――誰もがシンデレラ、夢から今目覚めて

      ――始まるよ、新たなストーリー描いたら 

        ――つかもう、私だけの光(My Only Star)

          ――まだまだ遠くだけど、光降り注ぐ明日へ向かうために




   ▼  ▼  ▼



 ――昭和五十五年、冬木。


「……携帯が繋がらない時代なんて、想像もしたことなかったな」

 渋谷凛はそう一人呟き、改めて、自分が生まれる前の世界を見回した。
 まるで夢を見ているようだ。そう思ってしまうくらいに、この光景は凛の見慣れた街並みとは違っていた。

 「今」からすれば三十年以上は未来の、新しくも懐かしいあの街を、凛は思い出す。

 まだ輝く世界へと続く最初の一歩を踏み出す前から、あの街の雑踏の中に彼女はいた。
 夢中になれるものがあるわけでもなく、それをまあこんなものかと諦めて、ただ過ごしていた日々。
 だけど、全てを変えたあの一歩もまた、あの街で彼と出会った時に始まったのだ。

 忘れるわけがない。最初はなにか質の悪い勧誘だと思ったぐらいだけど。
 でも、あの日のプロデューサーとの出会いこそが、凛にとってのガラスの靴だった。
 あの日の出会いがなければ、凛はきっと、夢中になれるものに出会えることなく過ごしていただろう。
 輝きの向こう側を知ったから、あの人が、あの少女たちが手を引いてくれたから。
 だからこそアイドルとして、幾多の苦難を乗り越え、大切な仲間たちと出会い、凛は成長していけた。

 信じることの強さを知った。夢見ることの輝きを知った。
 そして叶えたいと思った。心の底から。こんな気持ちになるのは初めてだった。
 夢は夢で終われない。動き始めていったのだ、輝く日のために。

 輝くステージ。煌めく衣装。ただの女の子にとっては遠く眺めるだけの場所だった、お城の舞踏会。

 アイドルとして己を高め、昨日の自分を越えてゆくたびに、それは御伽話の挿絵ではなくなっていった。
 手を伸ばせば届く場所。いつの日にか辿り着ける、輝きの向こう側。
 たくさんのライバル達と競い合い、磨き合い、共に笑い合って、向かっていったその先に。
 誰もが憧れた、あのシンデレラの舞台があったのだ。

 凛にとってそれは、幸せな記憶だった。
 辛いことはたくさんあった。苦しいこともたくさんあった。
 それでも、そんな日々を乗り越えたからこそ手に入れられた輝きがあった。
 そう、『今の凛』は記憶している。

 だけど、今、そんな積み重ねた日々が始まる前の時代の街並みを――凛は、聖杯戦争の当事者として見下ろしていた。

「聖杯戦争、ね……」

 自分にとっては時代がかって見える服装の人々が行き交う雑踏を、ビルの上から一望しながら。
 凛は、まるで他人事のように疑問に思う。

 聖杯に託すような願いが、本当に自分にあるのだろうか? 

 凛にとっては願いとは自分の力で叶えるものだから、聖杯に頼るのは違うのではないか、という思いはある。
 もちろん一人の力では出来ないこともあるだろう。それでも頼ることと頼り切ることは違う。
 魔法使いにかぼちゃの馬車とガラスの靴を与えられたとしても、舞踏会に出るのは自分自身なのだ。

 だからこそ、この聖杯戦争で叶えなければならない願い――。
 いくら足掻いても到底自力では叶えられない願いなど、凛にとってはそれこそ無縁のものであるように思えるのだった。


 ――もっとも、今の凛がはっきりとした願いを持てないのには、もっと別の理由があるのだろうけど。


 凛は下界から視線を戻して、そこでようやく、隣で立ち尽くしている少女のほうへ目を向けた。

 率直な印象を言ってしまえば、印象の薄い子だ。
 クラスで三番目くらいに可愛い感じの、だけどあまり注目はされないような。
 年頃は凛と同い年ぐらいだろうが、制服を着崩している凛と違って、至極普通に制服を制服らしく着ている。
 かといって、特段固くて真面目であるようにも見えない。あくまで、何処にでもいる、凡庸な、当たり前の女の子。

