ハルヒと親父 @ wiki
ゲリラ雷雨 その後
最終更新:
haruhioyaji
-
view
ゲリラ雷雨から
(キョンサイド)
雲の切れ間から太陽が照りだしたっていうのに、激しい雨も、あいつが大嫌いな雷も、まだ続いている。
よほど適齢期の狐がたくさんいたのか、長い長い狐の嫁入りだ。
居場所も言わず10秒で来い、というのがハルヒ・クオリティだが、ああ携帯にGPSがついてたな。それにしたって、アプリを起動するだけで10秒くらいすぐ経っちまう。
商店街か。アーケードがあるから雨宿りにはちょうどいい。が、なんでこんな入り口近くにいるのかね。もっと商店街の中に入れば、稲光(ひかり)も雷鳴(おと)もマシだろうに。
「はくしょん!!」
おれの方はと言えば、集合場所へと自転車で向かう途中であり、電話では軽口を叩いてたものの、全身ずぶぬれで、結構悲惨な状態だった。そして、ハルヒのいる場所は、おれのいる場所からすると、商店街のちょうど反対側の端近くということになる。
「この格好で商店街を突っ切るってのは顰蹙か?」
イエス。ああ、もちろん自転車は押していくぞ、早足で。哀れに思った通行人が、道を空けてくれるように。
よほど適齢期の狐がたくさんいたのか、長い長い狐の嫁入りだ。
居場所も言わず10秒で来い、というのがハルヒ・クオリティだが、ああ携帯にGPSがついてたな。それにしたって、アプリを起動するだけで10秒くらいすぐ経っちまう。
商店街か。アーケードがあるから雨宿りにはちょうどいい。が、なんでこんな入り口近くにいるのかね。もっと商店街の中に入れば、稲光(ひかり)も雷鳴(おと)もマシだろうに。
「はくしょん!!」
おれの方はと言えば、集合場所へと自転車で向かう途中であり、電話では軽口を叩いてたものの、全身ずぶぬれで、結構悲惨な状態だった。そして、ハルヒのいる場所は、おれのいる場所からすると、商店街のちょうど反対側の端近くということになる。
「この格好で商店街を突っ切るってのは顰蹙か?」
イエス。ああ、もちろん自転車は押していくぞ、早足で。哀れに思った通行人が、道を空けてくれるように。
「よお、ハルヒ」
「おそい!おそい!おそい! って、何よ、その格好!?」
「み、水もしたたる……ハクション!……なんとやら、だ」
「セリフがおっさんよ。しかも言えてないし。……バカ、あの雨の中、走ってきたの?」
正確には、走ってる途中に、あのゲリラ雷雨に襲われたわけだが。
「急いでたんでな。だが、10秒どころか、雷様にも遅れをとったみたいだな」
「そうね」
おれがハルヒにたどり着くより早く、稲光も雷鳴も片付けて、雷様は退散してしまっていた。
しばし呆然としていると、目の前にいたハルヒさえも消えていて……。
「アホキョン」
という声とともに、アタマにバスタオルが降ってきた。
「ちゃっちゃと、それで拭いちゃいなさい! 風邪なんか引いたら許さないからね」
「おまえ、こんなおっきなタオル、いつも持ち歩いてるのか?」
そして手品師みたいに、どっかから取りだせるのか?
「アホ、周りをよく見なさい。ここはどこ?」
「商店街」
「商店街のどこ?」
どこって……なるほど。タオルに関しては、豊富な品揃えで大型店にだって負けてない、その名も「世界一男前なタオル屋」の前だ。
「ったく、なんで、ここで待ってたと思ってんのよ、ぶつぶつ」
先に買っておいて、もっとアーケードの中の方へ避難しとけばいいだろう、と一瞬思ったが、ハルヒにはおれがどんな状態か分からないはずなのだ。おれも何も言ってなかったしな。
「何か言った?」
「ああ、ありがとう、って言ったんだ」
「ありがたみのない。もっとこう、『このご恩は一生忘れません』とか、助けられた亀とか鶴みたいなことは、言えないのかしら」
おまえ相手だと、一生ものの記憶が多すぎるんだよ。
「何か言った?」
「怖かったろ? 感謝してるぞ。へそを取られる危険を冒してまで、ここで待っててくれて」
「こ、このバカキョン!」
「おそい!おそい!おそい! って、何よ、その格好!?」
「み、水もしたたる……ハクション!……なんとやら、だ」
「セリフがおっさんよ。しかも言えてないし。……バカ、あの雨の中、走ってきたの?」
正確には、走ってる途中に、あのゲリラ雷雨に襲われたわけだが。
「急いでたんでな。だが、10秒どころか、雷様にも遅れをとったみたいだな」
「そうね」
おれがハルヒにたどり着くより早く、稲光も雷鳴も片付けて、雷様は退散してしまっていた。
しばし呆然としていると、目の前にいたハルヒさえも消えていて……。
「アホキョン」
という声とともに、アタマにバスタオルが降ってきた。
「ちゃっちゃと、それで拭いちゃいなさい! 風邪なんか引いたら許さないからね」
「おまえ、こんなおっきなタオル、いつも持ち歩いてるのか?」
そして手品師みたいに、どっかから取りだせるのか?
「アホ、周りをよく見なさい。ここはどこ?」
「商店街」
「商店街のどこ?」
どこって……なるほど。タオルに関しては、豊富な品揃えで大型店にだって負けてない、その名も「世界一男前なタオル屋」の前だ。
「ったく、なんで、ここで待ってたと思ってんのよ、ぶつぶつ」
先に買っておいて、もっとアーケードの中の方へ避難しとけばいいだろう、と一瞬思ったが、ハルヒにはおれがどんな状態か分からないはずなのだ。おれも何も言ってなかったしな。
「何か言った?」
「ああ、ありがとう、って言ったんだ」
「ありがたみのない。もっとこう、『このご恩は一生忘れません』とか、助けられた亀とか鶴みたいなことは、言えないのかしら」
おまえ相手だと、一生ものの記憶が多すぎるんだよ。
「何か言った?」
「怖かったろ? 感謝してるぞ。へそを取られる危険を冒してまで、ここで待っててくれて」
「こ、このバカキョン!」
雷様が立ち去った後には、夏の背の高い雲が、ぽかぽかパンチをスコールのようにおれのアタマに降らせるハルヒに、少しばかりの影を投げかけていた。