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ネギま!バトルロワイヤル6

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匿名ユーザー

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佐々木まき絵(出席番号16)は両手で銃を握ったまま呆然としていた。
スタートしてから、ただひたすら走った。方向もわからなくなるほど。
疲れてきたので背の高い木や草の茂っている花壇の中にしゃがみこみ、自分の武器を見た。
銃だった。映画やアニメで見るような、かっこいい銃だ。
説明書がついていた。
『ルパン3世も愛用しているワルサーP38がこれ。
 君もこれを使いこなして、かっこいいルパンになろう!』
ふざけている。だが、ルパン気分も悪くない。
いや、待てよ。ルパンは決して人殺しはしないはずだ。では、自分は………?
人を殺す為のゲームに参加している以上、この銃の目的は誰かを傷つけること。
自分を守る為。自分が生き残る為。それとも。
………誰かを守る為?

(きっとこれは全部夢で、目が覚めたら寮のベッドの上で……)
わかっている。全部叶うことのない夢だ。
水を飲み少しだけ冷静になった。
(なんで!なんでこんな目に遭わなきゃいけないのよ!)
よりによってクラスメイトと殺し合いをする羽目になろうとは。

夜も真っ暗だがまき絵は一睡もしていない。疲れや眠気より恐怖感で一杯だった。
身を屈め、花壇の中を五十メートルほど歩いた。地図とコンパスを見比べる。
そもそも自分がどこにいるのかすらわからない。
(一度花壇から出ないと)
大きな目をキョロキョロさせて、まき絵は花壇を抜けた。
目の前に人の背中があった。その手には斧が握られていた。
瞬時に降って来たような緊張感。咄嗟に引き金を引いてしまった。
鼓膜を叩きつけるような破裂音がした。目の前の背中がゆっくりと前に向かって倒れた。
まき絵は動けなかった。再び倒れている人物に目をやる。指先が地面を握ろうとしていた。
もがいているのだ。何が起こったのかわからずに。
立ち上がろうとするが果たせずにいる。
だがやがて、その動きもパタリと止まった。
「……あ、あぁ……」
まき絵は、取り返しの付かないことをしてしまったことに気づいた。

ふと、何かが聞こえた気がした。
綾瀬夕映(出席番号4)は自分の耳元に手をやった。軽く耳を叩いてみる。
首を傾げて、数回それを繰り返してみたが別段異常はなさそうだった。
「空耳?」
独りごちてみても、返事が返ってくるはずもない。空を見上げても答えはない。
空しさを感じて夕映は嘆息した。
「どこ行ったんですか、のどか……」
悪態っぽくぼやく。
「絶対狂ってるです」
夕映は独り言を続けた。漠然とした、しかし確実な恐怖。
手に握られた武器の斧が不気味に光る。
「何でこんな事になったんだろ……」
ポツリ、呟く。
あまりにも無力な問いかけだった。

その時、後ろからパンッっと小さな音がした。
「っ、は……ッ」
肺の奥から搾り出した空気が喉元で軽く爆ぜる。
目眩を感じ、のろのろと自分の身体を見下す。
そこにあるべきでないものを認め、文字通り血の気が引いていく。
右の下腹から真っ赤な液体が出ていた。
(死ぬ!?イヤです、まだのどかにすら会ってない。イヤ…です……)
足がもつれて、がくりとその場に崩折れる。右手からずるりと斧が滑り落ちた。
自分の影と血とが陰影を作っていくさまがやけに非現実的に見える。
頬が地面につく感触。
夕映は必死にもがいた、何が何でも立ち上がろうとした。
しかし、それは叶わず遂に力尽きてしまう。

「――――――?」
ああ、また空耳かな?何か、声みたいなものが聞こえる。人間の声みたいな、
風の音のような。死ぬ間際ってよくこういう事があるって言うけど・・・
「―――え……ゆ…え…――」
あぁ、もう一度のどかに会いたかったな。会って悪態の一つでもつきたかった。
「あ…ゆ、夕映!!」
(これって幻聴?、のどかの声に似てないですか?なんかリアルです。
 やっぱり死にたくないです、こんなんで死ぬなんて…。)
涙が溢れた。死にたくなかった。こんな馬鹿げたゲームで死ぬなんてあんまりだ。
誰かの腕を肩に感じ、夕映は泣きながら笑った。幻覚が酷くなってきたのだと思った。
(ああ、のどか……ネギ…せん…せい…どうして…)
胸中で呟く。涙が頬を伝ったのを感じた直後、夕映はぷっつりと意識を手放した。