 それが凛にとって、パートナーとなる少女――『岸波白野』に対する印象だった。

 だけど。言葉では言い表せないけれど、凛には、自分が何故彼女と惹き合うこととなったのか、察しはついていた。
 似ているのだ、きっと。今の自分と、彼女の、その中途半端な在り方が。
 そして、恐らくは、その魂の形も。

「ふーん、あんたが私の『マスター』? ……まぁ、悪くないかな」

 凛を『サーヴァントとして召喚した』少女に向かって、ぶっきらぼうに声を掛ける。
 確か昔、あの人に向かっても似たようなことを言ったなと思い出し、不思議な気持ちになる。
 あれはきっと『アイドルである渋谷凛』の記憶であって、『英霊』として召喚された自分のものではないはずなのに。

 呆然としていた白野が名を問うのを聞き、凛はその身を翻した。

 身に纏っていた高校の制服が光に包まれ、代わりに魔力で編み上げられた装備が姿を現す。
 露出の多いセパレートの鎧を丈の長い蒼のマントとスカートが覆う。
 両手が同じく篭手で、両足の腿までがガーター付きの黒いソックスで覆われ、膝から下は更にブーツで固められた。
 魔力の膨張が巻き起こす風が、マントを、スカートを、彼女の流れるような黒髪をたなびかせる。
 纏うのは蒼。冷気の奔流。凛が得意とする魔力の形――蒼き炎。
 そしてその手に握るのは、透き通るような錯覚を覚えそうなほど蒼白く輝く、両刃の剣。

「私は凛。渋谷凛。今回の聖杯戦争では、『剣士(セイバー)』のクラスとして召喚されたみたい」

 そう口に出してから、小さくかぶりを振る。

「……ううん、ちょっと違うかな。正しくは『ネバーセイバー』……あり得ないはずなのに、ここにいる。それが、私」

 その事実は、凛にとっても意外と言う他ない事態だった。
 しかし、事実なのだ――渋谷凛が剣士として召喚されたことも、そして、その英霊としての本質も。
 目の前の彼女がそれを受け入れるように、他ならぬ自分自身が受け入れなければならないと、凛は自分に言い聞かせていた。
 そうしなければきっと――聖杯戦争という壁には、立ち向かえないから。



   ▼  ▼  ▼



 『空の世界』――そう呼ばれる世界があった。

 青空に浮かぶ島々。その間を行き交う空を飛ぶ艇、「騎空艇」。
 それを操る人々は「騎空士」と呼ばれ、時には危険な冒険にも身を投じていた。
 死滅したとされる地上。星の民の遺産たる生物兵器、星晶獣。語り継がれる神秘、魔法。
 危険と隣り合わせでありながら、同時に未知へのロマンをも内包する、そんな世界だった。

 現代日本に暮らすアイドル、渋谷凛は、その『空の世界』を訪れたことがある。

 正確には、その世界のことを夢で見たのだ。
 凛は、同じ事務所のアイドルである島村卯月や本田未央、神崎蘭子達と、夢の中で『空の世界』を冒険していた。
 凛と卯月は剣士、未央は銃士。蘭子は召喚獣たる覚醒魔王となって、騎空挺に乗り騎空士達と共に旅をした。
 それは凛にとってはただの夢で、それでも不思議なくらい存在感のある夢だった。

 しかしそれは夢であって、夢ではなかった。
 空の世界は――『大いなる青の幻想譚(グランブルーファンタジー)』の世界は、確かに存在した。

 その世界の人々は、ある日突然この世界を訪れた少女達のことを忘れなかった。
 彼らは少女達のことを口伝で、歌で、あるいは書物として語り伝えた。
 物語はいつしか伝承となる。彼女達は、夢の世界で英雄となったのだ。

 その伝承を、人知れず遥か遠方から記録し続けている物体があった。
 ムーンセル・オートマトン。全長三千キロメートルに及ぶフォトニック純結晶体。
 全地上の記録にして設計図たる、神の遺した自動書記装置。
 時空を超えて偏在していた超級の聖遺物は、彼女達の伝承をもその記録として保存していた。

 しかし、伝承の記録だけでは英霊は英霊足り得ない。
 元の世界におけるアイドルとしての渋谷凛ならばともかく、この『空の世界』の凛にその資格はない。
 そこには確かに物語はあったが、実体と呼べるほどの確かな存在がなかったからだ。

