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地面は腐り、草木の色はみるみる廃れ、木々は悲鳴を上げる
森は枯木により閉じられ、
一同は完全に『ソレ』の領域に囚われてしまった。

………
……

篝火:「あれ…なんなんだろう?」

久月の傀儡人形の1体である篝火が『ソレ』の姿を見定める、
記憶を遡る中で1つの単語が浮かんだ

ーーー『忘れ神』

祭られることのなくなった土地神
その姿と知能は少しづつ衰えていきやがて自我をなくしてしまう
ほとんどはそこまで行く前に新たな土地を見つけ移り住み信仰を得るものではある。


この情報を篝火が全員に伝え終わるや否や、流石は熟練のBBNメンバー
各々が出来る最善の術をする為に陣を取り始めた。


高原 細斗:「ちっ、やるか・・・!」


細斗の指令の元1体の操機が姿を現す!


久月:「さて、厄介な相手だな」

久月もまた細斗に続き、自分が創り出した傀儡に『焔』を与える
『焔』を授けられた篝火の持つ大剣が消えない火を纏い激しく燃え始めた
…と、その時空間に別の歪みが生まれ、昨日先に祓い人に挨拶に行った茶織が現れた


髪結・茶織:「ドロンッ♪」
髪結・茶織:「やーやーって挨拶すると思った!? 遅いよっ!!」

カルノ:「あ、ティティだ!どこいってたのさ!?」
高原 細斗:「あっ!おい髪結!こいつは何なんだ!」
宍戸・玲緒:《ガイド無しで着ける訳無いでしょ・・・手、借りるよ》

髪結・茶織:「『忘れ神』だね 元土地神様って奴」
髪結・茶織:「がんばるけどさー… ここまで堕ちても元土地神 やばいかもね」


茶織の参戦で『忘れ神』を包囲する陣営は完全に作られた
…しかし、それも直ぐに解かれてしまう事になると一同はまだ知る由もなかった


カルノ:「よーし!いくぞー!」
RED:「やはり、忘れ紙ですか・・・手強いのですね・・・」
RED:「できれば相手をしたくはありませんが・・・仕方ありませんか」


半獣と化したカルノは愛刀の犬神刀を抜き、REDは大鎌の刃を『忘れ神』へと向けた。


忘れ神:『うかがいました… 病気を頂きにうかがいました………』


刃を向けられた『忘れ神』がそう口にすると、
森の枯木達が入口を塞いだ…
いや、それだけではない 森全体が少しづつ狭まって来る!


信二:「うわわ・・・ な、なんだこりゃ!?」
RED:「森が・・・動いている!?」
高原 細斗:『時間が経ちすぎるとまずいってか・・・!』
カルノ:「狭くなった?」
久月:「ただの森じゃないと思っていたが…」
宍戸・玲緒:《鬱陶しい・・・!》


異様な光景に全員が一瞬目を奪われた…
その一瞬を『忘れ神』は見逃さなかった

『忘れ神』の口元が更に割け、不気味な微笑みを浮かべた 
その瞬間にカルノと篝火に向けて無数の枯木が枝を伸ばし向かって来た!

カルノ:「え?」
篝火:「な…なに?」

無数の枯木に対してカルノは敏捷性を活かして1本1本避ける!
篝火は『焔』を纏った大剣で枯木を薙ぎ払った!

なんとか森の奇襲を交わした2人だが『忘れ神』は一同より遥かに離れた位置へとその姿を移していた
囲いはあっけなく破られてしまった

高原 細斗:「ちっ・・・逃げやがって・・・」
高原 細斗:「うおぉっ!」

先陣を切った細斗は雄叫びをあげ、操機毎『忘れ神』に体当たりした!

…自分に一瞬で追いついた見ず知らずの機械に『忘れ神』は驚きを隠せず体制を大きく崩した

高原 細斗:「物理は・・・効くな!」

更に追撃をする為にライフルを向ける!
しかし、ライフルの焦熱の閃光は『忘れ神』を覆う枯草によって起動をずらされ、
森の木を焼き払っただけで終わった…

高原 細斗:「しかし・・・まるでこたえちゃいねぇ・・・」


宍戸・玲緒:《ここは一気に叩くしか・・・無いか》
宍戸・玲緒:《少し・・・乗り気はしない手段だけれど・・・!》

細斗に続き、一瞬で『忘れ神』に向かった玲緒は両手に炎を宿し確実にその身を捉えた!
しかし、『忘れ神』にはもう油断はなかった

1撃を受け切り、更にもう1撃を図体の大きさからは考えられない動きで交わす
玲緒の渾身の攻撃は宙に舞う枯草を切った…

宍戸・玲緒:《図体の割りにすばしっこい奴・・・!》


しかし、この攻撃は無駄ではなかった
後続に控える久月の傀儡人形達はその動きを見切ることに成功していた。

篝火:「森が閉じて行く…早く倒さないと!」

大剣と宿った『焔』を掲げ、『忘れ神』を一刀両断する気構えで篝火は振りかざした!
避けきれると過信した『忘れ神』にその斬撃は直撃した!

忘れ神:『…………!!』

篝火:「く・・・硬い」
螢火:「このぉ!」

息の合った連係が繰り広げられた
同じく久月によって作られた傀儡人形の蛍火は篝火が焼き切った位置に向けて大剣を振りかざした!

斬撃は深く突き刺さり『忘れ神』は更に後退する…
…しかしその顔にはまだ余裕が見られた…

髪結・茶織:「ドロンッ♪」


茶織が近場まで空間転移をし、地面の泥濘を物ともせず移動するのを羨ましそうに見ながら
カルノは野生で生きた感を活かし、枯木の枝をアクロバットに避け続けながら『忘れ神』に飛びかかり斬りつける!

カルノ:「どんどんいくよ!」

その言葉の通り、連撃を得意とするカルノは『忘れ神』に数撃てば当たると言わんばかりにラッシュをかける

…しかし、その変則的な攻撃は『忘れ神』により次と次と流されていく
枯草を斬り続けたカルノと愛刀の犬神刀に少し疲れが視えはじめ、動きが鈍って来た…

忘れ神:「……………」

『忘れ神』の嘲笑う顔が浮かぶ中、カルノは攻撃の手を止めた

カルノ:「あたらない!」


手が止んだ時に『忘れ神』の体が今だ!と言わんばかりに黒く変色していく…
その黒く淀んだ色はカルノに続こうとした大鎌の少女に共鳴した

RED:「げほっ・・・! こ、これは・・・毒、でしょうか・・・」

REDは身に起こった現象を理解する為に足を止めた
それは間違いなく猛毒である


高原 細斗:『RED!? あいつ・・・!』
久月:「大丈夫か!?」
カルノ:「レッド!?」

全員がREDに顔を向ける中、
その後ろで『忘れ神』はじっとその様子を眺めていた

…そして森はまた少し閉じて行った。


最終更新:2013年08月30日 17:31