クマはキルミーベイベーにも出たよ!





走る。追ってくる。
走る。追ってくる。
肺が酸素を求めて苦しげにのたうち回り。
今にも体の内部が破裂しそうだ。

歯が噛み合わずかたかたと鳴った
可愛らしい外見の暗殺者ソーニャは暗い森の中を駆ける。

木の根につまずいて不格好に転んでしまった。
背後にヒグマが直立してソーニャのすぐ後ろに立っている。
ヒグマの脅威はソーニャよりも遥かに強い道着の男の死で嫌というほどわかっている。
逃げられない。

「く、来るな……」

立ち上がれず這うようにしてヒグマより後退していくソーニャ。
指先が何かに触れて、ソーニャの絶望しきった瞳に危険な光が宿る。
それはダイナマイト、ダイナマイト、ダイナマイトでございました。
決して核爆弾ではないのです。

「か、かくなる上は」

生きながら食われるよりはと震える手でダイナマイトにライターで火をつけようとした。
だが動揺しきったせいか上手く点火できない。
ヒグマが今すぐにでもソーニャを生でバリボリしそうだというのに。

「は、はやく……」

懇願するように、それこそが逃げ道だと思った
ソーニャはダイナマイトにライターの火を灯そうと頑張る。
頭の片隅にいつも彼女にしつこく絡む女の子の姿が浮かんで
その時だけひきつりつつもソーニャは唇を笑みに歪めた。

「ごめんな、やすな」

「ふっふっふ」

ああ、ヒグマが笑い出した。
もうダメだ、自分はもうすぐ喰われるんだと諦めかけたソーニャ

「グーテンモルゲーーーーーーン!!!!」

を他所に
突如ヒグマがキャストオーーーーーーーーーーーーーーーフ!!

「ふんぬーーーーーーーーーーー!」

即座に中から現れたやすなへソーニャの拳がスマッシュ!

「いったーーーーーーい!
 なにすんのソーニャちゃん」

「なにすんのじゃねえだろ!
 てめえ、散々人を驚かしやがって!」

スプラッター映画のワンシーンじみた風景から一転
いつもの空気に戻ったソーニャは思う様やすなを殴る。

「ちょっ、痛い! ごめん、ごめんてソーニャちゃん」

「ごめんですむか! わたしがどれだけ怖い思いしたと――」

だが彼女たちは気づかなかった。
足元に転がっているダイナマイトにはすでに火が点けられていたのだと。
そして悲劇は爆風とともに呆気なく二人の命を奪った。
















ドッカーーーーーーーン!















【ソーニャ@キルミーベイベー 死亡】
【折部やすな@キルミーベイベー 死亡】

【H-8森/深夜】

ホントのヒグマは秘密だよ!


No.020:デデンネと友達! 投下順 No.022:地上最強の生物対ハンター
No.020:デデンネと友達! 時系列順 No.022:地上最強の生物対ハンター
ソーニャ 死亡
折部やすな 死亡

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最終更新:2014年10月04日 20:40