 しかし、ここに不確定要素(イレギュラー)は起こる。

 ムーンセルが記録していた英霊としての枠組みに、本来の「渋谷凛」の人格と記憶がダウンロードされた。
 英霊足り得ないはずの存在が、サーヴァントとして召喚される条件を満たしてしまった。
 あってはならないエラー。発生しないはずの不正データ。

 この聖杯戦争におけるイレギュラーが生んだ、存在しないはずの剣士――『ネバーセイバー』。


 凛の話を聞き、マスターである私、岸波白野は思う。
 彼女が不正規の英霊として召喚されることになった原因とは、きっと――


 >1.それはきっと私――岸波白野のせいだ。
 2.それは多分ザビエル氏のせいだ。


 不正規のサーヴァントが召喚された原因。それは、マスターである私自身が不正規な存在だからだろう。
 作り上げられた枠組みに、イレギュラーとして自我が与えられてしまった。それは他ならぬ私自身の相似形であるわけだし。
 それ以上に、何よりも、私が此処にいること自体が、見方によってはバグ以外の何物でもないのだから。

 私は、岸波白野は、かつて彼女とは違う私のサーヴァントと共に月の聖杯へと至り――そして既にデータとして解体されている。

 不正データとして削除されたはずの私がここにいる理由。
 それは多分、ムーンセル自体が目的をもって私という不正データを再構築したからだろう。
 そしてその理由こそが、この『昭和五十五年の聖杯戦争』。
 ムーンセルの存在に対する妨げとなりかねないこの聖杯に対して、ムーンセルが送り込んだ「抗体」。
 しかしあからさまに刺客を送れば、この聖杯の管理者に警戒される。それゆえの、ほんの些細な措置。
 他愛ないバグを引き起こすコンピューターウイルス。あるいは、聖杯戦争というシステムへのアンチプログラム。

 恐らくは、こう――『岸波白野は一時的に再構成されただけの存在であり、聖杯に接触することはあり得ない』。
 加えて、こうか――『しかし、だからといって、岸波白野は抗うことを決して辞めたりはしないだろう』。
 故に、こうなる――『この聖杯戦争に対して、岸波白野はセーフティ付きの妨害装置として機能する』。

 私という存在が立ち向かうことをやめては生きていけないことを理解した上で、この聖杯戦争へのカウンターとして利用している。
 よくも上手く使ってくれるものだとほとほと感心することしきりだが、しかし、ドロップアウトするわけにもいかないようだ。

 何故なら――私は、逸らすことなく視線をこちらに向けてくる黒髪の少女を見つめ返した。

 普通のサーヴァントならば、マスターが敗退すれば英霊の座に戻るだけだろう。だが、彼女はどうだ?
 彼女は「渋谷凛」ではあっても「アイドルとしての渋谷凛」ではない。本来は存在しないはずのサーヴァントだ。
 つまり、彼女はこの聖杯戦争から退場した場合、英霊の座に戻ると同時に解体されてしまうのではないか。
 ……かつての、私自身のように。

 言い淀みながら、それでもそう伝えた私へと応えるように、ネバーセイバー・渋谷凛の視線に意志の光が灯った。

「きっと今の私は、夢の続きを見ているようなものだと思う。あの日見た夢の続きを、夢の中の私だけが見続けているんだと思う」

 そう言って、癖なのだろうか首の後ろを手でさすりながら、それでもその名の通り凛として、彼女は言うのだ。

「それでもさ――『“夢”は“夢”で終われない』。そうでしょ、マスターも?」

 ああ――そうだ。

 確かに彼女は、私に、岸波白野に召喚されたサーヴァントなのだと、その時はっきりと確信した。
 諦めない。諦めることを良しとしない。立ち向かう。どんな困難にも。
 アイドルであったオリジナルの彼女は、そうやってどんな苦難も越えてきたのだろう。
 そして、その心を引き継ぐ彼女、ネバーセイバーも。

 彼女の言う通りだ。夢は夢で終われない。
 彼女の、あるいは私にとっての「今」がただのひと時の『夢』に過ぎないとしても。
 ムーンセルによって与えられた役割を演じるしかない、『幻』のような生だとしても。

