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愛しのジュリエット」(2014/07/22 (火) 15:42:13) の最新版変更点

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*愛しのジュリエット◆gry038wOvE  放送で呼ばれた四つの名前。  そこに知っている名前はなかった。  あかね自身、このうち三人と面識はあったが、名前は聞いていないのである。  ただ、名前が減っている事実さえあれば充分だった。それを確かめていけば、いずれは人数が格段に減る。  もう一つ、名前以上に重要なニュースとなるのは、首輪の解除の話題である。  どうやら誰かの首輪が解除されたらしく、それに伴って禁止エリア制度がなくなった。  あれがなくなるという事は、殺し合いもせずにこの島の中でしばらく暮らせてしまうという事だ。禁止エリアは、殺し合いにぼんやりとした期限を作り、それによって圧迫感・焦燥感が参加者を責め立てていき、時間が経つにつれ参加者の集団に狂いが生じさせる秀逸なルールである。  それをあっさりと外してしまうという事は、そんな物がなくても殺し合いが円滑に進む措置があるからだと考えた。  そう、例えば、残る参加者の多くが殺し合いに乗っていたり、願いを持っていたり……という事だ。 (……大丈夫、残りは十六人)  既に五十人近い参加者が死亡し、あかねを除いて僅か十六人しか残っていないのだ。  そのくらいならば、あらゆる力を使って全滅させる事もできる。  こうしている間に死んでいる者もいるかもしれない。  あかねとしては、さっさと殺し合ってもらって、漁夫の利を拾うような形で生き残ってもいいわけだ。確実に殺したいのは、あの金のベルトを持った機械だけである。  時間も充分にあった。まずは体を休めよう。 「……道ちゃん、見張りお願い……」  伝説の道着にそう言って、あかねはベッドの上に横になった。  見張りをつけて、後は仮眠を取ろうとしているのだ。  少し気絶していたとはいえ足りない、一日分の眠りをここで……。  あかねは、すぐに意識を絶つ事ができた。身体的疲労が頂点に達していた証である。それこそ、気絶と変わらない。ただ、それはあと何時間でも眠り続ける事ができるほど深い眠りだった。 △  以下。ほぼ夢(読み飛ばし・可)。  舞台も花の某道場にて、  いずれおとなる名門の  両家にからむ祝宴を  今また新たに負傷沙汰──  豪華な城の自室にひとり。彼女の名はジュリエット。自分を捕らえ、自分を縛る「家」の中で、ただ……ベランダの影に身を溶かす。溶かそうとしても溶けきれないのが彼女の輝きである。この場面を見た事のある人、何となく聞いた事がある人は世界にたくさんいるだろう。  世界で最も有名な悲劇のヒロインが、また、自身の代名詞的な台詞を言う。不幸なカップルの首を絞める「名前」を呪って。 「おお、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」  そんな誰に対する物でもない問いかけに、半世紀前の気障のイメージで、薔薇を咥えながら振り返るはロミオという男であった。豪奢で高貴なその姿。顔の周囲にきらきらと星が輝いているのが見える。やはり彼も美しい顔だ。  ジュリエットは、たとえ、どんな障害が憚ったとしても結ばれたいと願うほど、ロミオに恋焦がれていた。ロミオの薄く微笑むような表情には、ジュリエットに対する優しさと気品にあふれた御心がそのまま現れている。 「──それは、モモからうまれたからさ!」  鉞担いで、ロミオは言う。自信に溢れたキリッとした表情。頭の金の輪は孫悟空の緊コ児、腕の模様は遠山の桜吹雪、足はまるでケンタウロスの四本足。全体を見渡すとわかる作品把握度の甘さ。ああ、あらゆる材料を寄せ集めたその姿はまるで暴君怪獣タイラント。 「……ねえ、ロミオ。台本は読んでくれた?」  ロミオは、ジュリエットに向けて、蛇のように舌をちろっと出し、否定の笑みを浮かべた。  なるほど、ロミオは台本を読んでいない。実を言えば、このロミオは自分の名前を覚えてすらいなかった。そもそも、この場面では、ロミオとジュリエットは会話をしない。あともう少し台詞を挟んでから、二人は愛を語らうのである。  さて、いずれにせよ、ロミオが台本を読んでいないのでは話も進まない。  ジュリエットはまるで戯曲のように大げさに地面に崩れ落ちた。両手をついて、しなやかに倒れ伏す様は気品ある。 「……まあいいわ、どうせ夢だもの! 夢なら何をしても自由よ! 台本を覚えずに舞台に立つのも自由! 開始五分でお芝居を破綻させるのも自由! 私がジュリエットを演ずる夢もまた、他人の自由に侵されていい! それが自由だもの!」  自暴自棄になってジュリエットは、顔を上げてそう言った。  それは誰に言い聞かせるでもなく、ジュリエットという少女が作中求めたであろう言葉の連続だった。役柄に入り込むために、彼女は自由を深く尊重しているのだ。 「そ、そんなことはないさー(棒)! これからぼくが、ほんとうのじゆうをみせてあげよう!(棒) じゆうというのは、なんでもきみのおもいどおりということさ!(棒) ほんとうの『ろみおとじゅりえっと』をえんじるのもまた、きみのじゆうのはずだよ!