「どうした?心配そうな顔だな。」

エーリヒが気難しそうに空を見上げていたので声をかけてみた。

「雨雲が近いな、近いうちに雨が降るかもしれないから注意しておいた方がいいかもしれんな。」

エーリヒは天気の予測が結構上手い、まあ職業柄空にはいつも気を使っているからそこは経験というものなのだろう。

「そうだな、テントは大丈夫かも知れんが屋上に水がたまると厄介だ、何か対策をしておく必要がありそうだ。」

「幸い雨水の排水のために屋上が少し傾いている、水が溜まったら排水溝に流すといいかもな、後で箒を拝借するか。」

「隊長?エーリヒ?ご飯出来たけどどうする?」

ヴォルフが俺達を呼んだ、そろそろ朝飯らしい。

「ああ、今すぐ頂くとしよう。」

トーストしたパンの香りがする、今日もサンドイッチらしい。

「何だ・・・これ。」

サンドイッチを前に一同は固まった。

「何って、クラブサンドよ。」

「いや、それは分かるんだが・・・」

目の前に置かれているのはサンドイッチというよりランチプレートの中身を縦に積んだような物体だった。

+ ...
ヴォルフ特製クラブハウスサンド、ボリューム満点、夕食並み。

材料 (2人前)
食パン(大きめ) 3枚
玉子 3個
ベーコン 薄切り4枚
トマト 2/1個
レタス 6/1弾
チーズ(薄切り、生で食べられるもの) 4枚
ブロッコリー 6/1株
トルティーヤチップス(味付き、つまりドン●コスとかドリ●スとか) 6枚
マヨネーズ 適量

作り方
食パンはトーストする。
目玉焼きを1つ作り、残り2つはとき玉子にする。
ベーコンを焼く。
トマトは薄めに切っておく、いくつか半円状にしておくと挟みやすい
レタスを刻み、マヨネーズと和える。
ブロッコリーをみじん切りにし、とき玉子と混ぜる。
とき玉子でスクランブルエッグを作る、そのさいパンに合わせて四角にしておくと便利。
トルティーヤチップスは荒目に砕いておく。
食パンに具材を挟む、順番は適当でもいいがバランスを考えること。
食パンを三角に切り、上から長めの串で刺す。

ヴォルフのワンポイントアドバイス
正直これは・・・ボリューム満点ってレベルじゃないわ、多すぎるならいくつか食材を抜いてもいいかも。

「これは・・・うちにはちょっと多すぎのような気がするのじゃ・・・。」

パトリシアも難色を示した。

「賞味期限が近かった食材を使ってみたけど・・・これはさすがに多すぎたわね。」

そう言いつつなんだかんだでパトリシア以外全員軍人である、あっという間にサンドイッチは全員の腹の中に収まったのだった。

「何じゃ、うちもやれば出来るではないか。」

「ある意味試練だったわね、朝からこの量は。」

ハインツはつま楊枝を咥えて立ち上がった。

「じゃ、今日の命令を聞きましょうか。」

「そうだな、各自自由に行動してくれ、ただし単独行動はナシだ。」

といっても或る程度メンバーが固まってしまうのはお決まりの事で。

多分エーリヒはルーデルと地下に行くだろう、勿論ウルスラとガーデルマンも一緒に。

マルセイユとヴォルフは俺について行くらしい。

後はハインツだな。

「私は・・・ちょっとヘルムートとそこらへんぶらつくわ。」

「じゃ、お先。」

ハインツの行動は正直俺にも読めない、でも重要な時にはいつの間にか戻ってきている、それがハインツという人間の生き方なのだ。

「うちはどうするかの・・・。」

パトリシアはしばらく考えた後、ハインツの後を追った。

「これで大丈夫そうだな、何かあったら無線で連絡をくれ、変異体も居るみたいだしな。」

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最終更新:2011年04月07日 11:11