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華麗なる逆転 - (2009/04/19 (日) 00:41:13) のソース

??? 「うッ! ここ、これはどうもシツレイしました!‥‥じゃッ。」
ナルホド「お、おい。ちょっと待てよ!」
??? 「は、はじめまして。‥‥天流斎 マシスです。」
ナルホド「ウソつけ! ただの矢張だろうが。」
ヤハリ 「うるせえよ!オレは‥‥オレは‥‥マシスなんだよおおおおおおおッ!
     おぼろブリッジをそぞろスケッチしてるんだあ!」
マヨイ 「‥‥やっぱり、ヤッパリさんだよ。ワケ、わかんないもん。」
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デンワ 「プルルルルル‥‥‥プルルルルル‥‥‥」
??? (だ、だれだ・・‥こんな時間に)
デンワ (‥・・ピッ‥‥)
ミツルギ「・・・・はい。こちら、ミツルギ・・・・」
ヤハリ 「ナニしてんだよ御剣!サッサと出ろよな!」
ミツルギ「‥‥や、矢張か‥‥。今、何時だと思っている?」
ヤハリ 「オレは矢張じゃねえ! 天流斎 マシスだッ!」
ミツルギ(‥‥‥‥‥‥‥‥
     どうやら、きわめて悪質なユメを見ているらしいな、私は‥‥)
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ミツルギ(人のココロを見抜く宝玉、とか。・・・・とてもアヤシイ・・・・)
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ヤハリ 「ボール紙のニセバッジでもバレなかったってウワサだぜ!」
ミツルギ(・・・・それでいいのか・・・・この国の司法制度はッ!)
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[つきつける→矢張政志] 
アヤメ 「あ・・・・マシスさま、ですね。」
ミツルギ「・・・・・・・・・申しわけない。
     どなた、ですって?」
アヤメ 「天流斎 マシスさま。エリスさまのお弟子、でしょう?」
ミツルギ(だ、ダレだ、そのオトコ・・・・)
アヤメ 「とてもマジメで、誠実そうなかたですよね。」
ミツルギ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
アヤメ 「あの・・・・。どうかされましたか? 御剣さま。」
ミツルギ「し、シツレイ。コトバを失ってしまいました。」
ミツルギ(・・・・私の知らないところで、ナニが起こっているのか・・・・?)
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ミツルギ(守衛が、こちらをニラみつけている。
     “ニラまれたら、ニラみ返せ” ‥‥私は、そう教えられてきた。)
    「‥‥‥‥‥‥‥‥」 
アヤメ 「あ、あの。大丈夫ですか? 御剣さま。」
ミツルギ「・・・・む。し、シツレイ。」 
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ミツルギ(カメラが、こちらをニラみつけている。 
     “ニラまれたら、ニラみ返せ” ‥‥私は、そう教えられてきた。)
    「‥‥‥‥‥‥‥‥」
アヤメ 「あ、あの。 どこか、具合でも‥‥?」 
ミツルギ「・・・・む。し、シツレイ。」 
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ミツルギ「・・・・事件現場は、野獣のひそむジャングルと同じ。
     そこへおもむく狩人は、まず、弾薬の補給をしなければならない。
     “情報”という名の弾薬を。・・・・すべては、そこからだ。」
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ミツルギ(これが、成歩堂の言っていた、・・・・《さいころ錠》!)
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アヤメ 「御剣さまは・・・・、あの方のお友だち、なのですか?」
ミツルギ「・・・・かけがえのない友人です。」
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ミツルギ「成歩堂は、今もなお、苦しんでいるようでした。
     真実を知らないかぎり、彼は永久に苦しむでしょう。
     ・・・・あやめさん。今からでも、おそくはない。
     彼にだけは・・・・真実を話してやってください。」
アヤメ 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミツルギ「それが・・・・あなたの弁護を引き受ける、条件です。」
アヤメ 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
アヤメ 「わかりました。・・・・お約束します、御剣さま。」
ミツルギ「・・・・了解しました。全力をつくしましょう。」
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ミツルギ「どうでもいいが、こんなところで何をほっつき歩いている?」
イトノコ「うごほほおッ!・・・・いきなり、ガツンと来たァ!