(棒) いや、えんじるべきさ!(棒)」  台本を両手に握り、上から下へ目玉を動かしながら、必死にそこに書いてある台詞を吐き出していくロミオ。するとジュリエットは機嫌を治して立ち上がった。 「ロミオ! 本当のお芝居を取り戻してくれるの!?」 「お、おう……。さあ、行こう、ネバーランドへ! 鉞も、緊コ児も、桜吹雪も、四本足も、桃から生まれた出生の秘密さえも、今から行くオズの国で、大魔法使いオズに消してもらおうじゃないか!(棒)」 「一つの台詞の中で矛盾を作らないで! ああ、ネバーランドに行くべきか、オズの国に行くべきか、それが問題だわ! どちらに行こうかしら、どちらが真実なの、ねえ、ロミオ!?」  そう言うと、草木まで踊り出す変なミュージカルが始まるが、面倒くさいので全部飛ばす。  そのまま、ジュリエットはロミオに手を握られて、オズの国に飛んでいく事になった。ロミオにいつ飛行能力が備わったのかはわからないが、真実はネバーランドではなくオズの国だったようだ。  空中にできた次元の裂け目のようなトンネルを越えると、ロミオは叫んだ。 「ここがオズの国だよ!(棒)」 「ロミオ! オズの国は一体どんな国なの!?」 「……ほらご覧、あそこにお菓子の家があるよ!(棒)」  ロミオが指差した先には、お菓子の家が構えられている。オズの国が一体どんな国なのか──それについては、ジュリエットは答えが聞けなかった。些かファンタジックな家がいきなり迎えてくれるが、それもまたどこかで見た事があった。  消すどころか増えていく物語の数に頭を悩ませながら、ジュリエットはとにかくその家に向かう。  ロミオがクッキーでできたドアを前足で蹴破ると、その周辺の壁がぼろぼろに崩れ落ちた。材質は小麦粉や卵なのだから仕方がない。 「おのれ、何奴!」  その家の中にいた男は、木刀を構えた。どうやら彼がこの家の主らしい。和装した男性がお菓子の家に住んでいる姿はシュールだが、彼がタウンワークを読んでいた事を考えれば、おそらくアルバイトでここに滞在していたのだろう。たまに、「何時間ここに座っているだけ」とかそういう怪しいアルバイトがある。  とにかく、彼はお菓子の家を蹴破って入って来た男に、警戒しているのだろう。木刀を下す気配は無論なかった。  しかし、彼はロミオを見るなり、直感的に、警戒とはもっと別の感情も抱いていた。 「……ほう、その桜吹雪。どうやら、遠山の金さんのようだな」  男は、ロミオの正体に気づいて面白そうだった。遠山の金さんとは一度手合せしたいとでも思っていたのだろうか。どちらにせよ、既に三秒前に起きた出来事を忘れ去っているのは間違いない。 「いや、俺はロミ男だ!」 「ロミオ? ふっふっふっ、笑わせる。その桜吹雪は遠山の金さんのものだ。そのナリでは到底、ロミオは演じられない。ロミオを演じたたくば、出直してくるのだな」 「だから、オズの大魔法使いに頼んで、俺を正しいロミオにしてもらうのさ!」  中途半端に口調に素が混ざり始めたロミオが言うと、男は高笑いを始める。そして、木刀を何度か素振りして、戦いの前の準備体操を終えた。 「よくもまあ、ぬけぬけと! 俺が真実のロミオとなり、ジュリエットの唇を奪って見せよう!」  男は、ロミオの眉間に向けてその先端を突き出す。  受ければ一たまりもないであろう攻撃だったが、ロミオは何なく躱す。──男は、まさかロミオがこうも簡単に回避すると思っていなかったのだろう、視線以外はあらぬ方向に向かっていた。  そして、次の瞬間には、男に向けて両手から気を放った。  ロミオの必殺拳── 「猛虎高飛車!」 「何っ……!?」  それをまともに受けた木刀男の体が遥か空の彼方へと飛んでいく。数百メートルは飛び、空に輝く恒星と同化する。  ああ、なんと弱い。何のために出てきたのやら。まるで噛ませ犬。筋殻アクマロである。  とにかく、話を進める為にジュリエットは大げさに、今、ここで起きている不思議な出来事を告げた。 「見て、ロミオ! 自分のその肩を!」 「ああっ! なんと、これは! 桜吹雪が消えているっ!?」  見れば、ロミオの肩からは遠山の金さんの桜吹雪は消失していた。 「きっと、あの男に転移しているわ! つまり、あの人が遠山の金さんの役になったのよ! これから出てくる敵を倒せば、きっとロミオは本当のロミオの役に戻れるわ! それに、そうしてロミオがロミオに戻るなら、オズの魔法使いの要素もいらないわ! ここでこのお芝居はまた一つ、シェイクスピアに近づくのね!」 「なんだってー!」  何故、ジュリエットがそこまで詳しく考察できたのかは不明である。多分テレパシー的な何かをビビューンと感じ取ったのだろう。それをバシャーンとかズシーンとかして、何かわかったのだ。そうでもなきゃ台本を読んでいるだけなんだろう。  それから先、ロミオはロミオに戻るべく、旅を続ける事になった。  ロミオが敵を倒すたびに、ロミオの体がロミオに近づいていくのならば、一刻も早く全ての敵を倒して体にある幾つもの物語を消さねばならない。それはジュリエットの為だ。  しかし、その旅を始めようとした時、誰かがロミオとジュリエットを引き留めた。 「待て、ロミオ。私を倒し忘れているぞ?」 「ん? 誰だ?」  そこを発とうとした時に、その声は、体の周囲全体から響いてくるように耳朶を打った。壁も、床も、天井も。