412通常の名無しさんの3倍2019/11/19(火) 16:43:08.22ID:D4IN6OWJ0
その日、アムロが会社から家に帰ってきた時、来客がいるのに気がついた。
アムロ「ただいま」
ロラン「おかえりなさい」
アムロ「誰か来ているのか? 何か話をしている声がする」
ロラン「さすがニュータイプ」
コウ「ヒイロの友達が来ているよ」
コウの言った通り、ヒイロの友達であるカトルが部屋の中に来ていた。
ヒイロもカトルも座ってお菓子を食べながらゆっくりしている。
カトル「こんばんは」
ヒイロ「兄さん、おかえり」
アムロ「ああ、ただいま。カトルが来るとはどうしたんだ? 何か用事でも?」
カトル「はい、実はドロシーにプレゼントをしたいんです」
アムロはカトルの話を聞いた。ドロシーに贈り物をしたい。
しかし何をあげるか悩んでいるという……。
ヒイロ「俺は心のこもったものなら何でもいいと思うのだがな。
手作りの動物のぬいぐるみはどうだ?」
カトル「ぬいぐるみか……」
コウ「それならさ、MSがいいんじゃない?」
カトル「MS!?」
413通常の名無しさんの3倍2019/11/19(火) 16:45:53.44ID:D4IN6OWJ0
アムロ「コウ、またよくわからないことを言って……」
コウ「でもさ、MSはいいアイディアじゃないかと思うんだ」
アムロ「コウはMS好きだからそういう発想がでるんだろう。まったく……」
カトル「いえ、MSというプレゼント、いいかもしれません」
アムロ「……本気で言ってるのか?」
アムロはあきれたようにカトルに言った。
その隣で嬉しそうな顔をするコウ。
カトル「マグアナック隊は一人一つのMSを持ってますし、
ドロシーに機体をあげてもいいと思います。
MSを渡すならやはり
ガンダムがいいですね」
アムロ「初代ガンダム!?」
カトル「いいえ、ガンダムタイプということです。
彼女はホワイトファング用のビルゴを持っていますからガンダムがいいですね。
金に糸目はつけません。ウィナー家の総力をあげた機体にしたい……」
ジュドー「そういうことなら……」
コウに続いて嬉しそうに話すジュドーやガロード。
ジュドー「ジャンクパーツ安くしとくよ!」
ガロード「ガンダム、売るよ! 俺のガンダム以外で!」
カトル「いえ、ジャンクではなくお金をかけたパーツにしたいです。
もちろん今回はオーダーメイドで。中古の機体ではなく」
さらにあきれたように言うアムロ。
アムロ「……そもそもドロシーはMSを動かすことができるのか?」
カトル「遠隔操作なら。ゼロシステムは使えますが……」
ドモン「渡す機体をMFにすればいいんじゃないか? モビルトレースシステムで」
カトル「そうか!」
414通常の名無しさんの3倍2019/11/19(火) 16:48:46.07ID:D4IN6OWJ0
兄弟達とカトルはドロシーに渡す機体のアイディアを練り続けた。
カトル「パーツはやはりメーカーから直送のオーダーメイドにしたいですね」
ロラン「月光蝶が使える機体はどうでしょう?」
シン「それならVPS装甲がいいよ」
フリット「AGEシステムを使ってみよう」
アムロ「……月光蝶が普段の生活に必要だと思っているのか!?」
ロラン「でもターンエーについてますよ、月光蝶」
アムロ「うん、まあ……」
それからしばらく経ったある日、
カトルとガンダム兄弟はドロシーをウィナー家の邸宅に呼んだ。
屋敷の庭には本当に作った機体が置かれている。
ドロシー「これは……!?」
カトル「これはドロシー専用のガンダムサンドロックさ。僕のとペア。
機体の色はところどころ違うけど。金色とか。
これをドロシーにプレゼントしたい」
ドロシー「ありがとう、カトル」
カトル「今回のことにはヒイロや彼の家族達にすごく協力してもらったんだ」
ヒイロ「ゼロシステムがこのサンドロックにもついている」
ドモン「正確にはこれはMSではなくMFだな。
モビルトレースシステムをつけたドロシー用のサンドロックだ」
ジュドー「いやあ、金に糸目をつけず本当に作っちゃうなんてね」
ガロード「せっかく予算をかけるならノーベルガンダムみたいな女性型にしてもよかったのに
そうせずサンドロックの外観にするとは。とはいえウィナー家、金持ちだね」
カトルはドロシーの手を取ると、こう言った。
カトル「ドロシー、この機体に今乗ってほしい」
ドロシー「……ええ」
ドロシーはカトルの家に入りパイロットスーツに着替えると、再びみんなの前に姿を現した。
そしてさっそうとコクピットに入り、機体を動かす……。
すると機体は少し動いたところで突然爆発した。自爆したのだ。
ドロシーはコクピットから地面に落下した。当然彼女のまわりに集まるみんな。
カトル「ドロシー……? ドロシー!?」
ドロシー「無事よ。何とか」
415通常の名無しさんの3倍2019/11/19(火) 16:51:16.74ID:D4IN6OWJ0
カトル「よかった。本当によかった……」
ドロシーはケガ一つなくすんだ。
カトル「見た目は大丈夫でも骨が折れていたりするかもしれないから
お医者さんのところに行こう。サリィのところでいい?」
ドロシー「ええ」
カトル「ごめん。僕が無理にガンダムをプレゼントしなければ
こんなことには……」
ドロシー「いいの」
そう言うとドロシーはカトルの口をそっと自分の口でふさいだ。
カトル「ん? んん!?」
ドロシー「……はぁ、カトル、プレゼントありがとう」
ヒイロ「カトルもドロシーもあれだな。ぞっこんというヤツか。
デュオに教えてもらった『ぞっこん』という言葉がここで使えるとは思わなかった」
マイ「しかしなぜ爆発が……。
ヨーツンヘイム社にオーダーされた部品も使われているはずなのに。
ヅダをこえるパーツが使われているはずなのになぜ
空中分解が……」
アムロ(原因はマイか。だがここでは強く言わないでおこう……)
さらにしばらく経ったある日のこと、
カトルは自分の屋敷でドロシーやガンダム兄弟をよんでパーティーを開いた。
カトル「この間、お世話になったお礼です」
ドロシーやガンダム兄弟達が手に持ったパーティーの皿の上には
カトルが作った生クリームたっぷりのケーキがあった。
ドロシー「おいしいわ、カトル」
カトル「ありがとう、ドロシー。金に糸目をつけず作ったんです」
ジュドー「金に糸目をつけないところは前と同じなのか」
ガロード「このケーキの材料、いくらかかっているんだろうね。素朴な疑問。
まあ、おいしいからいいか」
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最終更新:2023年03月02日 11:08