     でも、うれしいッス!それでこそ、御剣検事ッス!」
ミツルギ「・・・・もしかして、人事異動でもあったのか?
     ムサいキミにピッタリの、サムいところだが。」
イトノコ「御剣検事が帰国されると聞いて、ムリヤリ出張してきたッス!
     みんな親切だから、捜査にまぜてもらってるッス!」
ミツルギ(・・・・あいかわらず、ムチャなオトコだな・・・・)
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[つきつける→弁護士バッジ]
イトノコ「あれ! なんで御剣検事がそれをエリにつけてるッスか?」
ミツルギ「・・・・そんなにフシギだろうか。」 
イトノコ「そりゃそッス!
     検事が弁護士バッジをつけてるということは・・・・
     刑事がコロシのライセンスを持ってるようなものッスからねー。」
ミツルギ(そこまで不吉なシロモノに見えるのか・・・・コイツは)
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[つきつける→勾玉]
ミツルギ「キミなら、これを見たことがあるだろうか・・・・?」
イトノコ「お。ありがたいッス。ちょうどハラがへってたッス。」
イトノコ「・・・・ぱく。」
ミツルギ「なな、ナニをする! 刑事ッ!」
イトノコ「ぎゃあ!」
イトノコ「・・・・ハラもちのいいキャンデーに見えちまったッス。
     最近、ミョーにハラがへってしょうがないッス。」
ミツルギ(むううう・・・・少し給料を下げすぎてしまったか・・・・?)
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[つきつける→成歩堂 龍一]
イトノコ「事件が起こると、かならずノコノコ出てくるッス。
     ・・・・ときどき、自分はこう思うことがあるッス。
     『ジツは、すべての事件の元凶は、コイツかも』・・・・と!」
ミツルギ(この刑事は、気づいているのだろうか・・・・
     そのコトバ、そのままキミ自身に当てはまるコトを)
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[つきつける→糸鋸 圭介]
ミツルギ「一年前よりも、引きしまったカオつきになったようだな。」
イトノコ「そ、そッスか? やっぱり!」
ミツルギ「いや・・・・“引きしまった”というより、“やつれた”という感じか。」
イトノコ「そ、そッスか。・・・・やっぱり。
     なにぶん自分は、給料がうなだれてるッスから・・・・
     どうしても、メシのレパートリーに制限があるッス。
     素うどんに素スパゲッティ、素カレーに素スシに素みそしる・・・・」
ミツルギ「たしか一年前は、ソーメンが大好物だったはずだが・・・・?」
イトノコ「・・・・さすがに、あきたッス。」
---- 
[つきつける→あやめ]
ミツルギ「彼女には・・・・どこかで会ったことがあるような気がする。
     前科・・・・などは、ないのだろうか?」
イトノコ「いや、それはないッス。
     指紋を照合してみたッスが、一致するデータはなかったッス。」
ミツルギ「そうか・・・・」
ミツルギ(・・・・もう少しで思い出せそうなのだが・・・・)
イトノコ「まあ、御剣検事はプレイボーイッスからねえ。
     ムカシ、ポイ捨てしたガールフレンドのひとり、とか。」
ミツルギ「けけ、刑事! いったいどこからそんなハナシを?」
イトノコ「いや、なんとなく。自分のイメージッス。」
ミツルギ(・・・・わわ、私はそんなふうに見えるのか・・・・?)
----
ミツルギ「コレをわたろうとしたのか。・・・・成歩堂のヤツ。」
イトノコ「とんだお調子者ッスね。」
ミツルギ「それにしても、ここから落ちて、ブジだったとは・・・・」
イトノコ「ビックリ人間ッスね。」
イトノコ「いつも、法廷でブジな理由がわかったような気がするッス。」
ミツルギ(たしかに・・・・) 
----
イトノコ「あっ、公衆電話ッス!今どき、めずらしいッス!」
ミツルギ「・・・・そうだな。」
イトノコ「御剣検事! せっかくだから記念写真を撮るッス!」
ミツルギ「・・・・ま、まあ、かまわないが。」
イトノコ「ほい、しまった!カメラがなかったッス!