見渡しても、明確にどこから聞こえているのか、彼らにはさっぱり検討もつかなかった。  挙動不審にきょろきょろと頭を動かしていると、次に声は自分の正体を明かした。 「私だ、お菓子の家だ。このお菓子の家は、耐震構造に欠陥があるのだ。……いや、全ての災害に弱いと言っていい。このまま地震や雨風に打たれて食べられなくなってしまって、腐るように死んでいくなら、いっそ君たちが私を倒して食べてくれ」  声の主は、二人を囲んでいるお菓子の家だったのである。なるほど、このお菓子の家は意思を持っていたのか。  ロミオは、「そうか」とそれに納得しつつも少し悩んだ。 「しかし、ただ食べてしまうのも忍びないな」  何か良い案はないか、とロミオは思案を巡らせる。  すると、ジュリエットは提案した。 「……そうだ、お菓子の家さん。あなたは、桃になりたくない?」 「なりたいっ! 昔からフルーツになるのが夢だったのだ! 特に桃だ! 桃が良いっ!」  ジュリエットの提案に、お菓子の家は間髪入れずに飛びついた。ジュリエット自身、自分が何を言っているのかわからないレベルであった。  とにかく、ジュリエットがそう言うと、ロミオが追従するようにして、台本を広げながら言う。 「そうか、それなら、桃から生まれたという僕の出生をあげよう。そうすれば、あなたは桃になる。桃からは絶対にお菓子は生まれない。……さっきまで僕の母だったあの桃は、今この時から、あなたの母だ!」 「はて、それは嬉しいが、父は一体どこに?」 「父は生まれてすぐに亡くなった。父は人間だったと聞いている。だから、僕は人なのだ。人間と桃のハーフが僕なんだ」 「人と桃とが子供を作れるのか?」 「やろうと思えばできるのさ」  ロミオは自信に満ちた言葉で言った。 「そうなのかっっ!!!! ……しかし、君。ロミオになるには、父モンタギューも要るはずだろう。……そうだ! 丁度、最近良いモンタギューをもらってきたのだった。人はお歳暮にお菓子を贈るが、お菓子はお歳暮に人を贈るのだ。確か、今年は叔母の家からモンタギューが贈られてきたはずだ。どれどれ……」 「あなたのモンタギューと、僕の母を交換するのですか」 「その通りだ。君にモンタギューをやろう。そして、私は今日から桃だ。桃の子だ」  そうして、自分の出生を喪い、モンタギューを得た事で、ロミオはいっそうロミオに近づいた。 ~~~~~  それからまた旅は続いた。 「この奇妙な泉は何かしら?」 「そうだ、鉞を捨ててしまおう。泉は汚れるが、ロミオになるという目的の為だ。仕方ない」  ロミオは、そう言って泉に鉞をポイ捨てした。  すると、驚くべき事に泉の精が現れた。泉の精は全裸の美しい女だった。しかし、全身はキラキラとした光に纏われて何も見えない。顔さえ見えない。何故美しいかわかるのかというと、台本に美女と書いてあるからである。 「おや、鉞を落としましたね。あなたが落としたのは、この金の鉞ですか? それとも、銀の鉞ですか?」 「俺は何も落としてねえよ」  ロミオは、もはや台本を見ていない。間違えて鉞と一緒に捨ててしまったらしい。 「そうですか。あなたは嘘つきです」 「俺がやったっていう証拠でもあるのかよ」 「嘘つきには罰を与えます。金の鉞も、銀の鉞も、あなたが落とした鉞も全て、上野駅の忘れ物取扱いセンターに届けます。数日以内に取りに行かねば全て破棄されます。勿論、電車賃は自己負担です……これに懲りたのなら、二度と嘘など吐かない事です」  そう言って、泉の精が消えていくと、ロミオは「しめた」と思った。  これで、ロミオの持っていた鉞は消え、残るは頭の輪っかと四本足だけになった。  ロミオとジュリエットは泉を後にする。  その後も何とかなるだろう、多分。 △ 「うう……変な夢見た……」  そこはかとない頭痛に、あかねは目を覚ました。  時間はどれだけ経過しただろうか。夢見心地のため、快眠とは言い難い。  何だか随分ふざけた夢を見た気がする。それでも、あかねにとっては何かの憧れを示しているようで、その夢の続きのために二度寝したいとさえ思った。  実際、二度寝をしようとしていたはずだったが、周りを見てみると、強制的に目が覚めた。 「!?」  周りが随分と派手に散らかっている。あかねはベッドから引きずりおろされ、部屋の中が荒らされていた。……いや、ベッドそのものがボロボロな状態だ。  真っ二つに折れたベッドは、もう二度とあかねが寝られないであろう状態になっている。  見れば、クローゼットも正面突きをされて穴が開き、床も煙を吹いている。  どうしてこんな事に……? 考えられる答えは一つしかない。  ──誰かに侵入され、部屋が荒らされた。  そう、何者かがこの部屋に立ち入り、部屋を荒らした。  あかねの命を奪わなかった理由は定かではない。あかねの所持品に何か必要な物があったのだろうか。  はて、一体誰が、どんな目的でこの部屋に侵入し、これだけ派手に荒らしたのだろう。 「そうだ、道ちゃん……!」  あかねは急いで、伝説の道着を探しに向かった。  まずは自分の部屋を探す。部屋はかなり荒らされているが、ドアなどは壊されてはいない。  バスルームを見ると、伝説の道着はそこにいた。空っぽの風呂の中で体を縮めながら、あかねを見て震えていた。とにかく、伝説の道着は無事だったので、その点は安心する。  あかねは、伝説の道着に事情を訊く事にした。 