあってね」
ガロード 「頑丈さを見込んで?」
マイ 「そう。具体的には、この機体のテストパイロットをしてもらう!」
そう言ってマイが指し示したのは、格納庫に置いてある青い機体だった。モノアイタイプである。
ガロード 「……あれ?」
ジュドー 「……この機体、なんか見たことあるような……」
デュバル 「ほう。なかなか見所のある少年達のようだな」
ガロード 「うわ、ビックリした!」
ジュドー 「誰、おじさん?」
マイ 「こ、こら、失礼だぞ。こちらはヅダのテストパイロットを務めておられる……」
デュバル 「
ジャン・リュック・デュバルだ。よろしく」
ガロード 「俺、ガロード!」
ジュドー 「ジュドーってんだ。よろしくね、おじさん」
マイ 「いや、だから言葉遣い……」
デュバル 「なに、構わんよ。重要なのはMSの操縦技術だ。二人はいつもガンダムタイプを乗り回しているそうじゃないか」
ガロード 「まあね」
デュバル 「その腕を見込んで、改良したヅダのテストを頼みたいのだ」
ジュドー 「改良……って」
マイ 「あー……ヅダは、以前何十……いや、何回か
空中分解事故を起こしていてね」
ジュドー 「く、空中分解!?」
ガロード 「そ、そうだ! このポンコツ、どっかで見たことあると思ったらよく町の上空でバラバラになってるやつだ!」
デュバル 「……ポンコツ……? (ピキピキ)」
マイ 「だ、大丈夫! これはその後改良を重ねて安定性をアップさせたタイプだから!
前のがEMS-04でこれがEMS-10。中身は全くの別物として生まれ変わったんだ! ですよね、デュバルさん?」
デュバル 「その通りだ! もはやヅダはゴーストファイターなどではない。この町のMS開発の歴史に、厳然と存在しているのだよ」
ジュドー 「はあ……」
ガロード (なんか、妙にテンション高いなこのおじさん……)
デュバル 「君達には予備のヅダを試験してもらう。一番機はわたし、二番機はヒデト・ワシヤ君。三番機はオッチネン・シェル君だ」
マイ 「ガロードたちにはまず、オッチネンの操縦によるヅダの試験飛行を実際に見てもらうことにしようか」
ジュドー 「へーい」
572 名前:進め! ヨーツンヘイム社!投稿日:2007/12/20(木) 22:05:13 ID:???
ガロード 「しっかし、空中分解かー。本当に大丈夫なんだろうな、マイ兄さん?」
マイ 「大丈夫大丈夫! なにせ、我がヨーツンヘイム社が総力を挙げて改良したんだから、何があっても絶対にだいじょう」
マイがそこまで言ったところで、窓の外を試験飛行中だったヅダが突然火を噴いてバラバラになった。
ジュドー 「……」
ガロード 「……」
マイ 「……ほらね?」
二人 「何がーっ!?」
ジュドー 「思いっきり空中分解してるじゃないかーっ!」
ガロード 「あんなのに乗ったら命がいくつあっても足りないっつーの!」
ワシヤ 「オッチネェェェェェェェン! だから俺は止めろと(ry」
ジュドー 「ホントに生まれ変わったのかよこれ!?」
マイ 「いや、それは……おかしいな……データ上では……ああ!?」
ガロード 「なに!?」
マイ 「ちょっとデュバルさん! このデータ明らかに改竄されてるじゃないですか!」
デュバル 「……何故バレたのだ……!」
ガロード 「むしろなんで今までバレなかったんだよ!?」
ジュドー 「どういうつもりなんだアンタ!?」
デュバル 「ち、違う、これは……そうだ、ジオニック社の連中の仕業だ! 奴らはヅダとの制式化争いの際、あらゆる汚い手を(ry」
マイ 「今はそんなこと関係ないでしょう!? っていうかちゃんと改良してくださいって毎回毎回言ってるじゃないですか!
これでもう九十七回目ですよ!?」
ジュドー 「そんなに空中分解してるのかよ!?」
デュバル 「まだ百回もなってないんだからいいじゃないか!」
ガロード 「なに言ってんだこのおっさん!?」
マイ 「とにかく、今度という今度はもう許容できません! 幸いオッチネンは『ふう、死ぬかと思ったぜ』と戻ってきたからいいものの」
ジュドー (なんであれで死なないんだ……)
マイ 「今度こそヅダの抜本的な改良を求めます! いいですね!?」
デュバル 「嫌だ!」
ガロード 「拒否った!?」
デュバル 「ヅダはもう完成してるの! ザクより性能いいの! あれ以上改良加える必要なんてないの!」
ジュドー 「駄々っ子かよ!?」
マイ 「だから、そういう問題じゃ……!」
デュバル 「ヅダはもはやゴーストファイターではない! この町のMS開発の歴史に厳然と」
マイ 「それはさっき聞きましたよ!」
ジュドー 「……兄さん、いっつもこの調子なのかよ、この会社?」
マイ 「……魔女の釜とまで形容される無茶な会社なんでね、ヨーツンヘイム社は……
この間もズゴックを制御ユニットにした武装コンテナ空に飛ばしたりしたし」
ガロード 「どういう発想なんだそれは……」
マイ 「ああ、しかし困ったな! これじゃヅダの開発が遅々として進まないよ!」
ジュドー 「このおっさん下ろせばいいじゃん」
マイ 「そんなことになったらヅダの性能を証明しようと暴走して、派手な空中分解と共におっ死んで
会社の信用を地に落とすのが目に見えてるから……」
デュバル 「ヅダはもはやゴーストファイターでは」
ジュドー 「そりゃもうええっちゅーねん」
ガロード 「ホントに迷惑なおっさんだな……」
マイ 「どうしたものか……」
ジュドー 「……要するに、このままの状態のヅダで何度も試験繰り返せる人がいればいいんだよな?」
マイ 「……まあ、根本的な解決にはなっていないが、とりあえずはそんなところだろうか……?」
ジュドー 「じゃあ、うってつけの人材がいるぜ!」
~中略~
マイ 「うわあ、こりゃ
ミンチよりひどいや」
バーニィ 「ふう、死ぬかと思ったぜ」
デュバル 「ヅダのパイロットとしては最高の人材だな! これからも頼むよ君!」
バーニィ 「見てるかアル! 俺、今最高に輝いてるぜ!」
ジュドー (そうかな……)
ガロード (これで十七回目の空中分解だぜ……いくら給料いいとは言えよくやるよこの人も……)
最終更新:2019年05月21日 22:09