ハルヒと親父 @ wiki
涼宮ハルヒの創作
最終更新:
haruhioyaji
-
view
- キョン
- 気のせいか、妙に本格的だな。
- ハルヒ
- じゃあ、いくわよ。古泉君、スモークと照明お願い。
- 古泉
- おまかせください、閣下。
- ハルヒ
- さあ、よみがえれ、アイアン・ライター!
- キョン
- って長門かよ!
- 長門
- 調査結果を報告する。許可を。
- キョン
- あ、ああ。やっちまえ。
- 長門
- 現在、日本国で流通するうち、発行部数が上位32000作品のあらすじについて分析を行い、よく読まれる物語に要求される傾向を抽出した。
- キョン
- おう。すごいな。
- 長門
- ストーリーに求められる得性の共通因子を、25文字以内の現代日本語で述べると次の通りとなる。すなわち「予想を裏切りつつも、期待を満たすストーリー」。
- キョン
- なんだって?もう一度、言ってくれ。
- 長門
- 予想を裏切りつつも、期待を満たすストーリー。
- キョン
- わかるような気もするが、もう少し長くていいから、説明してくれ。
- 長門
- 予想どおりすぎると読者は退屈する。この先どうなるかわからないからこそ、読者は続きを読もうとする。
- キョン
- なるほど。
- 長門
- しかしあまりに外れると、読者はついていけなくなる。オリジナリティを求めて新奇さに走るあまり、読者に反発された例は多い。人気の出たストーリーは、大筋では読者がすでに知っている定番どおりのものが多い。
- キョン
- 裏切りつつ、裏切らないという訳か。バランスが難しいな。
- 長門
- もっとも多い形態は、結末は定番だが、設定や結末に至るプロセスに工夫を施したもの。たとえば読者に「どうせハッピーエンドだろうが、この設定(あるいはこんな展開)でどうやってハッピーエンドにこぎつこけるのか」と思わせて読者を引きつける。
- キョン
- なるほどな。
- 長門
- がんばって。
- キョン
- お、おう。
- ハルヒ
- じゃあ、次へ行くわよ。第二の鉄人よ、出てこいや!
- キョン
- って、鶴屋さん。
- 鶴屋
- あたしの担当はキャラクターづくりと描写のイロハにょろよ。まあ、どろ船に乗ったつもりで、安心するっさ。
- キョン
- とても気が抜けません。
- 鶴屋
- 描写はめがっさ大事にょろよ。この話みたいに、セリフばかりで描写がないと、読者が作品世界に入って行けないっさ。
- キョン
- そんなもんですか。
- 鶴屋
- マンガや映画は絵や映像があるにょろ。そのシーンにぴったりの映像を撮るために、ある監督は「あの太陽をのけろ」と言ったっさ。
- キョン
- そんな無茶な。
- 鶴屋
- 無茶しても撮りたい絵を撮るのが監督にょろよ。同じ台本、同じセリフ、同じストーリーでも、どんな絵かで全然ちがうものになるからねえ。小説には言葉しかないから、どんな風に描写するかは、マンガや映画でどんな絵で表現するかと同じくらい大切なんだよ、うん。
- キョン
- なんか難しそうですね。
- 鶴屋
- セリフは書けるけど、描写が苦手という人は少なくないっさ。そこで!今日は特別に鶴屋流描写の極意を授けるにょろよ。これさえあれば、描写で困らないこと、間違いなし!
- キョン
- それはすごい。
- 鶴屋
- モデルを見つけて、その子のことを常に頭に思い描くにょろ。セリフは心に残りやすいから、むしろその子のしぐさや立ち振るまい、その子がいつもいる場所などなど、具体的に思いだすっさ! そのためには普段からよく観察するのが一番! だからモデルにするのは身近な人がいいかもねえ。普段、見過ごしているものを見るってことだね、キョン君。見ていないものは書けない、ボクシングにラッキーパンチはないということにょろよ!
- キョン
- はあ。
- 鶴屋
- じゃあ、キョン君、がんばるにょろ〜。
- キョン
- あ、はい、がんばります。
- ハルヒ
- 泣いても笑っても次が最後よ。第三の鉄人よ、出でませい!
- みくる
- は、は、ふぁい!
- キョン
- 最後は朝比奈さんですか。
- みくる
- わ、わたしは、せ、セリフについて教えますっ!
- ハルヒ
- みくるちゃん、かみかみよ。古泉君、スモークで見えないから、カンペはもっと近くに。
- 古泉
- はい、閣下。
- キョン
- あー、朝比奈さん、無理せずに、犬にかまれたとでも思って、そこそこに頑張ってください。
- みくる
- はいっ、一生懸命がんばりますので、応援してくださいっ!
- 谷口
- エム・アイ・ケー・ユー・アール・ユー、み・く・る!!
- キョン
- 谷口、こんなところで何やってんだ?
- 谷口
- にぎやかしだ。俺は俺で満ち足りてるから、気にするな。
- キョン
- そうか。
- みくる
- セリフはとっても大事ですっ!
- キョン
- おわっ。
- みくる
- どんなに思ってくれていても、きちんと言葉にして欲しいんですっ!!
- キョン
- あの、小説の話ですよね?
- みくる
- そうですっ!間違いありませんっ!
- キョン
- そうですか。
- みくる
- 普段なら絶対に言わないようなセリフも、お話の中ではゆるされるのです!
- 谷口
- エル・オー・ヴィ・イー、ラブリー、み・く・る!!
- みくる
- キョン君、あの、がんばってください。気持ちは必ず伝わりますっ!
- キョン
- はあ。とにかく、がんばってみます。
- ハルヒ
- というわけで豪華講師陣によるレクチャーはここまでよ!
- キョン
- ある意味豪華という気もするが、いつものメンバーとも言えるぞ。
- ハルヒ
- さて、あとは実践あるのみね。
と言ってハルヒは、ズンという効果音とともに、俺の視界をふさぐように前に立った。
- ハルヒ
- 今日のレクチャーは、ほとんどあんたのために開いてあげたようなもんなんだからね。さあ、キョン、前回のリベンジよ! 全校生徒に砂という砂を吐かせて、校庭を砂丘に変えるような恋愛小説を書きなさい!
- キョン
- 無理だ。
- ハルヒ
- こら、キョン! どこ見てんのよ!?
- キョン
- なぜ俺の前に立ちふさがる?
- ハルヒ
- 鶴屋さんが身近な人物を観察しろって言ったでしょ!
- 古泉
- さすが涼宮さんですね。彼がどれだけ顔の向きを変えても、すぐさまそれに反応しておられる。
- 長門
- シュートコースをふさぐ熟達したディフェンダーの動き。
- みくる
- 涼宮さん、ガンバです!
- 鶴屋
- おやおや、今日はブラックみくるがオチじゃないのかい?
- 谷口
- お、俺には何も期待するなあ!「ていうか、お前らさっさと結婚しろぉ!!」じゃ駄目?
- 長門
- 駄目。