     ・・・・ちょっと、ひとっ走り使い捨てカメラを買ってくるッス!」
ミツルギ(公衆電話の何が、そこまで刑事をひきつけるのだろう・・・・)
----
ヤハリ 「サムくて、ノーミソがシャーベットになっちまった!」
ミツルギ「・・・・急いで帰国したのは、まちがいだったようだ。」
ヤハリ 「な、なんだと・・・・?」
ミツルギ「成歩堂はブジだし、事件はありふれているし・・・・
     あろうコトか・・・・その被告人から、弁護をたのまれるとは!」
イトノコ「・・・・ちょ、ちょっと!
     待った! 異議あり!」
イトノコ「どういうコトッスか、御剣検事!」
ミツルギ「う・・・うム。セツメイしにくいが、なりゆきで、そういうコトに・・・・」
ヤハリ 「なんだよ、その言い方!それでもオマエ、弁護士かよ!」
イトノコ「御剣検事は、検事だからこそ、御剣検事ッス!
     “御剣検事弁護士”なんて、アキラカに、ちょっとヘンッス!」
イトノコ「・・・・ねー、御剣検事!」
ミツルギ(・・・・自分がナニモノか、よくわからなくなってきた)
ヤハリ 「御剣ィッ!・・・・しばらく見ないウチに・・・・
     ココロがシャーベットになっちまったみたいだな!」
ミツルギ「・・・・サムいからな、ここは。」
----
ヤハリ 「‥‥おッ! オマエ‥‥よりによって‥‥このオレを! うた、疑ってるのかよ!」
ミツルギ「な、なに‥‥‥?」
ヤハリ 「帰れ! もお、ヒコーキ乗って、どこへでも飛んでっちまえ!
     ‥‥そして、その途中でツイラクして死ね!」
----
ヤハリ 「そ、そんな目で見るなよ。トモダチじゃねえか!」
ミツルギ「・・・・トモダチなら、かくしゴトをしないでもらいたいな。」
ヤハリ 「ま。それはホレ。なんだな。アレよ、アレ。・・・・わかるだろ?」
ミツルギ(・・・・わからん・・・・)
----
[つきつける→弁護士バッジ]
ヤハリ 「・・・・そういえばオマエ、ムカシ、言ってたっけなァ。
     『大きくなったら、ボクは弁護士になるのだよ』・・・・とかなんとか。」
ミツルギ「む・・・・ムカシの話だ。」
ヤハリ 「いいじゃねえか。1日だけでも弁護士になれるんだからさ。
     御剣! オレのあやめちゃん、守ってやってくれよな。」
ミツルギ(・・・・・・・・・・・・・・・・)
ミツルギ(こ、これだから‥‥古い友人はヤッカイなのだ‥‥)
----
ヤハリ 「あ。オレのコト、矢張って呼ぶなよな。」
ミツルギ「なんだと・・・・?」
ヤハリ 「今のオレは、身もココロも天流斎 マシスくんだから。」
ミツルギ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミツルギ「じゃあ、他のハナシを聞かせてもらおうか、矢張。」
ヤハリ 「マシスくん、て呼べぇぇッ!さもないと、オマエのこと・・・・
     天流斎 ミツルくん、て呼ぶぞお!」
----
ミツルギ「かなり古い山門のようだな。時の重さを支える、重厚な作りだ。」
イトノコ「さすが、御剣検事ッス!コメントがヒトアジちがうッス!」
ミツルギ「こういう、枯れたフンイキはキライではない。」
イトノコ「やっぱり、古いものには味があるッスからねえ!