 >私は、生き続けることを諦めない。

 私のサーヴァントに向かって、高らかにそう宣言する。
 あの月の聖杯戦争で、私に最後まで力を貸してくれたあの英霊の想いに報いるためにも。
 今目の前で微かに微笑んでいる、この蒼い少女と共に進むためにも。

 勝ち残ったとして聖杯に辿り着けるかどうかは分からない、だからなんだ。それがどうした。
 未来が不確定であることが、岸波白野(わたし)が、渋谷凛(かのじょ)が、歩みを止める理由になるものか。
 彼女が応えてくれる限り、私は私として、この聖杯戦争へと立ち向かうと誓おう。


 >――“心は決して折れはしない(Never Say Never)”。


 この街で、私達は、夢から目覚める。



【クラス】
ネバーセイバー

【真名】
渋谷凛 @アイドルマスター シンデレラガールズ(グランブルーファンタジー)

【パラメーター】
筋力B 耐久D 敏捷B+ 魔力B 幸運A 宝具B

【属性】
中立・善


【クラススキル】
醒めない夢:?
存在しないはずの剣士「ネバーセイバー」が所有する詳細不明のスキル。
この特殊スキルを持つ非正規の英霊は、聖杯戦争のシステムに何らかの変調をもたらす可能性がある。
このスキルにランクは存在せず、変動することもない。

対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:E
 騎乗の才能。幻獣種を除く大抵の乗り物なら辛うじて乗りこなせる。
 騎乗にまつわる逸話に乏しいため、剣士のクラスとしての申し訳程度のクラス補正に留まる。


【保有スキル】
シンデレラガール:A
ただの女の子からアイドルの頂点へと昇りつめた少女の称号。
苦難を乗り越えて成長した逸話により、困難へと立ち向かう時にステータス以上の力を発揮できる。
また彼女の歌やアイドルとしての魅力は、相手の性別を問わず惹きつける一種の魅了として発揮される。

夢幻の剣技:B
アイドルであるはずの凛が夢の中の『空の世界』で使っていた剣術。
ネバーセイバーは本人も知らないはずの剣技をまるで「知っている」かのように使いこなす。

魔力放出(蒼):C
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。
冷気を放つ蒼い炎が魔力となって使用武器に宿る。
斬撃の威力を向上させるだけでなく、冷気を飛ばしたり、乱反射する雪の結晶を目眩ましにするなどの応用も可能。


【宝具】
『青天に歌え蒼の剣(アイオライト・ブルー)』
 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 ネバーセイバー・渋谷凛の奥義たる魔法剣。
 その刃を手でなぞることで蒼の炎を纏わせ、斬撃と共に冷気の魔力を炸裂させる。
 また魅了状態の敵に対しては、シンデレラの輝きが内なる光の魔力を引き出し更なる威力を与える。
 威力と扱いやすさ、決して高くない消費魔力と、バランスよく高いスペックを持つ宝具。
 なお彼女の最終宝具の発動中は真名が『蒼穹に響け蒼の剣(ヴォルト・オブ・ヘヴン)』に変化し、性能が強化される。


『召喚石・傷ついた悪姫(ブリュンヒルデ)』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:100人
 二対の黒翼と闇の魔力を纏いし覚醒魔王を召喚する力を秘めた召喚石。
 魔王はその右手に炎、左手には氷を宿し、それら二系統に加え強大な闇属性の魔術で敵を殲滅する。
 外見は中学生ほどの少女に見えるが、難解な言い回しを好むため、その意志をある程度汲めるのは召喚者の凛ぐらいである。
 …………言うまでもないが、その正体はアイドル神崎蘭子が夢の中の『空の世界』で真の魔王の力を手にした姿。
 しかし、曲がりなりにも星晶獣に準ずるものへと昇華された存在であり、神秘の格は標準的な幻想種に匹敵する。


