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匿名ユーザー

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裕奈と古を背負った楓はやっとのことで病院へ着いた。
中へ入ると不気味なほど静かで、電気もついていなく廃墟のように思えた。
「クー、病院でござる。しっかりするナリよ。」
「…」
古は虚ろな瞳で楓を見る。超を殺してしまった古は激しく気落ちしていた。
裕奈が何度も励ますが古は首を振る。
ワタシは人殺しアル、最低アル、と。
そんな気落ちしている古に二人はかける言葉もなくなっていた。
昨日からほとんど寝ていない三人は肉体、精神共に限界にきていた。
特に古はこのゲームが始まってから一度も寝ていなく、精神的にもつらいことが続いたので、今にも倒れそうだった。

古をベッドに寝かせるとニ人は薬品庫を目指した。
しかし、薬の知識のまったくない自分に何ができるんだろう?
家にあった救急箱のマキロンと塗り薬で何とかすることくらいが自分の出来る限りだった。
薬品庫を見つけ入ると、そこは壁一面全てが棚で埋まっていた。棚の中には何種類くらいあるのだろうと思うほどの瓶。
その瓶からだと思われるアルコールのような酢のような匂いに2人は思わず鼻を手で覆った。
何て数なんだ。
あまりの多さに消毒液一つ探すのも一苦労だ。

裕奈は奥の棚から瓶2、3本を取り出し、引き出しから包帯を持って、ニ人の所へやってきた。
「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してねくーふぇ」
古の左足の傷口に消毒液をつける。
「・・・!うああぁぁぁぁ」
消毒液がしみたらしく、古は思わず声を出した。
古の状態を見れば明らかである、足の関節に銃弾を打ち込まれたのだ。
普通にいるだけで痛むのに消毒をしたせいで想像を絶する痛みが古を襲ったのだ。

「ご・ごめん。大丈夫」
「だ…大丈夫アル…」
古の足を消毒をした後は包帯で足をしっかり巻いた。
「はい。ちょっと下手だけど我慢してね。」
「…」
「クー?」
古が黙り込む。
「どうして助けてくれるアル…ワタシは人殺しアルよ…」
「くーふぇ…だって私たち友達じゃない。」
「だけど、楓たちを背後から襲うことはできるアル…」
そう言って手に持ったデリンジャーを取り出す。
「クー!!」
楓は古に対し怒った。
「あはは……ごめんアル…もう…何が正し…いのか…分からなくて…」
焦点が定まらない目で軽く笑う古。
「クー!気をしっかり持つでござる!」
「あはははは…ごめんアル…少…し…眠らせて…」
そう言って二人に背を向けるように眠った。

「…」
二人は押し黙った。古が少しずつ確実に狂ってきている現状に。
「生き残るでござるよ裕奈殿」
「え…」
「生き残って、クーを元の明るいクーに戻すナリよ」
「うん」
そうだ、私たちは殺し合いをしているんだ。
古のベッドの横に立てかけたボウガンを見て今更ながら現実を見つめなおした。

【残り22人】

「龍宮さん?」
突然の背後からの声。真名が身構える。
寂れたホテルの一室。一晩過ごし、その部屋から出ようと準備していた所であった。
「よかった。やっと他の人に会えた」
葉加瀬聡美(出席番号24)だ
「……あんたも、ここに泊まってたの?」
「うん。あなたも?」
「まぁな」
聡美が心からホッとしたような笑みを見せる。
「お前、他に誰か見なかったか?」
「いえ……ここに来る途中に、人影を見たような気もするけど、
 確かめる余裕なんて無かったし。あなたは?」
「誰も見てない」
「そうか」

真名以外の誰にも会っていないことが良かったのか、悪かったのか。
聡美にはわからない。とりあえず、一人ではなくなった。
仲間が出来た。ここは禁止区域ではない。ならばしばらくここにいてもいい。
外部への注意を怠らず、守りを固めていれば安全だ。
「とりあえず、中入れよ」
真名は自分が寝ていた部屋に聡美を入れた。
「食事は?」
「もう軽く食べた。そっちは?」
「まだ」
「じゃあ食事してろ。私が窓の外、見張ってるから」
「そっか?……じゃあ頼むわね」
ちょうど腹がすいていた所だった。聡美は埃だらけのベッドに腰かけると、鞄を開けた。
「武器何だ?」
「これ」
そう言って、ちょっと重そうな銃を見せた。
「説明書はあるけど、使うの怖くて。」
「……(ベレッタか)」
説明書に軽く目を通すとすぐ聡美に返した。
「龍宮さんは?」
「これだ」
一本のサバイバルナイフを見せる。
「大丈夫だったんですか?」
「仕方ないさ。まあ上手く使えばなんとかなるものだ」
真名はナイフを右手で弄ぶようにしながら立ち上がった。ベッドサイドのラジオに手を伸ばした。
「ラジオ、なんとかなるか?」
「どうして?」
「これで無線機か何かを作って助けを呼んだ。こういうのはお前の得意分野だろ」
「う~ん。とりあえずやってみるね」
そう言って聡美はラジオを受け取った。
その瞬間、真名は体を反転させ、ナイフで聡美の首を切り裂いた。

「が……っ!!」
聡美が血を吹きながら絶叫する。すかさず真名は聡美の拳銃を奪った。
「龍…宮…さ…っ!」
血だらけになった聡美が真名を睨みつける。真名はすぐさまドアの方へと体を逃がした。
「言っただろ、上手く使えばなんとかなる…って」
聡美の体がベッドに沈む。鮮血がシーツを目に見えるスピードで染めてゆく。
急所を確実に狙った、自分でも見事だと思う。
真名は聡美のデイパックから水と予備の弾丸を奪うと、足音を立てずにホテルの部屋を出た。

【出席番号24 葉加瀬聡美 死亡 残り21人】
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