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この胸の奥深くともした炎は

ラブホテルの前で、柄部霊歌、守谷彩子、熊本潤平、新藤真紀巴御前の五人は放送を聞いた。
死者として呼ばれた名前の中に、潤平の捜していた「飯島遥光」の名前があった。

「……」

潤平は呆然としていた。
いや、溢れ出しそうな感情を必死に抑えているように、真紀達には見えた。

「……潤平」

恐る恐る、真紀が潤平に声を掛ける。

「……いや、覚悟はしていたんだ。だけど、だけどさ、いざ、その時になってみると……。
……う……うっ……」

ふらふらと歩き、潤平はキャンピングカーの車体に顔を押し付け、両手を車体に叩き付けた。

「……ッ……あ……真紀ちゃん、みんな」

震えに震えた声で、潤平が真紀達に言う。
顔こそ見えなかったが、もうどんな様子になっているのか真紀達は想像出来た。

「必ず、必ず立ち直るから、い、今だけは……う、あああ、うおおおおぉおおああぁあぁあ!!」

それはまさしく「慟哭」。
大声を出す事が危険だと言う事も、女の子達の目の前だと言う事も全て承知の上で、潤平は涙を流す。
この殺し合いのどこかで死を遂げた最愛の人のために泣く。
どのような最期を遂げたのか、最期に何を思ったのかは分からない。
分からないが、それを考えれば考える程、溢れる涙は増えていった。

「うぉぉおおおぉおおお……!! おおぉおおおおおぉおお……!!!」

地面に崩れ落ち、突っ伏して、潤平は涙を流し続けた。
真紀達は、言葉も掛けられずただ見守るしか出来なかった。

どれくらい時間が経ったであろうか。
潤平の慟哭は止まった。
ゆっくりと立ち上がり、服の袖で顔を乱暴に拭う。
そして、真紀達の方に振り向いた。
目と頬は赤くなり、涙と鼻水の跡が残るその顔はお世辞にも男らしいとは言えない。

「……潤平、大丈夫?」

真紀が尋ねる。
大丈夫では無い事は分かってはいたが聞かずにはいられなかった。
深呼吸してから、潤平が口を開く。

「ああ……みっともない所、見せちまったな。
本当にすまない、みんな……でも、大声で泣いたおかげかな、ちとスッキリしたよ……。
……もう、大丈夫だ」
「……そんなくしゃくしゃの顔で言われても、説得力あらへんけど」
「はは……まあ、許してくれよそれは」

巴御前の指摘に、力なく笑いながら潤平は返す。

◆◆◆

大切な人を失った悲しみ、潤平の気持ちは、柄部霊歌にもよく理解出来た。
霊歌もまた、この殺し合いで最愛の兄を失ったからである。
兄が死の直前に言い残した言葉によれば、主催者の差金――ジョーカーとして参加したため死んでも名前は呼ばれない、と。
確かに放送では兄の名前――柄部霊貴の名前は呼ばれなかった。
だが、兄を失った事は、事実であった。

「……熊本さん、大丈夫でしょうか」
「霊歌ちゃん?」
「立ち直ったように見えますが……相当ショックを受けているのは確かです。
悪い方向に向かわなければ、良いのですが……」
「そうだね……」

潤平を心配する霊歌を見て、彩子は心中で彼女の成長を少し喜んでいた。
出会った時は殺し合いに乗る決意までしていたのが、今は他人を気遣えるまでになったのだから。
心なしか、表情もかなり優しくなったように見える。
霊歌の兄から、霊歌の事を頼まれた身としては嬉しい事であった。

「どうかしましたか?」
「え? いや、何でも無いよ」
「……?」

◆◆◆

五人はキャンピングカーに乗り込む。
運転は新藤真紀、助手席は熊本潤平。居住スペースに巴御前、柄部霊歌、守谷彩子。

「仲間捜すと言ってもどこへ行くん? 結構広いでこの島。禁止エリアとかにも注意せなあかんやろうし」

巴御前が潤平に訊く。
潤平は地図を広げながら思案する。

「うーん……人が集まりそうなら、ショッピングセンターか、このでかい建物のある市街地か……。
南の方の市街地は全部禁止エリアになったからなあ、他にも幾つか禁止エリアになっているし、
人の移動も相当あるだろうし……」
「どうすんねんって」
「まあ、道路走ってるんだからそれに沿って色々回ってみようぜ。
な、真紀ちゃん。それで良いだろ?」
「……そうね。元々宛ても無いんだし……」
「よし、それじゃ出発しようぜ」
「はいはい」

真紀がエンジンを起動させ、ギアをドライブに入れサイドブレーキを外し、アクセルを踏み込む。
キャンピングカーはゆっくりと発進した。

「……潤平」
「何だい、真紀ちゃん」
「本当にもう、大丈夫なの?」
「……悲しみはもう和らいできたよ、むしろ、今は……」
「……ッ」

運転をしているため、真紀は横目で助手席の潤平を見た。
そして思わず息を呑む。
底冷えするような殺意の籠った双眸が、微かに見えたからだ。

「……人無を、殺してやりたい。遥光を殺した奴を、殺してやりたい」
「……」
「いや、絶対に、殺す。根絶やしにしてやる。絶対にだ」
「潤平……」
「ん? あああ、悪い悪い、怖がらせちまったかな。ははは……余り気にしないでくれ」

