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ネギま!バトルロワイヤル8

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匿名ユーザー

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とにかく気分が悪い、なんとも形容しがたい史上最悪の朝食
早乙女ハルナ(出席番号14)はパンとお茶と蜜柑を食べていた。
失敬したお茶は大分温いが、それでも喉の渇きを潤すには充分だった。

今ハルナがいるのは民家だ。
ハルナはスタート直後、東へ一気に駆け出した。
途中、山の中へ入り暫く歩き続けていたら、民家を数件発見したのでそのうちの一軒に
お邪魔させてもらっている状態だ。ちなみに先ほど食べた蜜柑はこの民家の庭に生えている。
ハルナのデイパックには、サブマシンガンが入っていて、正直これを持て余している。
ふと耳を澄ますと、足音が耳に入った。相手に悟られぬよう、
窓から様子を伺えば―
「……このか?」
そこにいるのは木乃香だ。
気がつけば体が動いていた。窓を微かに開けて、小声で呼び掛ける。
「このか!」
「……ハルナ?」
「中入って!裏口が開いてる。私に敵意はないから信じて。」

木乃香は初め驚いた表情をしていたが、迷うことなく中に入ってきた。
ハルナは木乃香に、民家から失敬したお茶(※温い)を振る舞った。
「このか一人で行動してるの?だったら私と組まない?一人より二人の方がいいでしょう。」
「そうやな…」

と突然の音楽に驚いた。
何が起こったのかよくわからないまま、辺りを見回す。
マシンガンを抱えたハルナがカーテンの隙間から窓の外を見ている。
(………ああ、そうだ)
定時放送の時間であった。
「地図とペン準備して、禁止区域の発表があるわよ」
ハルナがマシンガンを床に起き、地図とペンを鞄から取り出す。
木乃香も慌ててそれに倣った。途端にあの少年の声が聞こえて来た。

『おはようございますぅー。皆さんよく眠れましたでしょうかー?』
場内スピーカーを使っているようだ。ハルナも木乃香も、一言も聞き漏らさないように耳をそばだてている。
『それではまず、亡くなった方の発表ですぅー』
緊張感が走る。木乃香の頭に刹那の名前がよぎる。聞きたくない。あの名前だけは。
『出席番号3番・浅倉和美さん、4番・綾瀬夕映さん、5番・和泉亜子さん、9番・春日美空さん、
 19番・超鈴音さん、21番・那波千鶴さん、30番・四葉五月さん、以上でーす。ご冥福をお祈り致しますぅー。』
2人は唖然とした。死亡者リストの中に夕映がいた。
「ふざけないで」
ハルナが小さく呟いた。殺し合いをさせておいて、何が『ご冥福をお祈り致します』だ。
ならこんなくだらないゲームをやめてほしい!これ以上死者を増やさない為にも!
だが放送は淡々と続いた。
『では、禁止区域を発表しまーす』
さっきとは違った意味の緊張感が走る。
『今から一時間後の7時にAの9、時にBの2、11時にEの6、以上でーす、引っ掛かっている人は上手く脱出して下さい。それでは頑張って下さーい』
放送が終わった。

ハルナはじっと地図を見つめている。
「木乃香」
そう声をかけて、言葉を失った。
木乃香は涙を流していた。
同じ図書館探検部としての友人。たまに変な飲み物を勧められるがそのときが一番楽しかった。
けれど、今は泣いている時間など無かった。
自分も泣きたい気持ちを必死で抑えて、ハルナは心を鬼にした。
「このか、移動よ」
木乃香は顔を上げた。
「え……でもここは禁止区域じゃ……」
「地図を見て。ここは宿泊施設が密集するエリアだから休みたいと思ったり、逃げ出したいと思った人はここに集まる。
 ゲームに乗った人なら、ここを狙うわ。」
木乃香は袖でゴシゴシと涙を拭う。
荷物を持ち上げ、二人は民家を立ち去った。

