「心臓部?」
有沢が成程、という顔をしながら聞き返した。
「そうだ、アレがまだ人間としての性質を残しているのなら生命活動の要の部分、心臓か脳にあたる部分が有るはずだ、それを叩けば・・・」
「アレは止まる、ってわけね。」
有沢はニヒルに笑うとガトリングを構える。
「それにはまずあの肉の壁を発破せねばなるまい、任せたぞ、有沢。」
「ええ、任せて。」
有沢のガトリングが火を噴く。
「せいぜい味方に当てないようにしてくれよ・・・。」
エーリヒはそう呟きながら有沢の弾丸を避けていた。
「エーリヒ、なるべく広範囲への攻撃をしろ、敵の弱点を探す。」
「了解。」
「マルセイユ、弾を温存しておけ、一気に弱点を叩くぞ。」
「OK,狙撃なら任せときな。」
マルセイユはサムズアップで答える。
「ハインツは・・・まあいいか、ヴォルフ、身の危険を感じたらいったん引け、いいな。」
「はい、分かりました。」
まだヴォルフは緊張状態の維持に慣れていないかな、と軽く分析してみる。
「よし、有沢、そろそろ行くぞ。」
「行くって?」
「接近して敵の中心を叩く、分かったな?」
「あ、はい。」
俺はマスケット銃に弾を込めた。
「さあ、これで・・・「最後の砲撃(ティロ・フィナーレ)」だ。」
最終更新:2011年09月08日 09:05