     自分のコートも、なんともいえない色合いで、かつお風味ッス。」
ミツルギ「そういう、枯れたフンイキはスキではない。
     ・・・・たまには、洗いたまえ。」
----
ミツルギ「ム・・・・・・。御剣 怜侍と申します。」
ビキニ 「あらあらあらあら。カワイイ男のコは大カンゲイよぉ。
     ・・・・ふう・・・・。こんな状況じゃなかったら、オバサンも・・・・」
ミツルギ(お、“男のコ”・・・・)
ミツルギ「つかぬことを尋ねますが・・・・
     “ビキニのおばさん”・・・・を探しているのですが・・・・?」
ビキニ 「ああ。それならオバサンのコトね。」
ミツルギ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミツルギ「見たところ・・・・ビキニではないようだが。」
ビキニ 「あらあら。オバサンだってねぇ。スゴいんだから。特に夏は。
     わはは。わは。わはははわは。」
イトノコ「あの・・・・御剣検事。
     このカタ、住職の毘忌尼さん。・・・・例の、目撃者ッス。」
ミツルギ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミツルギ「そういうコトは、早く言いたまえ!
     だからキミの給料は、いつまでたっても下り坂なのだ!」
イトノコ「・・・・ううう。ハラへったッス。」
----
ビキニ 「ううん・・・・そんなに見つめられたらオバサン、ゾクゾクしちゃうわぁ。」
ミツルギ(ううう・・・・こっちも少し、ゾクゾクした)
イトノコ「ハッハッ。サムがりッスねー、御剣検事は。」
----
イトノコ「そりゃそッス!自分に置きかえて考えてみれば‥‥
     御剣検事、なんと法廷にて成歩堂弁護士を串刺しィッ!
     イトノコ刑事、なんとそれを証言台にて目撃ィッ!
         ‥‥みたいなものッスから。」
----
ビキニ 「アンタもホラ。持ってるだけじゃ、イミないから。
     ちゃんと、かぶらないと!」
ミツルギ「いや! 私はその。そういうアレでは・・・・」
ビキニ 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ビキニ 「わはは。わははは。わはわははは」
イトノコ「ハッハッハッ!御剣検事、才能があるッス!」
ミツルギ「なんの才能だッ!」
ビキニ 「こりゃケッサクだわ!しばらく、かぶっといで!」
ミツルギ(・・・・何かの罰ゲームか?これは・・・・)
----
イトノコ「それにしても、さすがは御剣検事ッス!
     どうしていつも、重要な手がかりを発見できるッスかねえ・・・・
     超・検事ッス!ある種、スペシャルッス!」
ミツルギ「・・・・これを見落とせるほうがある種、スペシャルだと思うが。」
----
イトノコ「そういえば・・・・
     バースデーケーキのローソク・・・・最近、吹き消してないッス。」
ミツルギ「かわりに、そのへんのを吹き消したらどうか。」
イトノコ「御剣検事、歌ってくれるッスか?《ハッピーバースデー》」
----
イトノコ「・・・・ううううむ。そうなると、自分の立場上・・・・
     ワレワレの捜査状況を、ウッカリもらすワケには行かないッス。」
ミツルギ「・・・・よけいなことをシンパイするな、刑事。
     キミはただ、ダマって情報をタレ流せばよい。」
イトノコ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
イトノコ「リョーカイッス! タレ流すッス!」
ミツルギ「う、うム。・・・・その調子だ。」
    (たまに不安になるな、この刑事)
----
イトノコ「あ、あれ。本堂にはたしか、2階はなかったッスよ。」
ミツルギ「葉桜院は、山の急斜面にあるからな。
       本堂のオモテ側とウラ側で、高さがちがうのだろう。」
イトノコ「うううむ。なるほど‥‥
      それならいっそ、ナナメに建てればよかったッスのにね!」
ミツルギ(‥‥どうしてその方がよいのか、まったくリカイできない)
----
ミツルギ「ば、バカなコトを言うなッ!」
イトノコ「ぐぎゃああああ・・・・ッス!