【残り22人】


たくさんの計器類とディスプレイに囲まれた部屋の中でタカミチはタバコを吸っていた。
銘柄は“ワイルドセブンスーパーライト”。こう見えても、彼は低タール派だった。
 彼が腰掛ける中央の席からは、ディスプレイの全てが見える。一応全権の指揮は
彼の手中にあった。そもそも3-Aを今度のプログラム対象クラスにするために、積極的に
軍関係者に働きかけたのが他ならぬタカミチ自身だった。
 シュー、と自動ドアが開き、しずなが入ってくる。彼女はタカミチの傍らに腰掛けて、
ディスプレイを眺める。
「ネギ先生はアスナちゃんとあやかさんの三人で行動しているみたいね」
「そのようだな・・・ところで、僕の演技はどうだった?」
「うーん。姿も声もネギ君そっくりだったけど、キャラが違いすぎじゃないかしら?」
「ははは。まぁそう言われると思ったよ。だが、あれは余興みたいなもんだからな」
「怖い人・・・」

 しずなはさり気なくタカミチの手に自分の手を重ねる。
周囲で兵士達が慌しく走り回る中、タカミチとしずなは手を取り合った。
「これが、僕達の第一歩だ――」
「高畑先生・・・」
「僕ら魔法使いは共和国内で厳しい立場にある。だが、先手を売って軍に今の内から軍に協力して
 おけば安泰だ。軍も、魔道戦士部隊の編成を急いでいる。」
「つまり、あなたは、軍にポストを求めるために3-Aを売ったと?」
「そう、君のために。僕達の輝かしい未来のために」
「あなたらしいわね。でも、そんな所が私を虜にしてやまないのかしら?」
しずなはタカミチにウインクしてみせた。

「来月には、総統陛下率いる国民党と民和党の圧倒的多数の賛成で魔女狩り法案が可決される。
 国内の魔法使いの8割は殲滅されるだろう。」
「・・・・・・。」
「黙ってても、ネギ君やエヴァンジェリンは消されるんだ。神鳴流の子らはどうなるか分からないが。
 どちらにしろ、特殊能力を持った人間の行動には大きな制約がつくことになるだろう」
「・・・そして、あなたはそれに手を貸す。そして私も」
「そう。それこそが僕らの唯一の自由への道だ。二人の生き残りをかけた」
「・・・ついていくわ、あなたに。例えそれがどんな棘の道だとしても」
「僕も誓うよ。神に背を向けても僕は君を永遠のものにする」
二人は作戦司令室で熱い口付けを交し合った。

【残り22人】

桜咲刹那(出席番号15)は、大きな建物のある丘の麓のレストランにいた。
スタートして木乃香を探すため、周りを歩き続けたが夜も更けたということで一時的な休憩場所として
この場を選んだ。入り口に着くと刹那は武器であるテニスラケットを取り出した。
一見、役にたたなそうだが刹那は器用にラケットに張られた糸を切り離し始めた。
一本一本、丁寧に。全て切り終えると、今度はそれら全てを結び合わせ始めた。
入り口や窓の近くなど何箇所かに糸を張らして、誰かが足を引っ掛けたら吊るした
空き缶が鳴るようにするトラップを作った。
そのトラップが完成するとやっとレストランの中に入り朝まで寝ていたと言うことだ。

(木乃香お嬢さま…私が必ずお守りいたします。)
木乃香に牙を向けるものは許さない。たとえクラスメイトだとしても…。
別の意味で刹那は覚悟していた。
それはもし自分と木乃香が最後まで生き残ったら迷わず自分が死を選んで木乃香を生き残らせる。
そして、それまでに木乃香を守り続けること。誰であっても木乃香の命を奪おうとするものは
どんな手を使ってでも殺さなくてはいけない。だからこんな所で死ねない。

だが、そんな自分を木乃香は許してくれるだろうか?おそらく許してはくれまい。
一生軽蔑されて、人殺しの汚名を着たまま恨まれるだろう
「このちゃん…ごめん」
誰に言うでもなく呟いた。

【残り22人】

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