エーリヒが地面に降り立った。
「流石に数分浮くのが精一杯だ、滑走路無しじゃ飛ぶのも限界がある。」
「よくやったな、マルセイユは?」
「あそこで孤軍奮闘中だ、呼んでやったらどうだ?」
「だな。」
俺はマルセイユを呼んだ。
マルセイユは
こちらに気づいたようで手を振りなががこっちに向かって走ってきた。
勿論後ろを警戒するのを忘れてはいない。
「やっと出てきたか!」
「まあな。」
俺達は銃を構える。
「アレの完全沈黙までありたけの弾をブチ込む、いいな?」
「ああ。」
エーリヒが頷く。
「各機に次ぐ・・・・手段は問わん、標的完全沈黙までの間全ての術技および戦略的行動を許可する。」
「了解。」
「全機攻撃開始!目標を破壊せよ!」
「サー!イェッサー!」
団結を確認すると同時にエーリヒとルーデルが飛び上がった
「行くぞエーリヒ!」
「ああ。」
「交差せよ!冥府の業火!」
エーリヒが構える。
「吹きすさべ!地獄の暴風!」
『喰らいやがれ!冥府の交差暴風(インフェルノ・ストーム)!!』
二人同時に放った炎がマザーに直撃した。
相手の反応をうかがう。
声一つ上げずにマザーが触手を飛ばす。
が、それは誰にも届くことなく砕け散った。
「あんなもんただの動く的だな。」
マルセイユがライフルのボルトを操作し薬莢を地面に落とす。
激怒しらたしいマザーは無数の触手を伸ばした。
しかしそれも機銃の掃射で無残にも散ってゆく。
「数の問題じゃないって事だ、残念だったな。」
エーリヒは足元に転がる薬莢を足で払いのけながら銃を構えた。
ヴォルフとハインツの方はマザーの体を駆け上がりながら弱点を探しているらしい。
振りかざされる触手はサーベルと鋏で防がれ、その肉体には銃弾による穴が無数に開いている。
第三者視点から見ればどちらが悪役か判断に困りそうだったが幸い相手はただの肉塊なので心配はなさそうだ。
「さて、俺も・・・」
流石に部下だけに戦わせるわけにはいかないので俺も銃を構える。
「少しだけ本気を出させてもらうとするか。」
最終更新:2011年08月26日 14:42