朝、目が覚めた。
今日はいつかと確認するとカレンダーには赤い丸印
「今日でちょうどかー」
誰にともなくつぶやいて、重い体にいいきかせどっこいしょ、とベッドを立つ。
「どうしよ・・・」
カレンダーとにらめっこ。
にらめっこ・・・。
やれやれとため息をついて荷物をまとめ始める。
「また戻ってこれるといいんだけど」
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「リヴォさん、ちょっといいですか?」
「ん?構いませんよ」
暇そうにしてるリヴォさんをとっ捕まえて
ちょっとお話。
リヴォさんにだけでも言っておかなきゃ、ね
「どうされたんです?」
「帰らなきゃ、ならないんですよね」
「?」
脈絡のない話の仕方に疑問符を並べるリヴォさん
「えーと・・・元の世界に。」
そう付け加えると目を丸くするリヴォさん。
「なんでまた・・・」
「うーん、ちょっとね・・・」
黙っておくのもアレだから全部話すことにしたよ。
「僕はテルさんと違って流れ着いてきたんじゃないんですよね
船に乗って船に揺られて。
好奇心っていうのかなー、カバリア島への。
で、船に乗ってきた。
カバリア島は本当にあった。
今日はちょうど半年。
そろそろ戻らないと、浦島太郎にはなりたくないんですよね」
へへ、って笑う
ほんとはもっといろんな理由があるんだけど、話さなくってもいいよね
「他の皆さんにはお話されたんですか?」
「あー・・・してないんですよね」
リヴォさんを直視できなくてふと眼を逸らす
「だから、内緒に・・・。うまくなんとかならないかなって」
内緒、って言いながら口に人差し指あてて「しー」って。
「そうですか・・・私からうまく伝えておきますね」
リヴォさんは優しく笑ってくれた
だから僕は安心して帰ることにした
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『カバリア島行き、出港しますよ~!』
ぼー、っと低い音を立てながら大きな船は煙を上げる
「わー!待って待って!僕も乗るから!」
『あれ?あなたはこの間カバリア島から帰ってきたんじゃ・・・』
「うん。でもね、また行くことにしたんです」
『残念ながら同じ名前では入場できないの・・・』
「あー・・・そっか・・・」
『どうします?』
「あ、じゃあネーヴェで!僕は獅槻じゃなくて、ネーヴェ!」
『では、そのようにしておきますね」
係の女性はふわりと微笑む
僕は、ネーヴェ。
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「こんにちわ!と、はじめましてっ」
白銀色の扉を開ける
久しぶりに見る面々。
不思議そうにこっちを見てて
誰も僕が獅槻なんて思ってないんだろうなあ
でも、それでいいんだ
そんなことを考えていた。
「「「おかえりー」」」
一斉に「おかえり」が聞こえた。
おかしいな、って思ってリヴォさんを見ると
ばつが悪そうにあっち向いてる。
それからこっちに向かってきて
僕に耳打ち
「おかえりなさい、獅槻さん。帰ってくると思っててね、皆には言っちゃいました」
「で、でもわかるわけ・・・」
「解るんです。ね?なんでかは内緒ですよ」
ってリヴォさんが言ったら
みんなこっちを見て笑ってた。
口に人差し指あてて、「ないしょ」のポーズ
それがなんだかおかしくて、僕はくすくす笑ってた