『そして届く蒼穹の果て(ヴォルト・オブ・ヘヴン)』
 ランク:B+ 種別:対心宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:自身
 渋谷凛の最終開放宝具。蒼の輝きを放ちながら天空に浮かぶ、彼女のためのライブステージ。
 グランブルーファンタジーの最終開放グラフィックでは彼女一人分の足場となっているが、注ぎ込む魔力次第で広域に拡大可能。
 その本質は、凛の呼びかけに応えてこの限定空間に結集する「渋谷凛を応援する全ての人間の心」によるバックアップ。
 場所を超え、時代を超え、世界すらも超えて、空で、地上で、渋谷凛へと送られる無数のエールが、彼女に困難へ立ち向かう力を与える。
 このステージが維持されている限り、特殊スキル「シンデレラガール」のランクはA+++に、それ以外のスキルランクは全てAになる。
 声援を受け、限界を越えて輝く――存在が不確かなネバーセイバーの、それでも確かに信じる在り方が具現化した宝具。

【weapon】
蒼い刀身の剣を使う。


【人物背景】
出典はゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』、そしてそのコラボレーション先である『グランブルーファンタジー』。

渋谷凛は十五歳の女子高生。そして『シンデレラガール』の座にまで昇りつめた人気アイドルだ。
クールでぶっきらぼうだが、人一倍努力家であり、自分に妥協を許さない性格の少女である。
ある日彼女は夢を見た。それは蒼天を騎空艇が飛ぶ『空の世界』の夢。その世界で凛は剣を握り戦っていた。
しかし夢はいつか醒める。凛は不思議な夢のことを時折思い出しながらも、元の生活へ戻っていった。

しかし彼女にとっての『夢』は、空の世界――『グランブルーファンタジーの世界』の人々にとっては現実だった。
ある日突然現れ、そして去っていった幻の剣士。空の世界の人々は彼女を忘れなかった。
その伝承が英霊としての枠を形作り、聖杯がその枠に相応しい魂としてオリジナルである渋谷凛の心と記憶を当てはめた存在。
それがサーヴァント『ネバーセイバー・渋谷凛』の正体であり、厳密にはアイドルとしての渋谷凛が召喚されたわけではない。

この聖杯戦争に紛れ込んだ岸波白野というプログラムエラーが生み出した、存在しないはずの剣士――ネバーセイバー。


【サーヴァントとしての願い】
英霊として不確かな状態であり、願いと呼べるほどはっきりとしたものは持っていない。
それでも、決して立ち向かうことを諦めたりはしない。



【マスター】
岸波白野(女)@Fate/EXTRA

【マスターとしての願い】
不明。

【weapon】
ムーンセルによって送り込まれる際に、コードキャスト用の礼装を幾つか持ち込んでいる(本人が選んだわけではない)。

【能力・技能】
魔術師としての才能は平凡。
しかし戦略眼に秀で、月の聖杯戦争を通して更に磨きがかかっている。

【人物背景】
Fate/EXTRAの主人公(性別はプレイ開始時に選択可能)。
個性に乏しく「存在感が薄い」と言われがち。某サーヴァント曰く「典型的な汎用救世主型主人公」。
しかしその一方で逆境においても決して諦めない往生際の悪さが特徴で、悪足掻きを得意とする。
その必死の行動は下馬評を覆し、数々の格上のマスターたちにさえ抗しうるほど。
物語開始時点では記憶喪失であり、自分が何者かも分からない状態で悩みながらも成長していく。

その正体はムーンセルにアクセスした魔術師ではなく、何らかの原因で自我を持ってしまったNPCであった。
月の聖杯戦争にあたって「生まれた」ような存在であり、記憶喪失などではなくそもそも過去というものを持たない。
地上の人間がモデルではあるのだがその本人ではなく、いわばその人物を枠として新たな人格が芽生えたようなもの。
ムーンセルにとってはバグのようなものであり、聖杯にアクセスしたが最後、不正データとして認識されてしまう。

この聖杯戦争における白野はかつて月の聖杯戦争で最後まで勝ち残り、聖杯を手にしながらもムーンセルに解体されたはずのデータである。
しかしその異常なまでの諦めの悪さを一種の「抗体」とすべくムーンセルにより再構築された――この聖杯戦争に対するアンチプログラムとして。

【方針】
自身が不正なプログラムであることは自覚しており、たとえ勝ち残っても聖杯には辿り着けないのではないかと感じている。
それでも、決して立ち向かうことを諦めたりはしない。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年08月05日 22:32