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ネギま!バトルロワイヤル24

最終更新:

匿名ユーザー

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裕奈はアキラに似た人物の手を引かれ森を抜けた。
「え…」
そこはアキラが死んだ丘の上だった。
明日菜の言うことは本当だった。すでに禁止区域なのに首輪は反応してなかった。
どおりで首輪探知機が反応しなかったわけである。

そこには一機のヘリコプターが止まっていた。
「あのヘリの中に入るんだ」
手を引かれる。扉が開いて何人かの人に出迎えられる。

椅子に腰掛け傷の治療をしてもらう。
「…」
何も言葉は出なかった。
そんな裕奈に一人の女性が水の入ったコップを差し出す。
「はい、喉渇いたでしょ」
「…ありがとうございます」
コップを受け取って水を一気に飲み干す。
ここへ来てから口にしたのは、支給された生ぬるい水ばかり。
透明な冷たさが喉に快い、ほうっと息をつく。
「もう一杯いる?」
「…はい、お願いします」
じっとその女性を見る。
「…」
「…どうしたの?」
「…いえ、何か友達に声が似てるなぁって思って」
今までのことがまるで走馬灯のように思い出される。
「そう?どんな友達」
「…新体操が大好きな明るい子…狂っちゃったけど…」
「あ…ごめん……」
女性も押し黙る。

水の入ったコップを受け取ると顔を上げて古菲を見る。
緊急用のストレッチャーに寝かされている。
撃たれた左足の膝の傷の応急処置をするが「これ以上は医者が必要だ」と宣告される。
膝の関節を完全に破壊されている、何とか手術を成功させても後遺症は確実に残るだろう。
それ以上に深刻なのが精神面の傷であろう。
岩場に取り残された孤独感と、人を殺した罪悪感に、目の前で何も出来ず友を失った喪失感が
重なって彼女の心は崩壊してしまった。
ぼんやりと天井を見つめているが、その目は未だに光を取り戻していない。
スポイトを使って水を飲ませるが口から漏れてしまう。
これがあの古菲なのか…見てるだけで痛々しい。
「かわいそうに…このゲームのせいでこんなになっちゃって…」
女性は見ず知らずの古菲の頭を撫でる。
「一体あなたたちは…」
裕奈が女性に話しかける。
「…私たちは過去にこのゲームに巻き込まれかけた人よ、巻き込まれた私の友達は……」
女性の顔が歪む。
「…」
黙り込む、このゲームの悲惨さは誰が見ても明らかである。
「…!」
ふと透明な水に映った己の顔に裕奈は愕然とした。
頬は極端に引きつり、ろくに睡眠も取っていないために目の下には隈が出来ている。
だが、それは生理的な変化に過ぎない。
裕奈を驚愕させたのは、ほんの僅かな時間で顔つきそのものが変わってしまっていたことだった。
それは追いつめられた人の顔だった。
追いつめられ、自らの生命を守るために同級生さえも手に掛けるだろう顔。
これが自分の顔なのか、なんて惨めで、醜悪な顔なのか。
裕奈は心と体が崩れ落ちそうな感覚に会いコップを床に落とす。
「…う…うぅ……」
顔を押さえて泣き出す。
横に居た女性は肩に手を置いてなだめていた。

【残り5人】

のどかを背負った美砂は本部まであと少しの広い草原にたどり着いて倒れた。
「も…もう限界…」
傷ついた体で同年代の子を背負うにはかなりの負担だった。
「か、柿崎さん」
足を撃たれたのどかはその場に倒れこむ。
「もーだめ…体動かない…」
体力も気力も使い果たし全身の力がもう入らない。

「のどか…ごめんね…あと少しなのに……」
すると自分たちの頭上で爆音が聞こえる。
すぐ近くで軍用ヘリが降り立ったのだ。
「…あはは、もう年貢の納め時かな…」
「柿崎さん…」
二人は覚悟を決めた。
「だ…大丈夫!?二人とも」
ヘリから出てきたのは裕奈であった。
「!?」
意外な人物の登場に驚く二人。
何人もの人が飛び出して美砂とのどかをヘリに運ぶ。

「あー!!いたたたた…」
肩の傷口に消毒薬を当てられて悶える美砂。
「我慢して柿崎。これくらいまだマシな程度でしょ」
裕奈が包帯を巻く。
「ありがとうございます、裕奈さん。ところでこの人達は…」
「この人達は過去にこのゲームに巻き込まれた人たちなの」
両足の治療をしてもらっているのどか。
私たちは助かった。そんな安心感がヘリの中を包む。

「…くーちゃんどうしちゃったの?」
美砂が奥のストレッチャーで全く動かない古菲を心配する。
「…くーふぇはね…ぅ……壊れ…ちゃったの…っく……」
涙ぐみ喋る裕奈。
「くーふぇ…」
のどかも古菲を心配する。
静寂が包むがのどかが続けた。
「そうだ、お願いです、スタート地点に私たちを運んでください」
ネギがまだいるスタート地点に行かなくてはいけなかった。
「…」
誰も何も言わない、このまま飛べば助かるのだが。
「分かったよ。大事な人が待ってるんだろ」
ヘリを操縦する眼鏡をかけてた青年が応える。
「行こう…ネギ君が待ってる」
美砂が言った。
「行こう!」
裕奈も続く。

ヘリが飛び、目的地の学校へ向かった。

【残り5人】

ネギは明日菜の死体を見届けた後、隠し階段を上って屋上にたどり着いた。
「タカミチー!!」
屋上には一機のヘリが今にも飛びそうな状態で止まっていた。
ヘリの座席ではしずなが座っている。
「君か、ネギ君」
「何で!どうして!?タカミチー!!」
ネギは高畑に問いかける。
高畑は何も言わずに拳銃を取り出す。
「…君は何も知らなくていい」
ヘリが飛び上がると同時に引き金を引く。