宮崎のどか(出席番号27)は呆然としていた。そこには銃で撃たれた夕映が倒れていたからだ。
「夕映・・・・・・?しっかりして、夕映、夕映ーーーーー!」
だが、彼女の脈拍は既に止まっていた。
「ひぃっ・・・・・・」
夕映の身体を放り投げ、のどかは無我夢中で走り出した。
何度も足をつまずきそうになるが、それでも走り続けた。
(こ、殺される・・・・・・に、逃げないと、私も・・・夕映みたいに・・・)
 喉がカラカラになり、髪の毛が汗で額に張り付いてもそれでものどかは走り続けた。
とてもじゃないが、夕映の死体を埋葬するゆとりなどなかった。

【出席番号4 綾瀬夕映 死亡  残り22人】

背の高い草原の真ん中で空を見上げながら、釘宮円(出席番号10)は目を細めた。
真っ暗な空、吹き抜けるさわやかな風、その風に遠くから運ばれてくる波の音。
不思議と何もかもが心地良い。
「あー」
溜息ともあくびともつかない声を出して円はその場に座り込んだ。
やたらと重いデイパックを引き寄せ武器を取り出す。
折り畳み傘であった。雨しのぎなら使えるかもしれないが武器としてはハズレだ。
とすぐそばで誰かの足音が聞こえた気がして、円はまばたきをひとつした。

気のせいだ。気のせいでなければ困る。こんなところで死ぬわけにはいかない。
できれば美砂が出てきてほしい。
このような状況でなければ今一番会いたい相手であり、この状況だからこそ
今一番会いたい相手でもある彼女らの、思い出す表情は―――寂しそうなものばかりだった。
帰りたい。帰れない。なぜだ?
がさっと音がして裕奈が姿を現した。
「あ…裕奈?」
「よかった、無事だったんだ」
裕奈はアキラから譲り受けた首輪探知機で仲間を探そうとし10の赤いランプが一番近かったためそこに足を進めたのだ。
裕奈が安心した顔で近づいてくる。円は手にあるボウガンに目を進めた。
「そ…それが裕奈の武器…」
「うん」
軽く笑って応える裕奈。知り合い同士だからこそできる顔だが、円の方は険しかった。
近づく裕奈に対してゆっくり後ずさりしているのだ。
こんな状況だ、仲間になってくれと言いながら近づけば隙をついて殺せると思ったのだろう。
「円?」
「裕奈…あなたを信じていいんだよね…」
脂汗が円の額から流れる。
「待って。私はこのゲームに参加してない!だから…あっ」
焦って近づこうとして足元を良く見てなかったせいで飛び出た木の根に足をかける裕奈。

ドサッ パシュッ

転んだ拍子にボウガンを落とし、そのショックで矢が放たれる。
矢は円の右の耳たぶを掠めて側の木に刺さった。
「…ひぃ!」
足元のデイパックを拾うと円は一目散に逃げ出した。
「い…行かないで!待って!」
必死に叫ぶが円は消え去ってしまった。
「…」
孤独感があたりを包んだ。自分のせいで仲間にするチャンスを逃してしまった。
「あれじゃ、もう無理だよね」
半ば諦めの表情でボウガンを手に取る。

首輪探知機のスイッチを入れて別の相手を探そうとした瞬間、裕奈は驚いた。
そこには自分の2のランプ以外の光が重なっている、つまりそばに別の誰かがいるということだ。
「だ…誰か居るの?」
恐る恐る周りを見る裕奈、すると自分の真後ろで何かが降りたような音がする。

「動くな」
そこには先ほど木に刺さった矢が自分の首元に突きつけられてる。裕奈の体は一瞬で硬直した。
「拙者は戦う意志はないでござる。もし戦う気がないのなら武器を捨てるでござる」
楓が後ろから威嚇している。
「分かった。分かったから。私も戦う気なんかないんだよ。」
「ならば言う通りにするでござる。この状況で一つの行動が命取りになるでござるよ」
楓の言葉を聞くと裕奈はすぐにボウガンを捨てた。
「他に武器は?」
「この首輪探知機だけ。他は何もないから…お願い…信じて……」
左手の首輪探知機を見ると楓は裕奈を開放した。
「お主を信じていいのでござるな」
何も言わずに頷く裕奈。そしてふぅっとため息をつく楓。
「面目ないでござる。あんな所を見てしまって少し強引なやり方をとってしまって」
「いいんだよ。どうせ私のせいだし…」
少しうつむいて喋る裕奈。
「手伝って欲しいでござる、クーが足を撃たれて。」
「くーふぇが!」
スタート前にヘリの無線で足を撃たれた古がまだ生きていた。
「裕奈殿、手伝って欲しいでござる。」
「うん。分かった」
楓が風のような勢いで暗い森を駆け抜けていく。
裕奈は急いで楓の後を追った。

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