     ・・・・さ、さすが、御剣検事ィィ・・・・いいパンチを放るッス・・・・!」
----
イトノコ「・・・・ときどき、自分は思うッス。
     殺人課の刑事にならなかったら、どんな人生があっただろう、と・・・・」
ミツルギ「・・・・キミでも、そんなコトを思うことがあるのか・・・・」
イトノコ「モチロンッス。いろいろ、想像するッス。 
     交通課の自分。警視総監の自分。窃盗課の自分。タイホ君の自分。」 
ミツルギ(・・・・警察からはなれる気はないようだな・・・・)
----
ミツルギ(証拠のチカラというより、私の眼力で錠が砕けたようだが・・・・
     ・・・・まあ、ヨシとしておこう。)
----
アヤメ 「‥‥御剣さま。もしかして、あなたも‥‥
     ココロの深いところに、“秘密”を抱えていたことがあるのでは‥‥?」
ミツルギ「‥‥‥! な‥‥何を、突然‥‥」
アヤメ 「自分がそうだから‥‥わかるのです。」
ミツルギ(私としたことが‥‥ココロを見すかされるとは!)
    「‥‥たしかに、私のココロには、深い闇がありました。
     しかし‥‥その闇を払うには、それを解放するしかないのです。」
アヤメ 「私の“秘密”‥‥ですか。」
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ヤハリ 「‥‥オマエさー。ヒトに指をつきつけるの、法廷だけにしておけよな。」
ミツルギ「ム‥‥‥ッ!」
ヤハリ 「だから《シゴト人間》とか言われるワケよ。‥‥オレを見習えって!」
ミツルギ(おまえは《ダメ人間》と言われてるハズだが‥‥)
    「とにかく‥‥キサマはだれか待っていたはずなのだ!」
ヤハリ 「だ、だから‥‥そいつはその。デリカテッセンな問題、なワケよ!」
ミツルギ「“デリケート”だ。‥‥たぶん。」
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ヤハリ 「道端で捨てられているネコを見たら、ナミダを流して通り過ぎる…
      そんなムセキニンなやさしさにあふれた男なのよ、オレは!」
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ミツルギ「《極楽庵》‥‥。あるイミ、ふさわしい名かもしれぬ。」
ヤハリ 「たしかになー。
       《極楽庵》‥‥『キワめてタノしいオレ』だもん。」
ミツルギ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥おぼえておくといい、矢張。
       《庵》は《オレ》とは読まない。」
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ヤハリ 「どうしてオレっていつもこうなのかなぁ。
      前はチベットまで追いかけたけど‥‥今度は刑務所だぜ。
      いっそ、あの刑事のサイフでも盗んでみるか?
      ‥‥いや、顔からして不景気そうだしなァ‥‥あの刑事。」
----
イトノコ「コラ! ちょっとアンタ!‥‥今のヒトコト、異議ありッス!」
ヤハリ  「ななな、な、なんだなんだ!御剣ィ! き、キタネエぞ!」
ミツルギ(やれやれ‥‥バカ刑事め)
イトノコ「も‥‥申しわけねッス!
      気が付いたら、思わず叫んでいたッス。‥‥“異議あり”って。
      それもハラの底から大声で。人さし指までつきつけて!」
ミツルギ「‥‥裁判の見すぎだ。」
イトノコ「あいすまねッス。」
----
ミツルギ「‥‥なんなのだ。このイタイタしいかざりは。」
ヤハリ 「思い出すよなー、小学校のころの《おたのしみ会》。
     クラスのみんなで、キレイにかざりつけしてさあ。」
ミツルギ「む、むゥ‥‥‥」
ヤハリ 「あ。そういえば、オマエはダメだったよなー、そういうの。」
イトノコ「え。そうなんスか?」
ヤハリ 「コイツ、ブキヨウでさあ。折り紙で、ツルも折れねえの。
     みんなからなぐさめられて、クチビルぶるぶるフルわせてたな。」
イトノコ「へええ、それは意外な一面」
ミツルギ「だまれッ! ‥‥あのときのクツジョクは、一生忘れぬ‥‥
     ツルならばッ! 今なら、5ミリの狂いもなく折りあげてみせる!」
ヤハリ 「‥‥‥‥‥‥‥‥あのな、御剣よォ。
     折り紙で5ミリの狂いといえば、そうとうなモンだぞ。」
イトノコ「そうとうなモンッスよ、御剣検事。」
ミツルギ(こ、これだから‥‥古い友人はヤッカイなのだ‥‥)
----
ミツルギ「‥‥矢張。芸術とラクガキのちがいは、なんなのだ?」 
ヤハリ 「‥‥‥‥‥‥‥‥
     作者の自覚、じゃねェか?」
ミツルギ「‥‥‥‥‥‥‥‥」
     (そんな気もしてきた)
---- 
ミツルギ「だいいち、なんだ!この手紙のアタマの《全略》というのは!」 
ヤハリ 「‥‥だ、だって。《手紙の書き方》って本に、『そう書け』って‥‥」
ミツルギ「それは《前略》だッ!
