226 名前:アムロ兄さんは
ガンダムだから投稿日:2008/04/01(火) 21:18:06 ID:???
刹那 「俺がガンダムだ」
ラクス 「まあそうなのですか」
ステラ 「こんにちは
ガンダム」
刹那 「そうだ、
ガンダムだ」
ジュドー 「まーたやってるよ」
ガロード 「あの台詞、最初聞いたときは一体何のつもりかと思ったけど、さすがに10年間ほども聞かされてりゃ慣れるよな」
ジュドー 「最近じゃ特に何とも思わなくなったしなー」
アムロ 「……ふう。お前らは気楽でいいな……」
ジュドー 「ちょ、なんでそんなテンション低いのさアムロ兄さん!?」
アムロ 「……あの台詞な、俺にとってはちょっとしたトラウマなんだよ」
ガロード 「なんで?」
アムロ 「分かりやすいように回想シーンを入れるとだな……」
アムロ(14)「ふう……毎日毎日学校学校……憂鬱だな……」
刹那 (1) 「あうー」
アムロ(14)「おお刹那、どうした?」
刹那 (1) 「ガンダム!」
アムロ(14)「……初めて喋った言葉が
ガンダムか……ある意味この家らしいといえばらしいか……」
刹那 (1) 「ガンダム!」
アムロ(14)「……僕を指差してるってことは、僕のことを
ガンダムだと思ってるのか?」
刹那 (1) 「ガンダム!」
アムロ(14)「ははは、そうだぞ、アムロ兄さんは
ガンダムだぞー」
ジュドー 「その頃からやってたのかよ……」
ガロード 「俺たちが生まれる前……筋金入りだな」
アムロ 「思えば、これが間違いの始まりだった……」
アムロ (15)「いよいよ高校受験か……緊張するな」
刹那 (2) 「にいさん、ガンダム!」
アムロ (15)「ん?」
刹那 (2) 「だいじょぶ!」
アムロ (15)「……あー、つまり、僕は
ガンダムだから大丈夫だ、と?」
刹那 (2) (コクコク)
アムロ (15)「……いや、刹那、どんなに努力しようがダメなときはダメ」
刹那 (2) (じーっ)
アムロ (15)(ウッ……この一片の迷いなく兄を信じる無垢な瞳……! ダメだ、自信のないところは見せられない!)
「そ、そうだぞ、兄さんは
ガンダムだからな! 受験ぐらい楽勝さ!」
刹那 (2) 「ガンダム!」
227 名前:アムロ兄さんは
ガンダムだから投稿日:2008/04/01(火) 21:18:42 ID:???
ジュドー 「……」
ガロード 「……」
アムロ 「……親父たちが死んだときも……」
アムロ(19)「クッ……生まれたばかりのシュウトを残して……これからは僕……いや俺が家族を養っていかないと……」
ロラン (7)「大丈夫なんですか、アムロ兄さん」
アムロ(19)「ロラン……そんな心配そうな顔をするな。大丈夫だ、俺は……」
刹那 (6)「兄さんは
ガンダムだ!」
アムロ(19)「……」
ロラン (7)「……なに言ってるの、刹那?」
刹那 (6)「兄さんは
ガンダムだから、俺たちみんなを食べさせるぐらい楽勝だ!」
アムロ(19)「……い、いや、刹那、そもそもまだ就職先すら決まって」
刹那 (6)(きらきらきらきら)
アムロ(19)(ううっ……瞳の輝きが以前よりも数段増している……! こ、これは弱気なところを見せられん……!)
「そ、そうだぞ! 兄さんは
ガンダムだからな! どこだって就職できるさ!」
刹那 (6)「さすが兄さん、真の
ガンダムだ!」
アムロ(19)「真のガンダム!?」
ジュドー 「……いよいよ」
ガロード 「……末期って感じだな」
アムロ 「さらにちょっと前、レウルーラ社の『逆襲のシャア』作戦でいよいよ会社がやばくなりかけたときも」
アムロ 「……すまんロラン、家のことをお前にばかり任せて……」
ロラン 「いいんですよ兄さん、ラーカイラム社の方は……」
アムロ 「やられたよ……まさか系列会社の5thルナを買収されるとは……」
ロラン 「顔色悪いですよ……休んだほうが」
刹那 「大丈夫だ!」
ロラン 「……」
アムロ 「……刹那……」
刹那 「アムロ兄さんは真の
ガンダムだから大丈夫だ!」
アムロ 「いや……お前、それはエゴ」
刹那 (きらきらきらきらーっ!)
アムロ (クソッ……なんで年を取るごとに目の輝きが純粋になっていくんだこいつは……! 普通逆だろ!)
「はははは、もちろん大丈夫だとも!
ガンダム家長男は伊達じゃない!」
ロラン 「ちょ、アムロ兄さん、いくらなんでも無茶ですよーっ!」
刹那 「さすが兄さん、実に
ガンダムだ!」
ガロード 「……」
ジュドー 「……」
アムロ 「……あのとき倒産しかかったアクシズをほぼ一人で支えたときのあの苦労といったら……」
ジュドー 「憧れの対象になるのも大変だな……」
ガロード 「尊敬するよアムロ兄さん……」
最終更新:2020年02月15日 08:20