「アミロペクチン第一章-7話~やっと出発かよ~」


 私は出発式のために中央広場へ行った。
そこには私を含めて7人集まっていたがあの美女の姿は見あたらなかった。
「セーフッ!」フレシュが滑り込んできた。
「あれ、お前も行くのかよお。」とフレシュ。そんなに嫌がらなくても良いではないか。
後ろの方から走ってくる人の姿が見える。とうとう彼女が来たのだ。
「お~い、こっちです。もう始まっちゃいます。」
フレシュの奴、もう彼女と仲良くなりやがったのか。
しかしよく見ると彼女ではなさそうだ。小太りである。髭を生やしている。
どう見てもパウフェウス上等学校の歴史の先生である。
「何故先生がここに居るのですか。」
「スプンタティアに行く予定だった女の子がな、急に熱を出してしまったらしいのだ。
それで代わりに儂が来てやったというわけだ。」
私は絶望した。

 「え~と、お前は何処の国に行くんだっけ。」
「俺はエシシュシ・・・エシスシル王国だ。よく聞いておけ。」
「つまり・・・僕たちは最後までお前と一緒に行かなきゃならないのかあ。」
「俺は途中までお前と行かなきゃならんのだ。しかも先生まで・・・。」
「ん?なんか言ったか?」おにぎりを喰っている先生がこちらを向いた。
「いえ、なんでもありません。」
「それにしても何故先生が彼女の代わりになったのですか。」
「それはだな、この物語の進行上、都合が良いからだ。つまり筆者のハチマンジンジャが決めたのだ。」
「またあいつですか。勝手すぎる。」

 出発式が終わり、我々は家族と村に別れを告げて村を出発した。
馬に乗って移動するため、あまり疲れはしないだろう。しかしここからエシスシルへの道は長い。
しかもフレシュや先生と共に行かなくてはならないと思うと精神的にも苦痛である。
しかし、薔薇色の人生のため、米粉パン普及のため!



用語集

  • 先生・・・“私”やフレシュが上級学校時代に教わっていた先生。
  • パウフェウス上等学校・・・“私”やフレシュが通っていた学校。



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最終更新:2011年02月06日 20:33