      ゼンブ略したら、もう書くことがないではないかッ!」
----
ビキニ「オバサンね。吾童山、葉桜院の住職さん、やっておりますの。
     名前はね。ビキニよビキニ。どうか、お見知りおきを。」
サイバンカン「‥‥‥‥‥‥‥‥‥
     見たところ、ビキニではないようですが‥‥?
     うはははッ!」
カルマ「‥‥法廷は、神聖なる裁きの庭‥‥
     いやしいココロの持ち主は、ただちに出て行きなさいッ!」
サイバンカン「わわ、私が出ていくんですか!」
----
ミツルギ「それで‥‥入浴には、どれぐらいの時間がかかったのだろうか?」
ビキニ 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥
     あらあらあら。いやだヨこの子は!ヘンな想像しちゃって!」
ミツルギ「‥‥‥?」
ビキニ 「次に“どこから洗うのだろうか?”とか、聞くつもりなんでしょ!
     ‥‥まったく、ワカい男の子はコレだからねェ‥‥」
ミツルギ「なな、何を言う!私は‥‥
      ぐはァッ!」
カルマ 「‥‥フケツよ、御剣 怜侍。」
サイバンカン 「‥‥最低ですな。」
ミツルギ(な、なんだ、ここは!いじめられっ子の席か‥‥?)
----
サイバンカン 「ふーむ‥‥、私にしてみれば‥‥、
     “狩魔検事、なんと法廷にて御剣弁護士をムチで真っ二つ!
     私、なんとそれを裁判長席にて目撃ぃぃっ!”‥‥みたいなものですね。」 
ミツルギ(あの裁判長‥、イトノコギリ刑事と同レベルの想像力を持っているようだ。)
----
カルマ 「私がムチの代わりにモチを持っているようなものね。」 
ミツルギ(その方が圧倒的に平和だが。)
---- 
サイバンカン 「いきなり、どうしましたか? 弁護人。」
ミツルギ「‥‥あまりにムジュンに満ちあふれているので‥‥一瞬、めまいとコンランを。」
サイバンカン 「ぬううう‥‥」
カルマ 「あなた自身はどうなの?
     証人。自分の証言‥‥どこがムジュンしているか、わかってるのかしら?
     返答しだいでは、コイツがダマっていないわ。」
ヤハリ 「ええと、そうなァ‥‥。たとえば、あの晩は雪だったから星は見えねえとか、
     あのボロ小屋を《ロッジ》ってのはどうなのか、とか、
     そもそもオレ、星を見に行ったワケじゃねえ、とかかな?」
ミツルギ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
カルマ 「やればできるじゃない。」
ヤハリ 「えへへへへ‥‥いててててェ!」
----
ヤハリ 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥御剣ィ‥‥
     オマエ‥‥ついに、オレをホンキにさせちまったな‥‥」
ミツルギ「‥‥やはり、今までホンキではなかったようだな‥‥」
ヤハリ 「いいのか‥‥?オレ‥‥オレ、しゃべっちまうぞ!ホントに、いいんだな‥‥?」
ミツルギ「う、うム‥‥‥」
ヤハリ 「ホントォォにオレ、今度こそオレ、しゃべっちまうかもしれかはァァッ!」
カルマ 「‥‥さっさとしゃべる。」
----
ミツルギ「‥‥橋が燃えているのは、まぁイイとして、だ。
     ‥‥なんなのだ? その上をただよう不吉なシロモノは。」
----
ミツルギ「キサマこのずきんの人物‥‥成歩堂だと言うつもりかッ!」
----
ヤハリ 「な・・・・なんだよ、それ・・・・。


      なんで、あやめちゃんのずきんを、成歩堂が持ってるんだよ・・・・。」
ミツルギ「え・・・・?」
ヤハリ 「御剣ぃぃっ!あの子、アイツの何なのさ!
