「しかしビルばっかりだな、ここは。」
俺はルーデルとハインツを連れてビル街まで来ていた。
「当たり前でしょ?狭い敷地に多くの人を詰め込んだ結果がこれなんだから。」
ハインツは周囲を見渡している。
「あれ?エーリヒは?」
「近くにいるだろ?俺も見えないけど。」
「そうなのか?」
ルーデルの後ろのゾンビが縦に真っ二つになった。
「・・・いたんだ。」
「いたよ。」
エーリヒが歩いてきた。
「相変わらずお前の太刀筋は見えないな。」
「そう簡単に見切られてたまるか、そのための居合だ。」
「で、例の生き物なんだがどこにいるか分かるか?」
「今のところ反応はないわ、それに高速で動いてるんだし、私じゃあ察知できないわよ。」
「そうか、なら襲いかかってくるのを待つか。」
「待つ必要はないと思うぞ?」
ルーデルが親指で右側を指差した。
「うわ、何アレ。」
ハインツが苦虫を噛み潰したような顔をする。
「あれは、どう見ても人間じゃあないな。」
「冷静に判断してる状況か?」
数メートル先にゾンビのようなものの群れが迫っていた。
しかしうつ伏せの体制で6本の腕を使いかなりの速さで迫ってきている。
「何だ、あの連中は」
「知らないわ、さっさと片付けましょう。」
ハインツが銃を構えた。
「だな。」
ルーデルも銃を構える。
「来るぞ、構えろ。」
タイミングを見計らって指示を出す。
「撃て!」
各自一斉に銃を撃つ。
だが俺は撃たなかった、何か嫌な予感がする。
「ったく、早すぎて狙いがつけられん、エーリヒ、援護を頼む。」
「無理だ。」
「何故・・・。」
「上だ。」
エーリヒが指したビルの屋上からゾンビが飛び降りてきた。
「な、あんな所から・・・。」
「後ろは任せるぞ、ルーデル。」
エーリヒが刀を構えた。
「・・・!」
あっという間に5体のゾンビが細切れになった
「うわ、スゴっ。」
ハインツがため息をついた。
「まあ、何人もこれで切ってるからな。」
「まあ、とりあえずやられる心配はなさそうね。」
「当たり前だろ?俺達はオルトロスだろう?」
「ええ、そうね。」
狩りはまだまだ終わりそうにない。
最終更新:2011年03月18日 13:36