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『Missing-link:File1』シーン2「失態」


―翌朝。

デスクワークに取り組んでいた辰興の元へ、配下の忍びの一人、オオイズミが息を切らして駆け込んでくる。

「殿!非常事態です!」
「どうした、オオイズミ!?」
「陸自の十三番試験場がテロリストの襲撃を受けている模様!
このままでは自動操機のコントロールルームが制圧されます!」
「・・・クッ!護衛の部隊は何をやっていた!?」
「敵の操機に強襲されたんですよ!!」
「チィッ、だから言わんこっちゃない・・・!私も現地に向かい、奪還を支援する!近隣エリアの者には応戦要請!」
「承知!」

辰興は走りながら各方面への指示を済ませると、手早くヘリに乗り込んだ。

(アレはテストに合わせたギリギリの搬入だった筈だ・・・タイミングが良すぎる!?
・・・情報が漏れていた?・・・ええい、間に合ってくれよ・・・!)

~陸自十三番試験場~

現地に着くと同時に発煙弾に紛れて降下すると、まずは奇襲にうろたえた敵歩兵を斬り伏せる。

「邪魔だっ!どけええええ!」

全長10mもあろうかという長さの御手杵は、遮蔽物もろともテロリストを薙ぎ払い、道を切り開いて行った。
【御手杵】:天下三名槍と言えば歴史好きならピンと来る方も居るかも知れないが、そのものである。
元々とんでもない長さだが、更に「異常伸縮」などのカスタマイズによって更に伸びるトンデモランス。

「コントロールルームは・・・こっちか!」

PDAに表示された地図を時折見ながら、全力で走る。

(今朝搬入されただけで4機・・・敵に渡れば、また多くの罪も無い人が死ぬ!やらせはしない・・・!)
「ム・・・!?貴様!止まれ!」
「問答無用!悪いが、斬らせて頂く!」
「ぐあっ・・・!?」
「・・・ここか!」

最後の見張りを斬り払い、部屋に駆け込もうとした刹那、超人の聴覚が接近してくる風切り音を捉えた。
咄嗟のところで身を交すと、直後に爆炎が上がる。

「ロケットランチャーか・・・!だが、位置さえ分かれば!」

御手杵を構えなおしたその時、背後から咳き込む声が聞こえ、ハッと我に帰る。
・・・振り返ると、白衣の男性と幼い子供が見える。

「職員と家族か!?クッ、避難させると言っても、この状況では・・・!」

強行突破すれば、あの親子に被害が出るだろう。
雪宗ならば仕方ない犠牲と切り捨てる事もできようが、辰興にはそれができなかった。
踏み込めずにいる辰興を嘲笑うかのように、周囲から兵が群がってきた。・・・そして、2発目のロケットが発射された。

「俺の命に代えても・・・彼らだけは・・・護って見せる!」

叫ぶと同時にロケットが着弾する。吹き上がる炎。

・・・しかしその爆発は、辰興に引き寄せられるかのように、歪な形で収縮した。

「な、なんだこれは?どういうことだ!?」

炎と黒煙の中、十字に構えた腕をゆっくりと解く辰興。その姿は、淡く発光しているように見えた。


最終更新:2013年08月06日 23:38