「これでいいか?」
店主に大金を見せると店主は店の奥へと向かった。
「十分だ、特別にトラックに持っていってやろう」
そういうと店主はケーブルを持って店の外へ出ようとした。
店長が叫び声をあげ腰を抜かして地面に倒れた。
「?」
後ろを振り返ると背の高い男が店の前に立っていた。
「誰だ・・・ってアレ?」
どこかで見覚えのある格好だ。
男は店に入ろうとした。
「痛っ!」
だが頭を入口にぶつけよろめく。
「畜生!どうしてこの世の中は俺に優しくないんだよ!」
「世の中の全てが万人が万人に優しいわけじゃないさ、俺だってそうだ。」
「久しぶりだな、桜上水。」
俺は桜上水に向かって手を差し出した。
「・・・誰だっけ?アンタ。」
「あ、この格好じゃあ分かりにくいか。」
俺はヘッドホンを首にかけ、パーカーのフードをと帽子を脱いだ。
「俺だ。」
「お前だったのか。」
「・・・。」
「・・・。」
「ま、まあ、久しぶりだな「※※※」、何年ぶりだ?」
「さあ、俺の記憶にあるのは2年ほど前だがな。」
「俺もさ、長いこと生きてると記憶があいまいになっちまうな。」
「一生その悩みには同情できそうにないな、俺の場合は。」
「当たり前だろ、俺とお前じゃあ生きてる時間が違いすぎる、でもな。」
「俺達でもこうやって生きていられる、だから偉大なんだよ、「お前達」は。」
最終更新:2011年06月23日 14:17