四季、此処に散る。
僕は君に聞いてみた。
どうして一瞬で見れなくなるものが美しいのかと。
君は答えた。
散るからこそ綺麗なんだと。
永遠は美しさではないと。
それはただの、欲望だ・・・・と。
春は菜の花が咲き、桜が咲く。
しかしそれはすぐに散ってしまう。
夏は空に大輪の火の花が咲く。
それも一瞬でなくなってしまう。
秋は山一面の紅葉が見れる。
それもすぐに枯れる。
冬は雪が降る。
粉雪とか、降っているときは綺麗だけど。
すぐにやんでしまう。
どうしてそんなものが綺麗といえるのか。
綺麗なら、「ずっと残しておきたい」とは思わないのか。
僕は君に聞いてみた。
君が綺麗といったものが朽ちないように力を与えてやろうか。
君はそれを拒否した。
「私、満開の桜も好きだけど、散っているときの桜も好きよ。
散っているところは、ここにある自然の桜でしか、見られないわ。」
僕は言った。
いや、できる。それが可能だから、
綺麗だといったものはみな朽ちないようにすると言った。
「私が好きなのは、自然の桜。蕾が出来て、花が咲いて、花が散って。
葉っぱが出てきて、葉っぱが落ちて、幹と枝だけになって。
そしてまた蕾が出来て、花が咲いて、花が散って。
私はこの四季の動きが、綺麗だし、好きだといってるのよ。」
そうか。
散るからこそ。
一瞬しか見れないからこそ。
見える美しさって、あるんだ。
僕は君の綺麗と言ったものを朽ちないようにするといった。
だから僕は今まで通り、
四季それぞれの色々な意味の花を咲かし。
四季それぞれの色々な意味の花に見合った花の終わりを告げ。
また違う芽吹きへと伝えよう。
四季、此処に目覚める。
四季、此処に咲く。
四季、此処に散る。
四季、此処に芽吹く。
四季、此処に眠る。
最終更新:2008年08月09日 23:08