アットウィキロゴ
  人間と私の歴史



  あなたたちが住んでるのは西暦2000年代・・・・・・・
  私たちの住む時代は・・・・無い。
  というより、わからない。
  ある時から、人は数を数えなくなった。
  数えるのを忘れるほど、恐ろしいことが起こったのだ。



「ある時」とは、西暦3999年の出来事。
世界没落危機の一年とも呼ばれているその年。
破滅を呼ぶ存在が、この世に、この世のオモテに現れた。
突然のことだった。
その存在は、神とか魔王だとかいう類ではなくて、
たった一人の女。
肩に赤い鳥の入墨がある一人の女が破滅を試みた。
彼女の真名は「破壊神」。
次々と人は消え、大地は割れ、火山は連鎖的に大噴火し…
科学技術を進歩させ、既に人工星も作っていたため、人類はそこへの移住を決意し、長年自分たちを守っていた地球を捨てて宇宙へ出た。
その破壊神を残して。
数年後、地球は爆発したそうだ。
宇宙から人工星に入るころにはもう、太陽のように真っ赤だったらしい。

そして、今に至る。

私たちは今、人工星で平和な日々を送っている。
ずっと同じ生活だから、平和なのかどうかさえ分からないけれど。
少なくとも、幸せなのではないだろうか。
私以外は。
私だって幸せだった。
―――――四年前までは。

私が五歳のときだ。
事故で右目が見えなくなった。
傷は癒えても、痕は残る。
だから眼帯をはずそうとしなかった。
きつくなった眼帯を取り替えることはしょっちゅうあった。
十歳のころくらいだったと思う。よく覚えていないけれど。
私の眼帯を外した母親が、突然悲鳴をあげた。
あわてて父親が部屋に入ってきた。
鏡で自分の顔をみた。
驚いた。驚愕した。
私の右目に、赤い鳥の模様が浮かんでいた。
本で見た、「破壊神」の入墨にそっくりだった。
それからも眼帯を外すことはなかった。
けれど、「学業及び運動技能上達所」通称「学所」で殴り合いの喧嘩があった時、迂闊にも間に入ってしまった私は、見事に殴られ、眼帯が落ちた。
そしてみんな違う顔で似たような表情をしていた。
表れた感情は同じ。
「恐怖」
その、友達を一気に失くし、私と関わる人が家族以外にいなくなった時の、なんともいえない感情に耐えれずに、私は泣きながら教室を走って出て行った。
後ろから、さっき皆に囲まれていた時と同じ視線が飛んでくる。
胸が痛くて、しめつけられるようで、とにかく涙がとまらなかった。
そして、私の幸せは永遠に戻って来ないのだとこの時悟った。
そして、「破壊神」のように、真名がつけられた。
その真名は、「破の鳥」。
極稀に、「エイゴ」と呼ばれる、他の人工星の中で最も大きい星に暮らす民族が使う言葉で、こう呼ぶものもいる。

  「RUINATION


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年10月10日 17:41