第一校舎、一階職員室前。
このあたりはゾンビの数も多く、それに伴い重く沈んだような空気が漂っていた。
そこに人影が2つ。
「久しぶりだな、こういう大勢を相手にするのは。」
エーリヒが刀を抜く。
「まあ、お前と組むのも久しぶりだけどな。」
ルーデルも銃を構えた。
「ルーデル、スタンは使うな、スモークと焼夷弾だけにしておけ、そうしないと敵が見えん。」
「煙幕なんて効かないだろ、それに焼夷弾なんて打ちこんだらお前ごと焼いちまう。」
「そう言って前もお前のスタングレネードが俺の目の前で炸裂したんだろうが。」
「分かってるよ、煙幕と焼夷弾と・・・チャフは?」
「お前・・・俺達が無線使ってるの忘れたか?」
「冗談だよ冗談、さて、作戦開始時間までこの教卓バリケードの中で一休みしますか。」
校庭はゾンビに埋め尽くされ、生きた人間は自分達以外誰一人居ない。
だが、彼らに迷いはない。
「・・・やっぱり邪魔じゃないんですか?その銃。」
玄関の中で待機しているとヴォルフが声をかけてきた。
「何、ショットガンと合わせてたった数十キロだ、この程度なんとも思わんよ。」
「数十キロがこの程度・・・?流石ですね、隊長は。」
俺は笑った。
「ヘビーアサルトとサーベル使うお前よりはマシだろうな。」
「動かなくていいから楽ね、私達。」
ハインツは屋上で悠々と紅茶を飲んでいる。
「そうでもないぞ、間違って当てちまったら大惨事だからな、俺達の場合。」
マルセイユは対戦車ライフルのスコープのピント合わせをしている。
「そうですよ、私達はあくまで支援するだけですけど、それだけでも大変何ですよ?」
ガーデルマンも機銃の手入れをしている。
「そうだ、ここもいつゾンビに襲われてもおかしくない、常に最悪の事態を想定しろ。」
ヘルムートが怒鳴る。
「ああ、もう、ベネットちゃんと有沢が起きちゃうでしょ?」
「そ・・・それは・・・すまなかったな。」
「全く、子供には甘いんだから。」
最終更新:2011年03月05日 15:34