「そろそろか」
俺は時計を見ながら「アレ」を待っていた。
「そうね、そろそろ来るかしら」
ヴォルフもテントの中で正座をして待っている。
「そうだな、そろそろ来るだろうな。」
エーリヒも本を読みながら待っている。
「あ、来た。」
ハインツが空を指差した。
「来たな。」
向こうからヘリが近づいてくる。
「来た!三日分の食料!弾薬!それと私の調理器具!」
ヴォルフが正座のまま両手を上に上げた。
「落ちつけヴォルフ、焦っては事を仕損じるぞ。」
「そう言うエーリヒも新しい本が来るから楽しみなんじゃないの?」
エーリヒは少し顔を赤くして本を閉じた。
「と、とにかく物資を受け取るぞ、各自準備しておけ。」
「了解。」
ヘリからコンテナが投下される。
「それにしても不便ね、この辺って。」
「ヘリが着陸できないというのは不便だな、となると救出は船になりそうだ。」
- トピック
- 救出は船でしか不可能
「まあそんなことは後で考えるとして、早速物資を確認しましょう。」
「そうだな、そうするとしよう。」
物資は食糧と弾丸、あとエーリヒの本とヴォルフの調理器具だった。
「後でお礼を言っておきましょうか。」
「そうだな、そうしておいた方がいいだろう。」
エーリヒは機関銃の弾丸と本を持って自分のテントに戻って行った。
「やっぱり楽しみだったのね、本。」
「読書家だからな、エーリヒは。」
「しっかしMG42なんて旧型の銃、良く使えるわね~」
ハインツがレールガンの銃身を取り出しつつ言った。
「アイツはアイツなりに信念があるんだよ、俺達のようにな。」
「私にはよく分からないわ、信念なんて持ってないもの。」
ヘルムートが鞘でハインツの頭を叩いた。
「痛っ!何すんの!」
「そんな事だからオルトロスに誘われるのよ、貴方ももっと自覚を持ちなさい。」
「アンタみたいな堅っ苦しい軍人になるのは御免よ。」
「貴方みたいな婆娑羅者にはなりたくないわ。」
「仲いいな、お前達。」
「「良くない!」」
「ハイハイ、分かってますよ。」
最終更新:2011年02月28日 17:01