念のためキリアキとパラスケヴィに付いて来てもらっている。
「あれ?オレンジじゃない、どうしたのこんな所で。」
案の定ハインツが歩いてきた。
後ろに金髪の少女を連れているが特に気にする事はないだろう。
「君こそこんな所で何をしているんだ?任務があるんじゃないのかい?」
「今は自由行動なのよ、ガーランドも色々思うところがあるみたいでね。」
「そうかい?なら・・・」
君の好きにすると良いよ、と言いかけて僕はある事に気が付いた。
「あ、そう言えば君の後ろの「鋏」はどうしたんだい?」
「ヘルムートの事?今は屋上でゾンビを見張ってるはずだけど。」
「武器」と「使い手」の関係は人それぞれで、僕のように「武器」の方から付いて来てくれる場合もあれば来夏のように「契約」の関係で力を貸している場合もある。
「鋏ってどういう意味じゃ?」
「どういう意味って・・・そのままの意味よ。」
「ハインツは近接戦闘用にカッターを使ってるんだよ、それがヘルムートって訳さ。」
「ああ、前の戦争で戦車を真っ二つにしていたのはそういう訳じゃったのか、ようやく納得がいったのじゃ。」
恐ろしい事を聞いたような気がするが気にしないでおこう、そうしないと僕も同じ目に逢う可能性がある。
「そうそう、オレンジ。」
「何だい?」
「アンタいつまでも過去に囚われたままだと腐っちゃうわよ?」
「君に心配してもらう必要はないよ、これが僕の生き方さ。」
あと一人でいい、あと一人で僕の償いも終わる。
だが僕はもう少しの間だけ過去に縛られなければいけないだろう。
でも、それでもいいかもしれない。
「御忠告ありがとう、じゃあ僕は戻るよ。」
最終更新:2011年04月18日 12:39