『Missing-link:File1』シーン3「覇気」
「これは・・・まさか、これが俺の・・・覇気・・・!」
「ハアアアアアアッ!!」
自らの力―結城家当主が持つ生命のオーラ、覇気―に辰興が気付いたその時、大吼一声して正勝が斬り込んで来る。
【覇気】:主に結城一族が持っているとされる能力。但し、本多正勝など、例外的に持っている者も居る模様。
この能力は使用者の性質によって大きく変化すると言う特徴があり、辰興が発現させた覇気は
攻撃を自らに引き寄せつつ、自身の防御力を上げる「守護者の覇気」。正勝の覇気は現時点では不明。
「本多殿!」
「殿、遂に会得されましたな・・・殿ご自身の、覇気を・・・この正勝、彼等の護衛完遂を以って祝杯と致す所存。」
「恩に着るぞ・・・ここは任せた、私はこの先を突破する!」
「御意!下がっていろ。貴殿らはこの本多正勝が護り通す。・・・行くぞ、外道の輩よ・・・天叢雲、本多正勝・・・参る!」
~十三番試験場コントロールルーム~
「そこまでだ、観念しろ!」
「・・・遅かったですね・・・。」
コントロールルームに到着すると、テロリストの幹部と思われる男が既にコンソールを操作しているところだった。
「初対面ですね・・・私の名はヨハネ・・・十二使徒のヨハネ。
アナタ方の言うところのテロリストの幹部、という事になりますね。」
「自己紹介は良い・・・ここで斬らせて貰うからな・・・!」
「・・・既にデータの書き換えは終了しました。ここに搬入された4機の自動操機・・・アイゼンメンツは、
既に私の意のまま・・・所謂、操り人形と言う奴です。」
「ならば、貴様を倒して奪い返すまでだ!」
「無理ですね、残念ながら・・・何故ならば。」
「ッツ・・・!?」
辰興が御手杵で斬りかかると同時に、天井を突き破って操機が乱入してくる。
「ご紹介しましょう・・・私専用のカスタムライドール、『ユーフラテス』・・・ヨハネの黙示録にある、破滅の天使ですよ。
・・・ああ、これは余談ですが・・・自動操機のコントロールは、このユーフラテスで奪わせて頂きました。
すぐにでも起動できますよ・・・フフ。」
「遅かったか・・・それでも!」
次の瞬間、周辺にも続々と操機が集まってくるのが見え、そして・・・
格納庫から4機の自動操機。「アイゼンメンツ」達が起き上がるのが見えた。
「絶体絶命か・・・!?あれは!」
その時、接近してくる機体が1機。覚えのあるシルエット・・・その機体は・・・
「零式・・・!」
そう、先立って試験していた零式が、情報を受け、試験場でもあった零番駐屯地から援軍に駆けつけたのだ。
図らずも、国内企業故の配備の早さが幸いしたのである。
『アイゼンメンツが起動している・・・間に合わなかったのか!?
・・・こちら陸自零番駐屯地所属、古谷一尉!生存者が居るなら返事をしてくれ!』
「古谷・・・テストパイロットの・・・通信の周波数は・・・これか!?こちら天叢雲当主、結城辰興です。援軍に感謝します!」
『こちらこそだ、零式を先んじて配備してくれていたお陰だ・・・だが、間に合わなかったようだな・・・』
「ええ・・・アイゼンメンツのコントロールは、敵指揮機が奪取している模様。撃破願います!」
『了解した!結城君、君は下がってくれ!後はこの零式でやってみよう。』
「そうはいきません、カタログスペックはあちらの方が上です・・・この御手杵なら、操機と言えど有象無象なら・・・!」
『・・・なに?無茶だ、やめろ!』
「おおおおお!!!」
古谷の制止を振りきり、まずは背後のガッツィに斬りかかる。
降り注ぐ巨大な銃弾を交しながら、必殺の間合いまで詰めようと試みるが・・・
「勇敢ですね・・・しかし無謀というモノですよ、それは。エーテライフル、速射。」
「ッ・・・!」
直後に雨霰と降り注ぐ魔力の塊を辛うじて交わした―交わすだけで精一杯だった。
1対1ならば渡り合うことも出来ようが、彼我戦力差は駆けつけた零式を含めても3:1を上回る。
当然、生身の辰興が不利なのは言うまでも無いだろう。
「クソッ・・・俺にも操機が使えたら・・・!」
その時、御剣重工から緊急扱いの番号で連絡が入る。
最終更新:2013年08月06日 23:37