「・・・ケンタウロス。」
「何?」
「私は少しこの事件を甘く見ていたようだな。」
「そう?そうは見えなかったけれど。」
「ゾンビを掛けごとの対象にする・・・誰がやっているかは分からんがあまり関心はしないな。」
「ちょっと?話の論点がずれてるわよ。」
「畜生、混乱し始めた、まるで人殺しを誉めたたえられている気分だ。」
「マーク・・・。」
私は軍人でありながら戦争が嫌いだった。
人を何十人と殺しても責められず逆に誉めたたえられる。
周囲の反応と私の感情はどんどん離れて行った。
だから軍を辞め、人を育てる教師を始めた。
でも現実は私を許さない。
そんな事を考えているとケンタウロスから拳をプレゼントされた。
「馬鹿!いつまでそんな事引きずってるのよ!貴方は守るために戦うんじゃなかったの?」
「そうだが・・・。」
「だけど何よ!いつまでもクヨクヨしてるからそんな事考えるんじゃない!もっとシャキっとしなさい!」
「・・・そうだな、そうするよ。」
「そうときまったらさっさと帰るわよ!」
「ああ!」
だが目の前に立ちふさがったのは・・・。
「って、何よこれ・・・。」
ダウンジャケットを着込んだような姿をしたゾンビだった。
「何だこれは、先ほど戦った奴ではなさそうだな。」
「相手は1体、行くわよ!」
「ああ。」
私は銃を撃つ。
「・・・効いてないだと?」
ところがゾンビは怯むことなく近寄ってくる。
「嘘?どういうこと?」
「恐らく筋肉や脂肪が硬質化したのだろう、だが弾丸が効かないとは・・・。」
私は銃を構える。
「だが勝機はある、行くぞ。」
私は相手の顔面に蹴りを入れた。
効果は薄い、だが手ごたえはある。
「打撃は有効か、なら・・・。」
私は構えた。
「仙人掌「覇王樹」!!」
構えとともに掌で相手の足元に打撃を与える。
足元をすくわれた相手は地面に倒れ、起き上がろうともがいていた。
「やはりその体では起き上がることは難しいか。」
私はゾンビの数が少ない方へ向かって歩き出した。
「堅いだけでは私には勝てん、それを覚えておくのだな。」
最終更新:2011年03月17日 21:56