「道ちゃんは無事ね。でも、部屋が荒らされていた……。もしかして、ダグバの仲間の仕業……!?」  あかねは怖い表情で訊いた。  伝説の道着は、あまりの迫力に、この惨状が何故起きたのか、説明する勇気が出ず、コクコクと頷いた。  あかねが時計を見ると、時間は3時50分あたり。  だいたい4時間睡眠が取れたという事でいいだろう。あまりちゃんと眠れなかったが、まあ何とか頑張りが効く範囲だ。あとは、そこいらでコーヒーでも飲めばまたあと少しは頑張れる。  徹夜をした事だって、これまでには珍しくない。 「……許せない。絶対倒してやるわ!」  燃えるあかねは知らない。  この惨状が、あかね自身のあまりに酷すぎる寝相によって起きた事に。  これまでも、日常の中で自分自身の寝相で多少の被害は出ていたが、彼女はそれを多少は不思議に思っていたかもしれない。大抵は「少し部屋が荒れている」という程度しか思わなかっただろう。  しかし、この時は、今までに例を見ないほどに破壊され、到底一人の寝相が起こした現象には見えなかった。睡眠状態でもここまで派手に暴れた事は、あかねも今までにない。  それは、つまり……。  彼女自身の力が、彼女自身の想像以上に進化していってしまったという事であった。 【2日目 黎明】 【B-7 ホテル】 【天道あかね@らんま1/2】 [状態]:アマダム吸収、メフィストの闇を継承、肉体内部に吐血する程のダメージ(回復中)、ダメージ(極大・回復中)、疲労(極大)、精神的疲労(極大)、胸骨骨折(回復中)、 とても強い後悔と悲しみ、ガイアメモリによる精神汚染(進行中)、自己矛盾による思考の差し替え [装備]:伝説の道着@らんま1/2、T2ナスカメモリ@仮面ライダーW、T2バイオレンスメモリ@仮面ライダーW、二つに折れた裏正@侍戦隊シンケンジャー、ダークエボルバー@ウルトラマンネクサス、プロトタイプアークル@小説 仮面ライダークウガ [道具]:支給品一式×4(あかね、溝呂木、一条、速水)、首輪×7(シャンプー、ゴオマ、まどか、なのは、流ノ介、本郷、ノーザ)、女嫌香アップリケ@らんま1/2、斎田リコの絵(グシャグシャに丸められてます)@ウルトラマンネクサス、拡声器、双眼鏡、インロウマル&スーパーディスク@侍戦隊シンケンジャー、紀州特産の梅干し@超光戦士シャンゼリオン、ムカデのキーホルダー@超光戦士シャンゼリオン、滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、『長いお別れ』@仮面ライダーW、ランダム支給品1~2(溝呂木1~2) [思考] 基本:"東風先生達との日常を守る”ために”機械を破壊し”、ゲームに優勝する 0:部屋が荒らされた……? 1:ガドルを倒す。 2:ダグバが死んだ……。 3:ネクサスの力…… [備考] ※参戦時期は37巻で呪泉郷へ訪れるよりは前、少なくとも伝説の道着絡みの話終了後(32巻終了後)以降です。 ※伝説の道着を着た上でドーパント、メフィスト、クウガに変身した場合、潜在能力を引き出された状態となっています。また、伝説の道着を解除した場合、全裸になります。 また同時にドーパント変身による肉体にかかる負担は最小限に抑える事が出来ます。但し、レベル3(Rナスカ)並のパワーによってかかる負荷は抑えきれません。 ※Rナスカへの変身により肉体内部に致命的なダメージを受けています。伝説の道着無しでのドーパントへの変身、また道着ありであっても長時間のRナスカへの変身は命に関わります。 ※ガイアメモリでの変身によって自我を失う事にも気づきました。 ※第二回放送を聞き逃しています。 但し、バルディッシュのお陰で禁止エリアは把握できました。 ※バルディッシュが明確に機能している事に気付いていません。 ※殺害した一文字が機械の身体であった事から、強い混乱とともに、周囲の人間が全て機械なのではないかと思い始めています。メモリの毒素によるものという可能性も高いです。 ※黒岩が自力でメフィストの闇を振り払った事で、石堀に戻った分以外の余剰の闇があかねに流れ込みメフィストを継承しました(姿は不明)。今後ファウストに変身出来るかは不明です。  但し、これは本来起こりえないイレギュラーの為、メフィストの力がどれだけ使えるかは不明です。なお、ウルトラマンネクサスの光への執着心も生じました。 ※二号との戦い~メフィスト戦の記憶が欠落しています。その為、その間の出来事を把握していません。但し、黒岩に指摘された(あかね自身が『機械』そのものである事)だけは薄々記憶しています。 ※様々な要因から乱馬や良牙の事を思考しない様になっています。但し記憶を失っているわけではないので、何かの切欠で思考する事になるでしょう。 ※ガミオのことをガドルだと思い込んでいます。 ※プロトタイプアークルを吸収したため仮面ライダークウガ・プロトタイプへの変身が可能になりました。 ※自分の部屋が何者かに荒らされていると勘違いしています。おそらくガドルやガミオだと推定しています。 *時系列順で読む Back:[[-]]Next:[[黎明の襲撃者(小雨 2:00~2:10)]] *投下順で読む Back:[[Tusk of Darkness]]Next:[[大いなる眠り(前編)]] |Back:[[The Gears of Destiny - 全参加者最終状態表 -]]|天道あかね|Next:[[あなたが遺してくれたもの]]| ----