「!?」
高畑は自分の体の違和感に気付いた。
「引き金が…引けない…」
手が凍りついたように動かない。
よく見ると手の下に何か影のようなものが張り付いていた。
「…君は!」
高畑の影から一人の女の姿が現れた。
(影を使った転移魔法といえば…)
「よくもこの私をここまでコケにしてくれたな…」
エヴァが高畑の影を使って転移魔法をしてきた。
「高畑先生…」
しずなが高畑の心配をする。
「大丈夫だ安心しろ」
そんな二人に対して余裕の表情のエヴァ。
「大丈夫だと?私を誰だと思っているんだ」
エヴァは二人に魔法を使う。
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック、氷の17矢!」
高畑は立ち上がる。右手に気、左手に魔力を溜めて打つ「居合い拳」


二つの力がぶつかる。
押されてしまったのはエヴァの方だった。
「ぐぁ!」
顔面にもろに食らって反対側に吹き飛ばされる。
「エヴァンジェリンさん!うわっ!!」
エヴァに気を取られた隙に居合い拳をネギも食らった。
「ば…ばかな…この私が」
驚きの表情のエヴァに対して、高畑は呟く。
「僕がこの日に決行を選んだのは君の魔力が一番下がりやすい時期を選んでるからだよ」
エヴァは思った。魔力の勢いがいつもより弱いことに、自分の魔力が下がっていることに気付いた。
「…ち…迂闊だったな…」
「悪いがここで死ぬわけにはいかないんだよ。君は吸血鬼だから死なないだろうが、再生が完了した
 頃には脱出できたくらいに痛めつけておくよ」
「居合い拳」を容赦なくエヴァの体に打ち込む高畑。
「ぐ!…ご!…がはぁ……」
エヴァが倒れこむ。
(うぅ…くそ…再生が追いつかん…)
圧倒的な攻撃力で高畑の連続攻撃をさらに食らうエヴァ。

「これ以上は時間の無駄だ…それじゃ失礼するよ。ここはあと少しで爆発するようになっているからね」
エヴァとネギが驚きの表情をする。
ヘリは高畑が乗り込むと同時に飛び上がる。
「させるかぁぁぁ!!」
エヴァが飛びつく。
「何!」
高畑としずなは驚く。
エヴァは窓をこじ開けようとしている、やむを得ないと思ってエヴァの顔に銃を一発放った。
「ぐぉ!」
弾丸はエヴァの右耳たぶを吹き飛ばした。
「ぐぐ…うおおぉぉ」
窓を壊して乗り込むエヴァ。


高畑が「居合い拳」の構えをする。ここしかないとエヴァは思い自分にあるすべての魔力を使い込む。
「リク・ラク・ラ・ラク・ライラック!闇の吹雪!!」

ズアァァアアアアアアアアアアアアアア!!

ヘリの中で大量の光が輝く。
「ぐぅぅ…!」
それでもエヴァは押されている。エヴァはネギに叫んだ。
「撃て!お前の持っている最強の魔法でこのヘリを撃てぇぇぇ!!」
ネギは迷った。撃つのか!?自分の生徒の乗ったヘリを。
その発言に高畑が驚く。
「…っく、正気か!?ここで三つの力が相殺し合うと次元に亀裂が生じて異次元の世界に飲み込まれるぞ!」
「ふ……覚悟の上だ……ぼーーや!!撃てえええぇぇぇぇぇぇぇ!!!私に構うな!全力で来い!!
 この男はお前の生徒にどんな目に合わせたのか、分かっているのかぁぁ!」
「―――!!」
(ふ…私がこんな言葉とは私らしくないな…)
ネギは覚悟した。3-Aの生徒をここまで苦しめた人達を許すことはできない。
杖を持ち呪文を唱える。
「ラス…テル……マ・スキル………マギ…ステル……」
「やめろぉぉぉ!」
「雷の暴風!!!!!」
光輝くヘリにネギの全力の攻撃が当たる。

途端にヘリの周りで閃光が起こった。
「…!まさか……次元に亀裂が!?エヴァンジェリンさぁぁぁん!!!」
ヘリは光の中に吸い込まれる。
しずなもヘリもすべて吸い込んだ。
最後に高畑とエヴァが吸い込まれる。
「死ぬ気か…君は…」
「……生き残ってやるさ……フ…」

光が消えたとき、そこにはヘリも高畑もエヴァもいない。
「そんな…う…うああぁあああああああああああ!!!!」
ネギはもう何度目かの涙を流した。
結局誰も救えなった。何のための担任だったのか?そんなことを考えた。

「…うぅぅ…?」
奥から別のヘリがやって来た。
「あれは…?」
窓から危険を承知で乗り出したのは裕奈と美砂だった。
「裕奈さん!美砂さん!」
「ネギくーーーーん!無事だった!?」
「先生!よかった。のどかとくーふぇも生きてるよ!」
二人の言葉に安堵の表情が見えた。
「……さよなら、明日菜さん、エヴァンジェリンさん」
もうすぐここは爆発する。
縄梯子に乗ってヘリに乗り、その場を去る。

直後に校舎は大爆発をした。

【出席番号26 エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、高畑・T・タカミチ、源しずな 消滅】

【ゲーム首謀者消滅のためプログラム終了】

生存者
出席番号2・明石裕奈
出席番号7・柿崎美砂
出席番号12・古菲
出席番号27・宮崎のどか
担任・ネギ・スプリングフィールド

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