取り繕って笑う潤平だったが、目は全く笑っていないのを真紀は見逃さなかった。
数時間前、まだ潤平と二人で行動していた時、
「飯島遥光が死んだらどうするか」と言う真紀の問いに対して、潤平は、
「殺した奴を殺す。主催者も殺す。この上なく酷いやり方で殺す」と答えた。
そして飯島遥光の死は現実のものとなった、潤平は答えた言葉通りの事をやるだろう。

(まあ、止める気は無いけど……余り仇討ちにこだわり過ぎて、取り返しのつかない事に、なんて事にはならなきゃ良いけどね)

基本的に真紀は、潤平の好きにさせるつもりではあった。
全く心配事が無い訳では無かったが。
自分も以前の殺し合いで何人もの命を屠ってきたので余り偉そうな事も言えない、と言うのもあった。

五人を乗せたキャンピングカーは、仲間を求めて殺し合いの舞台を走る。




【F-1/ラブホテル城周辺/一日目/日中】

【熊本潤平@数だけロワ】
[状態]:主催者及び飯島遥光を殺害した者への憎悪と殺意、精神的ショック(中)、キャンピングカーの助手席に乗っている
[服装]:少し砂埃で汚れている
[装備]:ウィンチェスターM1897(3/5)
[道具]:基本支給品一式、12ゲージショットシェル(5)、M1917銃剣、ベルグマン・ベアードM1908(2/6)、
装弾クリップ(9mmラルゴ弾6発入り×3)、こけし、ベレッタM92(12/15)
[思考]
基本:女を守る。主催者達と、遥光を殺した奴を殺す。
1:真紀ちゃん、巴さん、霊歌ちゃん、彩子さんと行動。
2:凛々ちゃんは……。
3:仲間を探していく。ただし、殺し合いに乗った人物に情はかけない。
[備考]
※数だけロワ29話「無題――――NoTitle――――」以後からの参戦です。
矢部翼の外見のみ記憶しました。

【新藤真紀@俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康、キャンピングカーを運転中
[服装]:特筆事項なし
[装備]:キャンピングカー(車体に若干の破損あり)
[道具]:基本支給品一式、ベレッタM92予備弾薬(30/30) 、ケンタッキーフライドチキンの皮入り箱
[思考]
基本:一応殺し合いには乗らないことにする。
1:一応潤平についていく。
2:ただし、強そうな、面倒そうな人物にはなるべく関わらないようにする
3:何とかして潤平から銃を返してもらう。
[備考]
※本編終了後からの参加です。

【巴御前@夢オチだったロワのキャラでバトルロワイアル】
[状態]:疲労(大)、腹部にダメージ(中)、右足に裂傷、キャンピングカー後部スペースに搭乗中
[服装]:白装束
[装備]:安物の弓
[道具]:基本支給品、シャベル
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:熊本たちと行動する
2:刀の女(詩織)には警戒
[備考]
※夢オチロワ「怠慢な革命家」より登場。傷は主催により治っています。
※固有能力には大幅な制限がかかっています。

【柄部霊歌@サイキッカーバトルロワイアル】
[状態]:健康、キャンピングカー後部スペースに搭乗中
[服装]:特筆事項なし
[装備]:フランベルジェ
[道具]:基本支給品、カレーの材料セット、大量の包丁(現地調達)
[思考]
基本:バトルロワイアルを破壊する。
1:彩子さんを守る。熊本さんたちも、全員守ってみせる
[備考]
※登場時期はサイキッカーバトルロワイアル開始後、福沢正也と出会ってから。
※守谷彩子への勘違いは解けました。
※辻斬り思考が消えました。

【守谷彩子@需要なし1st】
[状態]:健康、キャンピングカー後部スペースに搭乗中
[服装]:特筆事項無し
[装備]:M1ガーランド(8/8)
[道具]:基本支給品、鍋、皮むき器、調味料一式
[思考]
基本:自分らしくお気楽に生きよう。
1:霊歌ちゃんを守る。潤平くんたちと行動。
2:なにか罪滅ぼし的なことは出来ないだろうか。
3:あのAV衝撃的すぎたわ……。
[備考]
※需要なし1st死亡後から登場。
※柄部霊歌への勘違いは解けました。
稲垣葉月レックスのAVを見てしまいました。


※キャンピングカー及び五人がどこに向かうかは次の書き手さんにお任せします。


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069:その先にある、誰かの笑顔の為に 柄部霊歌 :[[]]
069:その先にある、誰かの笑顔の為に 守谷彩子 :[[]]
069:その先にある、誰かの笑顔の為に 熊本潤平 :[[]]
069:その先にある、誰かの笑顔の為に 新藤真紀 :[[]]
069:その先にある、誰かの笑顔の為に 巴御前 :[[]]

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最終更新:2013年04月23日 06:14