      ズルいぞぉぉぉぉぉぉっ!成歩堂ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!
----
ミツルギ「それまで…時間を忘れて描いていた、と?」
ヤハリ 「まあな。オレ、ムチュウになるとワケがわからなくなるから。」
ミツルギ(たしかに…このオトコはムカシからそうだった。
         おそらく、この発言にウソはないだろう…)
カルマ 「成歩堂龍一が現場に現れたのが11時15分すぎ…
     絵を描いていたのなら、なんの疑問もないわね。」
サイバンカン 「ニンゲンとして、大きなギモンを感じますが…」
----
カルマ 「なんだ。修験者の装束しか入ってないわ」 
ナルホド「・・・勝手に開けちゃダメなんじゃなかったのかよ」 
カルマ 「私は検察局の人間なのよ。何をやっても許されるの。」 
ナルホド(…ショーゲキ的な発言だな)
----
カルマ 「プライドなんて、生きてゆくにはジャマなだけのシロモノよ。
     でも‥‥いいシゴトをするためには、なくてはならない。」
----
???「……………………」
ナルホド(…風に乗って、どこからか陽気な鼻歌が聞こえてくる)
イトノコ「…波のォォォ…間に間にィィィ…証ォ拠がァ…ハネりゃぁぁぁ…
     オレのォォォ…ココロもォォォ…ハネるゥのさぁぁぁ…
     いやー、捜査は楽しいッス。
     ロクな手がかりが見つからないけど…そんなの、カンケイないッス!
     自分は、そんなもののために捜査をしてるワケじゃないッス!
     捜査がすきだから。オマエが好きだから!捜査をするッス!
     …夢のォォォ…間に間にィィィ…証ォ拠がァ…オドりゃぁぁぁ…」
ナルホド(…セリフにつづいて2番が始まったみたいだ)
イトノコ「オレのォォォ…ココロもォォォ…
     ………………………アンタ。」
ナルホド「え。ぼくてすか。」
イトノコ「いつから、そこにいるッス?」
ナルホド「………………………
     今、来たところですけど。」
イトノコ「…ホッ。」   
----
イトノコ「…雪のォォォ…間に間にィィィ…探ン知機ィ…サワぎゃぁぁぁ…」
----
ナルホド「…この、天流斎 マシスのスケッチは…」

[証拠にはならない]

ナルホド「こんなラクガキ!何の証拠にもなりはしないッ!」
サイバンチョ 「……………長年、この仕事をやっていますが…
     自分の提示した証拠を、ここまで明快に否定する弁護士は初めて…
     ある種の爽快感を禁じ得ません。」
ゴドー 「時代は変わる。…長生きするもんだぜ、ジイさん。」
ナルホド(…ぼくは、寿命が少しだけちぢんだような気がするけど)
ゴドー 「もう少し、短くしてやるぜ!…アンタの寿命!」
----
ナルホド「…この、天流斎 マシスのスケッチは…!」

[真実のままである]

ナルホド「もちろん、被害者は空を飛んだのです!スケッチのとおりに!ピョーン、って!」
サイバンチョ 「…………あなた…きのうの証人に似てきましたな。」
ナルホド「ぐふおおおお!」
    (…それだけは言われたくなかった…)
サイバンチョ 「被害者が空を飛んだという証拠など、あるのですかッ!」
ゴドー 「ちなみに…今のところ、奥の院から大砲は発見されていねえ。」
ナルホド(そりゃそうだろうな…)
ゴドー 「アンタの捨て身の発言は、コーヒー1杯ぶん、楽しめたぜ。
     ペナルティは勘弁しておいてやろうか。」
ナルホド「ぐううぅぅ…」
----
ナルホド「おそらく、このへんだと思われます!」
ゴドー 「“おそらく”・・・・?」
サイバンチョ 「“このへん”・・・・?」
アヤメ 「“思われます”・・・・?」
ナルホド「・・・・・・・・・・・・
     まあ、この絵の作者がムジュンだらけのオトコですから。
     どこでもムジュン、と言ってもいいかな、と・・・・」
サイバンチョ「ヒトのせいにしないようにッ!