*愛しのジュリエット◆gry038wOvE  放送で呼ばれた四つの名前。  そこに知っている名前はなかった。  あかね自身、このうち三人と面識はあったが、名前は聞いていないのである。  ただ、名前が減っている事実さえあれば充分だった。それを確かめていけば、いずれは人数が格段に減る。  もう一つ、名前以上に重要なニュースとなるのは、首輪の解除の話題である。  どうやら誰かの首輪が解除されたらしく、それに伴って禁止エリア制度がなくなった。  あれがなくなるという事は、殺し合いもせずにこの島の中でしばらく暮らせてしまうという事だ。禁止エリアは、殺し合いにぼんやりとした期限を作り、それによって圧迫感・焦燥感が参加者を責め立てていき、時間が経つにつれ参加者の集団に狂いが生じさせる秀逸なルールである。  それをあっさりと外してしまうという事は、そんな物がなくても殺し合いが円滑に進む措置があるからだと考えた。  そう、例えば、残る参加者の多くが殺し合いに乗っていたり、願いを持っていたり……という事だ。 (……大丈夫、残りは十六人)  既に五十人近い参加者が死亡し、あかねを除いて僅か十六人しか残っていないのだ。  そのくらいならば、あらゆる力を使って全滅させる事もできる。  こうしている間に死んでいる者もいるかもしれない。  あかねとしては、さっさと殺し合ってもらって、漁夫の利を拾うような形で生き残ってもいいわけだ。確実に殺したいのは、あの金のベルトを持った機械だけである。  時間も充分にあった。まずは体を休めよう。 「……道ちゃん、見張りお願い……」  伝説の道着にそう言って、あかねはベッドの上に横になった。  見張りをつけて、後は仮眠を取ろうとしているのだ。  少し気絶していたとはいえ足りない、一日分の眠りをここで……。  あかねは、すぐに意識を絶つ事ができた。身体的疲労が頂点に達していた証である。それこそ、気絶と変わらない。ただ、それはあと何時間でも眠り続ける事ができるほど深い眠りだった。 △  以下。ほぼ夢(読み飛ばし・可)。  舞台も花の某道場にて、  いずれおとなる名門の  両家にからむ祝宴を  今また新たに負傷沙汰──  豪華な城の自室にひとり。彼女の名はジュリエット。自分を捕らえ、自分を縛る「家」の中で、ただ……ベランダの影に身を溶かす。溶かそうとしても溶けきれないのが彼女の輝きである。この場面を見た事のある人、何となく聞いた事がある人は世界にたくさんいるだろう。  世界で最も有名な悲劇のヒロインが、また、自身の代名詞的な台詞を言う。不幸なカップルの首を絞める「名前」を呪って。 「おお、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」  そんな誰に対する物でもない問いかけに、半世紀前の気障のイメージで、薔薇を咥えながら振り返るはロミオという男であった。豪奢で高貴なその姿。顔の周囲にきらきらと星が輝いているのが見える。やはり彼も美しい顔だ。  ジュリエットは、たとえ、どんな障害が憚ったとしても結ばれたいと願うほど、ロミオに恋焦がれていた。ロミオの薄く微笑むような表情には、ジュリエットに対する優しさと気品にあふれた御心がそのまま現れている。 「──それは、モモからうまれたからさ!」  鉞担いで、ロミオは言う。自信に溢れたキリッとした表情。頭の金の輪は孫悟空の緊コ児、腕の模様は遠山の桜吹雪、足はまるでケンタウロスの四本足。全体を見渡すとわかる作品把握度の甘さ。ああ、あらゆる材料を寄せ集めたその姿はまるで暴君怪獣タイラント。 「……ねえ、ロミオ。台本は読んでくれた?」  ロミオは、ジュリエットに向けて、蛇のように舌をちろっと出し、否定の笑みを浮かべた。  なるほど、ロミオは台本を読んでいない。実を言えば、このロミオは自分の名前を覚えてすらいなかった。そもそも、この場面では、ロミオとジュリエットは会話をしない。あともう少し台詞を挟んでから、二人は愛を語らうのである。  さて、いずれにせよ、ロミオが台本を読んでいないのでは話も進まない。  ジュリエットはまるで戯曲のように大げさに地面に崩れ落ちた。両手をついて、しなやかに倒れ伏す様は気品ある。 「……まあいいわ、どうせ夢だもの! 夢なら何をしても自由よ! 台本を覚えずに舞台に立つのも自由! 開始五分でお芝居を破綻させるのも自由! 私がジュリエットを演ずる夢もまた、他人の自由に侵されていい! それが自由だもの!」  自暴自棄になってジュリエットは、顔を上げてそう言った。  それは誰に言い聞かせるでもなく、ジュリエットという少女が作中求めたであろう言葉の連続だった。役柄に入り込むために、彼女は自由を深く尊重しているのだ。 「そ、そんなことはないさー(棒)! これからぼくが、ほんとうのじゆうをみせてあげよう!(棒) じゆうというのは、なんでもきみのおもいどおりということさ!(棒) ほんとうの『ろみおとじゅりえっと』をえんじるのもまた、きみのじゆうのはずだよ!(棒) いや、えんじるべきさ!(棒)」  台本を両手に握り、上から下へ目玉を動かしながら、必死にそこに書いてある台詞を吐き出していくロミオ。するとジュリエットは機嫌を治して立ち上がった。 「ロミオ! 本当のお芝居を取り戻してくれるの!?」 