生きることの重さ
「死にたい」
今日、僕は彼女のそんな言葉を聞いた。
初めてのことだった。
学校では決して見せない、深い悲しみに満ちた顔をしていた。
僕はただ彼女の顔を見ることしかできなかった。
家に帰り、彼女の携帯にメールを入れてしばらく待った。
だけど、返事は返ってこなかった。
次の日学校へ行くと、
彼女はいつもどおり笑って過ごしていた。
だけど、もう僕はあの笑顔がウソだということを知っている。
知ってしまったのだ。
彼女が一人になったとき、ぼくは、
「どうして昨日あんなことを・・・?」
と聞いてみたが、彼女はただ僕を見つめ返すだけで、何も言わなかった。
帰宅途中、彼女からメールが来た。
「耐えられない・・・」
「何が?」
「今の人間関係のままだと、あたし、押し潰されちゃう・・・!」
「何があった?何をされた?」
「明日話す・・・・」
「そうか。あまり溜め込むなよ」
「ありがとう。じゃあまた明日」
「ああ」
これだけの、短いやり取りだった。
それでも僕には充分だった。
自分悩みを打ち明け、相談してくれたからだと思う。
翌日、やはり変わらない笑顔で耐え切った彼女は、僕の前でとても疲れた顔をしていた。
もう、限界が近いのかもしれない・・・。
そして彼女は僕に紙を差し出した。
「今、読んで。」
何も言わずにそれに従った。
読みすすめていくうち、視界がぼやけ、目の辺りが熱くなってきた。
雫が、落ちる。
彼女は今、とてもひどいストレスに悩ませれているのだった。
ずっとずっと、溜め込んできた。
「気づいてあげられなくて、ゴメン。」
静かにそういって、
僕は、小さいけれどとても重い紙をポケットに入れた。
「コレだけしか言えなくて、ゴメン。ホント色々ごめん。」
彼女は寂しそうに笑って、
「なんであなたが謝るの。周りに相談できなかったあたしが悪いの。」
といった。
そんなわけない。
そんなわけあってたまるか。
生きるってなんて重いんだ。
なんでこんなにボロボロでも生きていかなくちゃならないんだ。
神がそう仕向けたのか。
人間がそうしたのか。
本当に何で彼女だけこんなに抱え込む必要があるんだ。
成績優秀スポーツ万能、かわいいし性格も人に好かれるような性格をしてる。
こんなにすごいのに、
死にたいなんておもうまで追い詰められなくてはならないんだ。
そんな万能人間に対してだけ、なぜか人間として重い課題がかせられるような仕組みになってる。
そんなの、神が許しても、僕が許さない。
「お前には僕がいる。これからはいつでも相談しろ。お前が辛いのを必死に隠そうとすると、かえって僕が辛いんだ。」
ぼくらにはまだ重い話だけど、二人いれば大丈夫。
目に雫を浮かべたまま、彼女は心から笑ってこういった。
「そうね。」
簡単なことだ。
重いけど、実際解決は簡単なんだよ。
最終更新:2008年08月09日 23:06