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シナリオイメージ - (2008/10/07 (火) 18:42:06) のソース

*シナリオイメージ by 通るくん

息も白くなり、草木も枯れ寒々しいこの季節。街がにわかに色づきはじめる。
「あと1週間か……」
そうクリスマスまであと1週間。俺の気持ちも心なしか浮き足だっている。
俺の通う学園には聖夜祭という、文字通りクリスマスを祝うお祭りがある。
その豪勢な飾りつけはちょっとしたもので、一般の見物客も大勢訪れるほどらしい。
俺もこの学園に入り期待に胸ふくらませたものだが……。
「相手がいないんじゃな……」
それでも突然の女の子との出会いがあるかもしれないと、無駄な期待を抱きながら今日まで来てしまった。
「せめて実行委員の相手が女の子だったらな」
今俺は聖夜祭の準備のため、実行委員の仕事をしている。というか押し付けられている。
実行委員はクラスから2名。通常なら女の子とのペアなのだがうちの教師が
「男同士の友情を深め合うのもいいじゃないか。うちは男2人のペアでいこう。そして熱い友情で結ばれた2人は……」
などというものだから、俺の相手は男になってしまったわけだ。
そんなことをぼーっと考えているうちに、だいぶ時間がたってしまっていた。そろそろ急がないと学園に遅刻する時間だ。
「少し近道するか」
イルミネーションで飾りつけられた商店街を避け、薄暗い裏路地に入る。
あまり雰囲気のいい場所でないので近づきたくはないのだが、こんな寒い朝なら不良もたむろしていないだろう。

「おい、そこの者! 走れ!」
突然、場違いのかわいらしい女の子の叫び声があがる。そして近づいてくる複数の足音。
振り向くとそこには、これまた場違いの和服を着た小さな女の子がいた。
賢明に小さな手足を動かし俺の方に走ってくる。その後ろには数人のいかにも堅気でなさそうな人達……。
「ええい、なにを呆けておる。走らぬか!」
事態を理解できない俺だが、女の子のあまりの勢いに釣られ走りだしていた。
「ほれ、急げ急げ。捕まったら東京湾に静められるぞ」
ただごとではない。しかし俺が走る理由がみつからない。
「……なんで俺まで走らなくちゃいけないんだ?」
「知らぬのか? 旅は道ずれ、世は情けというではないか」
要はこの女の子、俺を厄介事に巻き込もうとしているわけだ……。
「あきらめよ。すでにあちらさんは、お主をわらわの仲間だと思うているぞ」
変に時代劇かかった口調で、もはや一蓮托生だとおっしゃる。
しかし女の子の短い足では大人の走るスピードには及ばず、どんどん差を縮められて行く。
「追いつかれるぞ。もっと速く」
「はぁはぁ……すでに精一杯走っておるわ。そういうときはな……こうするのだ!」
道端に置かれているポリバケツを蹴飛ばす女の子。散らばった中身のゴミに足を取られる男たち。
「なんでそんなに手慣れてるんだ……」
「ふふん、生きる知恵というやつよ。だがたいして時間かせぎにはならんぞ」
やけに肝がすわっている。どうみても10歳前後にしかみえないのだが、一体何者なんだ?
「しかし、いったい何をしでしかたんだ?」
「はぁはぁ……無駄口たたいてる暇があったら……はぁ……振り切る算段をせぬか」
かなりの距離を走ってきたのか、息があがってきているようだ。このままでは追いつかれるのも時間の問題だろう。
「こっちだ!」
俺は脇道を

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