「お、おう……。さあ、行こう、ネバーランドへ! 鉞も、緊コ児も、桜吹雪も、四本足も、桃から生まれた出生の秘密さえも、今から行くオズの国で、大魔法使いオズに消してもらおうじゃないか!(棒)」 「一つの台詞の中で矛盾を作らないで! ああ、ネバーランドに行くべきか、オズの国に行くべきか、それが問題だわ! どちらに行こうかしら、どちらが真実なの、ねえ、ロミオ!?」  そう言うと、草木まで踊り出す変なミュージカルが始まるが、面倒くさいので全部飛ばす。  そのまま、ジュリエットはロミオに手を握られて、オズの国に飛んでいく事になった。ロミオにいつ飛行能力が備わったのかはわからないが、真実はネバーランドではなくオズの国だったようだ。  空中にできた次元の裂け目のようなトンネルを越えると、ロミオは叫んだ。 「ここがオズの国だよ!(棒)」 「ロミオ! オズの国は一体どんな国なの!?」 「……ほらご覧、あそこにお菓子の家があるよ!(棒)」  ロミオが指差した先には、お菓子の家が構えられている。オズの国が一体どんな国なのか──それについては、ジュリエットは答えが聞けなかった。些かファンタジックな家がいきなり迎えてくれるが、それもまたどこかで見た事があった。  消すどころか増えていく物語の数に頭を悩ませながら、ジュリエットはとにかくその家に向かう。  ロミオがクッキーでできたドアを前足で蹴破ると、その周辺の壁がぼろぼろに崩れ落ちた。材質は小麦粉や卵なのだから仕方がない。 「おのれ、何奴!」  その家の中にいた男は、木刀を構えた。どうやら彼がこの家の主らしい。和装した男性がお菓子の家に住んでいる姿はシュールだが、彼がタウンワークを読んでいた事を考えれば、おそらくアルバイトでここに滞在していたのだろう。たまに、「何時間ここに座っているだけ」とかそういう怪しいアルバイトがある。  とにかく、彼はお菓子の家を蹴破って入って来た男に、警戒しているのだろう。木刀を下す気配は無論なかった。  しかし、彼はロミオを見るなり、直感的に、警戒とはもっと別の感情も抱いていた。 「……ほう、その桜吹雪。どうやら、遠山の金さんのようだな」  男は、ロミオの正体に気づいて面白そうだった。遠山の金さんとは一度手合せしたいとでも思っていたのだろうか。どちらにせよ、既に三秒前に起きた出来事を忘れ去っているのは間違いない。 「いや、俺はロミ男だ!」 「ロミオ? ふっふっふっ、笑わせる。その桜吹雪は遠山の金さんのものだ。そのナリでは到底、ロミオは演じられない。ロミオを演じたたくば、出直してくるのだな」 「だから、オズの大魔法使いに頼んで、俺を正しいロミオにしてもらうのさ!」  中途半端に口調に素が混ざり始めたロミオが言うと、男は高笑いを始める。そして、木刀を何度か素振りして、戦いの前の準備体操を終えた。 「よくもまあ、ぬけぬけと! 俺が真実のロミオとなり、ジュリエットの唇を奪って見せよう!」  男は、ロミオの眉間に向けてその先端を突き出す。  受ければ一たまりもないであろう攻撃だったが、ロミオは何なく躱す。──男は、まさかロミオがこうも簡単に回避すると思っていなかったのだろう、視線以外はあらぬ方向に向かっていた。  そして、次の瞬間には、男に向けて両手から気を放った。  ロミオの必殺拳── 「猛虎高飛車!」 「何っ……!?」  それをまともに受けた木刀男の体が遥か空の彼方へと飛んでいく。数百メートルは飛び、空に輝く恒星と同化する。  ああ、なんと弱い。何のために出てきたのやら。まるで噛ませ犬。筋殻アクマロである。  とにかく、話を進める為にジュリエットは大げさに、今、ここで起きている不思議な出来事を告げた。 「見て、ロミオ! 自分のその肩を!」 「ああっ! なんと、これは! 桜吹雪が消えているっ!?」  見れば、ロミオの肩からは遠山の金さんの桜吹雪は消失していた。 「きっと、あの男に転移しているわ! つまり、あの人が遠山の金さんの役になったのよ! これから出てくる敵を倒せば、きっとロミオは本当のロミオの役に戻れるわ! それに、そうしてロミオがロミオに戻るなら、オズの魔法使いの要素もいらないわ! ここでこのお芝居はまた一つ、シェイクスピアに近づくのね!」 「なんだってー!」  何故、ジュリエットがそこまで詳しく考察できたのかは不明である。多分テレパシー的な何かをビビューンと感じ取ったのだろう。それをバシャーンとかズシーンとかして、何かわかったのだ。そうでもなきゃ台本を読んでいるだけなんだろう。  それから先、ロミオはロミオに戻るべく、旅を続ける事になった。  ロミオが敵を倒すたびに、ロミオの体がロミオに近づいていくのならば、一刻も早く全ての敵を倒して体にある幾つもの物語を消さねばならない。それはジュリエットの為だ。  しかし、その旅を始めようとした時、誰かがロミオとジュリエットを引き留めた。 「待て、ロミオ。私を倒し忘れているぞ?」 「ん? 誰だ?」  そこを発とうとした時に、その声は、体の周囲全体から響いてくるように耳朶を打った。壁も、床も、天井も。見渡しても、明確にどこから聞こえているのか、彼らにはさっぱり検討もつかなかった。  挙動不審にきょろきょろと頭を動かしていると、次に声は自分の正体を明かした。 「私だ、お菓子の家だ。このお菓子の家は、耐震構造に欠陥があるのだ。