     弁護人!ここまで引っぱって、そのコタエはあんまりです!
     ・・・・私、情けなくてナミダが出てきました。」
----
ナルホド「それはモチロン、この飛んでいる人影です!
     なんせ、ニンゲンが空を飛ぶなんて、あり得ませんからね!」
アヤメ「・・・・・・・・・・」
ゴドー「・・・・・・・・・・」
サイバンチョ「・・・・・・・・・・」
アヤメ「・・・・成歩堂さま。今のヒトコト・・・・致命的ですわ。」
----
サイバンチョ 「でもそれは証人の“見間違い”では‥‥?」 
アヤメ 「“描き間違い”かもしれませんわっ!」 
ゴドー 「いっそアンタが“場違い”だぜ、まるほどう!」
----
ゴドー 「゛追い詰められたネズミは、 ネコを噛む゛‥‥そう言うぜ。」 
ナルホド「 でも、そのネズミは ネコを追い詰めたりはしません!」 
ゴドー 「‥‥‥‥ たとえ話なんか、 なんのイミもねえぜ。」 
ナルホド(そっちが始めたんじゃないか!)
----
ナルホド「そして‥‥その、1年後。きみは、今度は‥‥このぼくを殺そうとした。」
     まあ‥‥。あいにくぼくは今も、生きているけど‥‥。
     きみは、ちがう人物を殺害してしまったあげく‥‥ついに、死刑を宣告されたわけだ。
     ‥‥つくづく、マヌケな話だね。もう、笑う気にもなれない。」
チナミ 「だ‥‥ダマれ! この‥‥このお人好しの、ガキが‥‥!」
ナルホド「そして、今回!きみは、またしくじったのさ!
     綾里真宵を取り逃がした。きみのエモノは、ずっと目の前にいたのにね!」
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ナルホド「‥‥でも。‥‥そんなことはね。もう、どうでもいいんだ。
     それよりも‥‥‥‥‥さっさと、真宵ちゃんから出ていってもらおうかッ!」
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ナルホド「げ、元気づけた‥‥?」
マヨイ 「はみちゃんが言ってたよ。『やさしいオジさまでした』って。
     ありがとうございます、ゴドー検事さん!」
サイバンチョ「ただのコーヒー好きではないと思っていました。」
ゴドー 「クッ‥‥! よせやい。‥‥テレちまうぜ。」
ナルホド「(なんかクヤシイな‥‥)」
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ナルホド「うう‥‥ッ!
    (くそ。裁判長のクセに‥‥)」
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ナルホド「‥‥立証します。‥‥お望みどおり、華麗に引導を叩きつけましょう!」
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ゴドー「オトコが泣くのは‥‥すべてを終えたときだけ、だぜ。」
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カミノギ「今まで、いったい何杯の《闇》をあおったか、おぼえていねえ・・・・
     しかし・・・・今日、この1杯こそは・・・・何よりも、すばらしい。
     アンタもそう思うだろう?・・・・成歩堂 龍一。」
ナルホド「ええ。・・・・そうかもしれません。」
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ナルホド「命あるものが、自分を守るため戦うのは、当然のことだ。
     “人間”だからこそ‥‥だれかのために、戦える
     ‥‥だれかのために、どれだけ強くなれるか‥‥? それこそが人間の価値
     弁護士は、つねにその価値を試される、戦士なんだ‥‥
     戦いの末に結ばれた《絆》は、たとえ、断ち切られても‥‥かならず、よみがえる。
     ‥‥何度でも」
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