「・・・何やら大変なことになっているみたいだな。」
俺はPDAを見ていた。
「変わった生物が居るものね、「変異体」ってヤツ?」
ハインツが愚痴をこぼす、おそらく厄介な相手だと思っているのだろう。
「だから地形の把握が重要になってくる、ヴォルフ、大丈夫そうか?」
ヴォルフは先ほどからTVの前に座ってコードを握りしめている。
「頼むぞ・・・お前の能力が俺達の生死を分けるんだからな・・・。」
「気が散るからやめてくれない?」
「おっと、これは悪いな。」
ルーデルが平謝りする。
「よし、映すわよ・・・。」
TVの画面にノイズが入りだした。
「順調ね。」
ハインツが頷いた。
「・・・・・・来た!」
チャンネル調整が終わったように鮮明な画像が画面に映った。
「来た!」
ルーデルがガッツポーズをとった。
地形探知、それがヴォルフの能力。
電子機器を媒介にして周囲の地形を鮮明に映す事が出来る。
「映ったわね、ガーランド、これデータにできる?」
「無論だ、任せておけ。」
TVからPDAにデータを転送し、3Dデータとして保存した。
「これでOKだ、ヴォルフ、もう解除していいぞ。」
「いや、待って、地下に何か空間が・・・。」
「空間?倉庫か何かだろ。」
「いいえ、そんな規模じゃない、地下に大きな町があるみたいな・・・詳細は分からないけど。」
「地下に、街?まあいい、それも表示してくれ。」
だが街か、暇があったら行ってみるとするか、入口がどこにあるとは別にして。
最終更新:2011年03月16日 19:55