……いや、全ての災害に弱いと言っていい。このまま地震や雨風に打たれて食べられなくなってしまって、腐るように死んでいくなら、いっそ君たちが私を倒して食べてくれ」  声の主は、二人を囲んでいるお菓子の家だったのである。なるほど、このお菓子の家は意思を持っていたのか。  ロミオは、「そうか」とそれに納得しつつも少し悩んだ。 「しかし、ただ食べてしまうのも忍びないな」  何か良い案はないか、とロミオは思案を巡らせる。  すると、ジュリエットは提案した。 「……そうだ、お菓子の家さん。あなたは、桃になりたくない?」 「なりたいっ! 昔からフルーツになるのが夢だったのだ! 特に桃だ! 桃が良いっ!」  ジュリエットの提案に、お菓子の家は間髪入れずに飛びついた。ジュリエット自身、自分が何を言っているのかわからないレベルであった。  とにかく、ジュリエットがそう言うと、ロミオが追従するようにして、台本を広げながら言う。 「そうか、それなら、桃から生まれたという僕の出生をあげよう。そうすれば、あなたは桃になる。桃からは絶対にお菓子は生まれない。……さっきまで僕の母だったあの桃は、今この時から、あなたの母だ!」 「はて、それは嬉しいが、父は一体どこに?」 「父は生まれてすぐに亡くなった。父は人間だったと聞いている。だから、僕は人なのだ。人間と桃のハーフが僕なんだ」 「人と桃とが子供を作れるのか?」 「やろうと思えばできるのさ」  ロミオは自信に満ちた言葉で言った。 「そうなのかっっ!!!! ……しかし、君。ロミオになるには、父モンタギューも要るはずだろう。……そうだ! 丁度、最近良いモンタギューをもらってきたのだった。人はお歳暮にお菓子を贈るが、お菓子はお歳暮に人を贈るのだ。確か、今年は叔母の家からモンタギューが贈られてきたはずだ。どれどれ……」 「あなたのモンタギューと、僕の母を交換するのですか」 「その通りだ。君にモンタギューをやろう。そして、私は今日から桃だ。桃の子だ」  そうして、自分の出生を喪い、モンタギューを得た事で、ロミオはいっそうロミオに近づいた。 ~~~~~  それからまた旅は続いた。 「この奇妙な泉は何かしら?」 「そうだ、鉞を捨ててしまおう。泉は汚れるが、ロミオになるという目的の為だ。仕方ない」  ロミオは、そう言って泉に鉞をポイ捨てした。  すると、驚くべき事に泉の精が現れた。泉の精は全裸の美しい女だった。しかし、全身はキラキラとした光に纏われて何も見えない。顔さえ見えない。何故美しいかわかるのかというと、台本に美女と書いてあるからである。 「おや、鉞を落としましたね。あなたが落としたのは、この金の鉞ですか? それとも、銀の鉞ですか?」 「俺は何も落としてねえよ」  ロミオは、もはや台本を見ていない。間違えて鉞と一緒に捨ててしまったらしい。 「そうですか。あなたは嘘つきです」 「俺がやったっていう証拠でもあるのかよ」 「嘘つきには罰を与えます。金の鉞も、銀の鉞も、あなたが落とした鉞も全て、上野駅の忘れ物取扱いセンターに届けます。数日以内に取りに行かねば全て破棄されます。勿論、電車賃は自己負担です……これに懲りたのなら、二度と嘘など吐かない事です」  そう言って、泉の精が消えていくと、ロミオは「しめた」と思った。  これで、ロミオの持っていた鉞は消え、残るは頭の輪っかと四本足だけになった。  ロミオとジュリエットは泉を後にする。  その後も何とかなるだろう、多分。 △ 「うう……変な夢見た……」  そこはかとない頭痛に、あかねは目を覚ました。  時間はどれだけ経過しただろうか。夢見心地のため、快眠とは言い難い。  何だか随分ふざけた夢を見た気がする。それでも、あかねにとっては何かの憧れを示しているようで、その夢の続きのために二度寝したいとさえ思った。  実際、二度寝をしようとしていたはずだったが、周りを見てみると、強制的に目が覚めた。 「!?」  周りが随分と派手に散らかっている。あかねはベッドから引きずりおろされ、部屋の中が荒らされていた。……いや、ベッドそのものがボロボロな状態だ。  真っ二つに折れたベッドは、もう二度とあかねが寝られないであろう状態になっている。  見れば、クローゼットも正面突きをされて穴が開き、床も煙を吹いている。  どうしてこんな事に……? 考えられる答えは一つしかない。  ──誰かに侵入され、部屋が荒らされた。  そう、何者かがこの部屋に立ち入り、部屋を荒らした。  あかねの命を奪わなかった理由は定かではない。あかねの所持品に何か必要な物があったのだろうか。  はて、一体誰が、どんな目的でこの部屋に侵入し、これだけ派手に荒らしたのだろう。 「そうだ、道ちゃん……!」  あかねは急いで、伝説の道着を探しに向かった。  まずは自分の部屋を探す。部屋はかなり荒らされているが、ドアなどは壊されてはいない。  バスルームを見ると、伝説の道着はそこにいた。空っぽの風呂の中で体を縮めながら、あかねを見て震えていた。とにかく、伝説の道着は無事だったので、その点は安心する。  あかねは、伝説の道着に事情を訊く事にした。 「道ちゃんは無事ね。でも、部屋が荒らされていた……。もしかして、ダグバの仲間の仕業……!?」  あかねは怖い表情で訊いた。  伝説の道着は、あまりの迫力に、この惨状が何故起きたのか、説明する勇気が出ず、コクコクと頷いた。  あかねが時計を見ると、時間は3時50分あたり。  だいたい4時間睡眠が取れたという事でいいだろう。あまりちゃんと眠れなかったが、まあ何とか頑張りが効く範囲だ。あとは、そこいらでコーヒーでも飲めばまたあと少しは頑張れる。  徹夜をした事だって、これまでには珍しくない。 「……許せない。絶対倒してやるわ!」  燃えるあかねは知らない。  この惨状が、あかね自身のあまりに酷すぎる寝相によって起きた事に。  これまでも、日常の中で自分自身の寝相で多少の被害は出ていたが、彼女はそれを多少は不思議に思っていたかもしれない。大抵は「少し部屋が荒れている」という程度しか思わなかっただろう。  しかし、この時は、今までに例を見ないほどに破壊され、到底一人の寝相が起こした現象には見えなかった。睡眠状態でもここまで派手に暴れた事は、あかねも今までにない。  それは、つまり……。  彼女自身の力が、彼女自身の想像以上に進化していってしまったという事であった。 【2日目 黎明】 【B-7 ホテル】 【天道あかね@らんま1/2】 [状態]:アマダム吸収、メフィストの闇を継承、肉体内部に吐血する程のダメージ(回復中)、ダメージ(極大・回復中)、疲労(極大)、精神的疲労(極大)、胸骨骨折(回復中)、 とても強い後悔と悲しみ、ガイアメモリによる精神汚染(進行中)、自己矛盾による思考の差し替え [装備]:伝説の道着@らんま1/2、T2ナスカメモリ@仮面ライダーW、T2バイオレンスメモリ@仮面ライダーW、二つに折れた裏正@侍戦隊シンケンジャー、ダークエボルバー@ウルトラマンネクサス、プロトタイプアークル@小説 仮面ライダークウガ [道具]:支給品一式×4(あかね、溝呂木、一条、速水)、首輪×7(シャンプー、ゴオマ、まどか、なのは、流ノ介、本郷、ノーザ)、女嫌香アップリケ@らんま1/2、斎田リコの絵(グシャグシャに丸められてます)@ウルトラマンネクサス、拡声器、双眼鏡、インロウマル&スーパーディスク@侍戦隊シンケンジャー、紀州特産の梅干し@超光戦士シャンゼリオン、ムカデのキーホルダー@超光戦士シャンゼリオン、滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、『長いお別れ』@仮面ライダーW、ランダム支給品1~2(溝呂木1~2) [思考] 基本:"東風先生達との日常を守る”ために”機械を破壊し”、ゲームに優勝する 0:部屋が荒らされた……? 1:ガドルを倒す。 2:ダグバが死んだ……。 3:ネクサスの力…… [備考] ※参戦時期は37巻で呪泉郷へ訪れるよりは前、少なくとも伝説の道着絡みの話終了後(32巻終了後)以降です。 ※伝説の道着を着た上でドーパント、メフィスト、クウガに変身した場合、潜在能力を引き出された状態となっています。また、伝説の道着を解除した場合、全裸になります。 また同時にドーパント変身による肉体にかかる負担は最小限に抑える事が出来ます。但し、レベル3(Rナスカ)並のパワーによってかかる負荷は抑えきれません。 ※Rナスカへの変身により肉体内部に致命的なダメージを受けています。伝説の道着無しでのドーパントへの変身、また道着ありであっても長時間のRナスカへの変身は命に関わります。 ※ガイアメモリでの変身によって自我を失う事にも気づきました。 ※第二回放送を聞き逃しています。 但し、バルディッシュのお陰で禁止エリアは把握できました。 ※バルディッシュが明確に機能している事に気付いていません。 ※殺害した一文字が機械の身体であった事から、強い混乱とともに、周囲の人間が全て機械なのではないかと思い始めています。メモリの毒素によるものという可能性も高いです。 ※黒岩が自力でメフィストの闇を振り払った事で、石堀に戻った分以外の余剰の闇があかねに流れ込みメフィストを継承しました(姿は不明)。今後ファウストに変身出来るかは不明です。  但し、これは本来起こりえないイレギュラーの為、メフィストの力がどれだけ使えるかは不明です。なお、ウルトラマンネクサスの光への執着心も生じました。 ※二号との戦い~メフィスト戦の記憶が欠落しています。その為、その間の出来事を把握していません。但し、黒岩に指摘された(あかね自身が『機械』そのものである事)だけは薄々記憶しています。 ※様々な要因から乱馬や良牙の事を思考しない様になっています。但し記憶を失っているわけではないので、何かの切欠で思考する事になるでしょう。 ※ガミオのことをガドルだと思い込んでいます。 ※プロトタイプアークルを吸収したため仮面ライダークウガ・プロトタイプへの変身が可能になりました。 ※自分の部屋が何者かに荒らされていると勘違いしています。おそらくガドルやガミオだと推定しています。 *時系列順で読む Back:[[みんなの言葉! 思い出は未来のなかに!!]]Next:[[黎明の襲撃者(小雨 2:00~2:10)]] *投下順で読む Back:[[Tusk of Darkness]]Next:[[大いなる眠り(前編)]] |Back:[[The Gears of Destiny - 全参加者最終状態表 -]]|天道あかね|Next:[[あなたが遺してくれたもの]]| ----

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